以前に株式投資の考え方:いつ買い・いつ売るかでは、「売り買いのベストタイミングを確定することは何人にもできません」、「大きな下げのチャンスに向けて計画を立てて、資金を貯めてじっくり待ち、チャンスが来たらぱくっと食べる」のが良いと書きました。
それはそのとおりです。実際、当社で保有している銘柄には、近いところでは2025年4月のトランプ関税ショックによる下落時、さらにその前の2024年8月5日の日本株急落時に取得・買い増しした結果、現在までに大きな利益を生み出しているものがあります。
しかし、この原則のみでは数年に一回程度訪れる万一のチャンスをじっと待つことになります。あまりにも多大な忍耐が必要で、これだけでは日常の指針になりません。そこで、今日は、もう少し日ごろの役に足ちそうなガイドラインを考えてみます。
そういえば、皆さんは、過去にこんな経験がありませんか?
(1)手持ち株の株価が上がったのを見て、嬉しくなって手持ち株を売った。ところが、その後、さらに上昇してしまい、「ああ、もう少し待ってから売れば良かった。」と慨嘆する。
(2)手持ち株の株価が下がったので、嬉しくなって株を買い増した。そしたらさらに下がって、損が出てしまい、「ああ、もう少し下がるまで買うのを待てば良かった。」と反省する。
(1)も(2)もあるあるパターンの悔しい経験ですね。そこで、反省として、なぜこのようなことが起きるのかを考えてみます。
図で表すと次のようになります。(1)は左、(2)は右になります。

(1)はt1時点に株価A1で売ったが、後のt2時点には株価はA2に上昇、売るのを待てば良かったと反省するパターン。上昇トレンドの最中に売ってしまったのが間違いだった、(2)はt1時点に株価B1で買付、後のt2時点には株価がB2に下落したので、買うのを待てば良かったと反省するパターン。下降トレンドにある最中に買い付けたのが間違だったということです。ただし、t1時点には後のt2時点に上がるか下がるかは分かりません。景気の山や谷を事後的に判定するのと同じで株価のピークや底、トレンドは事後的にしか決定できません。間違いと決めつけるのは無理筋かもしれません。
この失敗を避けるには、①株価のトレンドを見極めること、そして、②上昇トレンドの最中は売却しない、③下降トレンドの最中は売却しない、というルールを決めるのは良いでしょう。
実際のところ、このルールを守るのは簡単ではありません。その理由は、次のとおりです。
(3)すでに述べたように、現時点(t1時点)では、上昇トレンド中なのか、下降トレンド中なのかを正しく判定するのが困難である。
(4)このルールは、現時点(t1時点)だけで判断するなら、高くなったら売り、安くなったら買うという原理、直感あるいは願望に反する。
しかし、上昇トレンド中は売らず、下降トレンド中は買わず、というのは足し算と引き算の計算と同じくらい正しいです。株式売買時には必ず頭に置くべきでしょう。



