XSLTを学ぶ (8) ステップの文法を追求する-NodeTest

前回は軸について調べましたので、今回はNodeTestを調べてみます。XPath仕様では、NodeTestを次のように規定しています[1]

[7] NodeTest ::= NameTest | NodeType ‘(‘ ‘)’ | ‘processing-instruction’ ‘(‘ Literal ‘)’
[37] NameTest ::= ‘*’ | NCName ‘:’ ‘*’ |QName
[38] NodeType ::= ‘comment’|’text’|’processing-instruction’|’node’

まず主ノードタイプを次のように定義します。ステップの文法では軸の指定に続いてNodeTestを記述します。NodeTestでは軸毎に主ノードタイプに該当するノードを選択することになります。

・attribute軸の主ノードタイプは属性
・namespace軸の主ノードタイプは名前空間
・その他の軸の主ノードタイプは要素

文法上は、attribute::text()のような組み合わせができますが、これは無意味なので何も選択しません。

(1) NameTest

NameTestでは要素や属性の名前を指定して一致するものを選択します。

NameTestでは’*’を使えます。’*’は主ノードタイプが何であれすべてのノードに対して真となります。但し、NameTestの前には、軸指定子(AxisSpecifier)が置かれます。軸指定子が省略されないときは、例えば、child::* は起点ノードの子供であるすべての要素ノードを選択します。attribute::*は起点ノードのすべての属性を選択します。

ステップでは軸指定子を省略できます。するとステップは*または@*の形式となります。ステップにおいて*を指定するとchild::*であり、@*とするとAttribute::*です(第6回[3]の[5]と[13]の規定による)。

二番目のNCNameは、名前空間の接頭辞です。接頭辞はXML名前空間の仕様で規定されています[2]

xmlns:svg=”http://www.w3.org/2000/svg”

という名前空間の宣言があるとしますと、NCNameは’svg’にあたります。svg:*はsvg名前区間にあるすべてのノードを選択し、child::svg:*は文脈ノードの子供でsvg名前空間に属する要素ノードをすべて選択します。

QNameは名前空間接頭辞(オプション)で修飾された名前です。

(2) NodeType ‘(‘ ‘)’

NodeTestは、ノードの種類でノードを選択することもできます。ノードの種類は次の4種類です。

comment()
text()
processing-instruction()
node()

例えば、child::text()は起点ノードの子供のテキストノードを選択します。
comment()はコメントノード、processing-instruction()は処理命令のノードを選択します。
node()は任意の種類のノードを選択します。

ステップで、node()と記述すると、軸を省略したことになり、child::node()を意味します。従って、要素ノードのみを選択します。

[1] 2.3 Node Tests
[2] 3 Declaring Namespaces
[3] XSLTを学ぶ(6)ステップの文法を追求する

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次回:
XSLTを学ぶ(9) ステップの文法を追求する-述部(Predicates)と式

前回:
XSLTを学ぶ(7)ステップの文法を追求する-軸とは

初回:
XSLTを学ぶ(1)XMLのツリーモデルとXPath/XSLTのツリーモデルではルートの意味が違う