月別アーカイブ: 2025年10月

既存PDFの索引ページの索引項目に自動的に「リンク注釈」を設定―ケーススタディ

前回 2025年、製品開発のキーワードは「索引」で、『アウトライナー 3.3』で、「既存PDFの索引ページを解析して索引ページから本文へのリンクを自動的に設定する」新機能が追加されたことをお話しました。

実際にWebで配布されているPDFを使ってこの機能を試してみましょう。ここでは、例として、気象庁のWebサイトで配布されている『気象庁ガイドブック2025 美しい山 万全の備えで安心を』(令和7年3月31日 気象庁発行)
入手URL:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/jma-guidebook/GuideBook2025.pdf
を使用します。

本PDFは全部で365ページと、かなりのボリュームがあります。奥付けには印刷所の名前が記載されていることから冊子として提供しており、その印刷用のPDFを元にしてWebサイトで配布する版を制作しているものでしょう。

PDFを表示すると358ページから363ページまで6ページにわたり2段組の索引があります。

しかし、この索引には索引項目のページ番号にリンクが設定されていません。このためPDFリーダーで閲覧するときに索引はほとんど役にたたない状態になってしまっています。

『アウトライナー 3.3』で索引にリンクを設定してみましょう。操作は次のようになります。

1. 「ツール」メニューの「索引からリンク注釈の自動生成」を選択します。
2. 「索引からリンク注釈を生成する」ダイアログが開くので、そこに、次のように入力します。
(1) 索引ページの範囲:358-363
(2) PDFの先頭から数えたページ番号-表示ページ番号:11
(3) 索引ページの段数:2
3.「完了」ボタンをクリックすると、索引ページを解析して、索引項目と付随するページ番号を探します。
4.処理が終了すると「1341」件のリンクが設定された、という通知がダイアログに表示されます。

ここで、「PDFの先頭から数えたページ番号-表示ページ番号」が少し分かりにくいかもしれません。このPDFでは、本文の前に、表紙、まえがき、目次が合計11ページあり、この11ページに別のノンブルが付けられています。本文は1ページから数え始めているため、先頭から数えたページ数と本文のノンブルの差が「11」あります。そこで、「PDFの先頭から数えたページ番号-表示ページ番号」が11となります。

リンク注釈の自動生成処理が完了したら、「リンク」モードに切り替えます。「リンク」モードでは、メインペインのPDFページプレビューで、リンクの位置に矩形が表示され、リンクの設定を確認できます。


さらに、索引のリスト表示のアイコンをクリックすると、下のウィンドウにリンク注釈の一覧が表示されます。この一覧で、ページ番号、ページ内のリンク元矩形位置、リンク先の一覧を表示して確認できます。

リンクが正しく設定されていることが確認できたら、PDF出力ボタンをクリックすると、索引項目にリンク注釈が設定されたPDFが保存されます。

この自動索引付けの結果では、残念ながら一部の索引ページにリンクが付いていません。目視で確認したところ、11カ所漏れていました。比率にすると 11/(1341+11)=0.83%となります。

『アウトライナーV3.3』が処理できる索引項目の条件は次のようになっています。
● 「見出し語」(索引項目) と「所在指示」(ページ番号) で構成されていること
● 「見出し語」と「所在指示」の間に「リーダー」(ピリオド、ハイフン、3 点リーダーなど決められたテキストが連続しているもの)、もしくは1文字以上の空白で区切られていることになります。例えば、「電子書籍 … 10,20」という索引項目に自動生成を行った場合は”10″と”20″にそれぞれのページに飛ぶリンク注釈が付与されます。これは、”電子書籍”が「見出し語」、”…”が「リーダー」、”10,20″が「所在指示」として条件に合致しているためです。

今回試したPDFでは、リーダーが「・・」になっているなど、条件を満たさない箇所のページ番号が「所在指示」として認識されていないようです。認識処理の条件をもう少し工夫して、正確にリンク注釈を設定できる割合を100%にして欲しいものです。




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2025年、製品開発のキーワードは「索引」

Microsoft Wordで長文文書を作成して一般配布/頒布用のPDFとするとき、残念な点のひとつに索引の扱いがあります。

どういうわけか、Wordで索引ページを作成しても、索引項目から本文の該当箇所(またはページ)へのリンク(PDFのリンク注釈)を設定できません。近年はPDFをWebブラウザで閲読することが増えているので、索引項目から本文へのリンクが設定されていないと索引の価値が半減してしまいます。

折角手間をかけて索引を作ってもこれでは残念! とお考えの方も多いのではないでしょうか。

この問題については、以前のブログ記事でもお話しました(参考資料1)。問題があればソフトウェアで解決するのが製品開発の使命です。というわけで、このところ、Wordで作成した配布用電子文書の索引ページに自動的にリンクを設定するを重要な開発テーマとしてきました。

その掉尾を飾るのが、本日発売した『アウトライナー 3.3』です。

『アウトライナー』は3.3で、「既存PDFの索引ページを解析して索引ページから本文へのリンクを自動的に設定する」新機能が追加されました。Wordで作成したPDFに限らず他のツールで作成されたPDFを含めて、索引ページにリンクを設定します。

多くの市販PDF編集ソフトを使えば、リンク(リンク注釈)を設定することはできます。しかし、『アウトライナー』が他のPDF編集ソフトと違うのは、索引ページを解析して索引項目に自動的にリンクを設定できること。このような機能をもつソフトは他にあまり見られません。

『アウトライナー』は、評価版(無償)を提供しておりますので、ぜひ一度試してみていただきたいと存じます。

参考資料
1.Wordの索引の問題点「Microsoft Wordスタイル探索(55)Wordで索引を作成するー基本操作、Wordの索引の問題点とその解決策
2.「Microsoft Wordによる索引作成の基本操作と効率アップの方法、問題点と解決策」(2025年4月16日)




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Microsoft Excelスタイル探索(2)Excelの標準フォントの設定を変更する方法

前回:Microsoft Excelスタイル探索(1)Excelの標準フォントってなに?は、Excelの標準フォントとは、ブックファイル全体に設定され、ブックファイルのシートまたはセルに、別のフォントを指定していないときに適用されるフォントであると説明しました。

今回は、標準フォントの設定を変更する方法を説明します。設定変更には2つのフェーズがあります。

第一は、Excelを起動して、「ファイル」メニューで「新規」を選んでブックを新規作成するときです。つまり「新しいブックファイルに適用される標準フォント」の設定を変更する方法です。この方法の解説は、沢山のWebページがあります。

これはオプションダイアログで設定します。

具体的には、「ファイル」メニューの「オプション」を選択して、「Excelのオプション」ダイアログを開きます。

このダイアログの全般ダイアログに新しいブックの作成時というタイトルのグループがあり、そこに「次を既定フォントとして使用」の項目があります。次の例では「本文のフォント」となっています。

ここで、フォントのリストを開いて、具体的なフォント名の指定ができます。例えば、游書体では、次のフォントファミリーがリストされるのでその中から選択できます。

ここで、既定のフォントとして設定したフォントは、次にExcelを起動して新しくブックファイルを作成するときに、ブックファイルの「標準フォント」として設定されます。しかし、既存のブックファイルの「標準フォント」には影響ありません。

なお、「本文のフォント」は、Excelのページレイアウトのテーマ毎に設定されているフォントです。このため「本文のフォント」が具体的にどのフォントになるかはテーマの編集で確認・変更することになります。

第二は、Excelの作成済ブックファイルの標準フォントを変更する方法です。これは、次のように行います。

(1)リボンの「ホーム」タブ「セルのスタイル」をクリックしてダイアログを開きます。

(2)ここで「標準」を右クリックすると下図のメニューが表示されます。このメニューで「変更」をクリックすると、スタイルダイアログが表示されます。

(3)スタイルダイアログで「書式設定」を選択します。

(4)すると「セルの書式設定」ダイアログが開きます。ここで「フォント」タブを選択するとフォント選択ダイアログが開きます。

(5)新しいフォントを選択して、「OK」を押すと、(3)で示したスタイルダイアログに戻ります。このダイアログの「フォント」に新しい標準フォントが表示されているのを確認したら「OK」を押すと標準フォントが変更されます。

【注意事項】
既存のExcelブックファイルの標準フォントを変更すると、ブックファイルの中で、フォントを明示的に指定していない箇所のフォントが全部変更されるので、レイアウトに大きな影響がでることがあります。




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DX総合EXPO2025秋東京に出展します

DX総合EXPO公式バナー

アンテナハウス株式会社は、来る2025年10月29日(水)~31日(金)に開催されるDX総合EXPO2025秋東京に出展致します。
サーバーのシステムに組み込んで一括処理ができるライブラリや単独のPCで使用するアプリケーションなど、PDFにまつわるお悩みを解決するツールやソリューションをご提案致します。展示製品以外の弊社製品に関するご案内も可能です。

ご来場に際しては来場登録(無料)が必要です。来場登録をして頂ければ、ブース個別の訪問予約を行うことができます。
弊社ブースへのご来訪は事前予約がおすすめです。予約いただくと当日スムーズにご相談いただけます。

ぜひお気軽にご参加ください。

展示会詳細
展示会名称:DX総合EXPO2025秋東京
会期:2025年10月29日(水)~31日(金) 各日10:00-17:00
会場:幕張メッセ (1~3・8ホール)
弊社出展ブース:3ホール 小間番号S17-32

DX総合EXPO2025秋東京 Webサイト
https://www.bizcrew.jp/expo/dx-tokyo

DX総合EXPO2025秋東京 アンテナハウス企業ページ+展示製品リンク
https://expo.bizcrew.jp/event/14429/module/booth/370313/341876?pcode=2025-aut-tokyo-DX-search




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