こんにちは。XML関連の営業担当です。
先週6月8日に「「ここだけ」の実践DITAセミナー」が開催されました。
このセミナーはナビックス、エクスイズム、アンテナハウスの共催で、今回で3回目になります。毎回多くの方にご参加いただきありがたく思っています。
当初、比較的少人数の参加者募集で行こうと計画を立てたのですが、いざふたを開けてみると40名様を超えるご参加があり、DITAへの関心は相変わらず高いものがあるなと、改めて感じたしだいです。
会場が少々手狭で、ご参加いただいた方には申し訳なく思っています。
セミナーですが、まずは「レガシーデータのDITA移行」と称して、既存データをDITAトピックに移行させるにあたり、その考え方や留意点の話がナビックスさんより行われました。これは個人的にも興味を持っていたテーマで、とても面白く聞くことができました。
次に「XMetaLを利用したDITA化の実際」ということで、これもナビックスさんからデモを中心に話があり、さすが、DITAに力を入れている会社さんだけあって、手慣れたものだなぁと感心しました。
最後に「DITA Open ToolkitによるPDF出力手法について」というテーマで、DITAをPDF化するためのプラグインの紹介やそのカスタマイズの方法を中心にアンテナハウスから話をさせていただきました。
質疑応答も盛んに行われ、回答者側があたふたする場面もあり(^^; 皆さんの熱意をビシバシと感じた1日でした。
ご協力いただいたアンケートを参考に4回目を企画しますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。
カテゴリー別アーカイブ: 構造化文書
「JATSによる日本語学術論文の標準化と自動組版」セミナー
こんにちは。XML関連の営業担当です。
先月5月24日に「JATS解説セミナー(JATSによる日本語学術論文の標準化と自動組版)」というセミナーが開催されました。
有償セミナーにも関わらず大勢の皆様にご参加いただきました。ご参加された皆様には心よりお礼申し上げます。
JATSとは学術情報誌(ジャーナル)を記述するためのXMLタグセットです。JATSのベースとしてNLM DTDというものがあったのですが、これに多言語サポートを強化したものがJATSです。
国内での電子ジャーナル公開システムの有名どころとして科学技術振興機構のJ-STAGEがありますが、このJ-STAGEで今年5月よりJATS DTDで書かれた論文の受付が始まっています。
セミナーの前半では、愛知大学の時実教授にJATSの概要解説をしていただき、JATSがどういうものなのか、また、NLM DTDがなぜJATS DTDに移行しないといけなかった等、歴史的背景のお話が興味深かったです。
JATSの仕様策定にあたり日本でも印刷会社や学界の有志がワーキンググループを結成し、米国のNLM DTDワーキンググループに対し数多くの提言を行ったとのことでした。
後半はアンテナハウスからXMLの自動組版の概要やJATSで書かれた論文をPDF化するための手法についてお話しさせていただきました。
セミナー終了後に「XSL-FOについてやっと分かったような気がした」と言ってくださるお客様がいて、まだまだFOの知名度も低いんだなぁと実感したしだいです。
J-STAGEでJATSが採用されたこともあり、今後は各学会の中で一気にJATSが普及することになるでしょう。セミナー終了後の質疑応答も活発に行われました。
参考資料:https://www.antenna.co.jp/xml/xmllist/JATS-status.html
海外出展レポート CMS/DITA North Amrerica Conference 2012 (その2)
引き続き、海外出展レポートです。
マネジメント部門
近年、情報の量が膨大になっているだけに適切なルールを定め、常に新しい情報を得、リアルタイムに情報を提供、更新できるよう、様々な経験、発想、チャレンジの発表が行われました。
適切なコンテンツを適切な場所、時に配布するストラテジーの発表、買収で大きくなった企業がグローバルスタンダードとしてDITAを適合させた事例、コンテンツ管理のコンセプトををマーケティング、製造、そしてデザイン部門に広げる議論、企業の壁を越えた(顧客、パートナー)共同制作へのチャレンジ、現代の顧客のニーズに合わせたドキュメント開発体制の再編成の事例、顧客のアクセスとユーザビリティを向上させるための施策、
部門を超えたドキュメント改善チームを構成、社内でのコンテンツ管理を統一し、ガバナンスを構築した例、システムを共有するためユーザのツールを調査によるCCMSの決定。DITA採用を成功に導くには技術ではなく、ビジネス過程の変更であること、クラウドのコンテンツ変換サービス利用でDITAへの移行計画が急速に進んだ事例、ユーザエクスペリエンスの向上を第一に考える発想、コンテンツをXMLへ移動する場合のROI (投資収益)の考察、制約を決めて情報を必要最小限にとどめ、開発プロセスを改善し合理化した事例など。
先端テクノロジー部門
このセッションでは、先端テクノロジーの重要性を議論、 HTML5、CSS3、 RelaxNG、QR コード、ipad、Android、RDF、DITA 1.3を含むDITAの未来に焦点が置かれました。
ドキュメント制作の分野は絶えず変化しています。モバイル文書 (タブレット、PC) そして、マルチメディア技術使用(3D)の増加は最新の傾向の一つです。ePub やeBook に代表されるように多くのEが存在し、昨年のDITA NorthAmericaでは、Eセッションはゼロだったのに、今年このカンファランスで5セッション登場しました。
DITA ベースの出版にHTML5 技術を適用し次世代のデバイスで、リッチで対話型で、アクセス可能なコンテンツを築くのに利用する例、HTML5のマークアップ、(ナビゲーション構造、コンテンツ要素、メディア要素)を用い、高性能なCSSを用い、JavaScriptを活用し、SVGを取り入れる例、DITA 事業のための新しい階層モデルを学ぶという新しい概念、Webを使ったトピックベースの出版アプローチの紹介、1つのCSS を使ってEpub、XHTML そして、PDF出力用のDITA-OTの構築例、DocBookベースの出版過程にDITAを導入にチャレンジした出版会社の事例、PDFを使ってタブレットに技術文書を配布する事の推奨、XMLスキーマ言語であるRelaxNGをDITAに取り入れた例、3D仮想コンテンツの利用で、開発コストの削減、グローバル市場での製品サポートの削減を計った事例など。
日系企業の発表サマリー
Epson America, Inc.:Measurable Success with a DITA CMS
エプソン・アメリカは3年以上、DITAコンテンツ管理とパブリッシング環境で実稼動しています。同社は正式な測定を行うことで実際の節約と効率性の定量化を図りました。
Fujitsu Network Communications:Migration to DITA: A retrospective
富士通ネットワークコミュニケーションズ(FNC)の技術出版部では、2008年からスタートしたDITA 移行プロジェクトについての発表を行いました。
Hitachi Data Systems:Hitachi’s Global DITA CMS Implementation Strategy
日立のストレージソリューション技術出版グループ(米国と日本の3つの国際部門でおよそ200人のライター)は、様々な日立製作所エンジニアリング・グループと共同して、エンドユーザ向け文書を作成しています。グローバル環境においてDITAを適用した経験を発表しました。
Ricoh:DITA Anchors and Development Across Agile Teams
RICHO社の製品のマニュアルを制作するにあたって、製品開発チームに影響を与えずヘルプ機能とカスタムソリューションを統合する方法が必要でした。DITAコードを使っての実践的なプレゼンテーションを行いました。
DITAコンソーシアムジャパンの派遣団による発表
近日中に、日本IBM本社(水天宮前)にてDITA Festaが開催されます。そこで派遣団によるプレゼンテーションを予定しています。
日程が決まりましたら、アンテナハウスのWebページでお知らせしますので、楽しみにお待ちください。
http://www.antennahouse.com/
http://rainbowpdf.com/
AH Formatter V6.0 改訂2版リリース!
2012年5月17日、AH Formatter V6.0 改訂2版を公開しました。
主な機能強化は以下のとおりです。
・フォームのテキストフィールドに書式設定ができるようにした。
・.NET 3.5 インタフェースを追加した。
・オープンソースをアップデートした(FreeType 2.4.8、libpng 1.5.10、libtiff 3.9.5)。
・フォームへのフォントの埋め込みに対応しました。
・font-family に NameID=16 のファミリー名を指定しても有効となるようにフォント構築ファイルで use-preferred-family を指定可能とした。
・行番号のリセット(axf:line-number-reset)で fo:block 単位にリセットできるようにした。
・HTML5 の wbr タグをサポートした。
・行頭/行末の U+200B(ZWSP)が justify で広がらないようにする設定(zwsp-mode)を追加した。
・-ah-suppress-duplicate-page-number を CSS 組版でも機能するようにした。
また、これまでの障害に対応しております。改訂内容の詳細は次をご参照ください。
→ AH Formatter V6.0 改訂情報
評価版は以下のページよりお申し込みいただけます。
→ AH Formatter V6 評価版のお申し込み
製品のご購入につきましては、事前に技術相談会を行っております。お気軽にお問い合わせください。
→ アンテナハウス システム製品技術相談会
AH Formatter V5.3 販売終了のお知らせ
2012年4月18日に『AH Formatter V5.3 改訂4版』の出荷を開始いたしましたが、『AH Formatter V5.3』は 2012年4月末をもって販売を終了いたします。今後は既に販売しております『AH Formatter V6』をよろしくお願いいたします。
なお、販売終了後は新規ライセンスの販売は行ないませんが、既存のお客様を対象に販売終了後 5年間に渡り有償保守をご提供いたします。『AH Formatter』を今後ともよろしくお願いします。
『AH Formatter V6』は、XML 文書を組版するための仕様として W3C で勧告された、Extensible Stylesheet Language (XSL) Version 1.1 および、HTML にレイアウトスタイルを定義することで一般的に知られている CSS の、ふたつのスタイルシートに対応した自動組版・印刷ソフトウェアです。
『AH Formatter V6』を使うことで、大量の XML 資産を PDF 化したり、印刷したりすることができます。また、ひとつの XML 文書からスタイルシートを変更するだけで異なるレイアウトの PDF を出力することができます。
[AH Formatter 導入事例紹介] AH Formatter V6 による JLReq の自動組版
このたび、『AH Formatter』の導入事例紹介として、「AH Formatter V6 による JLReq の自動組版」を追加しました。『AH Formatter』に関心のある方、導入をご検討の方、自動組版に興味のおありの方、是非ご覧ください。
以下、導入事例の紹介ページから「概要」を掲載します。
W3C に、Requirements for Japanese Text Layout(日本語組版処理の要件)という技術文書があり、2012年4月3日に公開されました。これの公開に合わせて、日本語版を書籍化する計画が持ち上がり、それを、『AH Formatter V6』によって実現しました。
書籍化の話が出た当時、『AH Formatter V6』は、まだ開発途中でした。そういう意味では、JLReq の書籍化は、画像のフロートによる自動配置の実装検証として渡りに船であったと言えます。組版は、XHTML+CSS を用いて行なわれました。
続きは、導入事例の紹介ページでお読みください。
→ AH Formatter V6 による JLReq の自動組版
JATS 解説セミナー(JATS による日本語学術論文の標準化と自動組版)のご案内
2012年5月24日に「JATS 解説セミナー」を開催いたします。
JATS(Journal Article Tag Set)は日本語学術論文向け XML 標準仕様として期待されている仕様です。科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル J-STAGE は 4月より J-STAGE3 をリリースし、JATS0.4 ベースの書式 XML と全文 XML の搭載が可能となっております。
アンテナハウスは、JATS0.4 に準拠した XSLT スタイルシートを公開し、併せて JATS 解説セミナーを開催いたします。
今回のセミナーは JATS0.4 向けの XSLT スタイルシートの解説と、愛知大学教授の時実様をお迎えしまして JATS の解説をしていただきます。
詳細、お申し込みは、
JATS 解説セミナー(JATS による日本語学術論文の標準化と自動組版)のご案内(株式会社エクスイズム)
より、お願いいたします。
AH Formatter V5.3 改訂4版をリリースしました。
2012年4月18日、『AH Formatter V5.3 改訂4版』を公開いたしました。
多数の改訂の他、以下 2点の機能強化もしています。
・SVG の switch エレメントに対応した。
・font-family に NameID=16 のファミリー名を指定しても有効となるようにフォント構築ファイルで use-preferred-family を指定可能とした。
改訂内容の詳細につきましては、
「AH Formatter V5.3 改訂情報」をご覧ください。
なお、製品のご検討に際して、
弊社では事前に技術相談会を行っております。
お気軽にお問い合わせください。
→ アンテナハウス システム製品技術相談会
日本語組版処理の要件
AH Formatter V6 開発にまつわる裏話をひとつ紹介してみましょう。
W3Cに、Requirements for Japanese Text Layout(日本語組版処理の要件)という技術文書があります。3月30日現在、第1版が公開されていましたが、4月3日に第2版が公開されました。
第1版では、スケジュールの都合から第4章が欠けた状態で公開されたわけですが、第2版でそれを補い、文書としての完成を見ることとなりました。
この文書は、実装仕様ではなく要求仕様に徹した文書で、もともと JIS X 4051 の英訳が存在しないなどの理由から、日本語を解さない外国人にでも日本語組版が理解できるようにすることを目指していましたが、日本人にとってもよい内容となっています。
AH Formatter V6 の開発は、この文書の要求を実装することであったとも言えます。つまり、
- ルビ
- 圏点
- 図版の配置処理
という、V6 の目玉機能は、「日本語組版処理の要件」に即して実装されました。AH Formatter V5 までは図版の配置が不自由なため、ちょっと大きな図があると、ページ末に大きな余白ができてしまうという欠陥がありましたが、V6 での図版の配置処理の実装は、この問題を解決します。
「日本語組版処理の要件」は、書籍としても東京電機大学出版局から、W3Cでの第2版公開に合わせて近々発売されます。この書籍の組版は、もちろん AH Formatter V6 で行われました。その過程で、図版の配置をコントロールするフロート拡張に関するいくつかのバグを改修し、また、見出しの文字数による字割りなど、いくつかの新しい拡張を行ったりと、要求に合うように Formatter 自体を改良していったのです。しかし、AH Formatter V6 では「日本語組版処理の要件」がすべて実装されているわけではありません。需要を考慮して、拡張実装されていくことでしょう。
◎4/5更新
「W3C技術ノート 日本語組版処理の要件」(プリント版)
東京電機大学出版局
4月10日発売
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4501550201/ref=cm_sw_r_tw_alp_PaLDpb052FB25
海外出展レポート Digital Book World Conference and Expo
Digital Book World Conference and Expo
やはりニューヨークで開催されたこのカンファランスは、主に従来の出版業界(刊行本を出版する会社)向けの構成となっていました。アンテナハウスは、出版業界の動向、要望、関連技術、ソリューションを学ぶべく参加しました。特に、電子書籍におけるデジタルデータとして表現されたコンテンツの知的財産の保護、著作権益の保護について議論が行われ、電子書籍の市場への新しい方向性がテーマとなりました。また、従来の刊行本の将来的観測についても、かなり意見が出ました。このカンファランスが開催されるほんの数週間前に、アメリカの大手ブックストアが倒産したとのことです。
アンテナハウスはIDPFに加入
International Digital Publishing Forum (IDPF)は、米国の電子出版業界の標準化団体です。電子書籍用のファイル規格EPUBを策定しています。同規格はアップルのiPad用の閲覧ソフトiBooks、ソニーの電子書籍リーダー、グーグルの書籍全文検索サービスGoogle Booksなどで採用されています。アンテナハウスはこのたびこの団体に加入し、EPUB3の普及のために努力したいと考えています。
みなさんご存知のように、クラウド型汎用書籍編集・制作システム、CAS-UB を、日本ではすでに始めております。実際、Digital Book Worldの発表者には、出版会社のみならず、作家の方々も登録されています。海外でも電子書籍の普及に伴い、必ずや本の作家やエディターのために役立つものと確信し、海外でのサービス開始に向け準備を始めております。
アンテナハウス海外サイト
http://www.antennahouse.com/
http://rainbowpdf.com/