日別アーカイブ: 2017年1月23日

第117回 「H28年緩和でタイムスタンプを37日間で付与すれば良いと勘違いされていませんか?」

作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
資 格:上級 文書情報管理士、簿記3級、行政書士
本ブログの記載内容は、公開日時点での法令等に基づいています。
その後の法令改定により要件が変わる可能性がありますので、最新の法令などをご確認下さい。

 「H28年緩和でタイムスタンプを37日間で付与すれば良いと勘違いされていませんか?」

様々なところでe-文書法やスキャナ保存のセミナーが盛況です。セミナー講師でしっかり法令要件を読み込んで日ごろの疑問に答えながら研鑽されている方もいれば、そうでない方もいて玉石混交状態と言えます。

そんな中で危険なところが「入力方式」と「タイムスタンプ付与」の要件の違いです。37日という数字が出てくるのは、入力方式の要件でありタイムスタンプではありません。

タイムスタンプの付与に関してはもちろん法令要件ですから間違ったセミナー講師の説明を鵜呑みにして、要件確保が不完全であったり、不備の場合は、国税関係書類の保存義務違反に繋がり兼ねず、スキャナ保存承認取り消しや、最悪は青色申告法人取り消しに繋がります。

これを読んで「あれっ?」と思われた方は、まずは次の施行規則3条5項2号を確認しましょう。
ロ 当該国税関係書類をスキャナで読み取る際に(当該国税関係書類の作成又は受領をする者が当該国税関係書類をスキャナで読み取る場合にあっては、その作成又は受領後その者が署名した当該国税関係書類について特に速やかに)、一の入力単位ごとの電磁的記録の記録事項に一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプ(次に掲げる要件を満たすものに限る。第八条第一項第一号において「タイムスタンプ」という。)を付すこと。

上記を見やすく()書きを削除すると

施行規則3条5項2号
ロ 当該国税関係書類をスキャナで読み取る際に一の入力単位ごとの電磁的記録の記録事項に一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプを付すこと。

これで分かりましたか?そうです「書類をスキャナで読み取る際に電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すことです。

だからタイムスタンプはスキャンした時に付与するのが法的要件です。

でも、安心して下さい。これでは厳しすぎると考えた国税庁は通達でその趣旨説明をしてくれています。それは次回に解説します。 

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DITA Festa 2016 Winter(その2):トピックタイトルの書き方から変えてコンテンツの再利用を高める

2016年12月7日~9日、3日間にわたり恒例の DITA Festa が開催されました。
初日の「DITAで何が変わったか ~ブラザーのDITA導入経緯と効果実績~」というブラザー工業さんの基調講演につづき、2日目にやはりブラザー工業さんの「ユルくないDITA のリユース徹底活用」という事例発表がありました。DITA によるコンテンツ再利用を徹底的に行っているというお話です。

再利用性を高めるためにまずトピックタイトルの書き方から変えたという話があったのですが、DITA 導入を検討されている方は参考にしていただきたいです。
DITA 導入前は

 Macintosh
  ControlCenter2
   Scan
    E-mail

というタイトルの付け方をしていたが、導入後は

Scan to Email Attachment Using ControlCenter2 (Macintosh)

というタイトルに変えられたとのことです。つまり文脈依存からトピック指向に変えることでこのコンテンツがいつでもどこでも使えるようになった、ということですね。

また当然のことながら conref や conkeyref 等もバリバリに使っていらっしゃいます。この講演の中で、それらを使うことのメリットやデメリットについて、簡潔にまとめられていました。

私も以前ブラザー工業さんが書かれたトピックファイルをチラッと拝見したことがあるのですが、conref や conkeyref がぎっしりと詰まっていて、何が書かれたファイルなのか判別できませんでした (^^; 「そこまでやるか!」と思ったものです。

※参考「conrefとconkeyref」

講演の最後に「 IA は最初が肝心。コンテンツを DITA 化する際にしっかりと情報を分析 / 分類して、どのように再利用をするかのガイドラインを決めましょう」とおっしゃっていましたが、まったくそのとおりだと思います。
弊社執筆による DITA 入門本 『DITAのすすめ(改訂版)』 でもこのことに触れています。有償ではありますが、DITA 導入を検討されている方にぜひ読んでいただきたいです。




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