カテゴリー別アーカイブ: コラム

月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(15)―箇条書きの話、世間の箇条書きガイド(続き)

月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(11)―箇条書きは難しい?でも触れたとおり、Microsoft Wordの箇条書き関係の機能、箇条書きスタイルを理解して使いこなすのは結構難しいと感じています。考えてみると、その原因はいろいろあります。大きく分けると次のふたつになります。

  1. 普段、文章を書いたり読んだりするときの箇条書き(世間の箇条書き)と、Wordでの箇条書きの機能のミスマッチ
  2. Wordの箇条書き機能、箇条書きスタイルが整理されていなくて複雑になっている

箇条書きの探索を進めるために、まず最初に世間の箇条書きについて、前回(月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(14)―箇条書きとはなにか?、Oxfordスタイルと、HTMLを見ました。

もう少し調べてみましょう。The Chicago Manual of Style (17th Edition)では、Lists and Outline Styleという項で箇条書きについてまとめています。
概要は次のとおりです。
・リストの項目は並列の要素で構成するべき
・先頭の番号や文字は省略可能
・近接する類似リストは同じ扱いにする
・リストには文章中(run-in)と垂直リスト(vertical-list)がある。短くてシンプルなリストは文章中の方が良く、組版で目立たせたり、長い、あるいは多段階のものは垂直リストが良い

この他、箇条書きでの大文字化や句読点のような英語特有のルールも記述されています。本書はサンプルがいろいろ掲載されており、結構充実しています。次は多階層の箇条書きのサンプルです。

Chicago Manualの多階層箇条書きのサンプル(p.415)

Chicago Manualの多階層箇条書きのサンプル(6.132 Vertical lists with multiple levels (Outlines). p.415)

Chicago Manualには箇条書きにすべきでない例として次の説明があります。
「箇条書きの項目が非常に長い文、あるいは複数の文から構成されるとき、(中略)項目は通常の段落テキストのように組版し、段落先頭に番号をつけて組版できる」(p.415)

日本語では、「JIS X 4051日本語文書の組版方法」の8.4 箇条書き処理の規定があります。概略を紹介します。

箇条書きには用語定義型箇条書きと項目列挙型箇条書きの2種類があり、
用語定義型
用語と定義の構成として用語の直前で改行する。用語と定義は同行にするか、用語の終わりで改行するかの選択ができる。用語のフォントの既定値は角ゴシック。用語と定義(改行するとき)の段落字下げは定義の記述の文字サイズの全角アキ。用語の終わりで改行しない場合、用語と定義の記述との字間を定義の記述の1文字分のアキとする。
項目列挙型
順序付き列挙と順序なし列挙がある。箇条項目はそれぞれラベルと箇条内容で構成する。箇条項目は改行にする。順序付きのときのラベルは横書きならアラビア数字、縦書きのときは漢数字を既定値とする。また順序なし列挙のラベルはビュレットを既定値とする。ラベルは箇条内容の2文字分領域に、縦書きでは下、横書きでは右に揃えて配置するのを既定値とする。順序ラベルと箇条内容は、箇条内容の文字サイズの全角アキとする。

JIS X 4051で規定する箇条書きの種類はHTMLの箇条書きの種類と似ています。しかし、OxfordやChicagoのような段落内に配置する(run-in)箇条書きが規定されていません。

JIS X 4051を除く手元の日本語組版関係のガイドブックでは箇条書きについてのガイドはあまり詳しくありません。例えば、『原稿編集ガイドブック』は「箇条書きは番号を付けるか、付けないか、付けるとすればどのような番号にするかを決める」(p.78)というガイドのみです。ちなみに本書のページは、全般的に箇条書きの項目なのか、見出し番号なのか、番号付き段落なのかが区別しにくくなっています。

原稿編集ガイドブックのページは、番号(記号)付き見出し、番号(記号)付き段落、番号(記号)付き箇条書きの区別が分かりにくい

原稿編集ガイドブックのページは、番号(記号)付き見出し、番号(記号)付き段落、番号(記号)付き箇条書きの区別が分かりにくい

『文字組みの基準』には箇条書きについての記述がありません。ちなみに、本書の中の次の箇所は箇条書きにあたりそうです。

『文字組みの基準』p.1より

『文字組みの基準』p.1より

『文字組みの基準』p.24より

『文字組みの基準』p.24より

『文字組みの基準』の著者達は上の2か所にどういうルールを適用しているのでしょうか? もしかすると、箇条書きを意識していないのかもしれませんね。

参考資料
Lists and Outline Style “The Chicago Manual of Style (17th Edition)” The University of Chicago Press, 2017 pp. 411-416
JIS X 4051:2004 日本語文書の組版方法 平成16年3月20日改正 日本規格協会 発行
『原稿編集ガイドブック』日本エディタースクール、2010年5月10日第6刷
『文字組みの基準』藤野薫(代表編者)、日本印刷技術協会発行、2013年3月8日初版第4刷


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◆次回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(16)―箇条書きのタイプとそれに対応するWordの機能・表現方法
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〇関連ページ
Microsoft Wordを使って報告書などの長文を作成する人向けの新知識満載です。 Microsoft Wordのアウトラインと見出しスタイルを活用する方法(概要)

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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(14)―箇条書きとはなにか?

今回は月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(11)―箇条書きは難しい?(本文では「前回」と略きします)の続きです。

前回は、思わず「Microsoftは箇条書きという言葉さえも独自仕様にしてしまう」と書いてしまいましたが、世間一般で箇条書きという言葉をどのように使っているかをもう少し調べてみます。“Oxford Style Manual”では15.1 Lists(リスト)の説明が日本語の箇条書きについての説明にあたります。簡単に要約すると次のとおりです。

1.リストは関係する要素を整理したもので、文章中に配置したり、行単位で配置される。
2.リストの項目の共通項を文章で明確にすべきである。また、文法的に整合していて、バランスがとれていること。
3.リストが文章中にあるとき、run-onまたはin-textという。各項目を改行して表す(display)こともできる。
4.改行する(display)リストには3種類ある。
(1) 番号または文字でマークするリスト
(2) 黒丸(bullet point)でマークするリスト
(3) マーカーのないシンプルなリスト
5.リストの要素をテキストから参照するとき、または順序または階層を示すことが望ましいとき、番号を付けると意味が明確になる。
6.番号や黒丸のないシンプルなリストとして改行表示することもできる。

なお、冠詞の使い方、行頭の大文字と小文字、区切りのカンマとピリオドの使い方に関するガイドも記載されていますが、英語特有なので省略しています。詳細は原文を参照してください。

上でbullet pointを黒丸と訳しています。しかし、bullet pointを箇条書きと翻訳することもあるようなので、Microsoft Wordのリボン「ホーム」の段落グループにある「箇条書き」コマンド(次図)はbullet pointを翻訳したものかもしれません。

箇条書きコマンド

箇条書きコマンド

ちなみに、HTMLではどうかというと、HTML5仕様のタグの定義は次のようになっています。
・HTML5では、リストの項目を<li>要素で表す。<li>要素は、次の3つの親の子供となる。
・<ul> 順序のないリストのブロックを表す
・<ol> 順序のあるリストのブロックを表す。項目の入れ替えで文章の意味が変わる
・<menu> 各項目がコマンドのブロックを表す。

HTML5ではもう少し複雑な構造をもつリストとして定義リスト(<dl>)があります。
・<dl>は<dt><dd>から構成されるブロックを表す。
・<dt>で対になる<dd>に対する説明書き
・<dd>対応する<dt>要素の内容

HTML5のタグは、体裁はまったく無視して、テキストの構造だけを表現するものです。それだけに意味としては理解しやすいと考えますが、いかがでしょうか。

参考資料
15.1 Lists “New Oxford Style Manual” Oxford University Press, 2016 pp. 299-303
HTML5 https://html.spec.whatwg.org/multipage/grouping-content.html#grouping-content


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◆前回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(13)―自動生成目次の見出しに番号がついてしまう。番号が付かないように変更するには?
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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(13)―自動生成目次の見出しに番号がついてしまう。番号が付かないように変更するには?

明日は、ちょっと一息・アンテナハウスウェビナー「ゼロから学ぼう! Microsoft Wordのスタイル機能・シリーズ -主にアウトラインと見出しスタイルについて-」です。

明日のデモの準備で「目次の自動生成」をしていたところ、自動生成した目次の「目次」という見出しに番号がついてしまいました(次の図)。

目次を自動生成すると「目次」に番号がついてしまう

「目次」に番号がついたため、もともと文書中にあったすべての「見出し」の番号も自動的に変更されています。これはちょっとまずいので、「目次」の見出しに番号がつかないように変更してみます。 

まず、なぜこのようになるのか、原因を探ってみます。

上の目次を作るに際して、リボン「参考資料」の「目次」メニューで「自動作成の目次2」コマンドを実行したのですが、そのプレビューで「目次」に番号が入っているのが確認できます。

目次の自動生成のメニュー

目次の自動生成のメニュー

自動生成される目次の「目次」という見出しは、どうやら「目次の見出し」というスタイルが適用されるようです。そこで、リボン「ホーム」のスタイルウィンドウを開いて、「目次の見出し」の設定を確認すると、「目次の見出し」で基準とされているスタイルは「見出し1」になっています。

目次の見出しのスタイルは「見出し1」を基準としている

目次の見出しのスタイルは「見出し1」を基準としている

スタイルギャラリーで確認すると、この文書では、見出し1スタイルにはアウトライン番号が自動的につくようになっています。「目次の見出し」スタイルは見出し1スタイルの設定を継承しているためアウトライン番号がつくようです。

見出し1スタイルは、見出し用のアウトライン番号がつくようになっている

見出し1スタイルは、見出し用のアウトライン番号がつくようになっている

そこで、「目次の見出し」スタイルの設定を変更します。スタイルウィンドウで「目次の見出し」を選択し、右クリック・メニューの「変更」をクリックして、「スタイルの変更」ダイアログを表示します。そこで、基準にするスタイルを「見出し」から「標準」に変更します。

基準にするスタイルを「見出し1」から「標準」に変更

基準にするスタイルを「見出し1」から「標準」に変更

序でに、フォントサイズを16ポイントから12ポイントに、フォントを明朝からゴシックに変更します。

あらためて、目次の自動生成すると次のように「目次」は番号なしとなりました。これでOKです。

今度は自動生成した目次の「目次」という見出しに番号がつかない

今度は自動生成した目次の「目次」という見出しに番号がつかない


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◆前回:月曜日連載!(12)―見出しのアウトライン番号の付け方を変更する確実・簡単な方法
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4月27日(火)16時~ Wordを使う人向けのZoom ウェビナー開催! アウトラインと見出しスタイルについて

来週4月27日火曜日16時からのちょっと一息アンテナハウス・ウェビナーは、「ゼロから学ぼう! Microsoft Wordのスタイル機能・シリーズ -主にアウトラインと見出しスタイルについて-」です。

Wordをいつも使っている人は多いと思いますが、スタイル機能ってわからないなぁと感じることはありませんか? Wordには見出し1、見出し2、…という既製のスタイル(見出しスタイル)があります。これはWordで長めの文書を作るときには大変便利で、スタイルの中で一番よくつかわれると思われます。Wordの見出しスタイルを、既製のまま使うだけではなく、体裁をちょっと変更したり、見出しに番号をつけたり、階層化したり、目次を自動的に作ったりと、使いこなそうとするとなかなかうまくいかないことがありますね。

来週のウェビナーでは、見出しスタイルを使いこなすために知っておきたいことをまとめて解説します。特に、見出しの番号、階層化、目次などに関係深いのはWordのアウトラインという機能です。アウトラインは非常に重要なのにも関わらず、分かりやすい説明は見かけません。

このウェビナーでは、アウトラインとWordの見出しとの関係についての説明を中心に、見出しスタイルの使い方を説明する予定です。2月初めから、本ブログで連載してきた記事を整理したものでもあります。

お時間の余裕のあるかたは、ぜひ、ご視聴ください。きっと、いままで知らなかった知識が得られ、Wordを使うのが楽しくなりますよ。

ちょっと一息アンテナハウス・ウェビナーは、毎月第2、第4火曜日の16時から開催のZoom ウェビナー(無償)シリーズです。どなたでもご参加いただけます。(画像をクリックするとウェビナー予定のページにジャンプします)。

タイトル:ゼロから学ぼう! Microsoft Wordのスタイル機能・シリーズ -主にアウトラインと見出しスタイルについて-
日時:2021年4月27日(火) 16:00〜16:45
概要:Wordにはスタイルという便利な機能があります。Wordのスタイル機能を使うと簡単な操作で統一的なレイアウトの文書を作成できます。
スタイル機能の使い方をマスターすると文書作成をワンランクアップできます。

こちらもご覧になってみてください。
アンテナハウスのMicrosoft Office関連製品と情報一覧ページ(内容充実中)

新着:
Microsoft Wordのアウトラインと見出しスタイルを活用する方法(概要)


月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(12)―見出しのアウトライン番号の付け方を変更する確実・簡単な方法

第6回の見出しに階層化番号をつけるための設定方法で、見出しに
1.
1.1
1.1.1
2.
2.1
2.1.1
のような階層化番号を付けるために、「新しいアウトラインの定義」で番号形式と見出しレベルの対応付けを行う例を紹介しました。その後調べてみたところ、もっと確実で簡単な方法がありましたので、追加で紹介します。

まず、Wordで新しい文書を開いて見出しの(サンプルとする)段落を入力し、リボン「ホーム」のスタイルギャラリー(下図)で見出し1~必要なレベルまでの見出しを設定します。

スタイルギャラリー

スタイルギャラリー

次のようになります。

アウトライン番号のついていない見出し

アウトライン番号のついていない見出し

次に、見出し1を選択して、リボン「ホーム」のアウトラインでリストライブラリーにある見出し用アウトライン番号(見出しという文字が入っているアウトライン番号(注参照))をクリックして、見出しにアウトライン番号を設定します。

見出し1を選択して、リストライブラリーからアウトライン番号を設定する

見出し1を選択して、リストライブラリーからアウトライン番号を設定する

結果は次のように見出し1~見出し4までにアウトライン番号が付きます。

見出し1~見出し4までアウトライン番号が付く

見出し1~見出し4までアウトライン番号が付く

次に、見出し1のアウトライン番号を選択してリボン「ホーム」のアウトラインメニューを開き、「新しいアウトラインの定義」をクリックします。

既存のアウトライン番号を選んで新しいアウトラインの定義をクリック

既存のアウトライン番号を選んで新しいアウトラインの定義をクリック

「新しいアウトラインの定義」のダイアログが開きます。調べてみると、この状態でアウトライン番号のレベルと見出しのレベルの対応付けが済んでいます。「新しいアウトラインの定義」とは、ゼロから新しいアウトライン番号を定義するわけではなくて、文書中に設定されているアウトライン番号の設定を取り込んで、設定を変更して新しいアウトライン番号を定義する機能なのです。

これに気が付くと、前回紹介した方法と比べてあとは手間がかなり省けます。今回は、レベル1の番号は変更しませんので、レベル2を選択して番号の形式を(ア)から1.1に変更します。これは次のように行います。

①変更するレベルとして「2」を選択(レベルと対応付ける見出しスタイルが「見出し2」になっている)
②番号書式の次のレベルの番号を含めるで「レベル1」を選択
③番号書式の見本が変わります。
④(ア)を削除して、区切り文字「.」を入力
⑤このレベルに適用する番号で「1, 2, 3…」を選択

既存のアウトライン番号の形式を変更して新しいアウトライン番号を定義する

既存のアウトライン番号の形式を変更して新しいアウトライン番号を定義する

「OK」をクリックしてダイアログを閉じると見出し2のアウトライン番号が「1.1」に変わります。

見出し2のアウトライン番号が(ア)から1.1に変わる

見出し2のアウトライン番号が(ア)から1.1に変わる

あとはこれと同じ手順を繰り返します。次のように見出し4まで、英数字を「.」で区切った形式のアウトライン番号が付きます。

見出し4まで期待するアウトライン番号が付く

見出し4まで期待するアウトライン番号が付く

これだけで完了です。この方法でアウトライン番号のレベルと見出しのレベルを1対1に対応付ける手間が省けるので楽です。

本記事の動画(YouTube)はこちらです:
【見出しスタイルの基本】ゼロから学ぼう! Microsoft Wordのスタイル機能・シリーズ -アウトラインと見出しスタイルについて- vol.3アンテナハウスPDFチャンネル

【注】「アウトライン」のダイアログには、リストライブラリーに出来合いのアウトライン番号が表示されます。これは、段落番号用と見出し用の2種類に分けられます。見出し用のアウトライン番号は「見出し」という文字が入っているものです。見出し用のアウトライン番号についての詳細は、
月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(2)―アウトラインのタイプ」を参照してください。

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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(11)―箇条書きは難しい?

今週から箇条書きを探索してみます。

Microsoft Wordでは「箇条書き」という名前のついた機能は行頭に記号を使うタイプのみです。リボン「ホーム」に次のコマンドが用意されています。

リボン「ホーム」の箇条書きコマンド

リボン「ホーム」の箇条書きコマンド

箇条書きとは項目を並べる書き方で項目にラベルを付けて見やすくします。ラベルとしては記号だけではなく、番号をつけて項目の順序を表すことも一般的です。印刷レイアウトやHTMLなどでは、箇条書きには行頭記号を使うタイプと行頭に番号を付けるタイプの2種類あるとされているのが普通です。

しかし、Microsoft Wordでは、行頭に番号を使うタイプは、リボン「ホーム」で「段落番号」として次のコマンドが用意されています。

リボン「ホーム」の「段落番号」コマンド

リボン「ホーム」の「段落番号」コマンド

文章に実際に設定すると次のようになります。特に説明の必要もないとは思いますが、上が箇条書き、下が段落番号です。見た目は行頭の記号と番号が入れ替わっているだけでそれ以外は同じに見えます。

箇条書きと段落番号

このように両方とも箇条書きで行頭の文字の種類が違うだけのように見えるのに、行頭に記号を使うタイプは「箇条書き」、行頭に番号を付けるタイプは「段落番号」とされているのは、個人的にはいつも違和感を感じているところです。Microsoftは昔から世の中の標準をそのまま採用しないで、なんでもかんでも独自仕様にしてしまう会社ですが、箇条書きという言葉さえも独自仕様にしているようです!

さて、上のリボンのコマンド(ボタン)を使うと段落のレイアウトを直接指定することになり「スタイル」機能を使っていることにはなりません。ではWordの箇条書きスタイルはどうなっているのでしょうか。

『根本から理解する Wordの「スタイル」活用読本』(西上原裕明著、技術評論社、2011年6月1日発行)では、Wordの箇条書きは2002/2003と2007/2010で仕様が変更になっているとされており、それぞれ別の節で紹介されています。とりあえず、2002/2003のことはもう忘れても良いと思いますので、2007/2010の節だけ見ますと、先頭に次のように書かれています。

段落スタイルを活用する場合には、箇条書きの記号や番号も段落スタイルの書式として登録します。但し、そのしくみはわかりにくく、扱いには注意が必要です。(p.94)

『Wordで作る長文ドキュメント』(西上原裕明著、技術評論社、2011年10月25日発行)ではさらに次のように書かれています。

Wordの箇条書きは仕様が洗練されておらず、深入りすると混乱を招くばかりです。(p.111)

やれやれ、さんざんな書かれようです。

西上原氏は、1990年代半ばから20年ほどWord一筋に沢山の本を執筆してきています。本ブログを書くにあたって数冊の本を読みましたが、さすがに内容は充実しています。しかし、残念ながらWord2010までが中心で、『逆引きWordパワーテクニック601+66Tips』(2015年)など数冊で2013までカバーしているのみです。Wordはすでに2019になっていますし、また、Office365ではもっと新しい機能が追加されているようです。

ということで、次回はWordの箇条書きスタイルについて、西上原本なども参考にしながら探索してみたいと思います。

箇条書きシリーズ
1回目(11)―箇条書きは難しい?
2回目(14)―箇条書きとはなにか?
3回目(15)―箇条書きの話、世間の箇条書きガイド(続き)
4回目(16)―箇条書きのタイプとそれに対応するWordの機能・表現方法
5回目(17)―Word組み込みの箇条書きスタイルは使えない、その理由は?

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◆前回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(10)―アウトライン編集とは? アウトライン編集は何が良い?
◆次回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(12)―見出しのアウトライン番号の付け方を変更する確実・簡単な方法
シリーズ総目次
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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(10)―アウトライン編集とは? アウトライン編集は何が良い?

Microsoft Wordのリボン「表示」の表示グループには、印刷レイアウトやWebレイアウトとならんでアウトライン表示というアイコンがあります。このアイコンをクリックすると、リボンが「アウトライン」に切り替わるとともに、編集中の文著が箇条書きのような表示(アウトライン表示)に切り替わります。元の表示に戻すには、「アウトライン表示を閉じる」をクリックします。

アウトライン表示への切り替えと表示をもとに戻す

リボン「アウトライン」には、アウトライン編集機能のためのアイコンが用意されています。アウトライン編集はアウトラインプロセッサとも呼ばれ、一般的に次のような機能を提供します。

アウトラインプロセッサを使えば全体の構成がツリー表示され、現在の編集位置を把握しながら文章を記述することができる。また、ブロック単位で階層構造を上下に移動させたり、位置を入れ替えたりすることができる(「Wikipediaアウトラインプロセッサ」より)

次にMicrosoft Wordのアウトライン編集機能のあらましを説明します。

階層レベルの表示
アウトライン表示では、段落に階層レベルを設定できます。階層レベルが設定されている段落と本文段落は次のようにラベルで区別します。

階層レベルの設定されている段落と本文段落

階層レベルの設定されている段落と本文段落

階層レベルには1~9まであり、指定した階層レベルより上の段落のみを表示できます。次の図は階層レベル3より上を表示しましたが、この文書では階層レベル2までしか設定されていませんので2階層の表示になっています。

階層レベルの指定された段落のみを表示

階層レベルの指定された段落のみを表示

階層レベルの編集
階層レベルの編集は、階層レベルを上げるか、下げるかです。段落の階層レベルを上げたいときは次の図のように段落を選択して、左向きの矢印をクリックします。

選択した段落の階層レベルを上げる操作

選択した段落の階層レベルを上げる操作


上の図では、階層レベルを上げたとき、ラベルの番号が「節」から「章」に変わっています。これは、選択した段落に見出しレベル2が設定されていて、かつ、見出しスタイルにアウトライン番号がついていたためです。(番号の自動変更はアウトライン編集の機能ではありません。念のため。)

階層レベルを下げるときは、右向きの矢印をクリックします。

段落ブロックの移動
アウトライン編集では移動したいブロックを選んで上向き▲または下向き▼のアイコンをクリックすると前後の入れ替えができます。します。例えば、次の図のように行います。

ブロックを下に移動する例

ブロックを下に移動する例


上の図では、階層レベルを上げたとき、ラベルの番号が自動的に変化しています。これは、選択した段落に見出しレベル2が設定されていて、かつ、見出しスタイルにアウトライン番号がついていたためです。(番号の自動変更はアウトライン編集の機能ではありません。念のため。)

段落ブロックの前後移動では選択した階層に複数の段落が含まれる場合には、複数の段落をまとめて段落ブロックがごっそり移動します。印刷レイアウトを表示した状態で同じことをしようとするとマウスで移動したい段落の範囲を選択する操作が必要です。これと比べるとアウトライン編集ではワンクリックでできます。

おまけ:アウトライン編集は人気がある?
このようにアウトライン編集では、文書の階層構造を表示しながら、文書の構成を編集できます。

文書の構成を考える点に着目するとアイデアプロセッサとの類似性が思い浮かびます。個人的な記憶では、アウトライン編集機能は、1980年代半ばワープロが誕生して直ぐにアイデアプロセッサとしていくつか製品が登場しました。その後、Microsoft Wordのようなワープロの一機能として取り込まれて、製品ジャンルとしては消滅したと思っていました。しかし、WikipediaによるとテキストエディタWz Editorは「階層付きテキスト形式」を提供していたり、あるいはアウトライン編集中心の製品もあるようです。英語のWikipediaには製品の一覧もあります。(List of outliners

アイデアプロセッサとしてMicrosoft Wordのアウトライン編集機能を活用している人はそんなに多くないのではないかと考えていたのですが、最近、西上原本(『Wordで作る長文ドキュメント』(西上原 裕明著、技術評論社))を見ました。この本では、先頭(Part1)に「アウトライン表示モードを使いこなす」が置かれています。こうしてみるとアウトライン編集は長文編集に向いた機能として結構人気があるのかもしれません。

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お時間がございましたら、ぜひ、ご参加ください。
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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(9)―本のような形式の目次を自動で作る方法を調べてみました

ワープロを使って長文の文書作りをすると目次が欲しくなります。紙の本では目当ての内容を探すのに目次は欠かせない構成要素で、たいていの本では次のような形式になっています。
・最初に「まえがき」があり、その後ろに「目次」を置きます。
・本文は目次の後ろに配置されます。本文には、章・節などの階層番号を付けます。
・本文に続いて、参考資料などの付属資料があります。
・最後に「あとがき」を置きます。
図で表すと次のようになります。

本の目次構成の簡単な例

本の目次構成の簡単な例

今日はこのような形式の目次を自動で作る方法を調べてみました。いくつか方法があるようですが、とりあえず一番簡単そうな方法を次に紹介します。

Microsoft Wordでは「見出しスタイル」と「アウトライン」を使うと見出しに、章-節-項といった階層番号を自動的につけることができます。(Microsoft Wordスタイル探索(3)―アウトラインで見出し番号をつけるを参照)「まえがき」、「参考資料」、「あとがき」に見出しスタイルを適用して見出し番号を自動的に付けると次のようになります。

すべての見出しに自動的に番号を付ける

すべての見出しに自動的に番号を付ける

この状態で、リボンの「参考資料」-「目次」の自動作成を行ってみます。目次は「まえがき」の後ろに置くため、カーソルを「まえがき」段落の次におきます。

目次の自動作成を選択

目次の自動作成を選択

そうすると次のような目次ができます。目次が「まえがき」の次にあるのは期待通りですが、「まえがき」、「参考資料」、「あとがき」にも本文と連番の章番号が付いた状態で目次ができてしまいます。

まえがき、参考資料、あとがきに章番号が付いた目次

まえがき、参考資料、あとがきに章番号が付いた目次

「まえがき」、「参考資料」、「あとがき」に見出しスタイルを適用するのをやめて標準のままにしてみます。すると章-節の番号は本文だけに付きます。

まえがき、参考資料、あとがきを標準にする

まえがき、参考資料、あとがきを標準にする

この状態で目次を自動作成すると、今度は目次に取り込まれるのが本文の見出しのみとなってしまいます。「まえがき」、「参考資料」、「あとがき」が見出しに入りません。

本文の見出しのみで目次が構成される

本文の見出しのみで目次が構成される

うまくいきませんね。「まえがき」、「参考資料」、「あとがき」には見出し番号を付けないで、目次に取り込むには、どうしたら良いでしょうか? 

前回、Microsoft Wordスタイル探索(8)―段落のアウトラインレベルで、段落にアウトラインレベルを設定するとナビゲーションに表示されるようになると説明しました。そこで、「まえがき」、「参考資料」、「あとがき」に段落ダイアログを使ってアウトラインレベルを設定します。ダイアログはリボンの「ホーム」の「段落グループ」右下の→を使って表示できます。

段落ダイアログを表示する

段落ダイアログを表示する

アウトラインレベルを「本文」から「レベル1」にしてみます。

アウトラインレベルを設定する

アウトラインレベルを設定する

「まえがき」、「参考資料」、「あとがき」段落にアウトラインレベルを設定すると、ナビゲーションウィンドウに表示されるようになります。

アウトラインレベルを設定するとナビゲーションに表示される

アウトラインレベルを設定するとナビゲーションに表示される

これで、目次の自動生成を行ってみます。結果は次のようになって目次に「まえがき」、「参考資料」、「あとがき」が追加され、また、本文の見出しのみに「章」-「節」番号が自動的についています。ようやく期待した形式になりました。

まえがき、参考資料、あとがきが追加された目次

まえがき、参考資料、あとがきが追加された目次

このようにすると、多くの本と同じような形式で目次を自動生成できます。これは、Microsoft Wordでは、目次の自動生成の初期設定がアウトラインレベル1-3の段落を取り込んで作成するようになっていることによるものです。
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◆前回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(8)―段落のアウトラインレベル
◆次回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(10)―アウトライン編集とは? アウトライン編集は何が良い?
シリーズ総目次
Microsoft Wordを使って報告書などの長文を作成する人向けの新知識満載です。 Microsoft Wordのアウトラインと見出しスタイルを活用する方法(概要)

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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(8)―段落のアウトラインレベル

Microsoft Wordではアウトラインという言葉はどうやら階層構造と関連があるようです。

階層構造はレベルを設定することで表現します。レベルを付ける対象は次の三通りがあるようです。

・段落のレベル
・番号のレベル
・箇条書きの記号のレベル

三種類のレベルを設定した例は次のようになります。

三種類のレベルの設定例

三種類のレベルの設定例

段落のレベルは、段落書式ダイアログを開いてアウトラインレベルで指定します。

段落書式のダイアログ

段落書式のダイアログ

段落書式は既定値では「本文」ですが、「アウトラインレベル1」~「アウトラインレベル9」までのレベルを指定できます。段落のアウトラインレベルは純粋に論理的な存在であって、見かけ上は区別がつきません。見かけは変わりませんが、書式の詳細を表示するとわかります。

アウトラインレベル2を指定した段落の書式の詳細

アウトラインレベル2を指定した段落の書式の詳細

番号のアウトラインについては初回(月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(1)―アウトライン)に説明しました。番号のアウトラインレベル2を指定した段落の書式の詳細を確認すると次の図のようになっています。

番号のアウトラインレベル2を指定した段落の書式の詳細

番号のアウトラインレベルは見かけ上の番号階層です。番号のアウトラインレベルを指定した段落はスタイルが「リスト段落」に変わりますが、しかし段落書式の「アウトラインレベル」には何も設定されていません。

このようにアウトラインレベルには、段落書式のアウトラインレベルと番号のアウトラインレベルの二種類があって、おそらく本質的に違うものと思われます。これがWordのアウトラインの分かりにくさになっているのではないかと思います。

では、段落書式のアウトラインレベルはどういう意味があるのでしょうか? 調べてみますと、段落にアウトラインレベルを指定すると次の機能が働くようになります。

①ナビゲーションに表示される

ナビゲーション

ナビゲーション

アウトラインレベルを設定した段落はナビゲーションに表示されます。番号のアウトラインレベルを設定した段落も箇条書きを設定した段落もナビゲーションでは表示されません。

②目次の生成

目次の生成

目次の生成


上のサンプル文書で目次を自動生成しています。すると、アウトラインレベルを設定した段落は目次の項目として取り込まれます。

第4回(Microsoft Wordスタイル探索(4)―見出しスタイルの便利な機能いくつか)で見出しスタイルを設定すると、①目次の自動生成ができる、②ナビゲーションができるといったメリットを紹介しました。どうやら、これはWordのスタイルギャラリーに表示される「見出し」スタイルには段落のアウトラインレベルが設定されているから、ということのようです。

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◆前回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(7)――そもそも「見出しスタイル」ってなに? どうやって設定するの?
◆次回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(9)――本のような形式の目次を自動で作る方法を調べてみました
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Microsoft Wordを使って報告書などの長文を作成する人向けの新知識満載です。 Microsoft Wordのアウトラインと見出しスタイルを活用する方法(概要)

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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(7)―そもそも「見出しスタイル」ってなに? どうやって設定するの?

さて、現在、月曜日に連載しているMicrosoft Wordスタイル探索、ブログだけではもったいないのでマルチメディア展開を考えています。まずは、その第一弾として、ちょっと一息アンテナハウス・ウェビナーで、ゼロから学ぼう! Microsoft Wordのスタイル機能・シリーズへの展開を予定しています。ブログに書いたことを整理するほか、ご参加いただいた皆様からの質問にもお答えしたいと考えています。初回は4月27日(火曜日)の16時から。ぜひ、スケジュールにご登録ください。

さて、ゼロから学ぶという観点で、本連載の1~6回を振り返ったところ、「そもそも見出しスタイルってなに? どうやって設定するの?」という基本的な点を説明していないことが指摘されてしまいました。

まず、「そもそも見出しスタイルってなに?」という点を確認するため、Wordの「標準」段落と、スタイルギャラリーで「見出し1」を設定した段落の書式設定を確認してみます。

(1)フォント
フォントダイアログの設定内容を比較してみます。次の図のように、フォントの設定が「見出し」用のフォントになっていることと、サイズが12ポイントになっていることの2点が異なっています。

標準段落と見出し1段落のフォント設定比較

標準段落と見出し1段落のフォント設定比較

(2)段落
段落ダイアログの設定内容を比較してみます。次の図のように、アウトラインレベルが「レベル1」になっていることと、「次の段落と分離しない」にチェックが入っていることの2点が異なります。

標準段落と見出し1段落のフォント設定比較

標準段落と見出し1段落のフォント設定比較

まとめますと、「見出し1」のスタイルは、既定値では「標準」スタイルと比較して、上の4項目が違うと言えます。「見出し2」以降については、別途、整理してみたいと思います。

次に、「見出しスタイルはどのように設定するの?」という点です。これは、いくつか方法がありますが、初心者にとって一番分かりやすいのは、スタイルを指定したい箇所を選んでスタイルギャラリーの見出しという名前の入ったコマンドをクリックする方法でしょう。次に順を追って説明します。

(1)標準段落
次の図は見出しスタイルを指定していない標準段落のみの状態です。

標準段落

標準段落

(2)最上位見出しの指定
①最上位の見出しを指定したい箇所を選んで、②スタイルギャラリーで「見出し1」を選択します。すると、その段落に「見出し1」スタイルが設定されます。
「見出し1」スタイルは段落単位で設定されるので、文字だけに「見出し1」を指定することはできません。原則として行の先頭から改行が入力されている位置までの範囲が「見出し1」となります。なお、文字が何も入っていない行に対して「見出し1」スタイルを指定するには、行頭にカーソルを置いて同じように指定します。

見出し1を設定する

見出し1を設定する

(2)第2階層(レベル2)の見出しの指定
③第2階層の見出しを指定したい箇所にカーソルを置いて、④スタイルギャラリーで「見出し2」を選択します。すると、その段落全体に「見出し2」スタイルが設定されます。

見出し2を設定する

(2)第3階層(レベル3)の見出しの指定
⑤作成中の文書に見出し2のスタイルを指定すると、⑥スタイルギャラリーに「見出し3」のコマンドが表示され、新しい段落に「見出し3」を設定できるようになります(注参照)。

見出し3がギャラリーに表示される

見出し3がギャラリーに表示される

「見出し4」以降も同様に一つ上位レベルの見出しが設定されると、スタイルギャラリーに次のレベルの見出しコマンドが表示されます。Wordの既定値では見出し1~見出し9までが登録されているので、9レベルまでの見出しの使い分けができます。

(注)見出しスタイルの表示オプションとして「前のレベルが使用されている場合に次のレベルの見出しを表示する」にチェックされているときの動作です。

組み込みスタイル表示のオプション


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◆前回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(6)――見出しに階層化番号をつけるための設定方法
◆次回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(8)―段落のアウトラインレベル
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