株式投資の考え方:投資成績の評価方法

株式投資に限らず、自分が行った投資判断が正しかったのかどうかを確認して、間違っていた場合は、それなりに軌道修正をする必要があります。そのためには、判断の根拠とするための評価データが必要です。

投資信託では、トータルリターンで評価することが多いようです。トータルリターンとは、インカムゲイン(投資信託の売買損益)とキャピタルゲイン(分配金)を合計したものです。

株式投資の評価もトータルリターンで評価するのが良いでしょう。株式投資でのトータルリターンは、株式売買の損益と配当金を合わせたもので計算します。

売買損益や配当金は税込みで計算するか、源泉税を控除したあとの金額で計算するか、といった選択肢があります。

さらに、評価損益を加味した金額で計算するか、といった選択の余地があります。

当社の資産運用では次のように評価しています。

1.確定トータルリターン(確定トータル損益)
=税込売買損益+税込受取配当金合計値

2.評価込みトータルリターン(評価込みトータル損益)
=税込売買損益+税込受取配当金合計値+評価損益額
=確定トータルリターン+評価損益額

※全売却済の株式では評価損益額はゼロになります。

資産が増えているか減っているかは、これで分かります。しかし、確定トータルリターンも評価込みトータルリターンも、売買しないままで年月を経過すると配当金が積み上がって大きくなります。これでは、効率性の評価ができません。

そこで、投資効率を評価するために、保有期間中平均購入残高で割って、収益率とし、更に、保有期間(年換算)で割って、年率のトータルリターンを計算します。

3.確定トータルリターン(確定トータル損益)(年率)
=(確定トータルリターン/保有期間中平均購入残高)/保有期間(年数)

4.評価込みトータルリターン(評価込みトータル損益)(年率)
=(評価込みトータルリターン/保有期間中平均購入残高)/保有期間(年数)

こうした数字を使って、投資がうまくいっているのか、うまくいっていないかを把握します。

うまくいっていない場合は、対応策を考えます。

連載

初回:株式投資の考え方:株価の暴落にどう対処するか
2回目:株式投資の考え方:2024年8月の株価暴落から学べること
3回目:株式投資の考え方:2024年8月の株価暴落はどのように起きたのか?
4回目:株式投資の考え方:良い会社とはどのような会社か、投資先候補銘柄の選定法
5回目:株式投資の考え方:いつ買い・いつ売るか
6回目:株式投資の考え方:投資成績の評価方法(本記事)
7回目:株式投資の考え方:投資成績の評価方法ー実例




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