PDFとOffice文書の相互変換ソフト「リッチテキストPDF 5.2」の改訂版を配布開始しました。「リッチテキストPDF 5.2」をお持ちのお客様は、改訂版を無料でダウンロードしていただき、プログラムを最新版に更新することができます。
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カテゴリー別アーカイブ: コラム
Adobe Reader は他のソフトに組み込むことはできないようです
PDFを表示するために一般的に使われているAdobe Readerをインストールするときはエンドユーザ・ライセンス契約を承認することになっています。
アドビ製品の一般的なライセンス契約文書はこちらにあります。
http://bit.ly/7YWqVs
Adobe Readerについては3.2項リーダーの制限の3.2.1項に、「Adobe Readerに依存するような他のソフトウエアとAdobe Readerを統合させたり、または、これとともに使用することはできません。」という条件があります。この条項を見ますと、Adobe Readerの例えばPDF表示機能を他のソフトウェアから利用することはできないと解釈できそうです。
そこに、Antenna House PDF Viewer SDKのような他のソフトに組み込むためPDF Readerがビジネスとして成り立つことになります。
○Antenna House PDF Viewer SDK
このように思っています。そうしましたら昨日ベクターから配信されたメルマガに次のようなソフトが紹介されていました。
[PDForsell Ver.1.06beta]
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/100706/n1007061.html?ref=vec
プレビューしながら、PDFの分割・結合、回転などを行えるPDFファイル編集ソフト
Windows 7/Vista/XP
フリーソフト (1,704KB)
これを見て、「なかなかすごいな」と思ったのですが、紹介文書を読みますと、「プレビューには「Adobe Reader」を利用し、各ページのサムネイルも表示できる。」とあります。Adobeと特別の契約を結んでいればともかく、もし、無断でAdobe Readerをこのような目的に組み込むと、ライセンス契約違反となると思います。
書籍をXMLで制作する動きは一般化するか?
つい先日まで、書籍は特別なものを除き、XMLで作るのは効率が悪いと思っていました。しかし、どうやらその考えを改めるべき時期が来ていると感じています。
電子書籍の時代が近づいているのですが、そうなると一つの書籍コンテンツを印刷と電子書籍の少なくとも2つのメディア向けに利用できるようになります。さらに、電子書籍はリーダデバイス向けに何種類か用意する必要もありますので、コンテンツをXMLで制作して多様なメディアに出す仕組への投資が意味をもつようになると思われます。
米国では、コンピュータ関係の専門書を出版しているO’Reillyは電子書籍に熱心です。すでに様々な形式への対応を済ませており、電子書籍を一回買えば一生読めると書いています。DRMフリーでPDF, ePub, Kindle, Android 用の各種形式をそろえていて、どの形式でもDLできると。
http://oreilly.com/ebooks/
書籍をXMLで作るのは難しいと思っていたのは、主に次のような理由からです。
1.書籍はドキュメントとしては、一品生産であり、多品種少量生産の最たるものであること。
2.それに対して、XMLで作ろうとするとシステムの初期投資も必要である。
3.XMLのエディタは高価なものが多いし、XMLエディタの使い方を覚えなければならず、オーサリングの生産性が低下する可能性が大きい。
4.XMLで文書を作るには、要素や属性の意味や使い方を理解しなければならず、書籍の著者にそういう学習を求めるのは難しいだろう。
5.世間には、XMLのタグを見ただけで、恐れをなしてしまうような人が多く、そういう人を相手に教育するだけでも大変だろう。
このように考えるとXMLを書籍分野に応用するのは労多くして、その割りに益が少ないのだろうということになってしまいます。
但し、一部の出版社は書籍をXMLで作ることに力を入れています。その最右翼はO’Reillyです。同社は書籍をXMLで制作しているものが多いようです。以前調べたところでは多くはFrameMakerで制作されてました。 どの程度の割合かは分かりませんが、一部の書籍は当社のXSL FormatterでPDF化しているものもあります。同社の本をダウンロードして、PDFのプロパティを見ると分かります。
技術文書で一般的な文書型であるDocBookもO’Reillyが提唱したもののようです。大変な先見の明と思います。
日本でも一部の出版社が熱心に取り組んでいます。
書籍をXMLで制作することで、出版社の制作期間とコストは大幅に下げることが可能となります。これは弊社が関与した次のような例でみても明白です。
1.「Open Office XML Formats入門」(2007年9月25日, 毎日コミュニケーションズ)
ケーススタディ報告:XSL-FO による書籍の自動組版 http://bit.ly/bC4sCa
2.「Introduction to DITA(ジョアン・ハッコス著)」をDCJが翻訳した「DITA概説書」
ソースはDITA(XML)形式となっています。これをXSL-FOとしてAH FormatterでPDFを作成。PDFを出版社に渡して書籍にしています。 DITA Festa 2010でケーススタディが報告されています。
「DITA概説書」
これらの例で見ますと、書籍の制作期間の大幅短縮・出版社にとっては大幅な制作費のダウンとなっています。
但し、これらの例は、いずれも著者がXMLの専門家であって、XMLのコンテンツ編集は障害になっていません。また普通は1品ものだとXSLスタイルシートの開発コストが高くついてしまうのですが、上のケースでXSLスタイルシートは、実は両方とも弊社の技術スタッフが作りましたので、スタイルシード開発費は見えていません。
Twitterでは、その対策として「XMLのひと要素にXSLTのひとテンプレート/ファイルを対応させています。また、FOの属性値もハードコードではなく、パラメータ渡しできるようにしています。パラメータ渡しを徹底すると、汎用性が増す上にFANTaStIKK のようにGUIをかぶせてやることもできますね。増えすぎるとコード書く人間が混乱してきますが。」(@henowaさん)というツイートもありましたが、XSLスタイルシート開発コストを下げる工夫も鍵となります。
また、マニュアルなどと商品としての書籍ではレイアウトについても変わって来ますので、商業レイアウトのできるスタイルシート開発者の確保も必要になると思います。
このようにいろいろな課題がありますが、いよいよ、1品ものの書籍もXML制作の時代がきたということを強く感じます。今後は、この点への取り組みを強化していきたいと考えています。
「ページ組版のためのCSS指南第1版」リリース
CSSによりWeb上のコンテンツを、DTPに匹敵する高度なレイアウト指定でPDFへ出力する機能を強化した「AH FormatterV5」の機能を使いこなすために、次世代CSS3による自動組版の事例を添えて解説した教本「ページ組版のためのCSS指南」が出来上がりました。
CSS3の解説とCSS3で指定した印刷サンプルを豊富に収録しています。
7 月8日より開催の「デジタルパブリッシングフェア」の展示会場にて展示即売いたします。
会場で実際に教本を手に取ってご覧頂き、また、CDの内容の閲覧もできます。
○概要
(有)イー・エイド 藤島雅宏編著・アンテナハウス(株)協力
B5版 232ページの冊子版+CD(データを収録)
展示会場販売価格 5,250 円(税込み)
○ ご購入については、以下よりお問い合わせ下さい。
http://www.exism.co.jp/contact/form/forminq.html
電子書籍はWeb化するのだろうか?
TechWaveで湯川鶴章氏は「電子書籍は紙へのノスタルジア=いずれウェブに同化する」と書いている。このタイトルは刺激的である。
※http://techwave.jp/archives/51466408.html
私的には、Webと電子書籍がどういう関係になるかはかなり大きな課題と考えている。まず、ここでいうWebページとは、HTMLで記述されており、インターネット・ブラウザで表示する、通常は無償で閲覧することができるものとしておきたい。多分、この理解には湯川氏と私の間で違いはない。
湯川氏がここであげている論点は次の5つであるが、結論としては、電子書籍という形態は要らない。課金のことを除けば、普通のWebページで良いじゃないかということであろう。
1.iBooks のようなページを捲るインターフェイスはいづれ廃止される。
2.電子書籍というテキスト中心の知的生産物の形態も最後には消滅すると予測。
3.電子書籍のファイル形式のe-pubである必要はない。ウェブの表示言語であるHTMLでよくなる。
4.電子書籍という名称は課金のためだけに使われる。
5.ネットによって人類の知的活動は今までと比較にならないほど共同作業によって生まれるようになる。
この中で、1、3はそれほど大きな問題ではないと思う。インターフェイスはアプリケーションの作り方によってどうにでもなるし、ファイル形式もアプリケーションの作り方の問題、つまり些細な技術の問題に過ぎないと言ってよい。
現在、電子書籍というときには、電子雑誌・電子新聞も含んでいるようだが、雑誌や新聞はひとつひとつの記事が短いし、記事間の連続性・関連性も弱い。個々の記事をばらばらに取り出せばWebページにしても違和感はないものが多い。従って、雑誌をそのまま電子化した場合、Webページとどのように差別化するかは相当な難問だろう。完全に同化してしまう可能性も大きい。
それに対して、書籍はどうだろうか。書籍は多くの場合、著者の考えをまとめたもので、個人の思想を伝える知的生産物という特性をもつ。また形態上は章単位で分かれていたとしても、章と章の間には連続性があり、また1冊の書籍が一定の思想の元に統制されているという特色を持っている。1冊の書籍を読むには数時間から数10時間掛かると思われる。こういう書籍を電子化した場合、Webページと同化するのであろうか?
2つの疑問が残る。
○Webページは一般に無償で提供されているが、電子書籍も無償になるのだろうか?
○電子書籍は個人の知的活動の成果としてテキスト中心の静的なコンテンツから成り立つ存在であり続けるかどうか、それともインターネットを使った共同作業によって進化する知的生産物になるのか?
今のところ、未来は、電子書籍に関係する全ての人間の意思によって決まることになるとしか言えないが。
新しいメディアのビジネスモデルのこと
この数ヶ月、Twitterに嵌っています。最初は、ビジネスとの関係があまり良く分からなかったのですが、だんだん様子が分かってきました。最近は、新しい情報もTwitter経由で知ることが多く、重宝しています。なんとなくですが、Googleは新しい情報源としては弱いと思っていたので、Twitterで新しい情報、Googleで古い情報というように使い分けています。Googleはアーカイブ中心の利用と言えるかもしれません。
さて、現在は、インターネット媒体の勃興で、旧来のマスメディアが凋落していることが話題となっています。この傾向は、日本よりも、むしろ米国で激しいようですが、日本でも雑誌の廃刊のニュースが良く目に入ってきます。聞いた話でも雑誌経営は厳しいようです。
こうした旧来のメディアに代わるものとして、ブログが一つの候補と考えられています。米国ではプロのブロガーも大勢いるようです。私個人としては、眼にするブログの書き手は個人になっていることが多く、情報の客観性や信頼性に欠けるのではないかと考えてきました。実際、ブログの記事は玉石混交で、中には個人の感情に基づく眉唾ものの記事も見られます。
しかし、Techwaveの【目指せ!プロブロガー】という記事をみて少し考えが変わりました。
○【目指せ!プロブロガー】6月の黒字目標達成率40.44%
http://techwave.jp/archives/51473590.html
TechWaveは元通信社記者の鶴川氏が責任者となって数名のスタッフ・ブロガーを抱えて運営しているものです。今まであまり意識していなかったのですが、ライブドアから運営資金を供給されているようで、その代わり、TechWaveのページに掲載する広告の収入はライブドアに入るようです。ライブドアとしては、独占的に広告を掲載する媒体の一つと考えているようです。
TechWaveが本格的に稼動したのは今年の1月ですが、2月以降、毎月ライブドアから供給される製作委託費とライブドアの広告売上の割合を黒字目標達成率として公開しています。
黒字達成率= 広告売上 ÷ 製作委託費
この用語の妥当性はともかくとして、数字は次のように推移しています。
2月:22.1%
3月:27%
4月:31%
5月:30.7%
6月:40.44%
となっています。
○【目指せ!プロブロガー】2月の黒字目標達成率22.1%
http://techwave.jp/archives/51409418.html
には次のような表現が紹介されています。
—————
ライブドアの田端さんによると、良質の記事を蓄積していけば「座布団を積み上げる」ように広告収入が積み上がっていくのだそうです。田端さんは、最速で半年程度で黒字化すると予測しています。
—————
既に半年を経過したようですがまだ黒字化していません。しかし、フルタイムでブログを書けば、誰でもいつかは黒字になるそうです。
個人的な感想としては、TechWave自体の黒字化は、かなり時間が掛かるのではないかと思います。
しかし、時間の長短は別として、黒字化する可能性は大いにあります。そして、もし、誰でも黒字化できるとすると、ブログを書いて生計を成り立たせることが可能となります。すると専門的教育を受けた人達がプロのプロガーとして活躍するようになり、ブログが新しいメディアとして確立する可能性があります。
そういう意味で、このTechWaveの実験は大変大きな意義があるように思います。
※TechWaveの黒字化に時間がかかるだろうというのは、次の理由です。
・情報分野が少し狭いこと(潜在来訪者数が限られる)
・比喩対象としては座布団ではなく氷河の方が適切ではないか?情報はなくなることがないが、情報の価値は時間の経過とともに雪のように消えてしまうから。
・氷河モデルで考えると、ニュースはしゅんが短いだろうから。
システム製品の有償保守料金改訂と 一部製品の価格改訂
弊社システム製品については、日ごろから多くのお客様にご利用をいただき、心からお礼申し上げます。システム製品はだんだんと企業内サーバからインターネット上でご利用いただく傾向となっています。このような環境において、今後、長期に渡りより良い製品・サービスを安定的に提供するために、どうしても保守料金の改訂が必要との判断に至りました。
そこで、今般、保守料金の価格改訂を御願いすることとなりました。お客様方におかれましては、なにとぞ、ご理解・ご協力くださいますよう御願い申し上げます。
具体的には、2011年8月1日時点からご契約・更新していただく有償保守契約の料金をご購入いただいた時点の製品価格の20%(現在は15%)に変更させていただきます。
※2010年8月1日以降にご購入いただく新規ライセンスから適用となります。
また、「PDF電子署名モジュールV1.2」の標準ライセンス価格につきまして、同じく、8月1日より改訂させていただきます。
○詳細のご案内:https://www.antenna.co.jp/news/SystemPriceMaintenance.html
「書けまっせ!!PDF4」レビュー記事 マイコミジャーナルに掲載
「書けまっせ!!PDF4」のレビュー記事が、6月28日からマイコミジャーナル(Web)に掲載されています。
タイトル:PDFファイルって加筆修正ができないって思っていませんか? – PDFにガンガン書き込める「書けまっせ!!PDF4」
URL:http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/06/28/pdf/index.html
「PDFファイルに様々な加工を施す。しかも、全体のデザインテイストを崩すことなく美しく。加えて、誰もが操作できる簡単な操作体系でありながら関数を用いて複雑な処理を行うといった「ひと手間」を加えれば無限の可能性が広がる。それらを具現化しているのが、この「書けまっせ!!PDF4」の真の姿と言えよう。」
AH Formatter AFP(MO:DCA)出力オプションのご案内
アンテナハウスはAH Formatter のAFP(MO:DCA形式)オプションを開発しています。本オプションは、AH Formatterで組版した結果をAFPアーキテクチャを採用する高速・高性能プリンタに出力するための機能を提供するものです。
AFP(Advanced Function Presentation)はIBMが開発したプリンタ用のアーキテクチャです。その後、2004年にカラーマネジメントの共同サポートを行うAFP Color Consortiumを結成し、さらに、2006年にIBMはAFPのアーキテクチャ全体をAFPコンソーシアムに譲渡しています。現在、欧米の主要なプリンタ・メーカがAFPコンソーシアムに参加して一大勢力となっています。AFPのページ表現形式がMO:DCAです。
IBMはインフォプリント事業をリコーに売却して、現在は、リコーの子会社であるインフォプリント・ソリューションズがAFPプリンタ事業を推進しています。
アンテナハウスは、本オプションを使ったPOD(Print On Demand)ソリューションについて、来月8日から10日に開催される「第14回 デジタルパブリッシングフェア」のインフォプリント・ソリューションズ・ジャパン様のブースでご案内させていただく予定です。
○参考資料
・AH Formatter
・Advanced Function Presentation
・AFP コンソーシアム
7月5日~6日 XSLスクール、XSL-FO指南塾の開催のご案内
アンテナハウスでは、イーエイド、エクスイズムと共催で、XSLスタイルシートの開発技法やXSL-FOの指定方法に関するセミナーを、随時、開催しています。
次回の開催予定は次の通りです。
1.XSLスクール
・XSLスタイルシートの開発技法について
・7月5日 10:00~16:30
2.XSL-FO指南塾
・XSL-FOについての詳しい解説と指定方法実践
・7月6日 10:00~16:30
参加費用:お一人様(税込) 各42,000円
(両方のセミナーを同時にお申し込みの場合:各36,750円)
いずれも開催場所はアンテナハウス(本社)会議室となります。
○詳しい内容はこちらをどうぞ
https://www.antenna.co.jp/XML/seminar/Exism-20100705.txt
お問い合わせ先:
アンテナハウス株式会社
システム営業グループ
担当:長縄
電話:03-5829-9021