電気が一般につかわれるようになり、夜間の照明器具は、欧米ではランプから、日本では行灯から電灯に変わりました。
今では、行灯やランプは誰も使っていません。この時代に、行灯やランプを売ろうとする人は頭がおかしいのではないかと思われるでしょう。
いままで長いこと、情報の伝達・配信手段として紙が使われてきました。PDFは紙を電子化したもので、紙の延長です。
これに対して、ご存知のように現在はWebによる情報の配信、交換が隆盛となっています。Webの表現手段はHTML。つまり、HTML隆盛の時代といっても良いでしょう。
HTMLは、Hyper Text Markup Languageの略。その名の通り、分散したコンピュータに存在する情報をリンクを使ってナビゲートするもので、紙とは全く違うものであることは自明です。
こう考えますと、HTMLをページメディア(紙やPDF)に出力しようとするのは、電灯の時代に行灯を売ろうとするようなもの、と言えなくもないようです。極論ですが。
電灯と違って、HTMLがページメディアに取って代わるには、まだ20年位の時間が掛かると思います。
「書けまっせ!!PDF3」のユーザ事例ご紹介
「書けまっせ!!PDF3」のユーザ事例のご紹介ページが出来上がりました。
https://www.antenna.co.jp/kpd/casetop.html
これらの事例は弊社の担当者が、直接、ユーザの方にお話を伺ってまとめたものです。ちょっと我田引水のところが目立つと思われるかもしれませんが、「書けまっせ!!PDF3」が実際の現場でどのように使われているかの一端をご理解いただくことができると思います。
「書けまっせ!!PDF3」は、PDFを編集するというよりは、PDFを台紙=様式が印刷された用紙と見立てて、その用紙に、「簡単に文字や図形を記入できるように」というコンセプトを製品化したものです。
別の言葉で言いますと、「紙に鉛筆で書く代わりに、PDFにキーボードで書く」ということを実現しようとしています。
ユーザの活用事例を見ますと、このコンセプトが市場に受け入れられたことを実感できて嬉しいです。
数量的にも、アンテナハウス・ブランド分だけで1万本を突破しましたし、お客様からのフィードバックからはまだまだ行けそうです。
デスクトップ・アプリケーション冬の時代かと思いましたが、そんなことはなく、新しい商品を創造する余地はまだまだ大きいと感じています。
Webでのオーダーページの操作性の悪さに閉口
Webブラウザから電報を出そうとして、いろいろ苦労してます。
○苦労した点
・正しい住所を入れたはずなのに、住所が間違っていると言われて、住所をWebで何度も検索して確認。
・電報のレイアウト確認。WYSIWYGでないため、文字を入力して、次のステップでレイアウトを確認してまた戻る。改行と空白でレイアウト調整。
・途中でブラウザのボタンの押し間違えて、ブラウザが終了してしまい、またゼロからやり直し。
・最後まで言ったところ、今度は、クレジットカードのWebパスワードがわからず往生。結局中断。
クレジットカードのWebパスワードが分からないので、クレジットカード会社のWebページでパスワードを設定し直し。
パスワードの設定し直しを何回やっても、「一定の時間が過ぎたので無効です。やり直してください」となる。これを4回繰り返し、超高速にやったはずなのに同じメッセージがでる。JavaScriptの初期化のエラーでもあるかと思い、ブラウザを再起動しても同じ。
でも、新しいパスワードでちゃんとクレジットカードのWebページにログインできてます。どうやら、「一定の時間が過ぎたので無効です。やり直してください」のメッセージが誤って表示されているようだ。Webページのバグじゃない?
というわけで、始めてから1時間半経過して、まだ、電報1通を出すことができません。
WebブラウザがOS代わりというのも良いが、これじゃ、専用アプリがずっと良い。人間のオペレータの方がもっと良い。
Webブラウザベースのアプリケーションの操作性上の最大の問題は、「戻る」ボタンなどのブラウザのメニューとの整合性。ブラウザのボタンを誤って押してブラウザが終了してしまうことが良くあります。こういった問題がある限り、ブラウザがOSにはならないように思います。
ソフトウエア販売戦略 — 何をタダにしてどう儲けるか
Joel on Software ストラテジーレターV
http://japanese.joelonsoftware.com/Articles/StrategyLetterV.html
を一読。なかなか面白いですね。
1.製品には補完財と代替財がある。
2.当該製品の補完財が安くなれば製品が売れる。
3.スマートな企業は、補完財をコモディティ化する。
ということ。
○感想
補完財と代替財というと言葉としては分かりやすいですが、実際の世界は入り組んでいて、なにが補完財でなにが代替財か分からないこともしばしばあるように思います。
インターネットではソフトウエアの配布コストが小さいので、安易に、ソフトウエアの無償配布作戦やオープンソース作戦を主張されがちです。
当社製品の競争相手にも無償化作戦を取っている会社がありますが、間違って、代替財をコモディティ化する戦略をとってしまったら、これは、自社製品の市場価格を自ら下げてしまうこと。その結果利益がでなくなりますので、これは自殺行為といえるでしょう。
自社製品にとって、何が補完財で、何が代替財かを深く考えないといけません。
補完財を狭く、厳密に定義するほうが、リスクは少ないと思います。
AH Formatter V5.0 W3C CSS What’s newで紹介される
AH Formatter V5.0、W3CのCSSワーキング・グループのページで紹介されました。
http://www.w3.org/Style/CSS/
Antenna House released Antenna House Formatter Preview Version, a formatter that supports CSS 2.1, CSS3 Paged Media, GCPM, Multi-column, Vertical Text, etc. for XML and (X)HTML documents. Also supports SVG, MathML, and XSL-FO. (Windows, free technology preview version)
ところで、昨日・今日と麹町税務署の税務調査がありました。大体3年に一回ありますが、今年のテーマは海外取引ということで、海外関係の取引を根堀葉堀聞かれました。それは良いですが、W3Cの会費は、寄付じゃなくて、ほんとにビジネスにメリットがあるのか?その理由を説明できる資料を出せ、と言われて説明に難儀しました。寄付のつもりはないのですが。
でも良く考えてみると、TBLを教祖とあがめた宗教団体に入っているようなものかもしれない。すると寄付と解釈するのあながち的外れでもないかも。
X-over Dev Con 2008 でAH Formatter V5.0によるCSS組版の講演
本日(9月4日)は、いよいよ2008年のX-over Development Conferenceの開催初日です。
長年開発してきたAH Formatter V5.0ですが、このConferenceでの発表を一つの目処にしようということで、この数ヶ月開発陣には頑張ってもらいました。
8月にはプレビュー版を公開しようとしていたのですが、昨日も書きましたように、ぎりぎりの前夜10時過ぎのプレビュー版公開となってしまいました。会場では、昨夜の10時までは待っていたのだけれど残念。という熱心な方もいて感激です。
開演5分ほど前の会場の様子です。
ご覧のようにかなり席が埋まっていて一安心です。昨年は、台風でやや出足が悪かったのか、それともXSL-FOはもう新しい話ではなためか、空席が目立ちました。今年の受講者は昨年よりは大分多いという印象です。
講演の内容は、CSSで作成した組版例を使って、主にCSS3+AH Formatter V5.0でできる機能の説明でした。
実際のところ私も詳しい技術的な話を聞くのは初めてでしたが、説明は良く分かりました。やはり、CSSの方がXSL-FOよりはかなりとっつきやすい、と改めて感じました。
こちらに、セミナーでの講演資料を公開しています。ぜひ、ご覧になっていただきたいと思います。
CSSによる組版のページ
Antenna House Formatter V5.0 プレビュー版を公開しました。
9月3日 22時12分にAntenna House Formatter V5.0のプレビュー版を公開しました。
・ニュース・リリース
・Webページ
・AH Formatter V5 .0のプレビュー版ダウンロード・ページ
AH Formatter V5.0は、CSS3の主要なモジュールを実装しており、CSS3で綺麗な日本語組版とページ媒体への出力ができます。
約2年前、W3C Print Symposium 2006にてXSL-FOとCSSのプロパティ統一化を呼びかけてから、ちょうど2年たちました。CSSによる組版の世界をこれからどこまで広げることができるか、楽しみです。
■ご参考
W3C Print Symposium 2006 (1)~
ちょうど同じ日に、GoogleのChromeがでて、Chromeに話題を独占されたようです。
しかし、あちらはWebKitを使っているとか。
我々は完全に自作です。その辺は違います。
PDFのISO標準化
日経PC21でも記事になっておりましたが、2008/07にPDFはISOから承認されたとのこと。
2008/08に発売されたAcrobat9では、標準で作成するPDFもISOで承認され策定された「ISO32000-1」に則った形式にて出力されるようです。
試しに、Acrobat9の新機能「ポートフォリオ形式」を使用して作成したファイルのプロパティ情報を確認してみました。
結果、「PDFのバージョン」として標記される内容は「1.7,Adobe Extension Level 3(Acrobat 9.x)」となっています。
(クリックすると拡大します。)
従来の法則でいくと、「PDFのバージョン」部分は前バージョンで標準出力するPDFのバージョンのリビジョンに1を足したPDF1.8になるのかと思っていましたが、前出のISO承認の絡みで「バージョン番号+独自拡張番号」となるようです。
では、以前のバージョンのAcrobatで同じファイルを開いた場合どうなるのでしょうか?
PDF関連製品を多く扱っている会社の営業としては、試さない訳にはいきません。
(クリックすると拡大します。)
「1.8(Acroabat 9.x)」となっています。
下位バージョンのソフトウエアでプロパティを確認していること自体に無理があるのでしょうか。
続いて、ヘッダを確認してみました。
「%PDF-1.7」との情報が入っています。単純にヘッダの先頭だけを見ている訳ではないんですね。
実際には、「ポートフォリオ形式」で作成したファイルをAcrobat8以前で開こうとすると最新版のReaderをダウンロード&インストールする表示がされるためこの現象を目にする人は少ないと思います。
本現象を検索してみると、説明しているサイトがありました。
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/AcrobatDTP/Acrobat9_truth/Acrobat9_07.html
曰く、「Acrobat8で出力されるPDF1.7形式の方が不完全な物なのでないか」とのことです。
難しいことはあまり理解できませんが、文末にある「Acrobat 9に対応するPDFバージョンは「PDF 1.9」という具合に同じ数字にして」には激しく同感したしだいです。
PDF標準 ISO 32000-1 準拠(適合性)について(メモ)
PDFの仕様がISO国際標準、ISO 32000-1になったことを既にご存知の方は多いと思います。
ISO 32000-1は、ISO 32000-1への準拠(適合性)について次のように規定しています。
1.準拠するPDFは、ISO 32000-1仕様のすべての要求事項を守ること。但し、明確な要求項目以外は必ずしも使用しなくても良い。
2.準拠する読み手は、読み手に要求されているすべての機能的振る舞いについて準拠しなければならない。
3.準拠する書き手は、PDFファイル生成についてのすべての要求に準拠しなければならない。
4.ISO 32000-1に準拠する製品は、PDFファイル生成についての全ての要求と、PDFの読み手に要求されているすべての機能的振る舞いについて準拠しなければならない。
今回、「PDF電子署名モジュール」をV1.2にバージョンアップするにあたり、ISO 32000-1に適合性しているかどうかを検討してみました。PDF電子署名モジュールは、(1)署名時には既存のPDFをそのままにして、電子署名関連のオブジェクトを追加したPDFを作成します。(2)検証時には署名されたPDFを読み電子署名関連のオブジェクトをチェックします。
そこで、署名作成は書き手として適合しているかどうか、検証は読み手として適合しているかどうかが問われます。
結果として、今回は、書き手としての適合度を満たしていると宣言することにしました。読み手としての適合性は、様々なパターンで作成された電子署名関連オブジェクトをすべて正しく処理できるかどうかが問題になりますので、適合していると宣言するのは、書き手より難しいと思います。
リッチテキスト・コンバータ20発売
アンテナハウス株式会社は、「リッチテキスト・コンバータ20」を2008年9月2日より、「リッチテキスト・コンバータ20 パーソナル」を同 9月9日より、それぞれ出荷開始します。
■バージョンアップ機能
* 操作画面を一新!誰でも手軽に変換可能です!
今まで多かった操作方法に対するお問い合わせに対応して、初心者の方でも手軽に変換を行うことができる操作画面を新開発しました。
* 従来の操作画面もリニューアル!
今までの操作に慣れた方には従来の操作画面もご用意しています。こちらの操作画面も文書の選択がしやすくなり操作性が改善されました。これまで通りの操作手順に慣れた方もこれまで以上に便利にご利用いただくことができます。
* 画像のみのPDFや画像データからも文字が変換可能に!
新規にOCR変換機能を搭載しました。従来、スキャナで作成したPDFや画像の入ったPDFなど、文字が画像化されたテキストデータの無いPDF は、画像のまま変換して編集することができませんでしたが、OCR機能を搭載することで、このようなPDFでも文字を認識しての変換が可能となりました。(※)
※この機能はパーソナル版にはありません。
* 対応形式を追加しました!
一太郎2008、OASYS V10の読み込み・書き出しに対応しました。
以上が今回のバージョン・アップでの主な機能強化項目です。
「リッチテキスト・コンバータ」の最初のバージョンの発売は1990年3月です。発売して18年でバージョン20に到達になりました。
今回は久し振りにGUIリフレッシュということで使いやすくなると思います。ぜひ、コンバータを身近にお使いいただきたいと思います。