AppleのTrueType用バイトコード・ヒンティングに関する特許が2010年5月に期限切れになったようです。
・Patent #1: US5155805: Method and apparatus for moving control points in displaying digital typeface on raster output devices
・Patent #2: US5159668: Method and apparatus for manipulating outlines in improving digital typeface on raster output devices
・Patent #3: US5325479: Method and apparatus for moving control points in displaying digital typeface on raster output devices
The TrueType bytecode patents have expired!
FreeTypeプロジェクトでは、従来、特許に触れる部分を既定値では組み込まれないようにしていましたが、特許期限切れに伴い、FreeType version 2.4より、この機能が既定値で有効に変更されたとのことです。
DITA 1.2 がOASIS 標準として承認されました
12月1日 DITA 1.2 がOASIS 標準として承認されました。
OASISのDITA技術委員会は、DITA 1.2の仕様を委員会承認案として、会員の投票に付していました。投票期限は11月30日でした。既に、11月23日時点で必要な票数が集まっていたようですが、投票期限終了に伴い、正式に承認のニュースが流れました。
DITA1.1は2007年8月1日に公開されています。それから約3年と数ヶ月経過してV1.2が正式に公開されることになります。既に昨年来、DITA 1.2の仕様は凡そ固まっており、ツールも対応が進んでいるようです。
DITA 1.2で追加された機能は次のようなものがあります。
* Keys とkey 参照
* conref 機能の強化
* Constraint モジュール
* 学習・教育向けの特殊化
* 制限付きの語彙やタクソノミーを定義するための新しいマップの特殊化
* 機械産業向けのタスク
なお、DITA 1.2ではDITA 1.1の機能はそのまま使うことができますので、既に開発済みのシステムを修正する必要性は少ないと思います。
「書けまっせ!!PDF4」、「もう一本!優待キャンペーン」のお知らせ
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DITA Festa 2010 Autumn終了
11月25日午後から26日にかけて開催されたDITA Festa 2010 Autumnは無事終了しました。
今回は、直前に行われたDITA Europe に派遣した調査団の報告、ならびに2日目に米国のXML分野の第一人者であるEliot Kimber氏を招待しての講演が目玉でした。
DITA Europe調査派遣団の報告については、参加者から「新しい風を感じた。」という声もあり、反応は大変良かったように感じました。
「DITA特殊化」については、天野氏による1.1の技術解説は少し難しかったようですが、Kimber氏による1.2の新機能は分かりやすかったと思います。
第三部のDITA for Publishersについては、従来、テクニカルマニュアルのためと捕らえられているDITAを出版業界向けに使おうということで、Kimber氏によると「DITAの神話を壊すためのもの」とのこと。現在、盛り上がっているEPUBを初めとする電子書籍に関係することからか、大変多くの参加者がありました。また、DITAコンソーシアムジャパンでもDITA for Publishersの短期研究プロジェクトを立ち上げており、今後の成果を期待したいところです。
ちなみに、弊社は、Wikiを利用して書籍を制作するためのサービスを開発しています。(2010年11月23日 『「Wikiベースの書籍オーサリングとEPUB出力」のこと』 をご参照ください。) DITA も考えたのですが、書籍出版用のサービスとしては重すぎるのではないかと判断しています。DITA神話にとらわれて、非効率的な独自DTD開発をしているのかどうか?いづれ評価すべきときが来ると思います。
CSS3のグローバリゼーションの課題について (メモ)
CSS3で日本語のレイアウト機能を強化しようという動きが活発になっています。この大きなきっかけはEPUB3.0に縦書きを含む日本語レイアウト機能を追加しようということで、EPUB3.0のスケジュールの関係上、CSS3の日本語レイアウト機能追加を大車輪で行う必要が出ています。
CSS3の日本語レイアウト機能は、既に1990年代の終わり頃から提案されていますが、この10年近くほとんど進捗していなかったのが実情です。
これを半年程度の期間で、実装可能なレベルに固めていこうということですからかなり野心的な目標です。実現できればCSS3の利用者を増やすと言う点でも大きなインパクトがありますので、頑張って早く進めたいものです。
アンテナハウスでは、2006年からCSSによるレイアウト指定組版 「CSS Print」 を目標として、組版ソフトを開発してきました。具体的には、CSS3をXSL-FO組版機能(AH 独自拡張を含む)と同等のレベルまで拡張して実装しています。この成果として、2009年にAH CSS Formatter V5として発売しています。
そして、この間 CSSのWorking Groupにも参加して、ほそぼそとですが活動してきました。こうした関係でCSSのグローバリゼーションの難しさもある程度理解しているつもりです。そうした立場で、22日に行われたJEPAのEPUBセミナーについてのTwitterの議論を見ていると、この難しさがなかなか理解されていないように感じました。
ということで、現在、感じている問題点を以下にあげておきます。
1.CSSはもともとラテン文字を画面にレイアウトすることを想定して設計されています。右から左に書いたり、上から下に書くという、考えは設計時にビルドインされていません。CSS3の仕様設計者の大多数は欧米の技術者であり、彼らには、漢字や日本文字のテキスト・レイアウト自体が理解できないので、これは無理も無いことです。そこでCSSの仕様設計者に日本語の組版を理解してもらうところから始めなければなりません。
2.日本語レイアウトは欧米の技術者にはそれほど関心もなく、またメリットや学ぶ動機もあまり無いと思われます。従って、前項の活動は主に日本人が積極的に行わなければなりません。しかし、日本人の中でこれに取り組んでいる人は極めて少数です。
3.ブラウザも欧米のラテン文字を想定して開発されています。CSS3の作業グループに参加しているのはブラウザの開発団体の代表者が多いため、ブラウザの実装に影響を与えることになると、参加者の利害に直結してしまいます。こうした利害関係に基づく反対もあります。これは、理解云々の話ではないので対応が難しくなります。
4.作業プロセス上の問題もあります。現在のW3Cのプロセス方針は、「仕様作成は合意に基づいて進める」ということになっています。このため、強硬な反対者がいると先に進むことができません。
5.11月のTPACに提案された論理プロパティはXSL-FOの相対プロパティに相当するものです。当社は、既に10年間にわたってXSL-FOのスタイルシートを多数開発しています。XSL-FOは最初からグローバル化の考えが盛り込まれており、多言語対応のスタイルシートの開発において、相対プロパティはシンプルですし、有用です。しかし、CSSにとっては全く新しい概念であるため相対プロパティの有用性が理解できないようです。また、CSSにはカスケーディングという仕組みがあるため、相対プロパティを絶対プロパティに対応つけるのは最終段階にならざると得ないという技術的な難点もあります。
「Wikiベースの書籍オーサリングとEPUB出力」のこと
11月22日にJEPA主催で開催された「EPUB日本語拡張仕様の現状と将来展開&サービス紹介」にて、現在、開発中のWikiベースの書籍オーサリングのサービスについて、少しお話させていただきました。
このセミナーが企画された当初は、EPUB関連サービスやアプリの紹介も何件か予定されていました。その後、「EPUB日本語拡張仕様策定」提案が総務省の「新ICT利活用サービス創出支援事業」のひとつに採択されたことから、一気に仕様策定関係者のプレゼンの場に傾斜してしまったものです。ということで、かなり肩身の狭い思いがありましたが、少しだけさわりを紹介させていただきました。
EPUB3.0に日本語のレイアウトに必要な機能を盛り込むことは、もちろん重大な課題です。一方で、EPUBを初めとする電子書籍を出版活動の中にどのように組み込んでいくかを真剣に考える必要があると考えているからです。
EPUBは主に配布形式として利用されますので、従来の制作工程で考えて見ますと印刷された本に匹敵します。従って、書籍制作の流れの中では下流に位置づけられます。しかし、電子書籍の制作はもっと上流から見直していく必要があるように思います。Wikiベースの書籍オーサリングは、書籍の制作をコンテンツを執筆するという上流から見直していこうというものです。
セミナー終了後、何人かの方から意見を頂戴しましたが、Wikiを採用した理由についての質問と意見が多くありました。このあたりは、また、時期をみて詳しく報告したいと考えています。とりあえずは、発表の後、IDPFから参加されたBill MaCoy氏から「Extreamly Interesting !」と声を掛けていただいたことを報告しておきます。
○プレゼン資料
「Wikiベースの書籍オーサリングとEPUB出力」
11月22日EPUBセミナーの資料とライブ映像
Server Based Converter V3.0 MR4 をリリース
Microsoft Officeの文書などをOfficeアプリケーションをインストールすることなしに、独自にPDFやFlashなどのファイルに変換する「サーバベース・コンバータV3.0」の改訂版MR4をリリースしました。
○修正項目
1) PDFからの変換について
・\ に英文フォントが指定されているとバックスラッシュになっていたので、encoding で判断できるときは日本語フォントで出力するようにした
2) Wordからの変換について
・表の列幅が正しく取得できないことがあり、表前後のレイアウトが崩れることがあった
・ヘッダの高さの判定に問題がありヘッダ内のイメージを出力していないことがあった
・東洋文字の判定に問題があり英単語の途中で改行することがあった
・フィールド内の不要な文字列を出力することがあった
・ヘッダ/フッタ内の段落囲み罫線に左マージンンを考慮していなかった
・ページ区切りの段落に設定されてる段落後間隔を次ページ先頭に反映していたため、次ページ先頭に余計な空白が入ることがあった
・ページ区切りの段落の行間を次ページ先頭に反映していたため、次ページ先頭に余計な空白が入ることがあった
・ページ先頭行に設定されている段落前間隔をページ先頭でも反映していたため余計な空白が空くことがあった
・フォントの取得に問題があり文字幅の違いなどでレイアウトが崩れることがあった
・箇条書きの段落にぶら下げインデントが反映されていなかった
・
・テキストボックス内のマージンを広く取ってしまうことがあり、改行位置が変わったり、はみ出た文字が欠落することがあった
・MR2 から、図の反転属性が正しく処理されていなかった
・表内のテキストボックス位置が及び出力順に問題があったので修正
・レイアウト枠内の段落基準の線画がずれることがあった
・表内の文字列に設定された文字囲罫線がずれることがあった
3) Excelからの変換について
・ページ設定の「次のページ数に合わせて印刷」の指定を無視していた
・罫線を二重に出力していることがあり、破線・点線・鎖線が正しく再現されないことがあった
・Excelのファイルフォーマット仕様から逸脱したファイルへの対応をした
4) PowerPointからの変換について
・透過イメージに設定された影が正しく処理されていなかった
・出力されるべきでないマスターテンプレートの文字が出力されることがあった
・ファイル判別に失敗して Unknown document type. になるものがあった
5) その他
・SVG への変換で、フォントサイズなどの属性が正しく出力されないことがあった
・Flash への変換で、ボールドとイタリックが正しく反映されないことがあった
・JPEGからのイメージ出力で、JPEGの解像度の取得に問題があり、指定された解像度で出力されていなかった
○詳しい情報
https://www.antenna.co.jp/sbc/
※MR(メンテナンス・リリース)は、保守の一環としてリリースしているもので機能強化よりも問題点の改修を中心としています。
海外販売、TEKOM ヨーロッパの報告
アンテナハウスは、米国法人を通じてAH Formatterを中心とする製品を海外で販売しています。
海外での販売価格は、ドルベースなので円高になると円ベースでは目減りしてしまいますが、ソフトウェア製品の場合は原材料・部品がないのでそれほどダメージはありません。リーマンショック後少し、売上が減りましたが、2009年春を底にして円高にも関わらず、円ベースの売上が少しづつ増えています。ドルベースではかなり増えています。AH Formatterの売上は海外比率75%程度です。
この5年ほど会社全体としては連結売上の30%が海外売上となっています。将来は連結売上の50%を海外で稼ぎたいと思っています。
特に、秋は世界各地で重要な展示会が沢山あります。先日は、ドイツで11月3-5日に開催されたtcworld conference and Trade Fair (TEKOM Europe)に出展しました。
TEKOMでは、今年、Spotlight on Asiaとして、アジアに焦点をあてたエリアがあり、TC協会の黒田氏が「DITA in Japanese Technical Communication」と題した講演を行ったとの事です。黒田氏はDITAは日本のドキュメントにはあまり向いていないというような話をしたようです。
日本から参加した人達の間でも「あれはミスリーディングではないか」という感想があがっていたとの報告がありました。
○参考資料
・Antenna House USA
・tcworld conference and Trade Fair (TEKOM Europe)
11月25日~26日 DITA Festa 2010 Autumnを開催します
DITAコンソーシアムジャパンは、11月25日~26日東京にてDITA Festa 2010 Autumnを開催します。
今回は、「DITA最前線」をテーマに欧州でのDITAの活用事例や、DITAの第一人者であるEliot Kimber氏をお招きし、DITA特殊化技法や電子書籍等へのパブリッシング技法などを解説いただきます。
・日時
2010年11月25日(木) 13:30~18:00 第1部 事例編
2010年11月26日(金) 10:00~12:00 第2部 特殊化編
13:30~18:00 第3部 技術編
三部構成です。
・会場
富士ゼロックス株式会社 本社セミナールーム
東京都港区赤坂九丁目7番3号 (東京ミッドタウン)
・内容
第1部 DITA最前線 ~事例編~ 11月25日
「開会挨拶」
「公開サイトアンケートから考察するDITAの潜在市場」
「XMLコンソーシアムでのDITA利用体験」
「DITA Europe 2010から欧州DITA導入事例の報告」
「IBMの半導体開発におけるDITAの活用」
「DITA普及の試み」
第2部 DITA最前線 ~特殊化編~ 11月26日
「DITA1.1特殊化の解説」
「DITA1.2特殊化作法と海外での利用状況、OASIS TCの状況」
第3部 DITA最前線 ~技術編~ 11月26日
「DITAパブリッシング最前線」
「DITA ePubプロジェクトの発足と活動計画」
「DITAトピックライティングの解説」
「DITA Europe2010から最新技術事例紹介」
「DITA 1.2 言語仕様の翻訳活動報告およびOASISの最新状況」
「DITAコンソーシアムジャパンの今後の活動と会員募集」
○詳しい情報とお申し込み
http://dita-jp.org/?p=894
AH PDF Viewer SDK V3.0 正式リリース!
アンテナハウスでは、PDFアプリケーションに組み込むための開発キット「PDF Viewer SDK」の最新版V3.0を本日よりリリースします。
本製品は、弊社のデスクトップ製品(「書けまっせ!!PDF」、「PDF スイート」など)に組み込んでPDF表示機能を分担するほか、PDFアプリケーション・ソフトを開発しているソフトウエア会社向けに複製・再頒布ライセンスを販売いたします。
V3.0は旧バージョン(V2.5)と比べて、次の通り、抜本的な改訂を行いました。
1.PDF 読み込みライブラリーをスクラッチで書き直しました。これによりPDF 読み込み処理の高速化を図ったほか、保守性の向上、今後の機能拡張に向けての準備を行いました。表示機能はV2.5を下回ることがないことを確認しています。
2.アプリケーション組み込みのプログラミングを容易にするために、二つのコントロールを追加しました。コントロールは、.NET、COM(ActiveX)の2種類のインターフェイスからご利用いただくことができます。
(1)PDF の表示操作、注釈の作成・編集などの機能を持つPDFPageViewCtrl
(2)サムネイル表示、ページ操作・編集などの機能を持つPDFThumbnailCtrl
アンテナハウスは、PDFを紙に変わるドキュメント・インフラとして誰でもがより簡単に容易に使うことができる社会の実現を目指して、PDFの基盤ソフトの開発に力を入れています。今後もPDF Viewer SDKについては機能の強化、速度向上に取り組んでまいります。
○詳細情報
・AH PDF Viewer SDK V3.0
・PDF Viewer SDK の意義について