日別アーカイブ: 2012年3月9日

PDF Server 耳寄り話 -フォントの埋め込みついて-

時々お問い合わせを頂くのですが、PDF ServerではMS-Office変換やアプリケーション変換でフォントの埋め込みを行う事が出来ます。お気づきかも知れませんが、PDF Serverで埋め込んでいる訳ではなく、一緒にインストールする「Antenna House PDF Driver 4.1」で行っています。
 フォントはWindowsであれば必ずインストールされているものもあれば、後から購入して別途インストールするものもあります。後から購入するなどして追加したフォントは他の人のパソコンにあるとは限らず、そのフォントを使用して作成されたMS-OfficeドキュメントやPDFはファイルを渡しても同じように表示や印刷が出来るとは限りません。そのため、PDFではフォントの情報をファイルに一緒に埋め込んでおいてフォントがインストールされていない他の方のパソコンでも同じように表示や印刷出来るようになっています(画像のように文字をコードではなく、形状だけをを埋め込む場合はフォント情報は関係ありませんが、テキストをコピーして取り出すことは出来ません)。
 以前のブログ記事でも触れていますが、どんなフォントでも埋め込めるとは限りません。フォントが埋め込み許可をしないものについては埋め込みをする事が出来ません。
 それ以外に「表示と印刷」や「編集可能」、「インストール可能」などがあるのですが、これらのフォントは基本的に埋め込みが可能です。ただし、埋め込んで作成したPDFの扱いには少し注意する必要があります。
 それは「著作権」の問題です。
 一番身近な例ですと音楽や映画、我々が提供しているコンピュータ・ソフトウェアもそうですが、一般にオリジナルで作成したコンテンツ(技術ではないです)には著作権があります。そして「フォント」にも著作権が存在してます。Windowsではシステムドライブの「Windows」フォルダ内の「Fonts」フォルダにフォントが収められています。フォントのプロパティ(マウスの右ボタンクリックで表示されるメニュー項目です)を表示すると上記の埋め込み可能かどうかや著作権が表示されます(下図はWindows7で表示した例です)。

 上図のプロパティは「MSゴシック」のものですが、埋め込みが可能で著作権は株式会社リコーが持っている事がわかります。
 何気なく使っていると思いますが、Windowsにインストールされているフォントは常識的に使うのであれば埋め込んで使っても構わないですよ、というニュアンスがあります。例えば社内資料や取引先に見てもらうための資料ぐらいは問題ない、という事らしいです。この辺の明確な線引きが存在しない事がややこしいのだと思います。
 マイクロソフトではWebページ「マイクロソフトの著作物の使用について-フォント」に簡単な記述があります。
 読んでもらえれば分かると思いますが、要するに何か疑問があれば著作権者に問い合わせて下さい、という事になります。これは私たちも同じで「××フォントを埋め込んでも良いのか?」とお問い合わを頂いてもやはり同じようにしか答える事は出来ません。
 ちなみに、別途許諾が必要なケース(MSゴシックがそうかは分かりませんが)というのは、フォントを埋め込んだり、使用して印刷したりしたドキュメント自体を商用利用する場合と言われています。例を挙げるなら書籍などでしょうか。最近は同人誌などもあるため、規模に応じてというケースもあるそうです。また、完全フリーというフォントもあります。
 インストールさえしてしまえば気軽に埋め込む事は可能ですが、場合によっては著作権を侵す可能性もあるので注意はひつようです。また、埋め込むと当然PDFのファイルサイズもその分大きくなるのでご注意下さい。
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