日別アーカイブ: 2017年8月24日

第143回 国税庁 新QA(一問一答)のポイント解説(2)

作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
資 格:上級 文書情報管理士、簿記3級、行政書士
本ブログの記載内容は、公開日時点での法令等に基づいています。
その後の法令改定により要件が変わる可能性がありますので、最新の法令などをご確認下さい。

 第143回 国税庁 新QA(一問一答)のポイント解説(2)

 今回は問9を見てみましょう!

「受領者」読み取りの解釈がその年度ごとに変わっていることを皆さん知っていましたか?
本問9の解説の後段には重要な要件解釈が書かれています。是非とも押さえておきましょう!

問9 受領者等がスキャナで読み取りを行うことは可能でしょうか。

【回答】

承認申請が行われた時期により、それぞれ次のとおりとなります。

<承認申請が行われた時期>     <可否>
----------------------------
平成27年9月30日前           ◎ ※1

平成27年9月30日以降          × ※2

平成28年9月30日以降          ◎
----------------------------
※1 契約書等については、記載された契約金額又は受取金額が3万円未満のものに限ります。
※2 一定条件の下スキャニングのみ可能です。

【解説】

スキャン文書による保存については、平成27年度改正により、規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)に掲げる事項(①相互けんせい、②定期的な検査、③再発防止策)について規程を整備するとともに、これに基づき事務処理を行うことが要件とされています。

①については、同号イにおいて、「各事務について、それぞれ別の者が行う体制」とされており、国税関係書類の受領者等と入力を行う者とは別の者でなければならないことから、平成27年9月30 日以後に行う承認申請については、受領者等が読み取りを行うことは認められません。

ただし、受領者等以外の者が書面と画像を比較し、同等であることを確認した上でタイムスタンプを付す体制がとられている場合は、受領者等がスキャニングを行うことは可能です。

なお、平成28年度税制改正により、国税関係書類を受領者等が読み取る場合の要件が定められましたので、平成28年9月30日以後に行う承認申請について、受領等後、受領者等が署名の上、3日以内にタイムスタンプを付す場合には、受領者等が読み取りを行うことが可能ですが、この場合、受領者等以外の者が電磁的記録の記録事項の確認(必要に応じて原本確認)を行う体制がとられていることが必要です。

また、平成28年9月30日以後に行う承認申請についても、受領者等以外の者が書面と画像を比較し、同等であることを確認した上でタイムスタンプを付す体制がとられている場合は、受領者等がスキャニングのみを行うことも可能です。なお、この場合は、受領者等がスキャニングを行うことになるため、国税関係書類がA4以下の大きさであれば大きさに関する情報を保存する必要はありません(規則3⑤二ハ)。一方、規則第3条第5項第2号ロ括弧書に規定する「国税関係書類の作成又は受領をする者が当該国税関係書類をスキャナで読み取る場合」には含まれないこととなり、受領者等の署名及び3日以内にタイムスタンプを付す必要はありません(取扱通達4-23の2)。

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