EPUB3.0とAH Formatter(後編)

今回は、既存のEPUBファイルの内容に、組版体裁を自由にカスタマイズしたCSS(AH FormatterのCSS3拡張機能も利用できる)とをあわせてAH Formatterで組版してPDFを作成する方法を説明します。
題材とするEPUBファイルは、前回に引き続き、IDPFでEPUB3サンプルとして公開されている『草枕』のEPUBファイルを使います。まず、このEPUBの中身をZIP解凍してXHTMLファイルとCSSファイルを見つけます。

カスタマイズCSSの指定

草枕EPUBの中には、縦書き用のスタイルシート vertical.css が入っています。この内容のルート(html)要素のスタイル指定は次のようになっています:

html
{
-epub-writing-mode: vertical-rl;
font-family: 'foobar', "HiraMinProN-W3", "@MS 明朝", serif, sans-serif;
font-size: 14pt;
margin: auto 1em;
padding: 1em 0;
max-height: 28em;
background-color: #fff4e7;
}

AH Formatterでは、CSS3 Paged Mediaを拡張したページの指定により基本版面の設定ができるので、ルート要素にあるmarginやpaddingの指定、1行の文字数を制限するためのmax-heightの指定は、不要です。本文のfont-sizeも変更したいです。それから、柱とノンブルをつけたいです。
ここでは、このCSSには直接手を加えないで、別のカスタマイズ用のCSSファイル ahcustom.css を作ってみました。これをAH Formatterに文書XHTMLファイルと一緒に指定すると、ahcustom.cssがユーザースタイルシートとして、文書に指定されているCSS(「著者スタイルシート」と言う)とともに組版に使われます。
以下、カスタマイズ用のCSSファイル ahcustom.css で何をしてるか、説明します。

ルート要素のスタイル設定

html {
font-size: 12pt !important;
line-height: 1.75 !important;
margin: 0 !important;
padding: 0 !important;
max-height: none !important;
}

font-sizeを変更し、margin、padding、max-heightの元のCSSでの指定をキャンセルしてます。!important の指定をすることで、著者スタイルシート(vertical.css)での指定をユーザースタイルシート(ahcustom.css)の指定で上書きすることができます(!important指定がないと著者スタイルシートのほうが優先度が高い)。

基本版面設定

ページサイズやマージンの指定は @page ルールを使います。

@page {
size: A5;
margin: auto;
height: 36rem;
width: 15rlh;
background-color: #fff4e7;
}

ページサイズをA5にしました。marginをautoにして、1行の文字数(height: 36rem)と1ページの行数(width: 15rlh)を指定しています。これはAH FormatterでCSS3を拡張した機能です。36remのremは、CSS3での単位でルート要素のfont-size、15rlhのrlhはAH Formatterの拡張単位で、ルート要素のline-heightから計算される行送り量です。

柱とノンブル設定

@page :right {
@top-right {
-ah-writing-mode: horizontal-tb;
font-size: 9pt;
content: "";
}
@bottom-right {
-ah-writing-mode: horizontal-tb;
font-size: 9pt;
content: counter(page);
}
}
@page :left {
@top-left {
-ah-writing-mode: horizontal-tb;
font-size: 9pt;
content: string(title);
}
@bottom-left {
-ah-writing-mode: horizontal-tb;
font-size: 9pt;
content: counter(page);
}
}
title {
-ah-string-set: title content();
}

これは、右ページと左ページそれぞれに柱とノンブルを指定しています。
@top-right、@bottom-right、@top-left、@bottom-leftなどはCSS3 Paged Mediaのマージンボックス(ページヘッダー、ページフッター)の指定です。
本文は縦書きですが、ページヘッダー、ページフッター内は横書きとするために、-ah-writing-mode(-epub-writing-mode でも同じ)で横書きの指定をしています。
content: “…”; は柱の文字列を指定します。content: “草枕”;のように、直接タイトルを書くこともできますが、通常は、XHTML内のtitle要素やh1要素で文字列を設定します(-ah-string-set: title content();)。content: counter(page) でページ番号を出力します。
以上が今回のカスタマイズCSSのだいたいの説明です(実際はもう少し調整のための指定を加えてます)。これを使って組版した結果が右のイメージです。
今回はごく基本的なスタイル指定しかしていませんが、このようなカスタマイズの方法を使って、既存のEPUBファイルの中身に、ユーザーの好みのスタイルを指定して、PDFにするということができます。ぜひ試してみてください。


EPUB3.0とAH Formatter(前編)

電子書籍の世界標準フォーマットEPUB3.0で、縦書き、ルビ、圏点など、日本語組版に欠かせない機能が搭載されました。アンテナハウスは、2010年よりこの仕様策定に協力してきています。
どうしてアンテナハウスがEPUB仕様に取り組んだかは、私たちがAH Formatterという組版エンジン(XML組版の世界標準であるXSL-FO仕様とともに、(X)HTML+CSS3拡張仕様によるページ自動組版に対応)を開発してきたことと、EPUBフォーマットの内容にはXHTML+CSSが使われていること、EPUBの日本語組版要求仕様の元になったW3C技術ノート「日本語組版処理の要件」(JLREQ)の編纂作業に私たちが深く関わっていることから、理解していただけるかと思います。
この成果を利用して、アンテナハウスのクラウド型汎用書籍編集・制作サービス「CAS-UB」では、EPUB版と、PDF版(AH Formatterによる高品質な組版)の電子書籍を同時に制作することができています。

AH Formatterで組版された『日本語組版処理の要件』書籍版、そしてEPUB版

『W3C技術ノート 日本語組版処理の要件』書籍版は、AH Formatter V6のCSS組版によって制作されました。詳しくは:

また、アンテナハウスでは『日本語組版処理の要件』EPUB版も制作しています。CAS-UBブログの次の記事をご覧ください:

EPUB文書をAH Formatterで組版~EPUB3.0のCSS3拡張への対応

CAS-UBサービスではEPUB(2.0と3.0)とPDFの両方が生成できます。では、手持ちのEPUBファイルをAH Formatterで組版することもできるでしょうか?
いまのところアンテナハウスはそれについて何も言っていないのですが、EPUBの内容はAH Formatterが対応しているXHTML+CSSですので、それをAH Formatterで組版することは可能です。方法は、まず、EPUBファイルの内容を展開することです。EPUBはZIP圧縮ファイルですので、ZIP解凍ツールで中身のファイルを展開することができます。
たとえば、IDPFでEPUB3サンプルとして公開されている『草枕』のEPUBファイルをダウンロードして、ZIP解凍すると、/OPS/xhtml/ フォルダに *.xhtml ファイルがあります。これらを AH Formatter に指定して組版することができます。
(AH FormatterでEPUB内容を組版)この図は、AH Formatterで、「草枕」のXHTMLファイルを指定して組版結果を表示した例です。こんなふうに、EPUBに入っているXHTMLとCSSをそのまま使ってもAH Formatterで組版して表示したりPDFに出力することができます。
AH Formatter V6.0は、EPUB3.0のCSS3拡張プロパティ(縦書き指定などCSS3ドラフト仕様を -epub-プレフィクス付きで採用しているもの)をサポートしています。縦書き/横書きの指定(-epub-writing-mode: vertical-rl)、圏点(-epub-text-emphasis-style等)、段組(-epub-column-count等)、縦中横(-epub-text-combine)などです。これにより、この「草枕」の例のようにEPUB3.0のXHTMLに縦書き用のCSSが指定されていれば、そのまま縦書きで組版されます。
今日は、ここまでとして、後編ではさらにこれを応用して、既存のEPUBファイルの内容に、組版体裁を自由にカスタマイズしたCSS(AH FormatterのCSS3拡張機能も利用できる)とをあわせてAH Formatterで組版してPDFを作成する方法を説明したいと思います。


新製品 先取り情報 (後編)

こんにちは。今日は新製品 先取り情報
「瞬簡PDF タッチ -かんたん手書き入力-」
の続きになります。
本製品では副題 -かんたん手書き入力- のとおり、PDFへ手書き入力することができます。
弊社製品に詳しい方なら、手書き入力ならすでに 書けまっせPDF にあるのでは? と思われたかもしれません。
書けまっせPDFの手書き機能との違いは・・・

  • Windows標準のタブレットペン機能(Microsoft.Ink)に対応
  • スクロールしながらシームレスに手書きが可能
  • 蛍光ペンの手書きができる。
  • 点とストローク、2種類の消しゴム
  • 使いやすいインターフェイス

などなど。
書けまっせPDFの手書き機能を使ったことがある方なら、絶対気に入ってもらえるはずです。
でもこのソフトの本当の魅力はタッチとペンによるコラボレーションにあります。
それはどういうことかというと・・・すみません、まだ内緒です(汗)
発売は8月を予定しておりますので、近くなりましたらまた続報を書きたいと思います。
「瞬簡PDF タッチ -かんたん手書き入力-」
ぜひ楽しみにしていてください。


新製品 先取り情報 (前編) 

梅雨入りして一週間と少し、いよいよ雨が多くなってきました。
東京では昨夜台風も。しばらくは憂鬱な空模様が続きそうです。
さて、今日はじめじめ気分を吹き飛ばす(?)アンテナハウスの新製品 先取り情報をお送りします。
瞬簡PDFシリーズに新製品!
瞬簡PDF タッチ -かんたん手書き入力-
その名の通りタッチ操作にフォーカスをあてた製品になります。
タッチ操作といえばiPhoneやiPadですが、マイクロソフトの次期OS、Windows8ではタッチ操作のインターフェイスをメインとしたOSになることが決まっており、Windowsの世界でもこれからはタッチインターフェイスがメインストリームになっていくのかもしれません。
いずれにせよ、ますますタッチ操作が注目されるのは間違いないでしょう。
Windows8の発売に合わせてiPadのようなタブレットタイプのPCもたくさん発売されることが予想されますが、「瞬簡PDF タッチ」はそういったタブレットタイプのPCで使いやすくなるよう設計されています。
さて、ところでこの製品はどういったソフトなのでしょうか? 「タッチ」だけではなにをするためのソフトなのかわかりませんね。
答えは副題にあります。
詳しくは明日のブログで。


CAS-UB 簡単!使い方~Wordのアウトライン機能を使おう!(後篇)

こんにちは。CAS-UB営業担当です。昨日の続き、CAS-UBにインポートした原稿を記事編集画面で確認したのち、EPUBに出力してみましょう!

これが、「記事編集」画面のトップ画面です。昨日ご紹介したように、Wordのアウトライン機能を使うと、このように自動的にツリー構造で記事がエントリーされます。

ちなみに、この構造について、上下の記事の入れ換えや削除指定等を行うには、「構成編集」画面で行います(今回はやりません)。

各記事エントリーを見てみましょう。
各記事は、下図のように、Wordのアウトライン設定に従って、見出し「レベル1」(または「レベル2」)は、記事の「タイトル」に反映され、各見出しレベル直下に配置された「本文」は、編集画面に反映されています

誤字脱字や、表現を変えたりするときは、この画面を使って編集を行います。

下図は、「構成編集」の画面です。
ここでは、「出版物の型」を設定します(緑色の円枠)。どんな形で出版物を出したいのか、というところを設定するのですが、今のところ「書籍1」しかありませんので、これを指定します(未定でもEPUBは作れますが、「書籍」としての体裁(文書構造)を持ちませんのでご注意ください)。

最後に、「生成」リンクをクリックします。
EPUB出力の最終工程に入りました!

CAS-UBでは、リフロー型のEPUB2、EPUB3のほか、PDFとWebスナップショットを生成できます。今回は、EPUB3を生成します。

生成画面から、「EPUB3」生成設定カテゴリから本文内容設定を選択、表示します(下図)。

ここで、CSSのテーマを決めます。CSSのテーマとは、CAS-UBではEPUB向けの書籍の装丁のようなもの、と考えてください。いくつか種類があるので、好きなテーマを選択し、保存します。これで、最低限の設定は済みました。

画面の右上「EPUB3を生成」リンクをクリックします。
確認画面が出ます。しばらく待って、確認のリンクをクリックします。生成完了だと、確認の文字が「ダウンロード」に変わります。生成途中の場合は、上部に「生成中」と出ます。

ダウンロードリンクをクリックし、任意の場所にダウンロードします。
EPUB3のリーダーはいくつかあります。まとめて紹介しているサイトがありますので、ぜひご覧ください。

ブラウザ・ビュアー
epub cafe 電子出版環境整備事業

下の図は、Adobe Digital Editionsで表示したEPUB3です。

今回、タグ(CAS記法)の編集をしないでEPUBを作ることをテーマにしたので外しましたが、Wordに貼り付けられた画像ファイル(png、jpegなど。図形描写は不可)や、セルを結合させない簡単な表は、そのままCAS-UBに反映することができます。

30日間、無料で試せるので、ぜひ試してみてください!

CAS-UB Webページ:http://www.cas-ub.com/

TEL:03-5829-9021  e-mail:cas-info@antenna.co.jp


CAS-UB 簡単!使い方~Wordのアウトライン機能を使おう!

こんにちは。CAS-UB営業担当です。
今日、明日で、WordファイルをEPUBに変換する簡単なやり方をご紹介します。

CAS-UBを使いこなすには、(X)HTMLやCSSの知識は不要ですが、代わりにCAS記法という、CAS-UB独自のタグの使い方を覚える必要があります。

こういうと、「なんだ、結局別の言葉を覚えないといけないのか…」となってしまい、「タグ」という言葉に拒否感を覚える人はそれだけで引いてしまいます。

そんな時、Microsoft Office Wordをお持ちの方なら、こうした「タグ」を極力避けて通って、CAS-UBからEPUBやPDFの制作が可能です!

Wordのアウトライン機能

Wordには、「アウトライン機能」というものがあるのをご存知でしょうか?

「アウトライン」とは、文書の構造化を示す段落書式のことです。文書構造を一覧で見渡すことができるので、文書全体の整理ができます。(マイクロソフトのWebページでは、アウトラインモードで詳細機能を確認できます。)

CAS-UBは、Wordファイルのインポート時に、これらを読み取って「CAS-UB」の出版物に反映することができるのです。

文書の編集

さっそく、Word文書を編集しましょう!

一見すると、文書のタイトルがあって、その下に見出しや本文が並び、文書は構造化されているようなレイアウトになっているWord文書も、アウトライン表示すると、すべて「本文」で成り立っていることがわかります。

これを、「アウトライン」機能を使い、整形していきます。

Word原稿Word原稿

ここではファイルのタイトルをレベル1、大見出しを「レベル2」に設定ます。さらに、「段落の設定」で箇条書き、フォントの設定で「太字」を個々に設定します。

アウトラインの設定

一通り終了したところで保存し、Wordを終了させます。
次に、ブラウザーを立ちあげ、CAS-UBへログインします(ログインするにはユーザー登録が必要になりますので、ご注意ください)。

  1. ユーザーの著者ページ左上のタブ「新規出版物作成」→「空の出版物を作成」リンクをクリックします。
  2. 出版物名、出版物のタイトルをそれぞれ入力し「作成」ボタンをクリックします
  3. 記事編集画面に移行するので、ページ上部のリンク集からドラフトを選択します。
  4. ドラフト画面の一番下に、ファイルのインポートがあるので、インポート形式としてMicrosoft Wordを選択し、編集したWordファイルをCAS-UBへインポートします。
  5. ドラフトの記事一覧に、インポートしたファイルの記事一覧が表示されます。
    いかがでしょうか?この時点で、設定した「レベル」ごとに、記事が分割されてエントリーしています!このまま、本編集の「主原稿」へ移行させましょう!
  6. 「記事編集」画面で確認すると、図のように、文書構造がツリーで表示されます。

明日はここからEPUB出力までをご紹介します。

お問い合わせ

Webページ:http://www.cas-ub.com/

お問い合わせe-mail:cas-info@antenna.co.jp


PDF Server ハンズオンセミナー!PDFをより有効に!

サーバーサイドでスキャンデータやOffice文書の自動変換を体験するセミナーを開催!
e-文書法、内部統制、情報セキュリティ、BCPと昨今の最新の話題を取り混ぜ、紙に代わる便利なPDFをより安心して企業の中で使って頂けるよう、お手伝いをさせていただきます。
無料セミナー!! 06月28日(木)、7月6日(金)
会場  アンテナハウス株式会社 セミナールーム 
開催予定日時   2012年6月1日(金)15時30分~17時(受付は、15時15分から行っております)
詳しくはこちらから
https://www.antenna.co.jp/notice/2012/pdfserver-workshop02.html
講師紹介
益田康夫:JIIMA(日本画像情報マネジメント協会)文書情報管理士上級
アンテナハウス システム営業グループ所属


来週迫る!設計・製造ソリューション展出展

来週出展する展示会情報をご提供します。
”設計・製造ソリューション展出展”
日時:6月20日(水)~6月22日(金)
場所:東京ビックサイト 東ホール ブース NO.20-26
(詳細はこちら URL:http://www.dms-tokyo.jp/
PDFServer、AHFormatter、PDF電子署名モジュールなどアンテナハウス製品を各種ご紹介します。さらにブース内では、各製品の事例を含めたミニセミナーも開催いたします。
1)主な展示製品
「AH PDF Server V3」 :新製品  CAD⇒PDF変換機能を追加して、V2か
ら処理性能も大幅アップ!  
「AH Formatter V6」    :多言語マニュアル用 自動組版エンジン
「PDF電子署名モジュール」 :サーバサイドで電子署名・タイムスタンプ付与
検証、暗号化、DRMソリューションも可能
「ServerBasedConverter」 :Linuxサーバ、WindowsServerで稼働するサムネ
イル変換サーバ
「DITAソリューション」 :製造業向け、技術ドキュメント制作・管理ソリ
ューション
2)ソリューション内容
●総務省”新ICT利活用サービス創出事業”『研究・教育機関における電子ブック利用拡大の為の環境整備』でAH_PDF電子署名モジュールが活用の事例公開!
●多言語取説・マニュアルの自動組版のソリューション事例、CADからPDF・セキュリティPDF作成などサーバサイドの自動変換ソリューションをミニセミナーを毎日実施?
是非ともご来場ください。


「ここだけ」の実践DITAセミナー」

こんにちは。XML関連の営業担当です。
先週6月8日に「「ここだけ」の実践DITAセミナー」が開催されました。
このセミナーはナビックスエクスイズム、アンテナハウスの共催で、今回で3回目になります。毎回多くの方にご参加いただきありがたく思っています。
当初、比較的少人数の参加者募集で行こうと計画を立てたのですが、いざふたを開けてみると40名様を超えるご参加があり、DITAへの関心は相変わらず高いものがあるなと、改めて感じたしだいです。
会場が少々手狭で、ご参加いただいた方には申し訳なく思っています。

セミナーですが、まずは「レガシーデータのDITA移行」と称して、既存データをDITAトピックに移行させるにあたり、その考え方や留意点の話がナビックスさんより行われました。これは個人的にも興味を持っていたテーマで、とても面白く聞くことができました。
次に「XMetaLを利用したDITA化の実際」ということで、これもナビックスさんからデモを中心に話があり、さすが、DITAに力を入れている会社さんだけあって、手慣れたものだなぁと感心しました。

最後に「DITA Open ToolkitによるPDF出力手法について」というテーマで、DITAをPDF化するためのプラグインの紹介やそのカスタマイズの方法を中心にアンテナハウスから話をさせていただきました。

質疑応答も盛んに行われ、回答者側があたふたする場面もあり(^^; 皆さんの熱意をビシバシと感じた1日でした。
ご協力いただいたアンケートを参考に4回目を企画しますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。


「JATSによる日本語学術論文の標準化と自動組版」セミナー

こんにちは。XML関連の営業担当です。
先月5月24日に「JATS解説セミナー(JATSによる日本語学術論文の標準化と自動組版)」というセミナーが開催されました。
有償セミナーにも関わらず大勢の皆様にご参加いただきました。ご参加された皆様には心よりお礼申し上げます。
JATSとは学術情報誌(ジャーナル)を記述するためのXMLタグセットです。JATSのベースとしてNLM DTDというものがあったのですが、これに多言語サポートを強化したものがJATSです。
国内での電子ジャーナル公開システムの有名どころとして科学技術振興機構のJ-STAGEがありますが、このJ-STAGEで今年5月よりJATS DTDで書かれた論文の受付が始まっています。
セミナーの前半では、愛知大学の時実教授にJATSの概要解説をしていただき、JATSがどういうものなのか、また、NLM DTDがなぜJATS DTDに移行しないといけなかった等、歴史的背景のお話が興味深かったです。
JATSの仕様策定にあたり日本でも印刷会社や学界の有志がワーキンググループを結成し、米国のNLM DTDワーキンググループに対し数多くの提言を行ったとのことでした。

後半はアンテナハウスからXMLの自動組版の概要やJATSで書かれた論文をPDF化するための手法についてお話しさせていただきました。


セミナー終了後に「XSL-FOについてやっと分かったような気がした」と言ってくださるお客様がいて、まだまだFOの知名度も低いんだなぁと実感したしだいです。
J-STAGEでJATSが採用されたこともあり、今後は各学会の中で一気にJATSが普及することになるでしょう。セミナー終了後の質疑応答も活発に行われました。
参考資料:https://www.antenna.co.jp/xml/xmllist/JATS-status.html


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