トニーグラハムです。アイルランドのスケリーズに在住でアンテナハウスに勤務しています。
スケリーズは海辺の小さな町で、アイルランドの首都ダブリンからおよそ 30km 程北に位置しています。東京中心地から 30km 離れた場合とは少し違い、スケリーズは農地に囲まれ [7]、隣の町までは 5km 離れています。
スケリーズは今はダブリンで働く人たちのベッドダウンとなっています。私は 2001年からここに住んでいますが、リゾート地、漁業の村、修道院、バイキングの植民地としての長い歴史があり、[2][6] またアイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの故郷でもあります。[3]
スケリーズの語源はアイルランド語の ‘Na Sceiri’ で、ノルウェイ語で言い換えれば ‘Skere’ であり、’the rocks’ の意味を持ちます。ノルウェイ語を私は話しませんので確かではないですが、’the rocks’ は一般的には3つの島の事と理解されています。
ダブリン城 [4] の正式な歴史によるとバイキングの植民地はスケリーズまで拡大したとあります。スケリーズのウェブサイトによると発見された石切り斧や火打ち石から見て人々は古代からスケリーズに住んでいたとありますが、私の家の裏庭からは岩やがらくたしか見つかりませんでした。
聖パトリックはスケリーズにある聖パトリック島にしばらく暮らしていました。伝説によると、聖パトリックはスケリーズの人々とはいつもうまくいっていたわけではなかったようです。
スケリーズ山羊の伝説
聖パトリックが古代ローマ人によって Wicklow から追放された時、彼は北へ航海しスケリーズの小さな島に上陸しました。そこが聖パトリック島と呼ばれるようになったのです。彼は山羊を連れて、宣教するためメインランドにやってきた。彼が岸に着いた時、スケリーズの人々は彼のいない間に山羊を盗み食べてしまいました。
それを知った聖パトリックは非常に怒り、2歩でメインランドにやってきて、一歩目はコルトアイランドに2歩目はレッドアイランドに達したと言われています。その足跡がレッドアイランドの海水浴場の岩場に残っていると伝えられ、このことを思い出させるため島の人々にスケリーズ山羊というニックネームが付けられたと言われています。
1988年、聖パトリック教会の50周年記念に山羊の頭のブロンズ像が壁に埋め込まれ、山羊は聖パトリックの元に戻ったとされています。
町に聖Patrickの協会ができたのだからそれによって両者の関係は良くなったのですが、山羊は依然としてラグビークラブのシンボルマークとなっています。[5]
レッドアイランドに残された聖パトリックの足跡
現在に少し近ついたところで、19世紀の前半にマーテロー塔 [8] がシェニックアイランドとレッドアイランドに建てられました。ナポレオン戦争の時代、各地に築かれた小さな防御砦です。攻撃されることはなかったので、今でもそのまま残っています。 レッドアイランドはそれをホリデイキャンプの洗濯室やスタッフ宿泊設備として使っていましたが [9] 、1970年代になってもっと安いフライトで行けるリゾート地ができると様変わりし、現在はそこは駐車場となりマーテロー塔は閉鎖されていますが、観光用に今後立て直す計画はあります。
レッドアイランドのマーテロー塔。シェニックアイランドはその右側。コルトアイランドと聖パトリックアイランドは左がわ。塔の手すりの上にはとが3羽。
シェニックアイランドのマーテロー塔は少しコスパがよいかもしれません。シェニックアイランドは農地として利用されていましたが、今では海の渡り鳥の保護区域となっています。この島での毎年行われる催しとして、BirdWatch Ireland 主催のガイド付き早朝ツアーがあります。潮のもっとも浅瀬となった時、多くの人が南ストランドのビーチに集まり散歩します。最低限必要なものは防水靴と潮が満ちるまでにスケリーズに戻ることです。
シェニックアイランドに向かって歩きバードウォッチング
スケリーズはもはや休日のリゾート地ではなくなり、ダブリンのベッドタウンと化しています。ですが食べ物のおいしいところとして人々がやってくることが多くなりました。’Eating Europe Tours’ のウェブサイトで最近ではスケリーズは最も美しい街ベスト10に入っています [10]。レッドアイランドのレストラン街は人々の人気を集めています。特に暖かい夏の時期には太陽が沈む夜 10時くらいまで外に座って楽しむことができます。
ですが、私にしてみれば、どのアイランドでもスケリーズの一番おいしい食べ物は SKERRIES MILLS の Watermill Cafe の暖かいアップルタルトです。[11]
Apple Tart
私はそれをスケリーズに引っ越してくる前に以前訪れたときに食べました。私がここに住んでいる理由がそれだとは言いませんが、他の地に住む私の友人や親せきの者が、 Mills のアップルタルトを食べるまではアイルランドの旅行は終わったと言えないと言っているのは確かなのです。
[1] https://en.wikipedia.org/wiki/Skerries,_Dublin
[2] http://visitskerries.ie/history.html
[3] http://visitskerries.ie/st-patrick.html
[4] http://www.dublincastle.ie/HistoryEducation/History/Chapter2VikingDublin/
[5] http://www.skerriesrfc.ie/
[6] https://www.facebook.com/SkerriesHistoryinPhotos
[7] http://skerries360.com/Skerries-Tourism-Guide-aerial-drone-panorama-photo-gallery-visit-skerries/index.html
[8] https://en.wikipedia.org/wiki/Martello_tower
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%BC%E5%A1%94
[9] http://www.irishtimes.com/life-and-style/people/postcards-revisited-skerries-word-is-bono-played-his-first-gig-here-1.2283562
[10] http://www.eatingeuropetours.com/europe-most-beautiful-cities/
[11] http://www.skerriesmills.ie/