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W3C「日本語組版の処理要件」の最新版が8月11日に公開されました

日本語組版の処理要件(Requirements for Japanese Text Layout、略称 JLREQ)のWorking Group Note最新版が2020年8月11日に公開されました[1]。page2020のXMLパブリッシング交流会『ウェブ出版と日本語組版の未来』で言及されていたものですね[2]。

日本語組版におけるさまざまな事柄について触れられており、項目も多いので「最初から最後まで順に読む」というよりは「必要な箇所を探して都度読む」という読まれ方が多いかもしれません。
この記事を書いている人間はそうで、今まで序論などはあまりしっかり読んでいなかったのですが、この機会に一読することにしました。

序論の「この文書の目的」に次のようにあります。

すべての文化集団は,独自の言語,文字,書記システムを持つ.それゆえ,個々の書記システムをサイバースペースに移転することは,文化的資産の継承という意味で,情報通信技術にとって非常に重要な責務といえよう.

この責務を実現するための基礎的な作業として,この文書では,日本語という書記システムにおける組版上の問題点をまとめた.具体的な解決策を提示することではなく,要望事項の説明をすることにした.それは,実装レベルの問題を考える前提条件をまず明確にすることが重要であると考えたからである.

また、「この文書の執筆方針」には次のようにあります。

組版処理と読みやすい組版設計の関係は別問題である.しかし,両者は不可分の関係があり,解説でも両者を同時に説明する事項も出てくる.しかし,できるだけ両者を区別して記述することを心掛けた.具体的な方法としては,読みやすい組版設計の解説は,できるだけ注記で述べるようにした.

しばしば「Rule」あるいは「Specification」であるかのように捉えられることもありますが、
「Requirements」、それも(主には)組版処理への要件といえます。


さて、「J. Revision Log」に以前の版からの変更点が簡潔に記されています。
ルビについての記載の集約他、表現の修正、閲覧性の向上などが挙げられていますね。

Merged and simplified handling of overhanging ruby text on punctuation marks (former 3.3.8 f,g,h).

約物にかかるルビ文字の定義を集約し簡単化しました (以前の 3.3.8 f,g,h).
[Issue, PR]

English wording fixed.

英語表現の修正.
[Issue, PR; Issue, PR; Issue, PR]

Merged English and Japanese documents into a single document, with switches to allow readers to view the text in either language, or both.

英語版と日本語版の統合,および言語切替機能の導入.
[7dcc927; Issue, PR]

Link targets were assigned to each list item and note, making it possible to point into the document in a more fine-grained way.

文書内リンクがリスト要素とノートにつくようになり,文書内の特定の場所を指すリンクが利用できるようになりました.

Also minor editorial changes were made to structure and wording of the text. A detailed list of changes, including diffs, can be found in the github commit log.

また細かな構成・表記上の修正を行いました.変更点を含む詳細な変更履歴については github のコミットログを参照してください.

「以前の3.3.8 f,g,h」、つまりルビが親文字よりはみ出した場合の処理の調整で、ルビ後に一部の約物が来るようなケースですね。

1版の該当箇所をみると、確かにほぼ同じ文で、対象にしている文字が異なるものの、その調整処理も同じにみえます[3]。

Webページ上の話になりますが、英語版と日本語版を並列表示可能になったことによって、表現が適切であるか閲覧者が比較しやすくなったといえるでしょう。
煩わしければ片方だけにもできますし、データ量としては英語版の文章、日本語版の文章両方を合わせたところで大きいとは言えないはずです。
普段はあまり意識しないのですが、W3Cのページレイアウトも2012年のJLREQのそれと比べ、改良されています。画面が横に広いと目次がサイドバーについて行が画面端から画面端に伸びるのを防いでいたり、
Noteなどの表示スタイルが枠と背景色で見やすくなっていたりしていますね。

具体的にどのような変更があったかですが、コミットログを少しだけ見てみると次のようなコミットなどがありました。

  • 「processed」「processing is」などとしていた箇所をそれぞれ具体化
    • – it is processed identically to mono-ruby;
      + it is laid out identically to mono-ruby;
  • ルビの項での「letter」を「character」に修正する
  • 画像サイズを削減

JLREQについてのGitHubのissue[4]でOpenのものは2020年8月17日時点で63ありました。
内容とは別のissueもありますが、「question」「enhancement」「future」などのラベルから気になるトピックを見てみると良いでしょう。

以前のイベント参加レポート[2]でも言及しましたが、これは公開された活動です[4]。
英語での意見投稿はハードルが高いと感じている方も、日本語で投稿した内容をJLREQのチームが拾い上げ、翻訳を行ってくださいます。

過去・現在の書籍組版などからの要件もありますが、Webをはじめさまざまなメディアがこれからも変化を続けるにしたがい、「日本語組版の処理要件」自体も変化するでしょう。
これが継続的な活動として続けられていることに改めて感謝の気持ちを抱きました。


  1. [1] Requirements for Japanese Text Layout
    日本語組版処理の要件(日本語版)
    W3C Working Group Note 11 August 2020 https://www.w3.org/TR/jlreq/
  2. [2] 「2/7のXMLパブリッシング交流会に参加してきました」- アンテナハウス I Love Software!2
  3. [3] https://www.w3.org/TR/2012/NOTE-jlreq-20120403/ja/#adjustments_of_ruby_with_length_longer_than_that_of_the_base_characters
  4. [4] https://github.com/w3c/jlreq/issues/


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e-na伊那谷 旅便り 第33回 夏の伊那谷

さすがに、ここ伊那谷も30度越えの日が続き暑くなってきました。
夏!といったらここ! ライターちめのお気に入りの場所を紹介いたします。

中央自動車道・伊那ICから車で40分くらいの所にあり、仙丈ヶ岳へと続く南アルプス林道沿いの山中にある河原です。
今年も探索しに行った所、なんと途中道路が崩落していて通行止め、お気に入りの場所に到達できませんでした。この画像は昨年のものになります。
残念に思い、そこから近くの鹿嶺高原に行ってみました。

間近に見える東駒ヶ岳 標高2,967メートル と仙丈ケ岳 標高3,033メートル

標高1,800mにある鹿嶺高原はなんとも清々しかったです。

鹿嶺高原のこと
https://karei-kogen.com/about/
伊那市公式ホームページ
http://www.inacity.jp/kankojoho/sangaku_alps/minamialps/hokubushokai/minamialps_shokai.html

帰りには人気のミニクロワッサンを買って帰ってきました。

道の駅 南アルプスむらパンやさん
https://www.ina-city-kankou.co.jp/panya/

コロナ禍に長引く外出自粛中ではありますが、自然に身を置きますと癒されますね。




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「ScanSave」のデモムービーシリーズ _「多彩な入力機能」_応用編 YouTubeミニセミナー第11弾

デジタル化に舵を切る為の最短コース、国税庁の「電子帳簿保存法」対応のパッケージソフト「ScanSave」の便利機能を解説します。

  • 「一括取込フィルター」
    • → 書類(CSV)データと電子ファイルの事前突合&分類仕分け機能
  • 「書類データの先行取込」「電子ファイルの取込」
    • → 納品書等の先に検収データが出来て、遅れて経理に書類が回付される場合などに便利な機能
  • 「検索用項目一括更新」
    • → 先に電子ファイルを取り込んでタイムスタンプを付与しておき、後日検索表項目等の書類(CSV)データを更新する機能

内容をギュッと15分に圧縮して、YouTubeでいつでも視聴できるミニセミナーにしました。
お好みのところのみ短時間での確認も可能です!!


【 公開セミナー 一覧 】

  1. 第1回 「日本はデジタル化後進国か?!」
    https://youtu.be/aKctKhLRjOY
  2. 第2回 「電帳法」を優しく解説
    https://youtu.be/RbEZe00m0TA
  3. 第3回 「帳簿・書類」の7年保存がそもそも何故求められるのか?
    https://youtu.be/Ht68XGdFdnU
  4. 第4回 タイムスタンプって_なに?
    https://youtu.be/RqRbwlHvAfo
  5. 第5回 国税庁の「電子帳簿保存法」のページの見方
    https://youtu.be/pCUfL17KgEY
  6. 第6回 電帳法4制度の横断的概要学習!
    https://youtu.be/5HbsneGZAFQ
  7. 第7回 電帳法_電子取引の最新情報!
    https://youtu.be/cRT4Cw4-n70
  8. 第8回 電帳法_導入手順!
    https://youtu.be/a7lRuEusH1Q
  9. 第9回 電帳法対応のシステム・サービスのご説明
    https://youtu.be/742w23Xd4RQ
  10. 第10回 「ScanSave」のデモムービーシリーズ 基礎編_「多彩な入力機能」
    https://youtu.be/RCN1lXSU94Y

筆者紹介
益田康夫
メールアドレス:masuda@antenna.co.jp
1984年に社会人になり、IT業界一筋ながら3回の転職を経て現在に至っています。
特に2008年のリーマンショック後の不況の影響を受けて、2010年6月末にリストラ退社して現本業のアンテナハウス株式会社 https://www.antenna.co.jp/ に入社しました。Sun MicrosystemsやOracleを中心にしたITインフラから、IAサーバとしてのCompaqやIBMなどや、文書管理システムやポータルシステムを販売していた前職と、現在のアンテナハウスでのPDF技術や電子ファイルの変換技術などを中心にした、e-ドキュメントソリューションを探求してノウハウを習得してきました。特に、2011年以降、個人で学習時間をひねり出して、文書情報管理士資格2級、1級、上級と最短記録でレベルアップさせ、更に国家資格の行政書士※、日商簿記3級を2015年までに取得しました。

※行政書士とは、https://www.gyosei.or.jp/information/ をご覧ください。





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海外ウェビナー動画「CSSとXSL-FO:印刷出版に私はどちらを使うべきでしょうか?」(日本語字幕付き)

Xplor International(https://xplor.org/)主催のウェビナーにて、弊社副代表のMichael Millerが発表を行いました。

タイトルは「CSSとXSL-FO:印刷出版に私はどちらを使うべきでしょうか?」(原題:CSS or XSL-FO: Which should I use for producing print publications)です。
「CSSとXSL-FO、どちらを使うべきでしょうか?」という質問をよくいただきます。こののウェビナーではCSSとXSL-FO、それぞれの特徴や歴史的な背景を昨今の出版を取り巻く環境も含めてご紹介しています。技術的な内容は少なめで、どなたでも理解しやすい内容となっています。

ウェビナーの様子はYouTubeでご覧いただくことができますので、ぜひご視聴ください。

なおYouTubeの字幕機能を使えば、日本語字幕付きでご視聴いただくこともできます。
字幕の設定方法は、

  1.  動画右下の設定アイコン(歯車マーク)をクリック
  2. 「字幕」をクリック
  3. 「日本語」にチェックを入れる

以上の設定で日本語字幕付きでご視聴いただけます。



XSL-FO/CSSスタイルシートにより、XMLとHTMLをサーバー上で高速にPDFに変換!



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e-na伊那谷 旅便り 第32回 土用松茸

「土用松茸」というものをご存じでしょうか。
秋に収穫される松茸とは別に、土用の丑の日の近くの夏の暑い時期に生えるものを伊那谷では「土用松茸」と呼ぶそうです。
今年は梅雨の長雨の影響で豊作ということなので
伊那市にある産直市場に見に行ってきました。

価格は大きさや開き具合で変わりますが右が3600円、左は少し大きめで1パック6000円!!!!
さすがになかなかのお値段です。
秋に取れる通常の松茸のような香りはないということで、主に味や食感を楽しむものだということです。

秋には近隣の市場に松茸も含め、たくさんの茸が並びます。
去年は雨が少なかったことや高温のせいか不作でしたが今年はこの勢いでたくさん採れることを願っています。





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「ScanSave」のデモムービーシリーズ 基礎編_「多彩な入力機能」 YouTubeミニセミナー第10弾

デジタル化に舵を切る為の最短コース、国税庁の「電子帳簿保存法」対応パッケージソフト「ScanSave」の便利機能を解説します。

  • 手入力
    → 各種検索項目を全て入力する
  • 「ピン」機能を利用した効率的な入力
    → 連続した書類種別や拠点はピンを指して固定できる便利機能
  • CSV仮取込、連携キー入力
    → 利用するCSVの連携キーを入力して、検索項目を流し込む便利機能
  • CSV仮取込、ファイル名自動判定
    →  ファイル名を連携キーに事前にRenameすることで、CSVの該当レコードから1ボタンで流し込める
  • 他システムデータ一括取込
    →  複数レコードのCSVと複数のPDF等を一気に、突合させて、画像をいちいち開かずにインポートできる便利機能

内容をギュッと15分に圧縮して、YouTubeでいつでも視聴できるミニセミナーにしました。
お好みのところのみ短時間での確認も可能です!!

皆様のお役に立てれば幸いです。
また、要望を頂ければ、その要望にマッチした、セミナーの制作を検討させていただきます。


【 公開セミナー 一覧 】

  1. 第1回 「日本はデジタル化後進国か?!」
    https://youtu.be/aKctKhLRjOY
  2. 第2回 「電帳法」を優しく解説
    https://youtu.be/RbEZe00m0TA
  3. 第3回 「帳簿・書類」の7年保存がそもそも何故求められるのか?
    https://youtu.be/Ht68XGdFdnU
  4. 第4回 タイムスタンプって_なに?
    https://youtu.be/RqRbwlHvAfo
  5. 第5回 国税庁の「電子帳簿保存法」のページの見方
    https://youtu.be/pCUfL17KgEY
  6. 第6回 電帳法4制度の横断的概要学習!
    https://youtu.be/5HbsneGZAFQ
  7. 第7回 電帳法_電子取引の最新情報!
    https://youtu.be/cRT4Cw4-n70
  8. 第8回 電帳法_導入手順!
    https://youtu.be/a7lRuEusH1Q
  9. 第9回 電帳法対応のシステム・サービスのご説明
    https://youtu.be/742w23Xd4RQ

筆者紹介
益田康夫
メールアドレス:masuda@antenna.co.jp
1984年に社会人になり、IT業界一筋ながら3回の転職を経て現在に至っています。
特に2008年のリーマンショック後の不況の影響を受けて、2010年6月末にリストラ退社して現本業のアンテナハウス株式会社 https://www.antenna.co.jp/ に入社しました。Sun MicrosystemsやOracleを中心にしたITインフラから、IAサーバとしてのCompaqやIBMなどや、文書管理システムやポータルシステムを販売していた前職と、現在のアンテナハウスでのPDF技術や電子ファイルの変換技術などを中心にした、e-ドキュメントソリューションを探求してノウハウを習得してきました。特に、2011年以降、個人で学習時間をひねり出して、文書情報管理士資格2級、1級、上級と最短記録でレベルアップさせ、更に国家資格の行政書士※、日商簿記3級を2015年までに取得しました。※行政書士とは、https://www.gyosei.or.jp/information/ をご覧ください。




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Google Chrome開発者版(86)でタグ付きPDFを出力[8/4修正]

[8/4追記]社内で「Chrome出力ではなくAcrobat Readerの対応外のタグ使用によって表示が壊れている可能性がある」と指摘を受けました。記事内での表現を修正します。

当初の記事タイトルは「タグ付きPDFがGoogle Chromeのデフォルトに?」だったのですが、現状としては「今後Google Chromeでタグ付きPDF出力が可能になるかもしれない」あたりのようです。

今回使用した環境は次になります。

  • Windows 10 Home 1909
  • Google Chrome バージョン: 86.0.4221.0(Official Build)canary (64 ビット)
  • Acrobat Reader DC – Japansese (20.009.20074)
  • 検証に使用したページ*https://www.w3.org/TR/xsl11/

2020年8月リリースのGoogle Chrome 85から、タグ付きPDFの出力がサポートされます[1]。関連する情報発信自体は以前からあったようですが、実際にリリースされるこのタイミングで俄かに活気づいているようです。活気づいてますよね?

早速Google Chromeをサイトからダウンロードしてみましたが、バージョンを確認すると2020年8月3日時点では84のようです。Google ChromeにはCanaryバージョンがあるのでこちらをダウンロード。試験運用版ですので、同様に検証される方はくれぐれも自己責任でお願いします。(84でもExperimentalの設定として「Export Tagged PDF」を有効化できます。)

バージョンを確認。86……86ですね。85ではありませんが、検証には問題ないでしょう

この後Chrome 84でのtagged PDF出力も確認しましたが、同様の結果になりました。

タグ付きPDFとは

ざっくりとまとめると「タグ付きPDFは、内部に文書構造を指定するタグを付与したPDFのこと」になります。
通常PDFは印刷物のデジタル表現、つまり視覚的な表現として文書構造が見られればよいわけですが、
PDF内部のデータを別の目的で使うときにこの情報だけでは不足することがあります。
別の目的としては、データの読み上げ、PDFから他形式への再変換などがあります。

また、PDFをHTMLのようにリフローで表示したいときにも、タグを用いることで文書の表示順序などを壊さないようにできます。
「HTMLのように」と書きましたが、このタグ付きPDFで設定できるタグの多くはHTMLでのタグと類似したものになります。

概要は[2][3]、詳細は[4][5]をご覧ください。

新ビューアは今のところリフロー表示に対応していないらしい

Canaryだと、PDF出力オプションの他に「PDF Viewer Update」オプションがあるんですね。

chrome://flags/#pdf-viewer-update

これを有効化すると、84ではExperimentalのオプションである「PDF Two-up View」もついでに使えるようになります。

ウインドウ画面と表示をフィットさせる場合に上下と左右どちらを優先するか、回転表示、PDF注釈の表示のオンオフ、アウトライン表示など、色々改善がされていることがわかります。とはいえ、全体的なPDFの表示機能についてはまだまだ頑張ってほしいところです。

さて、タグ付きPDF対応と聞いて真っ先に期待してしまうであろうリフロー表示ですが、とりあえず86の新ビューアではできないようです。
「タグ付きPDFの出力」と「PDFのリフロー表示」は重なる部分もあるものの別の話なので、そういうこともありますね。
今回の新バージョンについて、ChromiumのブログにChrome Accessibilityのリーダーからコメントがあります。improving Chrome’s built-in PDF reader to better consume tagged PDFsとあるので、それなりに可能性はあるのではないでしょうか。
> While this is an important milestone, we’re not done. Future work includes both improving the quality of generated tagged PDFs, and also improving Chrome’s built-in PDF reader to better consume tagged PDFs.

タグ付きPDFをChromeで出力する

本題のタグ付きPDF出力です。Experimentalな設定で次を指定するとタグ付きPDFが出力できるようになるとあります。

chrome://flags/#export-tagged-pdf

では、PDFを出力してみます。*のページを「PDFで保存」します。さて、本来はこれをAcrobat Readerで開いてみて「おおー」となる予定だったのですが、「表示」「折り返し」を有効にしたAcrobat Readerでのリフロー表示がうまくいってないようです。

W3Cのページはあまり変なマークアップのHTMLはないはずです。タグ付きPDFは検証した日時でのGoogle ChromeとしてはExperimentalな機能なので、こちらが原因でしょうか。タグ付きPDFとリフロー表示についてはAcrobat Readerの対応状況も関連するので、Chromeの出力が原因ではないかもしれないとの指摘をいただきました。Google Chromeには自分の出力の正しさを証明するためにもPDFリフロー表示に対応してほしいですね。
PDFの内部を確認したい方は、アンテナハウスのデスクトップ製品『
瞬簡PDF 編集 9
』[6]付属の『タグ編集ツール PDFタグエディターVer.2』を使うとよいかもしれません。

他に数件確認してみましたが、ページが上のように壊れることはないものの、「いきなり何もかも上手く出力できる」とはいかないようです。Experimentalな機能なので詳細な検証をすることを避けました。

ちなみに、Chromeでのタグ付きでないPDF出力をAcrobat Readerの折り返し表示したときは、とりあえずは表示されています。

ちなみに、同じWebサイトをAntenna House Formatter V7.0 MR3でタグ付きPDFを出力した場合、折り返し表示でも問題はないようです(フォントサイズや余白、分割アルゴリズムの違いなどがあるので同じ条件にはなっていません。)。

ChromeでのHTMLとタグ付きPDFの補足資料

Chromiumのタグ付きPDF機能開発におけるデザイン資料[7]によればこれはマークアップを元にタグを付与するものなので(AIが何もかもやってくれるような話ではない)、求められるタグを出力できるかはページ製作者次第です。Chromeの開発過程で実際にはどうなったかは確認していませんが(資料中のメーリスやバグトラッカーを確認していけばよさそうです)、DOMツリーと描画用ツリー、そしてARIA属性などを基にした「Accessibility tree」を利用するデザインのようです。


The accessibility tree computed in Blink is another good possibility. The accessibility tree is derived from the DOM and the Layout Tree and also takes accessibility attributes such as ARIA attributes into account.
Chromium Tagged PDF Export Design Doc

We think the accessibility tree is the best fit and that’s the design proposed here.
Chromium Tagged PDF Export Design Doc

つまり出力が完璧だったとして、現在のところ多くのWebページについて実用的かと言われれば疑問の残るところ。残念ながら、ページによってはむしろ不要なノイズだらけになってしまうでしょう。[7]に次のようにありますが、こういった機能を機にアクセシブルなWebページを作ろうという気運が再燃したりすれば幸いです。

正常に出力されるページもあるかもしれませんが、現在Experimentalとある機能ですので、今回はここまでとします。

タグ付きPDFにご興味を持たれた方は、アンテナハウスのPDF製品を是非チェックしてみてください。


if you visit a web page that’s compliant with WCAG accessibility guidelines, then export it as PDF, then open that PDF in Chrome, the PDF in Chrome should have the same level of accessibility, modulo the limitations of a PDF file.Chromium Tagged PDF Export Design Doc

  1. [1] Using Chrome to generate more accessible PDFs – Chromium Blog
  2. [2] タグ付きPDFとはどんなもの
  3. [3] PDFのリフロー表示。タグ付きPDFとタグの付いていないPDFの比較。
  4. [4] 『タグ付きPDF 仕組と制作方法解説』
  5. [5] 『PDFインフラストラクチャ解説』
  6. [6] かんたん操作でPDFを自由自在に編集 瞬簡PDF 編集 9
  7. [7] Chrome Tagged PDF Export – Authors: dmazzoni[at]chromium.org
    November 2019





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e-na伊那谷 旅便り 第31回 シードル(林檎の発泡酒)とガレット(蕎麦のクレープ)

林檎の生産量が青森県に続いて2位の長野県では、近年その加工品としてシードル(林檎の発泡酒)の生産も盛ん行われるようになっています。
林檎農家さんとワイナリー(長野県内には 50以上のワイナリーがあって現在も増加中です)が手を組んでシードルを醸造という形態が主かと思いますが、林檎の栽培からシードルの製造と販売まで行うこだわりの醸造所もあり、伊那市の『カモシカシードル』さんもその一社で、なんと昨年 2019年にはシードルの国際コンテスト「フジ・シードル・チャレンジ」で最高位のトロフィー賞を受賞しています。

シードル

また、「信州そば発祥の地」を謳う伊那市では、しばらく前から「伊那谷ガレット(※)」(蕎麦のクレープ)と称して地粉を活かしたガレットの普及にも力を入れていますが、このガレットとシードルの相性がとてもよいのです。それもそのはず、正統なガレットのレシピでは材料にシードルを用いますし、そもそものガレット発祥のフランスのブルターニュ地方は、シードルの産地でもあるのです。訪ねたことはありませんが、親近感が沸きます。
信州伊那谷ガレット協議会

「ズッキーニとベーコンのガレット ズッキーニのサラダ添え」

新型コロナウイルス感染症のニュースは依然として落ち着かず、外出も敬遠しがちですが、いつか信州を訪れる機会がありましたら、伊那ものぞいてガレットとシードルを味わっていただけたらと思います。

「たっぷりキノコと2種チーズガレット」





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毎月第2、第4火曜日に「アンテナハウスウェビナー」を配信します。

新型コロナウィルス感染は4月~5月の緊急事態宣言でいったん減少しましたが、緊急事態解除により日常の生活が戻るにつれて、再び、感染者数が急速に増加しています。昨日(29日)には、1日の感染者数が1000人を超えたというニュースが伝わっています[1]。

今年は、3月以降計画していた展示会やセミナーなどのイベントはほぼすべて中止になってしまいました。弊社営業が昨年まで参加していた「ソフトウェア&アプリ開発展」も中止となり、来年2021年春まで持ち越しになっています。このほか、セミナーもいくつか計画していましたが、すべて流れてしまいました。

それに代わってオンラインによるセミナー(ウェビナー)が一斉に行われるようになっています。弊社でも来月より「ちょっと一息 アンテナハウスウェビナー」としてZoomを使ってのオンラインセミナーを推進することにしました。(次の画像クリックでアンテナハウスウェビナーのページへ移動します。)

アンテナハウスウェビナーはZoomを使っての定期的なオンラインセミナーです。
8月から毎月第2、第4火曜日の16時から開催する予定です。
初めのうちは試行錯誤になるかもしれませんが、毎回工夫しながら、できるだけ長く継続したいとかんがえております。

  • 第1回は8月11日(火)16時より「PDFのしおり・目次の追加、ファイルサイズ分割の活用法 」としてアウトライン作成ソフト『アウトライナー』の話題を中心にお送りします。
  • 第2回は8月25日(火)16時より「PDFテキスト抽出の基本、問題点、実践的解決策」としてPDFテキスト抽出の話題を中心にお送りします。現在開発中のPDFテキスト抽出製品もご覧いただく予定です(本邦初!)

9月以降も、肩の凝らないお役立ち情報を定期的にお届けする予定です。ながら視聴でも構いませんので、お時間の余裕のある方はぜひお立ち寄りください。

[1] 【国内感染】29日 1264人の感染確認(30日午前0時現在)
[2] ちょっと一息 アンテナハウスウェビナーのページ
[3] PDFのしおり・目次の追加、ファイルサイズ分割の活用法(ウェビナー申し込みページ)
[4] PDFテキスト抽出の基本、問題点、実践的解決策(ウェビナー申し込みページ)




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電帳法対応のシステム・サービスのご説明 YouTubeミニセミナー第9弾

【2020年8月26日追記】
2020年8月21日に、『ScanSave-V3』と『ScanSave-V4』(スキャンセーブ)の機能を大幅に強化するとともに製品名称を新たにした『e-Success』を発売開始いたしました。


デジタル化に舵を切る為の最短コース、
国税庁の「電子帳簿保存法」対応パッケージソフト「ScanSave」の便利機能を解説します。

  • 電帳法の4つの制度
    • → 帳簿・書類・スキャナ・電子取引の4つの制度についておさらいしましょう
  • 要件確保のポイント
    • → 電帳法の共通5要件にいておさらいしましょう
  • アンテナハウス製「ScanSave」の変遷
  • 「ScanSave」の導入実績・事例
  • 「ScanSave」特徴や強み

内容をギュッと15分に圧縮して、YouTubeでいつでも視聴できるミニセミナーにしました。
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皆様のお役に立てれば幸いです。
また、要望を頂ければ、その要望にマッチした、セミナーの制作を検討させていただきます。


【 公開セミナー 一覧 】

  1. 第1回 「日本はデジタル化後進国か?!」
    https://youtu.be/aKctKhLRjOY
  2. 第2回 「電帳法」を優しく解説
    https://youtu.be/RbEZe00m0TA
  3. 第3回 「帳簿・書類」の7年保存がそもそも何故求められるのか?
    https://youtu.be/Ht68XGdFdnU
  4. 第4回 タイムスタンプって_なに?
    https://youtu.be/RqRbwlHvAfo
  5. 第5回 国税庁の「電子帳簿保存法」のページの見方
    https://youtu.be/pCUfL17KgEY
  6. 第6回 電帳法4制度の横断的概要学習!
    https://youtu.be/5HbsneGZAFQ
  7. 第7回 電帳法_電子取引の最新情報!
    https://youtu.be/cRT4Cw4-n70
  8. 第8回 電帳法_導入手順!
    https://youtu.be/a7lRuEusH1Q

筆者紹介
益田康夫
メールアドレス:masuda@antenna.co.jp
1984年に社会人になり、IT業界一筋ながら3回の転職を経て現在に至っています。
特に2008年のリーマンショック後の不況の影響を受けて、2010年6月末にリストラ退社して現本業のアンテナハウス株式会社 https://www.antenna.co.jp/ に入社しました。Sun MicrosystemsやOracleを中心にしたITインフラから、IAサーバとしてのCompaqやIBMなどや、文書管理システムやポータルシステムを販売していた前職と、現在のアンテナハウスでのPDF技術や電子ファイルの変換技術などを中心にした、e-ドキュメントソリューションを探求してノウハウを習得してきました。特に、2011年以降、個人で学習時間をひねり出して、文書情報管理士資格2級、1級、上級と最短記録でレベルアップさせ、更に国家資格の行政書士※、日商簿記3級を2015年までに取得しました。

※行政書士とは、https://www.gyosei.or.jp/information/ をご覧ください。





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