カテゴリー別アーカイブ: コラム

GビズIDプライム取得体験。特にマイナンバーカード読み取り時のエラー表示について

知っている人も多いことと思いますが、デジタル庁が運用しているGビスIDという認証システムがあります。従来は主に、行政サービスにログインするための共通IDとして利用するものでした。

GビスIDの利用状況を表示するダッシュボードを見ると、GビスIDを取得している法人数は94万9千で全法人の33%となっています(2026/4/24更新)。利用者は少しずつ増えているようですが、仕事で利用したい用途もなかったので、会社としての取得は見送ってきました。

ところが、2026年7月から、法務省が「商業登記リモート署名」を始めるということを知りました。現時点では、商業登記電子証明書(秘密鍵)は、端末側で使用するICカードまたはファイル形式で入手します。そして、端末にICカードリーダーを接続したり、ファイルをWindowsPCの証明書ストアに保存して利用します。このため、使用する場所(環境)が限られてしまったり、秘密鍵が漏洩しないよう自分自身で管理しなければならないなどの不便さがあります。これに対して、新しく始める「商業登記リモート署名」では、法務省が運営するサーバーに秘密鍵を保管します。そして、利用者はスマホや任意のPCからインターネットを経由して秘密鍵による署名ができるようになります。

この「商業登記リモート署名」を利用するには、利用者はGビズIDプライムのアカウントが必要です。

GビスIDのアカウントの種類は、エントリ、プライム、メンバーの3つあります。(それ以外にも、非公開の特殊用途アカウントがあるようです)。
GビズIホーム:アカウントの種類
エントリはだれでも取得できるのに対し、プライムは原則として法人の代表者でないと取得できません。メンバーはプライムが法人の社員などに付与するものです。

プライム・アカウント取得時には、法務省のデータベースにある商業・法人登記の内容と、アカウント申請者の個人データを照合して、申請者が代表者本人であるかどうかを審査することになっています。プライム・アカウントを取得するには、エントリから種別変更するのが一般のようです。

ここまで調べて、早速、GビズIDエントリのアカウントを取得し、プライムのアカウントに変更しようとしました。アカウント変更の手続きは、オンラインと書面があります。オンラインは即時に変更可能ということで、当然、オンラインでのアカウント変更に進みます。

オンラインによるアカウント変更のステップは概ね次のステップになります(一部想像を含む)。
(1)スマホにGビズIDアプリをインストールする
(2)GビズIDアプリでは2要素認証のためにつかう電話番号を登録する。
(3)GビズIDアプリを使って、申込者のマイナンバーカードの情報を読み取る
(4)申込者のマイナンバーカードの情報と法務省の商業・法人登記に登録されている代表者のデータを照合し、申込者が登記された代表者に一致するかを確認する。

操作自体はそれほど難しいものとは思いません。個人的には、e-Taxなどで、スマホを使ってマイナンバーカードの情報を読み取り、デジタル署名なども行ったことがあります。正確にはデジタル署名をしたかどうかは不明で、実際のところは、デジタル署名用のパスワード入力を求められて、それを入力したら処理が終了したことがあるのみですが。

ところが、(3)のマイナンバーカード読み取りの段階で、つまずきました。何回トライしても次の画面が表示されます。

2月の時点で、アプリを再インストールするなど何回かトライして埒があきません。あきらめてしばらく放置していたのですが、そろそろだいぶ時間も迫ってきたし、最後のトライということで5月中旬に再度試しましたが症状は変わりません。デジタル庁のサポートに聞くと、アプリの再インストールをしてみてくれと言います。それでもできないと、スマホを別のものに変更してみて欲しい、さらに、マイナンバーカード発行元の自治体でマイナンバーカードに異常がないか確認してみて欲しい。とのことです。しかし、e-Taxなどほかのサービスでは問題なく使用できているのです。エラーダイアログを文字通り解釈すると、「情報の内容が想定外」という意味合いにも解釈できるのでマイナンバーカードの情報は読めているとも見えるのですが・・・

せめてエラーの内容・状態についてのもう少し詳しい情報が欲しいと考えて聞いてみても、「デジタル庁のシステムの外部で起きているエラーなので原因がわからない」の一点張りでどうにもなりません。分かったのは原因がわからないということだけです。

結局、オンライン申請を諦めて書面申請することに。5月18日に書面を印刷して郵送しました。結果、25日の夕刻、GビズIDのエントリからプライムへの変更の受付完了メールが届いて、登録した電話番号のSMS認証で、手続きが完了しました。

デジタルより書面がスムーズという皮肉な結果となりました。




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PDFのアクセシビリティ 特に音声読み上げについては、タグ付きPDFとして作成することで実現できる

デジタル庁の『Webアクセシビリティ導入ガイドブック』(PDF版)には、PDFで情報を配信する際の注意事項が、次のとおり記載されています。

PDFの構造化
ウェブページではなく PDF を使って情報発信したいという場合もあります。その場合は、HTML と同じように様々な利用方法で利用できるアクセシビリティの高い PDF を作る必要があります。
● 見出し、リスト、外部リンクなどの情報を追加できるタグを追加する
● 画像に代替テキストを付与する
● 文書と画像の読み上げ順が正しくなるよう画像にアンカーを追加する
● 目次から該当文書に移動するリンクを追加する
● 言語設定、文書名などのプロパティを設定する
(P.52より引用)

これだけでは説明があまりにも簡単すぎて、却って意味が分からないひとが多いのではないかという印象を受けます。

そこで次に簡単に補足してみます。まず、小見出しに「PDFの構造化」とあるのは、タグ付きPDFを意図していると思われます。タグ付きPDFは、PDFの国際標準仕様「ISO 32000」で規定されている、PDFのコンテンツにツリー構造のタグを関連付けることで、そのツリー構造で論理的意味と読み上げ順序を指定する仕組みです。

PDFは主に印刷レイアウト表現する電子文書で、どのような表示環境でもできるだけ同一のレイアウトで表示するように作成します。このように、レイアウトの再現性だけを目的に作成されているPDFについて、そのファイル内に保存されているテキストをファイル内での出現順に読み上げると、論理的に不適切な順序になることが起きます。

タグ付きPDFは、標準化されたタグのツリー構造とPDFのファイル内の表示用データを対応つけて、主に意味的な構造を付加します。次にその仕組みを簡単に解説したウェビナーの録画があります。
PDFのアクセシビリティ ~タグ付きPDFの仕組みと作り方~(YouTubeのウェビナー録画へのリンク)
本ウェビナーはやや技術的ですが、関心をお持ちの方は、ご覧になってみてください。

『Webアクセシビリティ導入ガイドブック』PDF版もタグ付きPDFとして作成されています。アンテナハウスのPDFタグエディタ(PDFタグエディタのWebページにリンク)で導入ガイドブックを読み込んでみると、次の図のようにPDFのページにツリー構造のタグが対応していることがわかります。

このように、『Webアクセシビリティ導入ガイドブック』のPDF版は読み上げに配慮したPDFになっています。先日、Adobe Acrobat Readerで読み上げを試したところ、うまく読み上げができなかったと言いました。しかし、その後調べたところ、次のようにすれば、正しく読み上げできることがわかりました。

音声合成エンジンの選択
Acrobatの「環境設定」で、音声合成エンジン(テキストtoスピーチエンジン)として、日本語対応の「Microsoft Haruka Desktop」を選択する。

Adobe Acrobat(Windows版)の読み上げメニュー実行
PDFを開いて、①「表示」⇒「読み上げ」⇒「読み上げを起動」、次いで②「表示」⇒「読み上げ」で「このページのみを読み上げる」または「文書の最後まで読み上げる」を実行する。




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ドキュメントのアクセシビリティ実現には、レイアウト志向を捨てて構造化志向で計画すること

2024年4月から「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」の改正法が施行され、ウェブアクセシビリティへの配慮が義務化されています。これにより、官公庁や行政はもとより、民間企業もウェブアクセシビリティに対する理解と配慮がますます大きな課題となっています。

ウェブアクセシビリティへの配慮というのは言葉としては理解できます。しかし、実際のところ、何を行わなければならないか、具体的にどうすれば良いのかを理解し、それを日々実戦するのはなかなか難しいと感じます。ウェブアクセシビリティについての分かりやすい解説が望まれるところです。

これに関して、デジタル庁のWebページに「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」(最終更新日: 2025年10月16日)が公開されています。ガイドブックの対象読者は、「ウェブアクセシビリティについて、全く知らない、きちんと触れたことがない方々」で、「情報システムやデジタルサービスの発注・受託業務に取り組むにあたって知っておくべきポイント」ということなので、初心者に対して、業務上の実践的な事柄のガイドを期待しました。

そこで、早速、ダウンロードして一読してみました。確かに、「3 ウェブアクセシビリティで達成すべきこと」はやるべきことがわかりやすくリストアップされています。例えば、3.1項、3.2項では、次のような項目についてそれぞれ図を使って具体的に説明されています。

・音声を自動再生することや強制的に再生させることは避ける。
・キーボード操作だけで利用しているときに、一度フォーカスしたら抜け出せないコンテンツを作らないようにする。
・光の点滅を繰り返すと、光感受性発作等を誘発しやすくなります。1 秒に 3 回を超える点滅をするコンテンツを作ってはいけません。
・スライドショーや自動で切り替わるコンテンツなどがある場合は、一時停止、非表示、停止の機能を設置する必要がある。
・ロゴ・写真・イラストなどの画像が指し示している情報を代替テキストとして付与する。
・キーボード操作だけで、サービスのすべての機能にアクセスすることができるようにする。
・閲覧や入力の操作に、制限時間を設けてはいけない。
・赤字など、色の違いだけ、あるいは太字、『右の写真』『丸いボタン』など、位置や形の違いだけで情報を伝えてはいけない。
・スクリーンリーダーで順に読み上げたときに、意味が通じる順序にする。
・見出し要素だけで、セクションやブロックに含まれる要素を表現する。
・文字と背景の間に十分なコントラスト比を保つ。
・画面拡大ソフトなどを使わずに、ブラウザの文字拡大機能だけで文字サイズを 200% まで変更できるようにする。
・文字や文字コード、フォントに関する注意。
・ページの内容を示すタイトルを適切に表現する。
・リンクがどこへのリンクなのか、単体で、または前後の文脈から簡単に理解できるようする。
・ナビゲーション要素が、毎回同じ順序、表記で実装されているようにする。
・同じ機能には、同じラベルや説明をつける。

こうした点は実践的で良いのですが、一方で、良くない点もあります。特に気になったのは、「2 ウェブアクセシビリティの基礎」の項です。「アクセシビリティとユーザビリティ」の項(p.13)なんて最悪で、言葉の概念をだれだらと回りくどく説明したり、ガイドラインと規格について内容と関係ない仕様の来歴をくどくどと説明しています。これは基礎とは言えず、実践的観点ではほぼ無意味でしょう。

また、言行不一致が激しいようです。例えば、PDFに関して「PDF のアクセシビリティを上げるのはとても難しくノウハウも少ないため、可能な限り HTML を使い、ウェブページとして情報発信するよう心がけてください。」(p.53)とされています。しかし、このガイドブック自身はPDF(のみ)で公開されており、HTML版はありません。

Webページには、「ガイドブックは、本文と付録で構成されています。また、後日HTML版や解説動画も公開予定です。」と明記されていますが、2026年3月27日時点でHTML版も動画もありません。

PDFはAdobe Readerで読み上げできるとWebページには書かれています。しかし、Webページに記載されている操作方法は、Adobe Reader 2025(Windows版)の操作方法とは違います。そのうえ、配布されているPDFをダウンロードして、Adobe Readerで読み上げるとアルファベットと数字を英語で読みあげ、日本語は無視されてしまいます(現時点で原因不明※注)。おそらく実際には読み上げテストを実施していないと思われます。こうしてみると、デジ庁のウェブアクセシビリティへの配慮というのは、実際は建前だけであり、自ら先頭に立って実践するつもりはないのではないか? とも見えてしまいます。

情報を得たいユーザーの立場でみれば、完全に同一内容の情報がPDF形式とHTML形式で同時に公開されているなら、アクセシビリティに配慮したHTML版があれば、必ずしもPDF版をアクセシブルにしなくても良いという考えもなりたちます。つまり、PDFファイルのアクセシビリティ確保が難しい、というならHTML版を同時に配布すれば良いということです。

PDF版とHTML版を同時に公開しようとしたら、ドキュメントを設計するときから同時公開することを想定して準備を進めなければいけません。具体的にはドキュメントをWordなどでスタイルを使って記述するなど最初から構造化に配慮する必要があるということです。しかし、この「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」はInDesignで制作されており、どちらかというとレイアウト志向になっています。これが、PDF版はできてもHTML版はなかなかできないということになってしまう原因です。

デザイナーが好き勝手にデザインしたレイアウト志向のPDFドキュメントをHTML版にするのは、本質的に難しい作業です。印刷レイアウトは二次元配置志向です。これに対して、アクセシビリティ、特に音声読み上げは一次元配置です。二次元を一次元に変換するのは次元を落とすことになるため、困難でありかつあまり望ましくありません。XML・HTMLなどの構造化文書はツリー構造なので、ツリーをトラバースすることで一次元に変換しやすいのです。このように構造化文書を想定した文書設計により、アクセシビリティの実現が容易になります。このあたりについて、ドキュメント設計者にはもっと理解を深めて欲しいものです。

※注(本3月31日追記)さらに調べたところ正しく読み上げさせる方法が分かりました。次のブログ記事(PDFのアクセシビリティ 特に音声読み上げについては、タグ付きPDFとして作成することで実現できる)をご参照ください。




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株式投資の考え方:いつ買い・いつ売るか、株式売買の原理原則的ルール

以前に株式投資の考え方:いつ買い・いつ売るかでは、「売り買いのベストタイミングを確定することは何人にもできません」、「大きな下げのチャンスに向けて計画を立てて、資金を貯めてじっくり待ち、チャンスが来たらぱくっと食べる」のが良いと書きました。

それはそのとおりです。実際、当社で保有している銘柄には、近いところでは2025年4月のトランプ関税ショックによる下落時、さらにその前の2024年8月5日の日本株急落時に取得・買い増しした結果、現在までに大きな利益を生み出しているものがあります。

しかし、この原則のみでは数年に一回程度訪れる万一のチャンスをじっと待つことになります。あまりにも多大な忍耐が必要で、これだけでは日常の指針になりません。そこで、今日は、もう少し日ごろの役に足りそうなガイドラインを考えてみます。

そういえば、皆さんは、過去にこんな経験がありませんか?
(1)手持ち株の株価が上がったのを見て、嬉しくなって手持ち株を売った。ところが、その後、さらに上昇してしまい、「ああ、もう少し待ってから売れば良かった。」と慨嘆する。
(2)手持ち株の株価が下がったので、嬉しくなって株を買い増した。そしたらさらに下がって、損が出てしまい、「ああ、もう少し下がるまで買うのを待てば良かった。」と反省する。

(1)も(2)もあるあるパターンの悔しい経験ですね。そこで、反省として、なぜこのようなことが起きるのかを考えてみます。

図で表すと次のようになります。(1)は左、(2)は右になります。

(1)はt1時点に株価A1で売ったが、後のt2時点には株価はA2に上昇、売るのを待てば良かったと反省するパターン。上昇トレンドの最中に売ってしまったのが間違いだった、(2)はt1時点に株価B1で買付、後のt2時点には株価がB2に下落したので、買うのを待てば良かったと反省するパターン。下降トレンドにある最中に買い付けたのが間違だったということです。ただし、t1時点では後のt2時点になったとき、株価が上がるか下がるかは分かりません。景気の山や谷を事後的に判定するのと同じで株価のピークや底、トレンドは事後的にしか決定できません。間違いと決めつけるのは酷かもしれません。

この失敗を避けるには、①株価のトレンドを見極めること、そして、②上昇トレンドの最中は売却しない、③下降トレンドの最中は買付しない、というルールを決めると良いでしょう。

このルールを図で表すと次のようになります。

実際のところ、このルールを守るのは簡単ではありません。その理由は、次のとおりです。
(3)すでに述べたように、現時点(t1時点)では、上昇トレンド中なのか、下降トレンド中なのかを正しく判定するのが困難である。
(4)現時点(t1時点)では、高くなったら売る、安くなったら買うという原理に従っているという判断も成り立つ。

しかし、上昇トレンド中は売らず、下降トレンド中は買わず、というのは足し算と引き算と同じくらい合理的です。株式売買時には必ず頭に置くべきでしょう。




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株式投資の考え方:良い会社とはどのような会社か、投資先候補銘柄の選定法(アップデート)

2024年8月29日に、株式投資の考え方:良い会社とはどのような会社か、投資先候補銘柄の選定法を紹介してから約1年半経過しました。この間の株式市場では日経平均が38,000円台(2024年8月)から、57,000円前後(2026年2月中旬)へと5割近い上昇となりました。

この結果、良い会社の条件である、(1)高い経常利益率(10%以上)、(2)成長していること、(3)継続的な高い配当利回り(4%以上)、(4)株価が割高でない(PER 15程度以下)、(5)時価総額が大きく・有力なインデックスに採用されていること、をすべて満たす会社は極少なくなってきています。

こうした状況下では新たな株式投資を行わないというのが適切なのかもしれません。しかし、やはりパフォーマンスの悪い銘柄を売却して、新たな銘柄に入れ替える作業を随時おこなう必要もあります。そこで、配当利回り条件を4%以上から3.5%以上に下げたり、あるいはそれ以下でも底値になっているとみられる銘柄を選択するなど条件緩和を行っているのが実情です。

次に、こうして銘柄選択して運用した結果を紹介します。

当社で1年以上保有している銘柄(12銘柄)について、実際のところどうなっているのかをまとめてみました。

確定リターンは売買損益(確定)+受取配当(税込)を365日あたりに換算したものです。そこで保有銘柄がすべて配当利回り4%以上なら4%以上になるはずです。4%を割っている銘柄は売買損失を出したか、配当利回りが4%より低いものです。

評価込リターンは、確定リターンに市場株価(2月20日時点)と買付時の株価(平均)との差額(評価損益)を加算したものです。12銘柄の中で年率リターンが最低なのは3.9%、最高なのは71.6%となっています。

平均保有残高と保有日数で加重平均して求めた12銘柄全体としてのリターンは、確定値で年率15.7%、評価益込では32.9%でした。

この12銘柄について、最近年度の経常利益率(実績)を横軸に、株式運用のリターンを縦軸にとってプロットすると次の図のようになります。

これをみると経常利益率の低い銘柄は株式運用のリターンも低いといえます。結局、利益率が下がると株価も下がり、それにつれて株式運用リターンも下がるということなのでしょう。

良い会社の条件として挙げた、「経常利益率が高い」ことの重要性を改めて強調したいと思います。

参考
ここで紹介した評価の方法については次で説明しています。
株式投資の考え方:投資成績の評価方法
株式投資の考え方:投資成績の評価方法ー実例




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DITA総合セミナー DITA Festa 2026が、3月13日(金)10時~18時40分、市ヶ谷で開催されます。

DITAコンソーシアムジャパンのWebサイトにて、 DITA Festa 2026の参加者募集が始まっています。

DITA Festaは、コンテンツのコンポーネント化によってマニュアル制作に革命をもたらす国際規格 DITA(Darwin Information Typing Architecture)のしくみとコンテンツ制作におけるAIの活用事例を知ることができる無料セミナーです。

今年は1日の午前・午後開催です。最初に、DITAについて知識がない方を対象に、DITAの基本的なしくみと本質的な意義をお伝えするDITA入門のセッションを行います。DITAってなに? どんなことができるの? といったことを理解していただけます。

既に、会社でDITAを採用していて、ばりばり実践している、という方は、午後の部だけでも大丈夫です。

会場では会員企業がブースを展示し、自社の製品、サービスの詳細な説明や実演を行います。関係者と直接コンタクトいただけるチャンスです。

ちなみにアンテナハウスは次の二つのセッションにて発表致します。多くの方々のご参加をお待ちいてします。

【AI活用最前線】
14:30 – 15:00
AI検索でWebマニュアルは便利になるか? ~生成AIを利用したWebマニュアル検索の評価~(中澤 始)
生成AIは著しい進歩を遂げ続け、耳にしない日がないほどの状況になっています。マニュアルの検索に活用すれば、従来の全文検索に代わるものになり得るのではないか、という考えのもと開発した、生成AIを利用した自然文Q&Aシステムについて、デモをお見せし、実際に試して見えてきたことを発表します。

【ソリューション駅伝】
17:30 – 17:45
AIでXML制作を効率化 ~Oxygen AI PositronによるDITAオーサリングのご紹介~(横田 達朗)
Oxygen AI Positronは、XML編集をAIで強力に支援する最新ツールです。AIによるDITA構造化支援により、単純な書き直しでは無理のあった既存文書の DITA変換の補助や特定の要素内に絞った編集指示が可能。AIによる修正箇所の差異をすぐに確認できるdiffツールなど、Oxygenと完全に統合されたAI機能による 新しい制作ワークフローがもたらす効率性をぜひその目で体感してください。




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電子署名とeシールの使い分け <<e文書の豆知識>> -eシール対応の長期署名ライブラリ-

最近、お客様から「eシールを使いたい」というお問い合せが増えています。

これまでは「電子署名」についてのお問い合わせが多く、「eシール」にスポットライトは充てられてきませんでした。

さて、電子署名とeシール、どちらも「電子証明書」ですが、いったい何が違うのでしょうか。

<<e文書の豆知識>>
簡単にご案内します。

電子証明書の主体者(Subject)が電子署名は自然人(個人)、eシールは非自然人(組織や法人等)になることです。

■電子署名
本人の意思:署名者の身元保証と内容に対する本人の承認意思
非改ざん性:署名対象が署名時点から改ざんされていないこと

■eシール
発行元保証:文書を発行した組織等による内容の保証
非改ざん性:署名対象が発行時点から改ざんされていないこと

アンテナハウスが販売しております、
「PDF長期署名ライブラリ LE:PAdES:Lib」及び
「XML長期署名ライブラリLE:XAdES:Lib」は、
電子署名とeシ-ルの両方の署名をサポートしております。

「PDF長期署名ライブラリ LE:PAdES:Lib」

「XML長期署名ライブラリLE:XAdES:Lib」

評価版のご用意もございますので、是非お問い合わせください。




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ワンソース・マルチユースの実践:『CAS-UB』から『HTML on Word』へ

アンテナハウスは、主にドキュメントのデータ変換、ドキュメント制作、PDF作成およびドキュメントの保存・管理の分野に集中して、製品開発・販売・サービス提供の事業を行っております。

ドキュメント制作分野で、重要な課題の一つにワンソース・マルチユースがあります。この実現方法の本筋はXMLでドキュメントを制作してパブリッシング時に構造変換(トランスフォーメーション)を行うというものです。この流れで世界的に大きな流れになっているのにDITAがあります。

アンテナハウスは、専門のチームを用意してDITAサービスを提供しています[参考資料(1)]。ただし、DITAはXMLを直接編集し、CMSで制作物を管理、出版時にトランスフォーメーションを行うため仕組みが大掛かりになりがちです。こうして日本でDITAを採用するのはグローバルビジネスを展開する大手企業が中心になっています。

DITAは当社のような小規模企業の制作システムとして、必ずしも適切と言い切れません。そこでDITAの考え方を利用して、より簡易的にドキュメントを制作・編集・管理し、PDF、EPUB、WebHelpといった多様なフォーマットで出力することを目指したのが『CAS-UB』[参考資料(2)]です。

『CAS-UB』は2010年頃から開発開始、2010年代から15年ほど社外のお客様に制作サービスとしてご提供するとともに、自社の製品マニュアルの制作に活用してきました。しかし、残念ながら普及するに至らず、一方、システムが古くなって保守がままならない状態になってきたため2026年4月末でサービスを終了することに致しました[参考資料(3)]。

現在、『CAS-UB』に変わって力を入れているのが『HTML on Word』[参考資料(4)]です。『HTML on Word』は製品として販売していますが、また自社製品のマニュアル制作も『CAS-UB』から『HTML on Word』に移行しつつあります。

これから発売する自社の新製品や新しいバージョンのマニュアルは、Microsoft Wordで編集し、完成後にPDF化するとともに『HTML on Word』でWebマニュアルとして出力していくものが増えていくことになります。

しかし、まだ、『CAS-UB』でできるけれど『HTML on Word』ではできないことが多く、課題はたくさんあります。Wordは構造化文書編集用のツールではないということに起因する問題もあります。

このあたり、いろいろ自分で試してみて気がついたことを、随時、具体的にお話したいと考えております。

参考資料

(1) 『Antenna House XML/DITAサービス』
(2) 『デジタル出版物制作Webサービス CAS-UB』
(3) 『デジタル出版物制作Webサービス CAS-UB』サービス終了に関するお知らせ
(4) WebページをWordで作る『HTML on Word』




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株式投資の考え方:今期予想にトランプ関税や為替予想をどう折り込むかで株価の反応が違う!?

5月14日の日経に面白い記事がありました。
「正直者は株価上がらず 決算反応、関税影響お構いなし」
ポイントは「関税影響が予想される88社を対象に調べたところ、影響を織り込まないか開示しなかった企業群は、詳細な情報を開示した企業群に比べて発表からしばらくは株価が高い」として「「正直者」企業が評価されない相場」という話題です。

似たような例ですが、建設機械のコマツと日立建機の決算発表に対する株価の反応に興味深い点があったので紹介します。

2025年3月期決算比較

両社とも2025年3月期の決算は比較的速く4月下旬に発表されました。主要な項目は次のようになっています。

税引前の利益でみるとコマツが利益率15%と素晴らしい成績です。日立建機も同10%なので良い成績といえるでしょう。2025年3月期一株あたり利益はコマツが473.44円、日立建機が382.83円でした。配当はそれぞれ190円(5/15終値で配当利回り4.4%)、175円(同4.0%)と両社とも高配当です。

さて、違いは2026年3月期の予想です。2026年3月期一株あたり利益予想はコマツが334.83円と29%減、一方、日立建機は390.22円と2%増です。明暗が大きく分かれています。なぜこんなに差が出るのでしょう?

予想の前提はコマツが保守的、日立建機が楽観的

売上予想はコマツが8.8%減、日立建機は0.3%増と見ています。これが利益率の増減の大きな要因でしょう。

さらにその前提になっている為替レートをみると、コマツは1ドル135円、日立建機は1ドル145円と10円もの差があります。

決算短信の中の次期予想の説明をチェックしてみます。

コマツは「建設機械・車両部門では、(中略)、円高及び米国の関税政策の影響により、減収となる見通しです。利益については、(中略)円高及び米国の関税政策の影響に伴うコストの増加により減益となる見通しです。」とあるので、米国の関税政策の影響を織り込んでいると解釈できます。

日立建機は「米国における関税政策の影響については、一定の想定に基づき需要減退や関税そのものによる影響額を推定しているものの、現時点では政策動向が流動的であることから、本業績見通しには織り込んでおりません。」とあり、社内的な推定は行っているが業績見通しに織り込んでいないようです。

主に、為替レートの予想、関税の影響について、コマツは保守的な見通しを立て、日立建機は楽観的な見通しといえるでしょう。

さらにコマツは2026年度に発行済み株式数の4.3%の自社株買いを予告しています。これは1年後の一株益上昇の要因になります。

市場は圧倒的に日立建機を支持

次の表に株価をチェックした結果を紹介します。

コマツは2月19日に年初来高値をつけ、4月7日にトランプ関税ショックで3,630円まで下げた後、戻っているものの高値までは戻っていません。一方の日立建機は4月7日に同3,294円に下げた後、決算発表を挟んで急上昇、5月13日に年初来高値を付けました。

決算発表日から今日までの動きでもコマツが184円の上げに対し、日立建機は312円の上げと対照的な動きになっています。両社とも今期の配当予想は据置なので、売上と利益の予想の表面的な明暗が、この株価の動きの相違をもたらしたものと考えられます。

さて、あなたがもしどちらかを選ぶならどちらの株を選択しますか?

【前回】
株式投資の考え方:トランプ不況は来るか? 株式インデックスの動きから考える




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Windows 10のサポートが2025年10月に終了ってどういうことなのか? サポートポリシーを調べてみました。

企業ユーザーにとってMicrosoft Windows 10のサポートが2025年10月に終了することが大きなイベントになっています。この件、Microsoft(日本法人)のWebページには次の案内があります。
Windows 10、Windows 8.1、Windows 7 のサポート終了について
このページでWindows 10の項をクリックすると画面に次のメッセージがでかでかと表示されます(2025年4月16日確認)。

メインストリームサポートと延長サポート

しかし、よく考えると不思議です。というのは、他のWebページにWindows 10のサポートポリシーについて次のような記載があります。

「マイクロソフトの製品は発売後、最低 5 年間のメインストリーム サポートと最低 5 年間の延長サポート (合計最低 10 年間) が提供されます。」
出典:2025 年 10 月 14 日に Windows 10 のサポートを終了します​[1]
また、昔のニュースですが、次のような記事もあります。
「Windows 10のメインストリームのサポート期間が2020年10月13日まで、延長サポート期間が2025年10月14日までというのは、2015年7月のWindows 10リリース時点で決定されていた。」
Windows 10は2025年にサポート終了?(2021年6月14日)
この記事はMicrosoftの公式ページではないので、あくまで解釈です。

こうした情報をみるとWindows 10のサポートには、「メインストリームサポート」と「延長サポート」という二つの段階があるということになります。そうすると、いまは、「メインストリームサポート」中なのか、「延長サポート」中なのか、どちらなんだろうという疑問が生まれるわけです。 

MicrosoftのWebページの説明では、「メインストリームサポート」は最低5年なので、現在が「メインストリームサポート」であっても矛盾はしません。その場合、「延長サポート」期間はなしで、いきなりサポート終了ということになります。

ライフサイクルのモダンポリシーと固定ポリシー

一体、どうなっているのでしょう? もう少し調べると、Microsoftのライフサイクルポリシーには、モダンポリシーと固定ポリシーというのがあります。
出典:モダン ポリシーと固定ポリシーに関するお知らせ

モダン ライフサイクル ポリシーは、もともとWebサービスのライフサイクルポリシーであって、所定の条件を満たす場合に、サポートが継続され、製品がなくなるときのサポート終了は12か月前にアナウンスされることになっています。
「Modern Lifecycle Policy は、継続的に保守およびサポートされる製品およびサービスをカバーします。 このポリシーでは、次の条件を満たす場合に製品またはサービスのサポートが継続されます。
・・・中略・・・
モダン ライフサイクル ポリシーが適用される製品では、Microsoftは、・・・中略・・・、後継の製品またはサービスを提供せずにサポートを終了する場合、少なくとも 12 か月前に通知します。」
出典:Modern Lifecycle ポリシー

どうやら、モダン ポリシーではメインストリームサポートと延長サポートという区別がなくなって、リリースバージョン毎にサポート期間が決まっているようです。

そして「Windows 10 Home and Pro は、モダン ライフサイクル ポリシーに従います。」ということになっています[2]
出典:Windows 10 Home and Pro

そして、このWebページによると、「現在のバージョンである 22H2 は Windows 10 の最終バージョンで、このサポートが2024年10月25日2025年10月で終了」ということのようです。

10月15日以降、Windows 10はどうなる?

サポート終了後、Windows 10を使い続けることもでき、セキュリティが気になる向きにはESUが提供されるようです
「2025 年 10 月 14 日にサポートが終了した後も Windows 10 を引き続き使用することを選択した個人のコンシューマーまたは組織の場合は、有料の拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) に PC を登録できます。 ESU プログラムを使用すると、PC はサポート終了後も、重要なセキュリティ更新プログラム (Microsoft Security Response Center の定義に従って) を継続的に受信できるようになります。」
出典:ライフサイクルに関する FAQ – 拡張セキュリティ更新プログラム

また、「既存の LTSC リリースでは、特定のライフサイクルに基づいて、その日以降も引き続き更新プログラムが受信されます。」ともあります。
出典:Windows 10 Home and Pro

なので、Windows10のサポートが完全に消滅するわけでもないようです。

注:考察

[1] Microsoft Webページのスクリーンショット(2025/4/17)

[2] 上の「マイクロソフトの製品は発売後、最低 5 年間のメインストリーム サポートと最低 5 年間の延長サポート (合計最低 10 年間) が提供されます。」という文言とモダンポリシーは論理的に両立せず、破綻していると考えられます。最初の疑問で書いたように、モダンポリシーでは「最低 5 年間の延長サポート」を保証できないためです。上のスナップショットで見る限り、Windows 11はサポート開始=発売と仮定すると「最低 5 年間のメインストリーム サポート」さえも保証されていないことになります。「Windows 10は、リリースされた当初は固定ポリシーで、途中からモダンポリシーに変更されたようで、Webページの情報が一部古いまま残っている結果、矛盾が生じているのではないか、と推察します。

なお、Windows 10 Long-Term Servicing チャネルは、固定ポリシーのままのようです。
出典:Windows 10 クライアントおよび Windows Server 半期チャネル ライフサイクル ポリシーの更新プログラム

注)日付の誤りがありましたので削除。また、見出しの10月25日は2025年10月に変更しました。(2025年9月24日)




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