カテゴリー別アーカイブ: Office活用

月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(54)Wordの段落番号のレイアウト

4年近く前、本連載の19回目「Microsoft Wordスタイル探索(19)―Wordで箇条書きのレイアウトパターンを指定する方法(続き)」(以下、前回といいます)で段落番号の配置についての探索結果を報告しました。

前回のおさらい

今回、段落番号の配置をもう少し掘り下げてみます。まず、前回、右クリックメニューの「リストのインデントの調整」で①番号の配置、②インデントの設定例を示しました。このときの設定例は次のとおりでした。

番号の配置で、本文領域左端から箇条番号の左端の距離を設定し、インデントで本文領域左端から箇条内容の開始位置までの距離を設定します。
上部のルーラーに表示されている値は文字数です。7.4㎜は2文字に相当しています。
この設定では本文領域左端から段落番号まで2文字分の空きを確保し、さらに2文字分空けて段落本文を開始しています。

番号の揃え方の設定変更

Wordの段落番号ライブラリでは、ダイアログの下部に「新しい番号書式の定義」メニューがあり、番号の配置を変更できます。


前回は、この設定の説明を省略していましたが、段落番号の配置を左揃えとしていました。

次に段落番号の配置を右揃えに変更してみます。

すると次のように番号の配置で入力した値は、本文領域左端から段落番号の右側までの距離となります。段落番号と段落本文の間に2文字分の空きが確保されます。

段落番号の幅が変化するとき

次に段落番号自体の幅が変化するときの例を示します。ここでは段落番号は本文領域の左端に揃え、段落の本文は本文領域の左端から4㎜の位置に揃える設定としています。

段落番号の幅が4㎜に収まる番号と、4㎜を超える番号があります。4㎜を超えるとき、段落本文の開始位置は本文領域の左端よりもだいぶ右側に飛んでしまいます。

調べてみると、この位置は本文領域の左端から4文字目に相当しています。これは、段落のタブ設定ダイアログで既定値の文字数に設定されている値になっています。

リストのインデントの意味

こうしてみると、リストの「インデント」4㎜は、段落番号と段落本文の間に入力されているタブ文字のタブストップ位置として扱われていることが分かります。段落番号の幅が4㎜を超えるとき、タブ文字の位置がタブストップ位置を超えてしまうため、タブ文字の作用で段落開始位置が、次のタブストップの位置に進んでしまうようです。

なお、段落番号を右寄せに設定すると、段落番号の幅が変化することによる本文開始位置の乱れはなくなります。

【前回】(53)組込スタイルの種類と継承関係
【次回】(55)Wordで索引を作成するー基本操作、Wordの索引の問題点とその解決策

◆シリーズ総目次:Microsoft Wordのスタイル探索

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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(53)組込スタイルの種類と継承関係

前回(Microsoft Wordスタイル探索(52)段落に連続番号を振る方法(スタイルの継承に注意する))は、スタイルの継承について簡単に説明しました。

今回は、基本に立ち返って、Microsoft Wordの組込スタイルの全貌とその設定の継承関係について調べてみます。今回の調査結果は前回と同じく、Microsoft Office 2021に含まれているWord 2021で調べたものです。

Word 2021に組み込まれているスタイルを一覧表にしたのが、次のPDFです。
Word 2021に組み込まれているスタイルの一覧表(PDF)

スタイルの数と種類

まとめると次の表のとおりです。全部で122個の組込スタイルがあり、そのうち推奨スタイルが16個あります。

総数

122

種類

段落スタイル

53

文字スタイル

29

リンクスタイル

40

推奨スタイル

16

段落スタイル、文字スタイルの説明は省略します。リンクスタイルは段落スタイルとしても使え、段落の一部を選択して設定すると文字スタイルとしても使えます。スタイルウインドウで「リンクされたスタイルを使用不可にする」にチェックした状態で、段落の一部文字列に設定すると段落全体に設定されます(すなわち、段落スタイルの指定となります)。

スタイルの設定の基準

表の右端「基準」の列は、各スタイルを作成するときに基準とされているスタイルです。次の図に、「見出し1」スタイルの基準の例を示します。

設定内容が他のスタイルに依存していないのは、「標準」、「行間詰め」、「段落フォント」、「マクロ文字列」の四つだけです。ほとんどのスタイルが他のスタイルに基づいて設定されています。

文字スタイルはすべて「段落フォント」を基準としています。段落スタイル、リンクスタイルはほとんどが「標準」スタイルを基準としています。一部のリンクスタイルのみ、他のリンクスタイルを基準としています。例えば、「本文字下げ」スタイルは「本文」スタイルを基準にしています。

「標準」スタイルを継承しているスタイルが多いことから、「標準」の設定を変更すると他の広汎なスタイルの設定が影響を受けることが予想されます。

標準スタイルの設定変更で影響を受けるスタイル

「標準」スタイル内容は文書の「既定の設定」で設定されています。スタイルウィンドウ「スタイルの管理」ダイアログの「既定の設定」にあります。現在のフォントサイズは10.5ポイント、フォントカラーは「自動」となっています。

「標準」スタイルのフォントサイズを8ポイント、フォントカラーを赤に変更してみます。すると次の図のようになります。

フォントサイズについては、「見出し1」~「見出し3」、「表題」、「副題」などは変化しません。しかし、「見出し4」~「見出し9」、「斜体」、「強調斜体」、「強調斜体2」、「強調太字」などのフォントサイズは影響を受けて変化します。
フォントカラーについては、「見出し1」~「見出し9」、「副題」、「斜体」、「強調斜体2」は変化しません。しかし、「表題」、「強調斜体」、「強調文字」などは赤に変わります。

もう少し詳しく調べてみると「標準」の設定を変更した場合、フォントサイズやフォントカラーが「標準」スタイルとは別の値として設定済になっているときは影響を受けず、設定されていなかったり、「自動」に設定されているときは、「標準」の設定値変更の影響をうけているようです。

「標準」と同じ段落スタイルだけでなく、文字スタイルやリンクスタイルも影響を受けています。

【前回】(52)段落に連続番号を振る方法(スタイルの継承に注意する)
【次回】(54)Wordの段落番号のレイアウト
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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(52)段落に連続番号を振る方法(スタイルの継承に注意する)

Microsoft Wordの段落番号は、段落の行頭に連続した番号を自動的に設定する機能です。段落番号は公式文書で段落を参照するのに用いられることが多いようです。

今回は、Wordで長文を作成するとき、特定スタイルの段落に連続する段落番号を付けたり、段落によって段落番号の形式を使い分けたりするにはどうしたら良いかを調べてみました。以下、Microsoft Office 2021に含まれているWordで調べた結果を簡単に整理します。

段落番号は段落スタイルと関係なく設定もできますが、特定スタイルの段落に一貫した番号を付けると文書中で一貫した段落番号形式を設定できます。

スタイルの継承

複数の段落番号形式を使い分けるには、まず、スタイルの継承について理解する必要があります。スタイルの継承とは、Wordで新しいスタイルを作成するときに基準にするスタイルを引き継いでいくことです。例えば、次のダイアログは「本文」スタイルを規準にして新しいスタイルを作成しようとしているところです。

ここで新しい段落スタイルとして「スタイル1」を作成すると、「スタイル1」には「本文」に設定されている段落書式が継承されます。

Wordの段落スタイルの基本は「標準」スタイルです。そして、さまざまな段落スタイルは「標準」スタイルをベースとして継承関係をツリーで表すことができます。

サンプルとして次のような段落スタイルの継承関係をもつ文書を作成してみました。

矢印は継承関係を表し、左側のスタイルをもとに右側のスタイルを作成しています。

段落番号の設定

段落に段落番号を設定するには、Wordの編集画面で、段落を選択した上で、リボン「ホーム」の段落書式セクションにある「段落番号」メニューを使います。次は「新しいスタイル2」を指定した段落を選択して、イ)、ロ)、ハ)形式の段落番号を設定しました。

この段階では、ここで選択した段落のみに段落番号が設定されます。この形式の段落番号を文書全体に適用するには、スタイルに関係付ける必要があります。このためには、「新しいスタイル2」を指定した段落を選択した状態で、「スタイルギャラリー」で「新しいスタイル2」を右クリックします。表示されるメニューで「選択箇所と一致するように新しいスタイル2を更新する」を実行します。

すると、「新しいスタイル2」にイ)、ロ)、ハ)形式の段落番号が関係付けられて、文書全体で「新しいスタイル2」が設定された段落に連続番号が付与されます。

次に、「新しいスタイル2」の親にあたる「新しいスタイル1」を指定した段落に①、②、③という形式の番号を設定すると次のようになります。

このようにすると段落スタイル毎に、段落番号の形式を使い分けることができます。

注意点として、ツリーの下位にあたる段落スタイルに先に段落番号の形式を設定する必要があります。これと逆に上位の段落スタイルに段落番号の形式を設定すると、下位のスタイルまで上位の段落番号形式が継承されてしまいます。

【前回】(51)インデント関係コマンド(続き)
【次回】(53)組込スタイルの種類と継承関係
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Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(4)

日本語組版では、縦組みの表のコマ(セル)の配置に関しては、次のようになります。

(1) 表の右上に表の原点を置く
(2) 隣り合う縦罫線で囲まれた領域を表の行、隣り合う横罫線で囲まれた領域を表の列とする
(3) 表の列(カラム)の進行方向は上から下へ、行の進行方向は右から左へ進む

『日本語文書の組版方法 JIS X4051:2004』(平成16年3月20日改正、日本規格協会発行)11.2 表の全体の処理 2) 縦書きの場合
『日本語組版処理の要件(日本語版)W3C 技術ノート 2012年4月3日』 4.4.2 表の全体の組方向

しかし、Microsoft Wordの表作成機能では、このようなレイアウトの表を作成することができません。

見かけ上、似たような表を作成する方法は、ページを縦書きとし、表の各セル中の文字の方向を縦書きとする方法ですが、これは原点が左上で表の行と列の進行方向がそれぞれ上から下、左から右なので、いろいろ不都合がおきます。詳しくは次のページをご参照ください:

Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(1)

一方、ページを横組みとして、文字を左90度回転を指定すると、表全体が左90度回転した状態で、日本語組版では、縦組みの表のコマ(セル)の配置の規定に似たレイアウトができます。詳しくは次のページをご参照ください:

Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(2)

しかし、上の設定では、Microsoft Wordのページ設定自体は横書きです。Wordの編集画面では文字が横倒しになった状態で表示されます。紙に印刷したり、PDFを作成したうえで、紙を回転すれば縦書きになります。

しかし、表が正立した状態で、柱をページの上部におき、ノンブルをページの下部におくといったことはできません。

これはアメリカ生まれのMicrosoft Wordの限界といえるかもしれません。




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Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(3)

Microsoft Wordには段落罫線罫線タブという機能があり、これを使って表のようなレイアウトのページを作成できます。

具体的な例として、次のように項目がならんだ文書を罫線で区切った表の形式にしてみます。

1.表形式にする文書の例

2.横組みの表形式を作成する
(1)表形式にしたい範囲を選択し、「ホーム」タブの「罫線」のメニューで「枠線」をクリックします。

(2)これにより、次のように各行(この例では一行が一段落)に枠線が設定されます。

(3)次に表形式にしたい範囲を選択し、「ホーム」の「段落」ダイアログを表示します。

(4)「段落」ダイアログの左下にある「タブ設定」ボタンをクリックします。

(5)「タブとリーダー」ダイアログが開くので、タブの種類として「罫線」を選択します。罫線を設定したい位置を文字数単位で指定します。

(5)OKをクリックすると、次のように、指定した位置に縦罫線が設定され、表の体裁になります。

3.縦組みの表形式に変更する

こうして作成した表は横組みのレイアウトです。これを「レイアウト」タブの「文字列の方向」メニューで「縦書き」を指定すると、次のような縦組みの表形式に変更できます。

4,まとめ

段落罫線と罫線タブで作成した表は、紙面上に、テキストを配置した上で、縦横の罫線を引いたという状態です。このため行と列方向にセルを配置する形式の表構造をもっているわけではないので、一部の段落に文字を追加したりするとレイアウトが崩れてしまうなどの問題があります。

あくまで、簡易的な表レイアウトと考えるのが良いでしょう。

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Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(2)

Microsoft Wordには文書内(文書全体、またはセクション単位、またはテキストボックス内)で文字の方向をさまざまに切り替える機能があります。指定できる方向は、「レイアウト」タブの「文字列の方向」メニューの縦書きと横書きのオプションで確認できます(次の図)。

そこで、横書きの文書を作成した上で、文字の向きを「左90度回転」指定すると、見かけ上は縦書き文書のページを左90度回転したレイアウトになります。

このような文書に表を挿入すると、本文(表外)の行の進行方向と表の行の進行方向が一致、また本文の文字の進行方向(左から右)と表のカラムの進行方向(左から右)が一致します。

表のセルに文字を入力していき、表の高さが大きくなってページの区切りを超えた場合、ページを跨る表ができます。

また、このようにして作成したdocx文書を『HTML on Word』でdocxからHTMLに変換した上で、HTMLにCSSで縦書きを設定してブラウザで縦書き表示すると次のようになります。

前回(Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(1))の設定方法と比較すると、

(1) 長所としては、本文の文字の流れと表の行・カラムの流れが一致した縦書き文書になり、本文と表で文字や行の進行方向に矛盾がなくなります。この結果、表が大きくなってページの範囲を超えたときは、ページを跨る表ができます。
(2) 欠点としては、Wordの編集画面では文字が回転してしまっているので、編集しにくい点があげられます。

(2)の欠点を回避するには、Wordで文書を編集するときには横書き文書として編集、印刷したりPDFを作成するときに、「レイアウト」タブの「文字列の方向」メニューで、「横書き(左90度回転)」を指定することが考えられます。

なお、細かいことですが、横書きと縦書きでは数字(アラビア数字⇔漢数字)など数字の書記方法が異なるなどの相違があるので、予め縦書きを想定した書記方法を適用しておくなどの配慮が必要です。次の例をご参照ください。

〇横書きではアラビア数字

〇縦書きでは漢数字

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Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(1)

Microsoft Wordで縦組みの文書を作成するには、「レイアウト」タブの「文字列の方向」で「縦書き」を指定します(次の図)。

そうしますと、Wordの編集画面で文字を入力するときの文字の進行方向が縦方向になります。文字だけの文書であれば、これで問題ないのですが、縦組の表を作成しようとすると困ります。

Wordで表を作成するには、「挿入」タブで「表」を挿入しますが、これで挿入される表は横組みの表です。すなわち、①表の行が上から下に進み、②表のカラムは左から右に進みます。

そして、表のセルの中の文字は横書き設定となります。

Wordには表のセル内の文字の方向を切り替えるメニューがあります。

そこで、文字列の方向を切り替えると、セルの中を縦書きに設定できます。

この機能で各セルを縦書きにして、一見、和文の縦書き表に見えるような表を作成できます。
日本の歴史書などに登場する年表はこのような形式です。日本の歴史年表のような和文の縦組みの表は、表の行が縦に作られ、行の進行方向は右から左に、表のカラムは横に並び、カラムの進行方向は上から下です。

ところが、Wordの表挿入をして、セル内の文字を縦方向に設定した表では、表の行が上から下に進み、表のカラムは左から右に進んでいます(次の図)。

この表は、縦組みの表に見えますが、表としての行・列構造は横書きなのです。そこで、例えば、次の図のように右端のセルにテキストを入力していくとセルの幅が広がって、右から2列目と3列目のセルが左に移動します。

更にテキストの分量を増やしていくと、一番左側のカラムがページの境界をはみ出して見えなくなってしまいます。表がページの区切りで改ページして次のページに跨りません。

これは、Microsoft Wordでは表がページを跨るときのページ分割は行単位で行われるようになっており、カラム単位ではページ分割が行われないためです。

また、HTMLに変換してブラウザで縦書き表示してみると論理構造は横書きであることがよくわかります。このdocx文書を『HTML on Word』でHTMLに変換します。変換したHTMLをブラウザで縦組み表示するために、HTMLのbodyタグに次の設定をします。

<body style="writing-mode: vertical-rl;">

ブラウザで表示すると、次のようにセルの位置がWordの画面の表と異なってしまいます。

では、明日はこの問題を解決する方法を調べてみましょう。縦書きWord文書をHTMLに変換することはめったにないので、困る人がすくないかもしれませんが。お楽しみに。

次回は:Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(2)

【注】『HTML on Word』は、アンテナハウスが開発したdocx文書をHTMLに変換するツールです。詳しくは次のWebページをご覧ください。https://www.antenna.co.jp/xhw/

なお、WordのHTML形式保存機能を使用してHTMLを作成し、そのHTMLをブラウザで縦組み表示する設定をしても同じ現象が起きます。

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Wordでマニュアルを執筆してWebマニュアルを作る

お知らせ
2024年1月30日 事例紹介ウェビナーを開催いたします。
どうぞ、ご参加ください。
お申し込みは次からどうぞ。
ワードからすばやくウェブ オンワード

Microsoft Wordを製品やサービスのマニュアルを執筆するのに使用している人はかなり多いと思われます。

そうして作成した原稿はPDFとして配布されることが多いでしょう。なぜならば、Wordはもともとプリンタで紙に印刷して配布するための文書を執筆するツールだからです。

ところが、現在は、あらゆる情報をWebで閲覧・聴取する時代です。PDFは紙のページをそのまま電子化したもので、ディスプレイで閲覧するにはあまり便利ではありません。これは現実に多くの方が実感されていることでしょう。

そうすると、マニュアルをWordで制作した場合、どのようにしてWebページにするか、ということが大きな課題になるはずです。

この解決策はいろいろあります。一番、革命的解決策は、Wordでマニュアルの原稿を執筆するのをやめる、というものです。具体的には、マニュアルの内容をXMLとして用意するといったものです。

その対極としては、Wordで書いたマニュアルの原稿をWebページに変換する、という方法もあります。

ここにご紹介する『HTML on Word』は、後者の方法を実現するものです。今回、1年ぶりにV2にバージョンアップしました。今回のバージョンアップは、Wordで執筆してマニュアルからより実用的なWebページが作成できる様になりました。

主な機能強化点
1.HTMLを分割出力
Word文書の章や節など、指定したアウトラインレベル単位で分割してHTMLを出力できるようになりました。

2.ページ移動リンクの出力
HTMLを分割して出力する場合は、オプションの指定で「前へ/次へ」といった、ページを順に移動するリンクを出力することができるようになりました。

3.目次の変換を強化
Wordの目次機能で作成した目次箇所を、HTMLの<nav>タグで出力するようにしました。また、目次箇所のタグやclassなどの要素を追加しました。

4.目次を別ファイルで出力
HTMLの分割時は目次箇所を別のファイル(html)として出力することができるようになりました。

30日間試用できるV2.0の評価版も提供しておりますので、上記新機能を実際にお試しいただけます。下記よりお申し込みの上、是非おご利用ください。

製品ページ
https://www.antenna.co.jp/xhw/

製品ページ・機能詳細
https://www.antenna.co.jp/xhw/function.html

評価版ダウンロード申込
https://www.antenna.co.jp/xhw/trial.html

英語版も
『HTML on Word』は英語版も用意しております。
英語版についての情報は次からご覧ください。

https://www.antennahouse.com/html-on-word-2.0




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Wordの見出しスタイルがPDFのしおりに出力されるかどうか

本日(9月27日)のちょっと一息アンテナハウスウエビナーは「ゼロから学ぼう! Microsoft Wordのスタイル機能・シリーズ -主に見出しスタイルの使いこなし術について解説-」というタイトルでお話しました。

Wordで編集中の文書に見出しスタイルを設定すると、ナビゲーションウィンドウに見出しが階層化(ツリー)表示されるようになります。ウェビナーではこれがPDFのしおりと似たような機能です、と紹介しました。

そうしましたら、終了後の質疑応答で「Wordの見出しによるナビゲーションは、Word文書をPDFにしたとき、PDFのしおりとして設定されるのでしょうか?」という質問をいただきました。

記憶に確信がもてなかったため、質疑応答ではWordからPDFに出力する方法はいろいろあるので調べてみますと回答いたしました。ウェビナー終了後に調べてみましたので、以下に、簡単に整理します。

1.Wordのナビゲーションウィンドウの表示
次の図はWordで編集中の文書に段落のアウトラインレベルと見出しスタイルを設定した例です。この例では「はじめに」と「参考資料」はアウトラインレベルを設定しています。また、章番号のついた段落は見出し1、節番号のついた段落は見出し2、項番号のついた段落は見出し3のスタイルが設定されています。

Wordのナビゲーションウィンドウ

2.Antenna House PDF Driver V8でWordからPDFを作成する
(1) Wordの印刷メニューからPDFを出力すると、でき上ったPDFにはしおりは設定されません。

(2) Antenna House PDF Driver V8は、Wordのアドインとしてリボンに組み込むことができます。アドインを使ってPDFを作成するときは、オプションでしおりを作成するかどうかを指定できます。

PDF Driver V8のアドインーオプション設定ダイアログ

ここで「しおりを出力する」にチェックを入れると、出力されたPDFでは、見出しスタイルを設定した段落がしおりとして作成されます。(アウトラインレベルを設定した段落はしおりになりません)。

PDF Driver V8で作成したPDFのしおり

3.Wordの「名前をつけて保存」でPDFを作成する
(1) Wordの「名前をつけて保存」でPDFを作成するとき、オプション設定をデフォルトのままとしてPDFを作成するとしおりは作成されません。

(2) Wordの「名前をつけて保存」にはオプション設定を変更するダイアログを表示して、しおりを作成する方法を指定できます。オプションの「次を使用してブックマークを作成」で「見出し」にチェックしてみます。

Wordの名前を付けて保存のオプション設定

できあがったPDFを見ると、一応、しおりが設定されています。しかし、しおりは不完全です。

Wordの名前を付けて保存で、PDFにしおりを作成する

問題点は①しおり項目が2重になっている箇所がある。②見出しの中でしおりに出力されていない箇所がある。

こうしてみると、Wordの名前を付けて保存のしおり作成は不完全なできのようです。なお、Micorosft Wordにもいろいろなバージョンがありますので、あくまでも手元のWordで調べた限りではありますが。

〇チェックに使ったツールなどのバージョンは次のとおりです。
① Microsoft Word 2019 バージョン2208(ビルド15601)
② Antenna House PDF Driver V8.0MR1 (8.0.1) 『瞬簡PDF編集9』同梱のもの

2022年11月15日追記
アンテナハウスでは、PDF Driverを使わないで、Wordファイルを直接PDFに変換する「Office Server Document Converter(OSDC)」という製品も提供しています。

OSDCのWebページ:
https://www.antenna.co.jp/sbc/

OSDCでは、WordファイルをPDFに変換するさい、しおりを出力することができます。例えば、コマンドラインでは次のように指定します。

C:\>sbccmd -d 変換元.docx -o 変換先.pdf -p @PDF -docpdfbookmarklevel n
(n: Wordの見出しのレベル)




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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(51)インデント関係コマンド(続き)

前回、インデント関係のコマンドの一覧を作りました。

コマンドの機能を調べて表にしてみました。

コマンド

キーボード・ショートカット

機能

リボン

Indent

Ctrl+M

インデントを増やす

IndentIncreaseWord

IndentChar

インデントを字送り分増やす

IndentFirstChar

字下げインデントを字送り分増やす

IndentFirstLine

字下げインデントを2文字分増やす

IndentLine

インデントを2文字分増やす

IndentSpecialFirstLine

不明

IndentSpecialHanging

不明

IndentSpecialNone

不明

UnIndent

Ctrl+Shift+M

インデントを減らす

IndentDecreaseWord

UnIndentChar

インデントを字送り分減らす

UnIndentFirstChar

字下げインデントを字送り分減らす

UnIndentFirstLine

字下げインデントを2文字分減らす

UnIndentLine

インデントを2文字分減らす

IncreaseIndent

インデントを字送り分増やす

HangingIndent

Ctrl+T

ぶら下げインデントを次のタブ位置まで増やす

UnHang

Chtl+Shift+T

ぶら下げインデントを前のタブ位置まで減らす

DecreaseIndent

インデントを2文字分減らす

AdjustListIndents

リストの位置を変更する

ListIndent

選択範囲を1レベル下げる

ListOutdent

選択範囲を1レベル上げる

Wordのリボン「ホーム」には「インデントを増やす」「インデントを減らす」というメニュー(ボタン)があります。これらは、キーボードショートカットとは異なるコマンドに対応しているようです。


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Vol.1:Word文書をWebページにした例の紹介
Word文書を実際にWebページ(HTML)に変換した実例を紹介します。
Vol.2:Webページ構成要素別のWord編集例
Wordが持つ文書編集機能とWebページ作成時に必要となるHTMLタグがどのように対応しているかをご紹介します。
Vol.3:CSSによる、Webページのレイアウト
見栄えの良いWebページを作成するうえで必須のCSSについて、サンプルファイルを交えながら設定例をご紹介します。
Vol.4:Wordから上手にHTMLにする為の編集アドバイス
WordでWebページの原稿を作成するにあたり注意するべきポイントをご紹介します。

◆前回:(50)インデント関係コマンド
◆次回:(52)段落に連続番号を振る方法(スタイルの継承に注意する)
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