カテゴリー別アーカイブ: Office活用

Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(2)

Microsoft Wordには文書内(文書全体、またはセクション単位、またはテキストボックス内)で文字の方向をさまざまに切り替える機能があります。指定できる方向は、「レイアウト」タブの「文字列の方向」メニューの縦書きと横書きのオプションで確認できます(次の図)。

そこで、横書きの文書を作成した上で、文字の向きを「左90度回転」指定すると、見かけ上は縦書き文書のページを左90度回転したレイアウトになります。

このような文書に表を挿入すると、本文(表外)の行の進行方向と表の行の進行方向が一致、また本文の文字の進行方向(左から右)と表のカラムの進行方向(左から右)が一致します。

表のセルに文字を入力していき、表の高さが大きくなってページの区切りを超えた場合、ページを跨る表ができます。

また、このようにして作成したdocx文書を『HTML on Word』でdocxからHTMLに変換した上で、HTMLにCSSで縦書きを設定してブラウザで縦書き表示すると次のようになります。

前回(Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(1))の設定方法と比較すると、

(1) 長所としては、本文の文字の流れと表の行・カラムの流れが一致した縦書き文書になり、本文と表で文字や行の進行方向に矛盾がなくなります。この結果、表が大きくなってページの範囲を超えたときは、ページを跨る表ができます。
(2) 欠点としては、Wordの編集画面では文字が回転してしまっているので、編集しにくい点があげられます。

(2)の欠点を回避するには、Wordで文書を編集するときには横書き文書として編集、印刷したりPDFを作成するときに、「レイアウト」タブの「文字列の方向」メニューで、「横書き(左90度回転)」を指定することが考えられます。

なお、細かいことですが、横書きと縦書きでは数字(アラビア数字⇔漢数字)など数字の書記方法が異なるなどの相違があるので、予め縦書きを想定した書記方法を適用しておくなどの配慮が必要です。次の例をご参照ください。

〇横書きではアラビア数字

〇縦書きでは漢数字

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Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(1)
Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(2)
Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(3)

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Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(1)

Microsoft Wordで縦組みの文書を作成するには、「レイアウト」タブの「文字列の方向」で「縦書き」を指定します(次の図)。

そうしますと、Wordの編集画面で文字を入力するときの文字の進行方向が縦方向になります。文字だけの文書であれば、これで問題ないのですが、縦組の表を作成しようとすると困ります。

Wordで表を作成するには、「挿入」タブで「表」を挿入しますが、これで挿入される表は横組みの表です。すなわち、①表の行が上から下に進み、②表のカラムは左から右に進みます。

そして、表のセルの中の文字は横書き設定となります。

Wordには表のセル内の文字の方向を切り替えるメニューがあります。

そこで、文字列の方向を切り替えると、セルの中を縦書きに設定できます。

この機能で各セルを縦書きにして、一見、和文の縦書き表に見えるような表を作成できます。
日本の歴史書などに登場する年表はこのような形式です。日本の歴史年表のような和文の縦組みの表は、表の行が縦に作られ、行の進行方向は右から左に、表のカラムは横に並び、カラムの進行方向は上から下です。

ところが、Wordの表挿入をして、セル内の文字を縦方向に設定した表では、表の行が上から下に進み、表のカラムは左から右に進んでいます(次の図)。

この表は、縦組みの表に見えますが、表としての行・列構造は横書きなのです。そこで、例えば、次の図のように右端のセルにテキストを入力していくとセルの幅が広がって、右から2列目と3列目のセルが左に移動します。

更にテキストの分量を増やしていくと、一番左側のカラムがページの境界をはみ出して見えなくなってしまいます。表がページの区切りで改ページして次のページに跨りません。

これは、Microsoft Wordでは表がページを跨るときのページ分割は行単位で行われるようになっており、カラム単位ではページ分割が行われないためです。

また、HTMLに変換してブラウザで縦書き表示してみると論理構造は横書きであることがよくわかります。このdocx文書を『HTML on Word』でHTMLに変換します。変換したHTMLをブラウザで縦組み表示するために、HTMLのbodyタグに次の設定をします。

<body style="writing-mode: vertical-rl;">

ブラウザで表示すると、次のようにセルの位置がWordの画面の表と異なってしまいます。

では、明日はこの問題を解決する方法を調べてみましょう。縦書きWord文書をHTMLに変換することはめったにないので、困る人がすくないかもしれませんが。お楽しみに。

次回は:Microsoft Wordで縦組みの表を作る方法について考えてみよう(2)

【注】『HTML on Word』は、アンテナハウスが開発したdocx文書をHTMLに変換するツールです。詳しくは次のWebページをご覧ください。https://www.antenna.co.jp/xhw/

なお、WordのHTML形式保存機能を使用してHTMLを作成し、そのHTMLをブラウザで縦組み表示する設定をしても同じ現象が起きます。

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Wordでマニュアルを執筆してWebマニュアルを作る

お知らせ
2024年1月30日 事例紹介ウェビナーを開催いたします。
どうぞ、ご参加ください。
お申し込みは次からどうぞ。
ワードからすばやくウェブ オンワード

Microsoft Wordを製品やサービスのマニュアルを執筆するのに使用している人はかなり多いと思われます。

そうして作成した原稿はPDFとして配布されることが多いでしょう。なぜならば、Wordはもともとプリンタで紙に印刷して配布するための文書を執筆するツールだからです。

ところが、現在は、あらゆる情報をWebで閲覧・聴取する時代です。PDFは紙のページをそのまま電子化したもので、ディスプレイで閲覧するにはあまり便利ではありません。これは現実に多くの方が実感されていることでしょう。

そうすると、マニュアルをWordで制作した場合、どのようにしてWebページにするか、ということが大きな課題になるはずです。

この解決策はいろいろあります。一番、革命的解決策は、Wordでマニュアルの原稿を執筆するのをやめる、というものです。具体的には、マニュアルの内容をXMLとして用意するといったものです。

その対極としては、Wordで書いたマニュアルの原稿をWebページに変換する、という方法もあります。

ここにご紹介する『HTML on Word』は、後者の方法を実現するものです。今回、1年ぶりにV2にバージョンアップしました。今回のバージョンアップは、Wordで執筆してマニュアルからより実用的なWebページが作成できる様になりました。

主な機能強化点
1.HTMLを分割出力
Word文書の章や節など、指定したアウトラインレベル単位で分割してHTMLを出力できるようになりました。

2.ページ移動リンクの出力
HTMLを分割して出力する場合は、オプションの指定で「前へ/次へ」といった、ページを順に移動するリンクを出力することができるようになりました。

3.目次の変換を強化
Wordの目次機能で作成した目次箇所を、HTMLの<nav>タグで出力するようにしました。また、目次箇所のタグやclassなどの要素を追加しました。

4.目次を別ファイルで出力
HTMLの分割時は目次箇所を別のファイル(html)として出力することができるようになりました。

30日間試用できるV2.0の評価版も提供しておりますので、上記新機能を実際にお試しいただけます。下記よりお申し込みの上、是非おご利用ください。

製品ページ
https://www.antenna.co.jp/xhw/

製品ページ・機能詳細
https://www.antenna.co.jp/xhw/function.html

評価版ダウンロード申込
https://www.antenna.co.jp/xhw/trial.html

英語版も
『HTML on Word』は英語版も用意しております。
英語版についての情報は次からご覧ください。

https://www.antennahouse.com/html-on-word-2.0




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Wordの見出しスタイルがPDFのしおりに出力されるかどうか

本日(9月27日)のちょっと一息アンテナハウスウエビナーは「ゼロから学ぼう! Microsoft Wordのスタイル機能・シリーズ -主に見出しスタイルの使いこなし術について解説-」というタイトルでお話しました。

Wordで編集中の文書に見出しスタイルを設定すると、ナビゲーションウィンドウに見出しが階層化(ツリー)表示されるようになります。ウェビナーではこれがPDFのしおりと似たような機能です、と紹介しました。

そうしましたら、終了後の質疑応答で「Wordの見出しによるナビゲーションは、Word文書をPDFにしたとき、PDFのしおりとして設定されるのでしょうか?」という質問をいただきました。

記憶に確信がもてなかったため、質疑応答ではWordからPDFに出力する方法はいろいろあるので調べてみますと回答いたしました。ウェビナー終了後に調べてみましたので、以下に、簡単に整理します。

1.Wordのナビゲーションウィンドウの表示
次の図はWordで編集中の文書に段落のアウトラインレベルと見出しスタイルを設定した例です。この例では「はじめに」と「参考資料」はアウトラインレベルを設定しています。また、章番号のついた段落は見出し1、節番号のついた段落は見出し2、項番号のついた段落は見出し3のスタイルが設定されています。

Wordのナビゲーションウィンドウ

2.Antenna House PDF Driver V8でWordからPDFを作成する
(1) Wordの印刷メニューからPDFを出力すると、でき上ったPDFにはしおりは設定されません。

(2) Antenna House PDF Driver V8は、Wordのアドインとしてリボンに組み込むことができます。アドインを使ってPDFを作成するときは、オプションでしおりを作成するかどうかを指定できます。

PDF Driver V8のアドインーオプション設定ダイアログ

ここで「しおりを出力する」にチェックを入れると、出力されたPDFでは、見出しスタイルを設定した段落がしおりとして作成されます。(アウトラインレベルを設定した段落はしおりになりません)。

PDF Driver V8で作成したPDFのしおり

3.Wordの「名前をつけて保存」でPDFを作成する
(1) Wordの「名前をつけて保存」でPDFを作成するとき、オプション設定をデフォルトのままとしてPDFを作成するとしおりは作成されません。

(2) Wordの「名前をつけて保存」にはオプション設定を変更するダイアログを表示して、しおりを作成する方法を指定できます。オプションの「次を使用してブックマークを作成」で「見出し」にチェックしてみます。

Wordの名前を付けて保存のオプション設定

できあがったPDFを見ると、一応、しおりが設定されています。しかし、しおりは不完全です。

Wordの名前を付けて保存で、PDFにしおりを作成する

問題点は①しおり項目が2重になっている箇所がある。②見出しの中でしおりに出力されていない箇所がある。

こうしてみると、Wordの名前を付けて保存のしおり作成は不完全なできのようです。なお、Micorosft Wordにもいろいろなバージョンがありますので、あくまでも手元のWordで調べた限りではありますが。

〇チェックに使ったツールなどのバージョンは次のとおりです。
① Microsoft Word 2019 バージョン2208(ビルド15601)
② Antenna House PDF Driver V8.0MR1 (8.0.1) 『瞬簡PDF編集9』同梱のもの

2022年11月15日追記
アンテナハウスでは、PDF Driverを使わないで、Wordファイルを直接PDFに変換する「Office Server Document Converter(OSDC)」という製品も提供しています。

OSDCのWebページ:
https://www.antenna.co.jp/sbc/

OSDCでは、WordファイルをPDFに変換するさい、しおりを出力することができます。例えば、コマンドラインでは次のように指定します。

C:\>sbccmd -d 変換元.docx -o 変換先.pdf -p @PDF -docpdfbookmarklevel n
(n: Wordの見出しのレベル)




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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(51)インデント関係コマンド(続き)

前回、インデント関係のコマンドの一覧を作りました。

コマンドの機能を調べて表にしてみました。

コマンド

キーボード・ショートカット

機能

リボン

Indent

Ctrl+M

インデントを増やす

IndentIncreaseWord

IndentChar

インデントを字送り分増やす

IndentFirstChar

字下げインデントを字送り分増やす

IndentFirstLine

字下げインデントを2文字分増やす

IndentLine

インデントを2文字分増やす

IndentSpecialFirstLine

不明

IndentSpecialHanging

不明

IndentSpecialNone

不明

UnIndent

Ctrl+Shift+M

インデントを減らす

IndentDecreaseWord

UnIndentChar

インデントを字送り分減らす

UnIndentFirstChar

字下げインデントを字送り分減らす

UnIndentFirstLine

字下げインデントを2文字分減らす

UnIndentLine

インデントを2文字分減らす

IncreaseIndent

インデントを字送り分増やす

HangingIndent

Ctrl+T

ぶら下げインデントを次のタブ位置まで増やす

UnHang

Chtl+Shift+T

ぶら下げインデントを前のタブ位置まで減らす

DecreaseIndent

インデントを2文字分減らす

AdjustListIndents

リストの位置を変更する

ListIndent

選択範囲を1レベル下げる

ListOutdent

選択範囲を1レベル上げる

Wordのリボン「ホーム」には「インデントを増やす」「インデントを減らす」というメニュー(ボタン)があります。これらは、キーボードショートカットとは異なるコマンドに対応しているようです。


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Vol.3:CSSによる、Webページのレイアウト
見栄えの良いWebページを作成するうえで必須のCSSについて、サンプルファイルを交えながら設定例をご紹介します。
Vol.4:Wordから上手にHTMLにする為の編集アドバイス
WordでWebページの原稿を作成するにあたり注意するべきポイントをご紹介します。

◆前回:(50)インデント関係コマンド
◆次回:(52)段落に連続番号を振る方法(スタイルの継承に注意する)
◆シリーズ総目次:Microsoft Wordのスタイル探索

お薦め記事
Microsoft Wordを使って報告書などの長文を作成する人向けの新知識満載です。 Microsoft Wordのアウトラインと見出しスタイルを活用する方法(概要)




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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(50)インデント関係コマンド

Microsoft Wordの機能はコマンドとして用意されていて、そのコマンドをリボンのメニューやキーボードのショートカットに割当られているようです。

コマンドの割り当ては、次のようにして変更できます。
①リボン「ファイル」の「オプション」メニューをクリックする。
②Wordのオプションダイアログが開くので、「リボンのユーザー設定」メニューをクリックする。
③「リボンのユーザー設定」ダイアログの左下「ユーザー設定」を開く。
するとキーボードにコマンドを割り当てるダイアログ(下図)が表示されます。

コマンド割り当てダイアログ

コマンド割り当てダイアログ


コマンドがカテゴリーに分類されて表示されます。

これをみるとインデント関係のコマンドが沢山あります。まずはどんなコマンドがあるかリストアップしてみましょう。

  • Indent
  • IndentChar
  • IndentFirstChar
  • IndentFirstLine
  • IndentLine
  • IndentSpecialFirstLine
  • IndentSpecialHanging
  • IndentSpecialNone
  • UnIndent
  • UnIndentChar
  • UnIndentFirstChar
  • UnIndentFirstLine
  • UnIndentLine
  • IncreaseIndent
  • HangingIndent
  • UnHang
  • DecreaseIndent
  • AdjustListIndents
  • ListIndent
  • ListOutdent

インデントに関係ありそうなのはこんなところです。ずいぶんたくさんありますね。

とりあえず、前回((49)インデントとタブの密な関係))使ったコマンドは次のようになっています。

リボン「ホーム」の「インデントを増やす」コマンド:Indent
[Ctrl]+[T]キー(ぶら下げインデントを深くする):HangingIndent


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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(49)インデントとタブの密な関係

前回((48)段落先頭行のインデント、タブの基本)は、タブ機能を使うと、字下げインデント、ぶら下げインデントと似たようなレイアウト指定ができることをお話しました。

今回はタブとインデントの関係をもう少し探索してみます。

まず、任意設定のタブ位置を次のように3文字毎に設定してみます。

任意設定のタブ位置を3文字毎にする

任意設定のタブ位置を3文字毎にする

そして、リボン「ホーム」の「インデントを増やす」コマンドでインデントを増やしてみます。すると、次の図のようにコマンドを一回クリックすると左インデント位置が任意設定の最初のタブ位置になります。そして、コマンドをクリックするごとに左インデント位置が任意設定の次のタブ位置に移動します。

インデントを増やすコマンドで左インデントが次のタブ位置に移動する

インデントを増やすコマンドで左インデントが次のタブ位置に移動する

タブ設定位置がインデントを増やすコマンドの左インデント位置として使われていることが分かります。

次は、ぶら下げインデントの場合です。まず、次のように任意設定のタブ位置を2文字毎に設定します。

任意設定のタブ位置を2,4,6,8文字に設定

任意設定のタブ位置を2,4,6,8文字に設定

次に、[Ctrl]+[T]キーを入力します。すると、次のようにぶら下げインデントが、最初の任意設定のタブ位置である2文字の位置になります。そして、[Ctrl]+[T]キーを入力するごとにぶら下げインデントの位置が深くなっていきます。

[Ctrl]+[T]でぶら下げインデントの位置が次の任意設定のタブ位置に移動する

[Ctrl]+[T]でぶら下げインデントの位置が次の任意設定のタブ位置に移動する

このようにインデント関係のコマンドとタブ設定位置には深い関係があることが分かりました。


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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(48)段落先頭行のインデント、タブの基本

第45回で説明した右インデントと左インデントは用紙の余白を規準にして段落全体の開始位置と終了位置を変更(設定)する機能です。

月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索 (45)インデント機能の基本

それに対して、段落の最初の行だけの開始位置を変更するインデントが字下げインデントとぶら下げインデントです。

一行目(先頭行)インデントの設定

一行目(先頭行)インデントの設定

次の図は字下げインデントとぶら下げインデントをそれぞれ1文字に設定した段落の例です。

字下げインデント、ぶら下げインデントの設定例

字下げインデント、ぶら下げインデントの設定例

字下げインデントは段落の始まりを分かりやすくするために使います。日本語のレイアウトでは段落の先頭を1文字字下げするのが一般的ですが、活字方式では行頭に空白文字を1文字置きます。Wordの段落でこのようなレイアウトをするときは段落の先頭に空白文字を入力しないで、字下げインデントを使う方が、いろいろと好都合です。

タブ
インデントと類似の機能にタブがあります。タブは行の中にタブ位置を設定しておき、タブ文字(タブキーで入力する文字)から始まる文字列の始まりをタブ位置に設定する機能です。タブ位置は「タブとリーダー」ダイアログを使って「既定のタブ位置」の変更、または任意の位置にタブ位置を設定できます。

任意に設定したタブ位置はルーラーに表示されます。次の図は2文字の位置にタブを設定した例です。

任意の位置にタブをタブの設定

任意の位置にタブを設定

段落の先頭で「タブ」を入力(Tabキーを押下)すると段落の先頭が2文字目から始まります。これは先頭行インデントと似ていますね。

段落の先頭にタブを入力

段落の先頭にタブを入力

「Ctrl」キーと「T」キーで、2行目以降をタブ位置に揃えることができます。これはぶら下げインデントに似ています。

段落の先頭で字下げのタブを入力

段落の先頭でぶら下げのタブを入力

このようにタブ機能を使うと、一見、字下げインデント、ぶら下げインデントと似たようなレイアウト指定ができます。


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◆前回:(47)本文領域の幅が文字数×文字サイズの値に一致しないときの余りの調整を探索
◆次回:(49)インデントとタブの密な関係
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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索(47)本文領域の幅が文字数×文字サイズの値に一致しないときの余りの調整を探索

月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索の前々回(月(45)インデント機能の基本)と前回((46)余白についてー補足)では、本文領域の幅が文字数×文字サイズの値に一致しない、つまり余りがでるときの扱いについて、「一行の文字数を指定時に右のインデント幅を自動調整する」が、ONのとき、その余りはインデント量の調整として余白に追加されることを説明しました。

今回は、この余りの調整についてもう少し探索してみます。

文字の大きさと余りの大きさ
まず、余りの大きさは、段落の文字の大きさによって変わります。例えば、用紙サイズA4のとき用紙の幅は210mmです。仮に左右の余白を各30㎜とすると、本文領域の幅は210-(30+30)=150㎜となります。
例として段落の文字サイズを9ポイントから24ポイントまで変更して、それぞれの設定での余りの幅を計算してみると、次の表のようになります。

段落の文字サイズ(pt)

文字サイズ(mm)

文字数

本文領域に入る文字数

余り(mm)

9

3.175

47.24409449

47

0.775

10.5

3.70416667

40.49493813

40

1.833333

12

4.23333333

35.43307087

35

1.833333

16

5.64444444

26.57480315

26

3.244444

20

7.05555556

21.25984252

21

1.833333

24

8.46666667

17.71653543

17

6.066667

9ポイントのときの余りが一番小さく、12ポイント、16ポイント、24ポイントと余りが大きくなります。

9ポイントではON/OFFで一行の文字数が変わる
「一行の文字数を指定時に右のインデント幅を自動調整する」がON/OFFでのレイアウト変化を見ると、9ポイントのときONにすると一行の文字数がOFFの時よりも小さくなっています。

一行の文字数を指定時に右のインデント幅を自動調整するのON/OFFの変化

一行の文字数を指定時に右のインデント幅を自動調整するのON/OFFの変化

ONにするとインデント幅がOFFのときよりも広くなり、行末の1文字分が入らなくなっているためです。

両端揃えのとき
両端揃えでは、OFFの時は行末が余白の位置になり、ONの時は余白の位置よりも内側になります。

両端揃え: 一行の文字数を指定時に右のインデント幅を自動調整する」がOFFとON比較

両端揃え:一行の文字数を指定時に右のインデント幅を自動調整する」がOFFとON比較

なぜ、このようになるかを考えてみると、これを見るとインデント幅の調整量は、段落ごとの文字の大きさで計算した余りではなく、文書全体で同じ値が適用されるためのようです。


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◆前回:(46)余白についてー補足
◆次回:(48)段落先頭行のインデント、タブの基本
◆シリーズ総目次:Microsoft Wordのスタイル探索

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月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索 (46)余白についてー補足

先週の、月曜日連載! Microsoft Wordスタイル探索 (45)インデント機能の基本で、余白について説明しました。

その中で、

本文段落の幅は、通常、文字数×本文文字の大きさになります。すると、用紙の幅から左右余白の大きさを差し引いた値が、文字の大きさの倍数になっていないとき、本文段落の幅とは一致しないで余りがでます。この差(余り)は右余白に追加されます。

と説明しました。しかし、もう少し詳しく調べてみると、この動作は段落の設定によります。

「段落」ダイアログに「一行の文字数を指定時に右のインデント幅を自動調整する」というチェックボックスがあります。

「段落」ダイアログ「一行の文字数を指定時に右のインデント幅を自動調整する」

「段落」ダイアログ「一行の文字数を指定時に右のインデント幅を自動調整する」

前回の説明はこのチェックボックスがONになっているときの動作になります。ONのときは余りが右インデントの値に追加されます。次の図は段落の右インデントがゼロのときの動作です。チェックボックスがONのときは、右インデントがゼロでも余白と本文の終端に空きがあることが分かります。OFFにすると余白と本文の終端の空きがなくなります。

文字数×文字間の値と本文領域の幅の余りの扱い

文字数×文字間の値と本文領域の幅の余りの扱い

なお、チェックボックスOFFで余りがあるときの動作は段落の揃え指定によります。次の図は、段落の揃え設定を「両端揃え」(一番上)、「左揃え」(二番目)、「中央揃え」(三番目)、「下揃え」(一番下)にしたときの余りの位置です。

段落の揃えにより、余りの分配が変化する

段落の揃えにより、余りの分配が変化する

段落の揃えが両端揃えのとき、余りは文字間に分配されます。左揃えでは余りは右余白に追加(右インデントの増加)、中央揃えでは余りは左右余白に配分、右揃えではあまりが左余白に追加(左インデントの増加)として扱われています。

なお、「一行の文字数を指定時に右のインデント幅を自動調整する」チェックONの時は、段落の揃えの設定に関わらず、余りは右インデントの増加として扱われます。


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Vol.1:Word文書をWebページにした例の紹介
Word文書を実際にWebページ(HTML)に変換した実例を紹介します。
Vol.2:Webページ構成要素別のWord編集例
Wordが持つ文書編集機能とWebページ作成時に必要となるHTMLタグがどのように対応しているかをご紹介します。
Vol.3:CSSによる、Webページのレイアウト
見栄えの良いWebページを作成するうえで必須のCSSについて、サンプルファイルを交えながら設定例をご紹介します。
Vol.4:Wordから上手にHTMLにする為の編集アドバイス
WordでWebページの原稿を作成するにあたり注意するべきポイントをご紹介します。

◆前回:(45)インデント機能の基本
◆次回:(47)本文領域の幅が文字数×文字サイズの値に一致しないときの余りの調整を探索
◆シリーズ総目次:Microsoft Wordのスタイル探索

お薦め記事
Microsoft Wordを使って報告書などの長文を作成する人向けの新知識満載です。 Microsoft Wordのアウトラインと見出しスタイルを活用する方法(概要)




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