カテゴリー別アーカイブ: コラム

月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索 (29)WordでHTMLを書けたらスゴイ!

おはようございます。

2か月近く先になりますが、10月12日(火)16時から、いつもの、「ちょっと一息・アンテナハウスウェビナー」は、

WordでHTMLを書けたらスゴイ!

という題で、Microsoft Wordで書いた文書からWebページ(HTML)を作るというトピックについてお話しする予定です。そこで、その準備も含めて、月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索では、これから10月12日までの間、WordでHTMLを作ることをテーマにいろいろと探索してみたいと思います。

振り返ってみると、

1980年代半ばにパソコン(Personal Computer: PC)が誕生しました。PCの用途の一つにOfficeでの文書作成があります。PCが普及する前、私が社会人になった約45年前は日本のオフィスでの文書作成と配布は、もっぱら手書きとコピー、そして公式文書は簡易印刷でした。その後、ワープロ専用機が登場して、手書きによる文書作成がなくなりました。

現在は、デスクでの文書作成作業には、ほとんどPCのワープロを使うようになっています。

1980年代後半に、いろいろな日本語ワープロソフトが登場してしのぎを削っていましたが、現在は、Microsoft Wordが圧倒的なシェアをもっています。Word以外には、Google DocsとかLibre Officeを使う人もいるかもしれませんが、少数派と言ってよいでしょう。

Wordで作成した文書は、当初は、プリンタで紙に印刷して配布されました。現在では、PDFの形式で配布されるのが当たり前となっています。

PDFは、紙に印刷されるレイアウトをそのまま電子ファイルにした形式です。つまり紙を使った情報の配信をそのままデジタル化したのがPDFによる情報配信と言えます。
参考) PDFとは? そのメリット、活用法など

今後は、
現在、公開される情報配信はWebページが圧倒的に主流になっています。非公開・社内向けの情報配信でさえもイントラネット上のWebページとして配信されているものが多いと思います。

Webページで配信する情報を表現するとき、基本はHTML形式を使います。HTML形式の最新であるHTML5は、現在WHATWGという団体が策定しているものです。
HTML標準仕様の策定についてW3CとWHATWGが合意 今後はWHATWGのリビングスタンダードが唯一のHTML標準仕様に

HTMLを表示するにはブラウザを使いますが、最新の主要ブラウザはHTMLだけでなくPDFを表示する機能を内蔵していますので、HTMLとPDFはほとんどシームレスにいったりきたりできます。

但し、これは設定によります。PDFをダウンロードする設定になっているとシームレスな移動はできません。詳しくは次をご参照ください。
参考)ブラウザでPDFファイルをWebページからシームレスに表示するか、ダウンロードするかの設定

こうしてPDFで作成した文書をそのままWebページで配信しても、大きな問題はなくなってきたとも言えます。

ところが不都合なことが一つあります。それは、現在、Webページを閲覧するのはPCではなくスマホが主流になってきていることです。スマホでもPDFを表示はできますが、画面が小さいので見ずらいと感じている人は多いでしょう。

普通に考えるとWordで作成した文書をWebページで配信するなら、PDF(のみ)ではなくてHTML形式にしてほしいという要求が高まっての不思議ではありません。

しかし、これは実は結構難しい問題なのです。それが、WordでHTMLを書けたらスゴイ!ということの意味になります。では実際に何がスゴイって? それについてはこれから順次お話していきたいと思います。

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◆前回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索 (28)これまでの27回の人気記事は?
◆次回:月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索 (30)WordのWebページ保存は使えるか?
シリーズ総目次
〇関連ページ
Microsoft Wordを使って報告書などの長文を作成する人向けの新知識満載です。 Microsoft Wordのアウトラインと見出しスタイルを活用する方法(概要)

Antenna House Office Serversとは

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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索 (28)これまでの27回の人気記事は?

Microsoft Wordスタイル探索 2月より約半年間にわたり毎週月曜日に連載してきました。今日の月曜日はお休みにあたるので、これまでの記事のまとめを紹介します。

まず、これまでのページビューの多い順1位から10位までのランキングは次のとおりです。1番人気は第8回段落のアウトラインレベルです。この記事は、Wordではアウトラインは階層化という意味合いであり、段落のアウトライン(段落の階層化)と番号のアウトライン(階層化した番号)の2様に使われていることを説明したものです。

順位  回数 タイトル
1 (8)―段落のアウトラインレベル
2 (11)―箇条書きは難しい?
3 (2)―アウトラインのタイプ
4 (15)―箇条書きの話、世間の箇条書きガイド(続き)
5 (1)―アウトライン
6 (9)―本のような形式の目次を自動で作る方法を調べてみました
7 (12)―見出しのアウトライン番号の付け方を変更
8 (14)―箇条書きとはなにか?
9 (3)―アウトラインで見出し番号をつける
10 (16)―箇条書きのタイプとそれに対応するWordの機能・表現方法
11 (17)―Word組み込みの箇条書きスタイルは使えない、その理由は?
12 (4)―見出しスタイルの便利な機能いくつか

これまでの記事はアウトラインと見出し、箇条書き、図形機能の3カテゴリーになりますが、カテゴリー別に記事の一覧を作成しました。

アウトラインと見出し関連記事

箇条書き関連記事

Wordの図機能関連記事

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◆次回:(29)WordでHTMLを書けたらスゴイ!
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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(27)―アンカーの役割

前回(月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(26)―図形の移動)は図形のレイアウトにおいて、「文字列と一緒に移動」、「ページ上の位置を固定」の設定の違いを見ました。

前回分かったこと
「文字列と一緒」に設定すると、図形が結びつけられている文字・段落が移動すると図形も一緒に移動する。周囲の文字・段落と図形の相対位置は変化しない。
「ページ上の位置を固定」に設定すると、図形が結びつけられている文字・段落が移動しても、図形のページ上の位置は変化しない。図形が結びつけられている段落が別のページに移ると、図形のページも移動する。

図形と文字・段落の結びつきをアンカーで設定する?
前回分かったことから、図形と文字や段落の結びつきを決めるのがアンカーらしいと想像できます。今回は、このあたりをもう少し調べてみます。

アンカーの位置―水平方向
(1) アンカーの左右方向の位置は、既定値では左の余白になっています。図形の位置設定の寸法はアンカーの位置を規準にしているわけではなくて、レイアウト詳細設定で基準とした項目からの位置になっています。

レイアウト詳細設定、水平方向はページを規準にして79.6mmとする

レイアウト詳細設定、水平方向はページを規準にして79.6mmとする


この例では図形の水平方向配置はページの端から79.6mmの位置になっていて、アンカーからの距離ではありません。

(2) 水平方向の基準位置として「文字」を指定できます。このとき、アンカーの水平方向の位置を文字単位で移動でき、またアンカー(を指定した文字)と図形の水平方向の距離を指定できます。

レイアウト詳細設定、水平方向は文字を規準にして31.1mmとする

レイアウト詳細設定、水平方向は文字を規準にして31.1mmとする


※文字列と図形の位置関係によっては、指定したとおりすると重なってしまうなどで、実現できない場合があるようです。この時に図形をどのように移動させているか、いまひとつ不明です。

アンカーの位置―垂直方向
(1) アンカーの垂直方向の位置は、既定値では段落になっています。図形の位置設定の寸法はアンカーの位置を規準にしているわけではなくて、レイアウト詳細設定で基準とした項目からの位置になっています。

レイアウト詳細設定、垂直方向は段落を規準にして10.0mmとする

レイアウト詳細設定、垂直方向は段落を規準にして10.0mmとする


この例では、垂直方向の基準が段落になっており、段落から図形までの距離が10㎜です。

(2) 垂直方向の基準位置として「行」を指定できます。このとき、アンカーの垂直方向の位置を行単位で移動でき、またアンカー(を指定した行)と図形の垂直方向の距離を指定できます。

レイアウト詳細設定、垂直方向は行を規準にして0mmとする

レイアウト詳細設定、垂直方向は行を規準にして0mmとする

アンカーの役割まとめ
アンカーについて分かったことをまとめると次のようになります。

  1. 図形のレイアウトとして、「文字列の折り返し」を選択したとき、図形を文字や段落と結びつけるアンカーが設定されます。
  2. アンカーの位置は、既定値では段落単位です。
  3. レイアウトの詳細設定で基準とする項目を水平方向では文字を選択でき、その時に限り、アンカーは文字と結びつきます。また、垂直方向では行を選択できアンカーは行と結びつきます。
  4. 図形の配置の詳細設定は、アンカーから図形までの距離を指定するわけではなくて、レイアウトの詳細設定で基準に選択した項目からの距離で指定します。

アンカーは図形と文字や段落との結びつきを設定するものと言えます。
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「はじめに」ということで、ウェビナー全体の構造とともに、Wordのスタイルについて、Wordの画面を使用して簡単に紹介します。


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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(26)―図形の移動

前回「(25)―図形の配置 6パターン」は、図形を折り返し配置としたとき、周囲の文字列と図形配置のパターンを調べてみました。

今日は、引き続き、図形レイアウトのもう一つのオプション指定項目について調べてみます。「文字列の折り返し」には6パターンありますが、それぞれ次のように「文字列と一緒に移動する」「ページ上の位置を固定」のいずれかのオプションを指定できます。

文字列の折り返しのオプション「文字列と一緒に移動する」「ページ上の位置を固定」

文字列の折り返しのオプション「文字列と一緒に移動する」「ページ上の位置を固定」

文字列と一緒に移動する
まず、「文字列と一緒に移動する」を選択した場合を見てみます。次の操作をしてみます。
1.図形と文字列の関係6パターンについて、「文字列と一緒に移動する」を指定します。
2.文書の先頭に表題を挿入してみます。
結果は次の図のようになります。上が文書の先頭に表題を挿入する前、下が表題を挿入した後です。

文字列と一緒に移動するを指定して、文書先頭に表題を挿入する

文字列と一緒に移動するを指定して、文書先頭に表題を挿入する


先頭に表題を挿入すると、周囲の文字列(段落)と図形の相対位置関係が維持されたままで、全体が下に移動していきます。

最初の図を選んで、先頭に表題を前後での詳細設定をみます。

アンカーの位置とアンカーから図までの距離

アンカーの位置とアンカーから図までの距離


図を選択すると、段落の先頭の左側に錨のマーク(アンカー)が表示されます。そして、詳細設定をみると、この図は水平方向は余白を規準にして右へ33.5mm、垂直方向は段落を規準にして下方向に14.3mmの位置に配置されています。先頭に表題を挿入すると、すでに入力されていた行全体が下に移動しますが、図の詳細設定の数値は変わりません。

ページ上の位置を固定
次に、「ページ上の位置を固定」を選択した場合を見てみます。次の操作をしてみます。
1.図形と文字列の関係6パターンについて、「ページ上の位置を固定」を指定します。
2.文書の先頭に表題を挿入してみます。
結果は次の図のようになります。図形と文字の関係が分かりにくいため、6つの図形を異なる色で塗りつぶしてみました。

ページ上の位置を固定するを指定して、文書先頭に表題を挿入する

ページ上の位置を固定するを指定して、文書先頭に表題を挿入する


今度は、文書の先頭に表題を挿入すると、図形と周囲の文字の位置関係が変わります。表題の挿入によって行の位置が全体に下にずれます。そして、図形位置の変化の様子は図によって異なります。

最初の図から順番に選択してみると、アンカーの位置は表題を挿入した後も、挿入する前と同じ段落の先頭にあります。ところが図の位置は次のように変化しています。
①最初の図は表題挿入前後で同じページで挿入する前と同じ位置に留まります。
②次の図は表題を挿入すると次のページに移動し、ページ中では挿入する前と同じ位置になります。
③3番目の図は表題挿入前後で同じページで挿入する前と同じ位置に留まります。
④4番目の図は表題挿入前後で同じページで挿入する前と同じ位置に留まります。

このように一番大きく動いているのは2番目の図ですが、これはアンカー位置の段落が1ページから2ページに移動したためのようです。

図をページに固定したときの詳細設定

図をページに固定したときの詳細設定


アンカーのある段落がページを移動すると図も一緒にページを移動して、ページの中では移動する前と同じ位置に配置されるようです。

図をページ上の位置に固定する場合は、アンカーの位置に注意しないといけないようですが、そもそもアンカーとはなんでしょうか? このあたりは引き続いて調べてみたいと思います。
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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(25)―図形の配置 6パターン

前回(月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(24)―番号付き箇条書きの項目を、相互参照先に指定する)は、寄り道してしまいましたが、今回は、元に戻り図シリーズの続きです。

図シリーズ、これまでの2回は
図シリーズ1 (22)―Wordの図機能の概要 
では、図の種類を説明しました。
図シリーズ2 (23)―図の種類・配置・表示・管理
では、「オブジェクトの選択と表示」について紹介しました。その中で配置の変更として、行内文字列の折り返しについて説明しました。

今回は、文字列の折り返しの6種類の配置パターンを紹介します。図を選択して右クリックして表示される「レイアウトオプション」のアイコンを選択すると、次のようなメニューが表示されます。

レイアウトオプションメニュー

レイアウトオプションメニュー

この画面の中で、6種類の図のレイアウトオプションを実際に指定した結果を一つにまとめたのが次の図です。

6種類のレイアウトオプション

行の中の文字の進み方は共通です。常に左端から右端まで書き進み、右端が行末(行の折り返し)となっています。
・四角では行が図を囲む四角形を跨いで配置される。
・上下では図の四角形のある行の範囲では、図の左右に文字が配置されない。
・背面では図と文字が重なり、図が文字の背面に配置される。
・前面では図と文字が重なり、図が文字の前面に配置される。

狭く内部のときの文字の配置の違いについては、図の形状だけでは分かりにくいようです。

図の形状ではなく、図に設定されている折り返しの線によって文字の配置が変わります。折り返しの線は、図を選択して右クリックして表示されるメニューから「文字列の折り返し」⇒「折り返し点の編集」で変更できます。

折り返し点の編集コマンドを選択する

折り返し点の編集コマンドを選択する

折り返し点を変更した結果で、「内部」のときの文字の配置が変わっていることが分かります。

折り返し点の変更で文字の配置を変える

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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(24)―番号付き箇条書きの項目を、相互参照先に指定する

Microsoft Wordで番号付きの箇条書き(あるいは、順序付き箇条書き)を設定するには、リボン「ホーム」の段落グループにある「段落番号」コマンドを用いて、段落に番号を付けます。

このことは、月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(16)―箇条書きのタイプとそれに対応するWordの機能・表現方法でも説明しました。

番号付き箇条書きの項目番号は、手で番号を入力しても簡単にできます。ですので「段落番号」コマンドを使わなくても良いと考るかもしれません。

しかし、「段落番号」コマンドを使うといろいろ良いことがあります。その一つが、段落番号を設定した箇所を「相互参照」の参照先として設定できることです。言葉だけでは理解しにくいかもしれません。次に具体的に作成する例を示して説明します。

文書の末尾に「参考資料」の一覧を掲載し、本文中から参照する例をあげてみましょう。

参考資料を順序付き箇条書きとし、各資料(箇条項目)に「段落番号」コマンドで箇条番号を設定しておきます。次のようになります。

参考資料を番号付き箇条書きとして作成

参考資料を番号付き箇条書きとして作成

このとき、本文の中から参考資料の箇条項目に付けられた段落番号を使って、簡単にハイパーリンクを設定できます。

本文中から他の場所にハイパーリンクは、Wordのリボン「挿入」のリンクグループにある「相互参照」コマンドを使います。

リンクグループの「相互参照」コマンド

リンクグループの「相互参照」コマンド

段落番号を設定した段落を参照先とする設定操作は次のように行います。
①本文中で参考資料の項目にリンクを設定したいところにマウスを置く
②相互参照コマンドをクリックする
③相互参照を指定する次のダイアログが開きます

相互参照を指定するダイアログ

相互参照を指定するダイアログ


④番号付き箇条書きの項目を相互参照の参照先項目とするときには、番号付きの項目を選択します。
⑤すると段落番号が付いた段落の一覧が表示されます。その中に番号付き箇条書き項目が含まれています。

参照先として番号付き箇条書きの項目を選ぶ


⑤参照先として、適切な参考資料を選択して「挿入」をクリックし、ダイアログを閉じます。

本文に番号付き箇条書きの項目へのハイパーリンクを設定

本文に番号付き箇条書きの項目へのハイパーリンクを設定

出来上がったWordのページで、画面上で参照リンクを設定した位置にカーソルくと次のようなガイドがポップアップします。

ハイパーリンクの設定場所にカーソル置くと使い方がポップアップする

参照リンクを設定した場所でCtrl+クリックすると、参照先のページが表示されます。

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XSL-FO試行錯誤 変換後を意識しながら独自XMLを考える

業務ではなくプライベートの話となるのですが、自分用のXML規格を考えたり、そのXMLを変換するXSLTを書いたりということをしています。

自分用のXMLはさらに自分用の軽量マークアップからの変換によって得ることを想定しているので、スキーマまで作りこもうと日々ジリジリと進めています。

XSLTは組版用でないXMLを組版用のXSL-FOに変換できるわけですが、「軽量マークアップとして書きやすく、XSL-FOやHTMLにもしやすい」XMLというのはなかなか難しいなと感じています。

脚注はDITAではfnタグでマークアップします。XSL-FOではfootnote、footnote-bodyに変換されるでしょう。CSS Paged mediaではspanにした後フロートさせることが多いようです。
Webページ、HTML5的には脚注文の位置はasideの中あたりが良いのでしょうか?ただ、HTMLページの一番下(フッタ)に置いてしまうとPDFや紙でのソレよりも遥か下に行ってしまい、後注、しかもappendix的な配置になってしまうかもしれません。
では脚注用のfootnoteタグを用意するのではなくnoteタグを用意してレイアウトは属性にしましょうか?

変換先がXSL-FOであれば出力は1ファイルが望ましいでしょう。
しかしたとえばDITAなら?元の独自XMLはマップやトピックをどのように扱っていると好ましいでしょうか?独自XML自体が外部ファイルをどう扱うかも重要です。XIncludeなどを援用する、しない。うーむ。

メインの構造をまたぐ構造、たとえば複数段落に対する注釈などについてはrange-startとrange-endのようなタグを作る方式である程度しのげますが、変換後に納得できる構造にできるかは悩ましいところ。

そんなことを考えていると休日が過ぎています。
XMLアプリケーションはそれぞれがそれぞれの用途のために専門化されているので、中間形式のための独自XML規格というのは実は難しいのかもしれません。

DITAで本を書いてAH XSL Formatterで自動組版する

日時
2021年8月10日(火)16:00~17:00
概要
2021年5月18日に公開/販売した『AH XSL Formatter 拡張仕様使いこなしガイド』の制作報告を通し、XML執筆からPDFを作る過程の知見をご紹介します。
DITAについてや、DITAでの書籍制作における実例の紹介や、DITAを扱うときの注意事項など、自動組版やXMLの使い方、DITAに興味がある方、Formatterユーザーさん、必見です!
内容紹介・お申込みページ
こくちーずプロからお申し込み:https://www.kokuchpro.com/event/20210810/終了しました
Zoomウェビナーへ直接お申込みいただく場合: ウェビナー登録ページ終了しました


「瞬簡PDF 書けまっせ 8」で差込印刷

『瞬簡PDF 書けまっせ 8』はPDFに文字や図形、画像、印影などを自由自在に書き込みするためのソフトウェア『瞬簡PDF 書けまっせ』の最新バージョンです。

今回は差込印刷をおこなう方法を解説していきます。
差込印刷とは文書に外部データを埋め込んで印刷したりPDF出力することを言います。
Youtube動画として公開されておりますのでそちらもご覧下さい。
3分で分かる!「瞬簡PDF 書けまっせ 8」差込印刷

それでは差込印刷機能を使って年間保守契約申込書をつくってみましょう。こちらのPDFを使用します。

まずページ全体に自動認識で差込フィールドを作成します。

自動認識されてできたフィールドのうち、使わないものや誤認識されたものを削除します。
ここでは下記入力欄と
「ご登録情報の変更がある方はご記入ください。」
「その他の理由・ご意見がございましたらご記入ください」
最後にあるアンテナハウスロゴ上にご認識されてできた3つのフィールドを削除します。

会社、部署、氏名の欄は1つのフィールドを3つに分割します。
高さを半分に縮めて[Ctrl]を押しながらドラッグコピーして上下2つに分割します。 さらに下の段も幅を半分に縮めてコピーすることで左右2つに分割します。

「ご登録住所」欄は上下に3分割、「保守契約製品名」欄は上下に2分割してください。

 

今回使用するデータ hosyu_data.xlsxは13列あるのでフィールドの数がちょうど13になるように余分に2つ作っておきます。

すべてのフィールドができたら差込データ(hosyu_data.xlsx)を設定しましょう。
リボン「差込」タブのデータソースにデータファイルの場所を指定します。
今回のデータの先頭行は項目名になっており不要のため、「開始行」を「2」にセットします。

このようにデータが表示されました。

データの順序と差込順序をあわせていきましょう。
差込順序の「クリックで指定」を使います。

ユーザIDが1番目,区分が2番目(不要データ)、会社名が3番目というふうにデータの順序を見ながら順番にフィールドをクリックして差込順序を決めていきます。
不要データは余分に作ったフィールドに割り当てます。

余分な2つのフィールドは非表示にします。選択してリボン「書式」タブの「出力」を「出力しない」にしてください。

これでデータのセットは終了です。あとは細かい調整をして文書としての完成度を上げていきましょう。
氏名の後ろに「様」が入るようにしたいので表示形式に「@様」と入力します。

同様に郵便番号に「〒」、価格に「\」をつけましょう。

あとは全フィールドを選択して、フォントを変えたりマージンを入れるなど、お好みで見栄えを良くしていきます。

住所など文字が入り切らなくなる可能性があるものは、「自動フォントサイズ」をONにしておくと文字があふれる場合、自動的にフォントサイズを小さくしてくれるのでおすすめです。

データの差込が正しくできているかは印刷プレビューで確認できます。
正しくできていればデータが埋め込まれレコード数分のページができているはずです。

最後にPDFを出力すればできあがりです。
今回作成した内容をwppxとして保存したものが年間保守契約申込書できます。


月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(23)―図の種類・配置・表示・管理

前回(月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(22)―Wordの図機能の概要)は、リボン「挿入」の図グループの7種類のコマンドをざっと見ました。今回は引き続き、これらのコマンドで作成する図がどのように取り扱われるかを調べてみます。

ページの中の図は、リボン「レイアウト」の「配置」グループにある「オブジェクトの選択と表示」で一覧できます。

オブジェクトの選択と表示

オブジェクトの選択と表示


なお、図を選択して「図ツール」や「描画ツール」のリボン「書式」にある「配置」グループでも「オブジェクトの選択と表示」コマンドを選択できます。

「オブジェクトの選択と表示」をクリックすると、「選択」ウィンドウが開いてページの中にある図オブジェクトの一覧が表示されます。

ページの中の図オブジェクトの一覧を表示

ページの中の図オブジェクトの一覧を表示

図オブジェクトの一覧では、図ひとつひとつに種類と番号がついています。種類はリボンの図グループのコマンドの種類に対応し、番号は挿入順になっています。但し、これは編集できますのであまり大きな意味はないようです。次に名前を変更する例を示します。

図オブジェクトの名前を変更する

図オブジェクトの名前を変更する


ここでは、「グラフィックス11」と名前のついたオブジェクトの名前を「上着」に変更しました。

図オブジェクトは表示・非表示を切り替えできます。「すべて非表示」にすると、目玉のようなアイコンがついているオブジェクトが非表示になります。

すべて非表示をクリックした状態

すべて非表示をクリックした状態


描画キャンバスはキャンバス全体が非表示になります。

図オブジェクトをひとつ選択して「非表示」にすることもできます。次は「上着」のみを非表示に設定しました。

「上着」を非表示にする

「上着」を非表示にする

図オブジェクトの配置は「行内」と「文字列の折り返し」に大きく分けられます。すべて非表示としたとき残るのは、配置を「行内」に設定した図オブジェクトです。

配置の変更は、図オブジェクトを選択し、「配置」グループの「配置」コマンドで行います。

図の配置を設定する「配置」コマンド

図の配置を設定する「配置」コマンド

図オブジェクトの配置を変更してみましょう。先ほど名前を「上着」に変更したオブジェクトを選択します。

図オブジェクトを選択

図オブジェクトを選択


このオブジェクトは、現在、文字列の折り返し「四角形」で、「ページ上の位置を固定」になっています。また、アンカーが先頭段落の先頭に設定されています。
「上着」のレイアウトオプション

「上着」のレイアウトオプション


配置を「行内」に変更すると、図はアンカーのあった位置に文字列の一部として配置されます。
図「上着」が段落先頭に文字扱いで表示される

図「上着」が段落先頭に文字扱いで表示される

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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(22)―Wordの図機能の概要

Microsoft Wordのスタイル探索ブログ、第1のトピックは見出しとアウトライン、第2のトピックは箇条書きと進んできました。今回から第3のトピックに入ります。Wordの機能はやまのようにあるので、話題に困ることはありません。

順番に探索してみましょう。

図の機能は結構深淵そうなのと、考えてみると(個人的には)いままで写真や簡単な線画を描く位で、あまり網羅的に使ったことがありません。そこで、この際、図を探索してみたいと思います。

図の機能の入り口は、リボン「挿入」の図グループのコマンドになるでしょう。図グループには7種類のコマンドがあります。まずこのコマンドを一通り見てみます(以下は、Office 2019によります)。

画像の挿入
第一は画像の挿入です。これは画像ファイルをコンピュータまたはインターネットなどから作成中の文書に挿入する機能です。

画像の挿入

画像の挿入


代表的な画像ファイル形式は扱えるはずですが、比較的最近の話題として、Office 2019からSVGが扱えるようになった一方、EPS形式が扱えなくなったことがありました。

参考)Microsoft OfficeでEPSが使えなくなったとの由。弊社製品の活用で解決する方法をご提案します。ぜひ、ご検討ください。

図形の追加
第二は図形の追加機能です。線や矩形のようなプリミティブな図形からフローチャートや吹き出しのような複雑な機能をもつもの、テキストボックスのような図形とは言い難いものも含まれます。文書中に直接図形を書いたり、描画キャンバスを配置してその上に図形を書くことができます。

図形の追加

図形の追加

アイコンの挿入
何かの意味を持つようにデザインされた記号(アイコン)を挿入する機能です。このコマンドを開くとアイコンを選択するダイアログが開きます。そこには「アクセシビリティ」、「アパレル」のように分類されて登録されています。膨大な数のアイコンがあります。実のところいままで一度も使ったことがないのですが、使いこなすと便利そうです。

アイコンの挿入

アイコンの挿入

3Dモデル
自分で登録した3D画像またはインターネット上に用意されたオンライン3D画像を挿入できます。オンライン3D画像を選択するダイアログには分類別の膨大な数の3D画像が登録されています。実のところこれもいままで一度も使ったことがありません。

3D画像

3D画像

SmartArt
情報やアイデアを視覚的に表現したSmartグラフィックと呼ぶ図形(テンプレート)を文書中に挿入します。

SmartArtの挿入

SmartArtの挿入

グラフ
数値をビジュアルなグラフとして表現して挿入する機能です。グラフはExcelで良く使っているのですが。Wordではめったに使ったことがありませんでした。

グラフの挿入

グラフの挿入

スクリーンショット
コンピュータの画面の一部を切り取って編集中の文書に挿入できます。この機能もいままで使ったことがありませんでした。いままではスクリーンショットをPaintに貼り付けて、Paintでクリッピングやコピーして保存してからWordに挿入する操作で行っていたのですが。そうやらこれをほぼワンクリックでできるようになりそうです。

スクリーンショットの挿入

スクリーンショットの挿入

こうしてみるとWordの図挿入機能は、ものすごく豊富です。いままで自分で使用していたのはその中でごくごくわずかな部分にすぎませんでした。

Microsoft Wordを宣伝するつもりはないのですが、「いや~スゴイ」。Wordの機能を棚卸するだけでも意味がありそうですね。
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Microsoft Wordが帳票ツールに変身!OOXML Tool API for docx ≪α版≫
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【Wordの「スタイル」ってなんだろう】ゼロから学ぼう! Microsoft Wordのスタイル機能・シリーズ -アウトラインと見出しスタイルについて- vol.1

【vol.1】Wordの「スタイル」ってなんだろう

「はじめに」ということで、ウェビナー全体の構造とともに、Wordのスタイルについて、Wordの画面を使用して簡単に紹介します。


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