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証憑書類の「スキャナ保存」講座 第15回「通達2-3 電子取引の範囲のご説明」

作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
資 格:上級 文書情報管理士、簿記3級、行政書士試験合格者
本ブログの記載内容は、公開日時点での法令等に基づいています。
その後の法令改定により要件が変わる可能性がありますので、最新の法令などをご確認下さい。

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ポイント

今回から通達趣旨説明に入っていきます。
「(法令解釈通達)等の趣旨説明について」は平成17年通達と平成27年通達に分かれて詳細に記載されています。
これらの取扱通達の趣旨説明を税務署や国税局の担当官が判断基準にして、承認の際に
用いられます。

平成17年2月28日付課総4-5ほか8課共同「『電子帳簿保存法取扱通達の制定について』の一部改正について」(法令解釈通達)等の趣旨説明について

「『電子帳簿保存法取扱通達の制定について』の一部改正について」(法令解釈通達)(平成17年2月28日付課総4-5ほか8課共同)による通達の改正に伴い、電子帳簿保存法取扱通達について新たに取扱いを定め又は所要の整備を行った項目のうち主なものの趣旨等を説明しています。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/dennshichobo/050228/01.htm

第1章 通則

法第2条((定義))関係

2-3 電子取引の範囲

(電子取引の範囲)

2-3 法第2条第6号((電子取引の意義))に規定する「電子取引」には、取引情報が電磁的記録の授受によって行われる取引は通信手段を問わずすべて該当するのであるから、例えば、次のような取引も、これに含まれることに留意する。

(1) いわゆるEDI取引
(2) インターネット等による取引
(3) 電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む。)
(4) インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引

【解説】

法第2条第6号において、電子取引とは、「取引情報(取引に関して受領し、又は交付される注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。)の授受を電磁的方式により行う取引をいう。」と規定されているが、インターネット等の急速な進展により、いわゆるEDI(Electronic Data Interchange)取引以外にも、様々な取引形態が発生してきており、納税者が行っている取引が電子取引に該当するか否かの判断に迷うケースもあると考えられる。したがって、取引情報の授受が電磁的方式によって行われる取引はすべて該当するのであるが、その内容をある程度明示する必要があることから、一般に行われている電子取引について念のため例示したものである。

なお、本通達の(4)の取引は、例えばASP(Application Service Provider)事業者を介した取引がこれに該当する。この場合、取引情報の授受が電磁的記録により行われることから電子取引に該当するが、取引情報に係る電磁的記録は保存義務者側では保存がなく、一般的にはASP事業者の管理下にある電子計算機に保存されることとなる。

しかし、このような場合であっても、4-12の注書きの考え方を踏まえ、ASP事業者に保存されている電磁的記録が保存義務者に帰属し、規則第8条第1項((電子取引の取引情報に係る電磁的記録の訂正削除の防止))の要件を満たし、納税地等の電子計算機において取引情報に係る電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に速やかに出力でき、国税に関する法律の規定に基づく保存期間保存されるなどして当該保存期間を通じて当該電磁的記録の内容を確認できることが契約書等で明らかにされている場合には、納税者側で保存がなされているものとして取り扱うこととする。

(参考)

○ EDIとは、商取引に関する情報を企業間で電子的に交換する仕組みをいう。
○ ASP事業者とは、ビジネス用のソフトウェア等をインターネットを通じてレンタルする事業者をいう。

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証憑書類の「スキャナ保存」講座 第14回「施行規則8条 電子取引のご説明」

作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
資 格:上級 文書情報管理士、簿記3級、行政書士試験合格者
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(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)

本規則は、少し読みにくくなっています。
落ち着いて、読んでみましょう!

第八条  法第十条 に規定する保存義務者は電子取引を行った場合には、次項又は第三項に定めるところにより同条 ただし書の書面又は電子計算機出力マイクロフィルムを保存する場合を除き、当該電子取引の取引情報(法第二条第六号 に規定する取引情報をいう。)に係る電磁的記録を、当該取引情報の受領が書面により行われたとした場合又は当該取引情報の送付が書面により行われその写しが作成されたとした場合に、国税に関する法律の規定により、当該書面を保存すべきこととなる場所に、当該書面を保存すべきこととなる期間次の各号に掲げるいずれかの措置を行い、第三条第一項第四号<見読可能装置の備付け>並びに同条第五項第七号において準用する同条第一項第三号(同号イに係る部分に限る。<システム関係書類の備付け>)及び第五号<検索>に掲げる要件に従って保存しなければならない。

<措置>一   当該取引情報の授受後遅滞なく、当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すとともに、当該電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと。

<措置>二   当該電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと。

2  法第十条 ただし書の規定<下記の★>により同条 ただし書の書面の保存をする保存義務者は、当該書面を、前項に規定する場所に、同項に規定する期間、整理して保存しなければならない。この場合においては、当該書面は、整然とした形式及び明瞭な状態で出力しなければならない。

3  法第十条 ただし書の規定により同条 ただし書の電子計算機出力マイクロフィルムの保存をする保存義務者は、当該電子計算機出力マイクロフィルムを、第一項に規定する場所に、同項に規定する期間、第四条第二項において準用する同条第一項第一号(同号ロに係る部分に限る。)から第四号までに掲げる要件に従って保存しなければならない。

 

★参考までに下記の法第10条をご覧ください。

(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)

第十条  所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより、当該電磁的記録を出力することにより作成した書面又は電子計算機出力マイクロフィルムを保存する場合は、この限りでない。

 

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証憑書類の「スキャナ保存」講座 第13回「施行規則第5,6条のご説明」

作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
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-『本日のポイント』-

第四条と第七条は、マイクロフィルムなのでスキップします。

(電磁的記録による保存等の承認の申請等)

第五条  法第六条第一項 又は第二項 に規定する財務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。

一  申請者の氏名又は名称、住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地及び個人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 (平成二十五年法律第二十七号)第二条第五項 に規定する個人番号をいう。以下この号及び次条において同じ。)又は法人番号(同法第二条第十五項 に規定する法人番号をいう。以下この号及び次条において同じ。)(個人番号又は法人番号を有しない者にあっては、氏名又は名称及び住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地)

二  申請に係る国税関係帳簿書類の保存場所及び納税地等

三  法第六条第一項 に規定する備付けを開始する日又は同条第二項 に規定する代える日

四  法第六条第一項 ただし書又は第二項 ただし書の規定により提出する申請書である場合には、これらの規定に規定する設立の日

五  申請に係る国税関係帳簿書類の全部又は一部が、法第七条第一項 の規定による届出書を提出し、又は法第八条第二項 の規定による通知を受けたことのあるものである場合には、その旨及び当該届出書を提出し、又は当該通知を受けた年月日

六  申請者が、第三条に規定する要件を満たすためにとろうとする措置

七  その他参考となるべき事項

2  法第六条第一項 又は第二項 に規定する財務省令で定める書類は、次に掲げる書類(申請に係る国税関係帳簿書類に係る電子計算機処理に申請者が開発したプログラム以外のプログラムを使用する場合には、第一号に掲げる書類を除く。)とする。

一  申請に係る国税関係帳簿書類に係る電子計算機処理システムの概要を記載した書類

二  申請に係る国税関係帳簿書類に係る電子計算機処理に関する事務手続の概要を明らかにした書類(当該電子計算機処理を他の者に委託している場合には、その委託に係る契約書の写し)

三  申請書の記載事項を補完するために必要となる書類その他参考となるべき書類

3  法第六条第六項 (法第七条第三項 において準用する場合を含む。)の規定により法第六条第六項 に規定する所轄外税務署長を経由して同条第一項 又は第二項 の申請書(法第七条第三項 において準用する場合にあっては、同条第一項 又は第二項 の届出書)を所轄税務署長等(法第四条第一項 に規定する所轄税務署長等をいう。次条において同じ。)に提出しようとする保存義務者は、当該申請書に法第六条第六項 に規定する便宜とする事情の詳細を記載しなければならない。

 

(電磁的記録による保存等の承認に係る変更)

第六条  法第七条第一項 に規定する保存義務者は、同項 に規定する電磁的記録に係る承認済国税関係帳簿書類の全部又は一部について、法第四条第一項 に規定する電磁的記録の備付け及び保存又は同条第二項 若しくは第三項 に規定する電磁的記録の保存をやめようとする場合には、あらかじめ、次に掲げる事項を記載した法第七条第一項 の届出書を所轄税務署長等に提出しなければならない。

一  届出者の氏名又は名称、住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地及び個人番号又は法人番号(個人番号又は法人番号を有しない者にあっては、氏名又は名称及び住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地)

二  届出に係る国税関係帳簿書類の保存場所及び納税地等

三  届出に係る国税関係帳簿書類について法第四条 各項のいずれかの承認を受けた年月日又は当該承認があったものとみなされた年月日

四  電磁的記録による備付け及び保存をやめようとする国税関係帳簿又は電磁的記録による保存をやめようとする国税関係書類の種類及びそのやめようとする理由

五  その他参考となるべき事項

2  法第七条第二項 に規定する保存義務者は、同項 に規定する申請書に記載した事項(国税関係帳簿書類の種類を除く。)の変更をしようとする場合には、あらかじめ、その旨及び次に掲げる事項を記載した同項 の届出書を所轄税務署長等に提出しなければならない。この場合において、当該変更が当該申請書に添付した書類に係るものであるときは、当該書類に当該変更をしようとする内容を記入して、当該届出書に添付するものとする。

一  届出者の氏名又は名称、住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地及び個人番号又は法人番号(個人番号又は法人番号を有しない者にあっては、氏名又は名称及び住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地)

二  届出に係る国税関係帳簿書類の保存場所及び納税地等

三  届出に係る国税関係帳簿書類について法第四条 各項のいずれかの承認を受けた年月日又は当該承認があったものとみなされた年月日

四  変更をしようとする事項及び当該変更の内容

五  その他参考となるべき事項

 

ご苦労様でした。
規則5条6条は、申請書を正しく書いて再入れば、特に気にすることは少ないと思います。
次回は、電子取引です。

 

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証憑書類の「スキャナ保存」講座 第12回「施行規則第3条のご説明」

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本日のポイント

何と言っても本規則の第3条が要件そのものになります。
ここをしっかり理解するために、通達やQAが脇を固めています。
そして、当然ながら申請書に書くべく各種要件はここから導き出されています。
では、最初は赤文字を中心に一度流し読みをして、再度全体を通して読み直ししてみましょう!

(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)

第三条  法第四条第一項 の承認を受けている保存義務者は、次に掲げる要件に従って当該承認を受けている国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をしなければならない。

 

<ヴァージョン管理>

一  当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理に、次に掲げる要件を満たす電子計算機処理システム(電子計算機処理に関するシステムをいう。以下同じ。)を使用すること。

イ 当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。

ロ 当該国税関係帳簿に係る記録事項の入力をその業務の処理に係る通常の期間を経過した後に行った場合には、その事実を確認することができること。

二  当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の記録事項と当該国税関係帳簿に関連する国税関係帳簿(以下この号において「関連国税関係帳簿」という。)の記録事項(当該関連国税関係帳簿が、法第四条第一項 又は第五条第一項 若しくは第三項 の承認を受けているものである場合には、当該関連国税関係帳簿に係る電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムの記録事項)との間において、相互にその関連性を確認することができるようにしておくこと。

 

<システム関係書類の備え付け>

三   当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存に併せて、次に掲げる書類(当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理に当該保存義務者が開発したプログラム(法第六条第一項 に規定するプログラムをいう。以下この条及び第五条第二項において同じ。)以外のプログラムを使用する場合にはイ及びロに掲げる書類を除くものとし、当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理を他の者(当該電子計算機処理に当該保存義務者が開発したプログラムを使用する者を除く。)に委託している場合にはハに掲げる書類を除くものとする。)の備付けを行うこと。

イ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの概要を記載した書類

ロ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの開発に際して作成した書類

ハ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの操作説明書

ニ 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理並びに当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存に関する事務手続を明らかにした書類(当該電子計算機処理を他の者に委託している場合には、その委託に係る契約書並びに当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存に関する事務手続を明らかにした書類)

四  当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をする場所に当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、当該電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるようにしておくこと。

 

<検索要件>

五   当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の記録事項の検索をすることができる機能(次に掲げる要件を満たすものに限る。)を確保しておくこと。

イ 取引年月日、勘定科目、取引金額その他の国税関係帳簿の種類に応じた主要な記録項目(以下この号において「記録項目」という。)を検索の条件として設定することができること。

ロ 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。

ハ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。

 

2  前項(第一号、第二号及び第五号ハに係る部分を除く。)の規定は、法第四条第二項 の承認を受けている保存義務者の当該承認を受けている国税関係書類(法第二条第二号 に規定する国税関係書類をいう。以下同じ。)に係る電磁的記録の保存について準用する。この場合において、前項第五号イ中「、勘定科目、取引金額その他の国税関係帳簿の種類に応じた主要な記録項目」とあるのは「その他の日付」と、同号ロ中「日付又は金額」とあるのは「日付」と読み替えるものとする。

3  法第四条第三項 に規定する財務省令で定める書類は、国税関係書類のうち、棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに計算、整理又は決算に関して作成されたその他の書類とする。

<スキャナの定義>

4  法第四条第三項 に規定する財務省令で定める装置は、スキャナ(原稿台と一体となったものに限る。次項第二号において「スキャナ」という。)とする。

 

<入力方式>

5  法第四条第三項 の承認を受けている保存義務者は、次に掲げる要件に従って当該承認を受けている国税関係書類に係る電磁的記録の保存をしなければならない。

一  次に掲げるいずれかの方法により入力すること。

イ 当該国税関係書類に係る記録事項の入力をその作成又は受領後、速やかに行うこと。

ロ 当該国税関係書類に係る記録事項の入力をその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行うこと(当該国税関係書類の作成又は受領から当該入力までの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る。)。

二  前号の入力に当たっては、次に掲げる要件を満たす電子計算機処理システムを使用すること。

 

<一定水準以上の解像度及びカラー画像による読み取り>

イ スキャナ(次に掲げる要件を満たすものに限る。)を使用する電子計算機処理システムであること。

(1) 解像度が、日本工業規格(工業標準化法 (昭和二十四年法律第百八十五号)第十七条第一項 (日本工業規格)に規定する日本工業規格をいう。第六号ニ及び次条第一項第四号において同じ。)Z六〇一六附属書AのA・一・二に規定する一般文書のスキャニング時の解像度である二十五・四ミリメートル当たり二百ドット以上で読み取るものであること。

(2) 赤色、緑色及び青色の階調がそれぞれ二百五十六階調以上で読み取るものであること。

 

<タイムスタンプ>

ロ 当該国税関係書類をスキャナで読み取る際に、一の入力単位ごとの電磁的記録の記録事項に一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプ(次に掲げる要件を満たすものに限る。第八条第一項第一号において「タイムスタンプ」という。)を付すこと。

(1) 当該記録事項が変更されていないことについて、当該国税関係書類の保存期間(国税に関する法律の規定により国税関係書類の保存をしなければならないこととされている期間をいう。)を通じ、当該業務を行う者に対して確認する方法その他の方法により確認することができること。

(2) 課税期間(国税通則法 (昭和三十七年法律第六十六号)第二条第九号 (定義)に規定する課税期間をいう。)中の任意の期間を指定し、当該期間内に付したタイムスタンプについて、一括して検証することができること。

 

<解像度と階調、大きさ>

ハ 当該国税関係書類をスキャナで読み取った際の次に掲げる情報を保存すること。

(1) 解像度及び階調に関する情報

(2) 当該国税関係書類の大きさに関する情報

ニ 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。

<入力者等の情報>

三  当該国税関係書類に係る記録事項の入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと。

 

<適正事務処理要件>

四   当該国税関係書類の作成又は受領から当該国税関係書類に係る記録事項の入力までの各事務について、その適正な実施を確保するために必要なものとして次に掲げる事項に関する規程を定めるとともに、これに基づき当該各事務を処理すること。

イ 相互に関連する当該各事務について、それぞれ別の者が行う体制

ロ 当該各事務に係る処理の内容を確認するための定期的な検査を行う体制及び手続

ハ 当該各事務に係る処理に不備があると認められた場合において、その報告、原因究明及び改善のための方策の検討を行う体制

 

<相互関連性>

五  当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項と当該国税関係書類に関連する国税関係帳簿の記録事項(当該国税関係帳簿が、法第四条第一項 又は第五条第一項 若しくは第三項 の承認を受けているものである場合には、当該国税関係帳簿に係る電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムの記録事項)との間において相互にその関連性を確認することができるようにしておくこと

 

<見読可能装置の備え付け>

六  当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存をする場所に当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、映像面の最大径が三十五センチメートル以上のカラーディスプレイ及びカラープリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、当該電磁的記録をカラーディスプレイの画面及び書面に、次のような状態で速やかに出力することができるようにしておくこと。

イ 整然とした形式であること。

ロ 当該国税関係書類と同程度に明瞭であること。

ハ 拡大又は縮小して出力することが可能であること。

ニ 国税庁長官が定めるところにより日本工業規格Z八三〇五に規定する四ポイントの大きさの文字を認識することができること。

七  第一項第三号及び第五号の規定は、法第四条第三項 の承認を受けている保存義務者の当該承認を受けている国税関係書類に係る電磁的記録の保存について準用する。この場合において、同号イ中「、勘定科目」とあるのは、「その他の日付」と読み替えるものとする。

 

<ここが「適時入力」の要件>

6  法第四条第三項 の承認を受けている保存義務者は、国税関係書類のうち国税庁長官が定める書類に記載されている事項を電磁的記録に記録する場合には、前項第一号、第二号ハ((2)に係る部分に限る。)及び第四号に掲げる要件にかかわらず、当該電磁的記録の保存に併せて、当該電磁的記録の作成及び保存に関する事務の手続を明らかにした書類(当該事務の責任者が定められているものに限る。)の備付けを行うことにより、当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存をすることができる。この場合において、同項の規定の適用については、同項第二号イ(2)中「赤色、緑色及び青色の階調がそれぞれ」とあるのは「白色から黒色までの階調が」と、同項第六号中「カラーディスプレイ」とあるのは「ディスプレイ」と、「カラープリンタ」とあるのは「プリンタ」とする。

お疲れさまでした。
ここまで読まれた方は、国税要件の真実性の確保と可視性の確保の全体を把握することが可能です。次回は4条以降に移ります。

 

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証憑書類の「スキャナ保存」講座 第9回「スキャナ保存は4条3項、のご説明」

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-『本日のポイント』-

 スキャナ保存は4条3項です。4条1項・2項と比較してみましょう。

 この違いを把握することが重要です。
よく、セミナーで腑に落ちない顔をされているお客様がいます。
これは、「書類」と「スキャナ」の要件の違いがぼんやりしているからです。
この点を意識して、4条2項「書類」と4条3項「スキャナ」を比較しながら読んで頂ければ、よく理解できるはずです。

 (国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)

第四条

1 保存義務者は、国税関係帳簿の全部又は一部について、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合であって、納税地等の所轄税務署長(財務省令で定める場合にあっては、納税地等の所轄税関長。以下「所轄税務署長等」という。)
の承認を受けたときは、財務省令で定めるところにより、当該承認を受けた国税関係帳簿
に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該承認を受けた国税関係帳簿の備付け及び
保存に代えることができる。

 保存義務者は、国税関係書類の全部又は一部について、自己が一貫して電子計算機を使用して作成する場合であって所轄税務署長等の承認を受けたときは、財務省令で定めるところにより、当該承認を受けた国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該承認を受けた国税関係書類の保存に代えることができる。

 前項に規定するもののほか、保存義務者は、国税関係書類(財務省令で定めるものを除く。)の全部又は一部について、当該国税関係書類に記載されている事項を財務省令で定める装置により電磁的記録に記録する場合であって所轄税務署長等の承認を受けたときは財務省令で定めるところにより、当該承認を受けた国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該承認を受けた国税関係書類の保存に代えることができる。

3.項がスキャナ保存制度です。
ここからスキャナ保存はよく4条3項と言われる所以です。
現時点の財務省令で定める装置の定義として「原稿台と一体」になったスキャナとあるため、
今後の省令改定を待たなければスマホは利用不可となります。

 

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・詳しくは、 https://www.antenna.co.jp/scansave/ をご覧ください。
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証憑書類の「スキャナ保存」講座 第5回「導入のメリットのご説明」

作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
資 格:上級 文書情報管理士、簿記3級、行政書士試験合格者
-『本日のポイント』-

「導入のメリットのご説明」

「スキャ保存」を導入すると

以下のようなメリットが考えられます。自社の状況と照らして確認しましょう。

◎保管スペースの削減          毎月1m程度の証憑書類の保管が発生
◎「移し替え」「置き換え」作業の削減  大企業ではキャビネットや書庫への定期移動が発生
◎重複保管の削減            担当者ベースでコピーを持ちたがる
◎依頼による調査時間の削減       請求書を探してと依頼されると業務が停止
◎事業所間移動(物流)の削減      受け払いで管理が必要です
◎柔軟な検索              紙の保管だと検索が大変
◎スピーディーな検索          紙だと時間がかかりスキャンして、戻すのも大変
◎内部監査の時間短縮          証憑書類の確認で大幅な時短実現
◎税務調査の準備時間短縮        証憑書類を持ち込む必要が無い
◎税務調査の対応時間の短縮       帳簿と関連付けて、種別・日付・金額で絞込める
◎内部統制の強化            重要書類は適正事務処理要件で内部統制が機能
◎月次決算の早期化           拠点スキャン後、紙を送らずとも経理処理が進む
◎紛失事故の削減            簿冊への戻し忘れや、戻し間違いが無くなる

 

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証憑書類の「スキャナ保存」講座 第1回「本講座のご説明」

作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
資 格:上級 文書情報管理士、簿記3級、行政書士試験合格者
-『本日のポイント』-

  • 本講座の目的
  • 本講座の対象者像
  • 中小企業の定義

――――

■本講座の目的

本講座は、中小企業の皆様が証憑書類の「スキャナ保存」を無理なく学習を進めて頂くことが可能なものです。
財務省令(電子帳簿保存法施行規則3条等)の詳細な法令要件をしっかり理解して頂く為に、第1回~第150回(予定)で毎日開催します。
本講座の特長は、最初に『本日のポイント』を示し、その後、法令要件を文字色を変えてで読みやすくし、重要個所は太文字を用いて解説します。
よって、本講義を繰り返し学習して頂くことで、特別なコンサルティング無しでスキャナ保存の申請から導入、本番運用を行うことが可能です。

■本講座の対象者像

本講座の対象者像は、所属企業が中小企業の方であること。
企業内の組織として、営業部門と購買係、経理係など職務の担当が分離出来ていること。
ご担当の方がWindowsPCの日常の利用やデータバックアップ等の基本知識のお持ちの方であること
経理のご担当の方もしくは証憑書類の管理者であること。

■中小企業の定義は下記をご覧ください。

中小企業庁の中小企業の定義
http://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html

 業種分類  中小企業基本法の定義
 製造業その他  資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
 卸売業  資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
 小売業  資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
 サービス業  資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

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