欧米の電子書籍ではePubと並んでAmazanのKindleで形式も重要な存在である。しかしKindle形式については公開された資料があまりないようだ。そこで、「The Complete Guide to Formatting Books for the Amazon Kindle」(eBookArchtects.com発行、Joshua Tallent著)を読んでみた。同書から以下にポイントを簡単に紹介してみる。
Kindleで本を出版するには次の方法がある。
1.Kindle形式は実質的にMobipocket形式なのでMobipocket形式を作ってKindle DTP (Digital Text Platform)にアップロードする。
2.DTPにWord文書ファイルやHTMLファイルをアップロードし、DTPがそれらのファイルからMobipocket形式を自動的に作成する。
Mobipocket形式にしてからDTPにアップロードするメリットは次の3点である。
(1)toc.ncx というファイルを加えて、ナビゲーション機能を使えるようにすることができる(Kindle2から有効)
(2)eBookBaseというMobipocketの電子書籍配信チャネルを使うことができる。
(3)DTPにHTMLをアップロードするとDRMフリーになる。それに対して、Mobipocket形式ではDRM(デジタル著作権管理)を設定できる。
Mobipocket形式のファイルはcalibreやMobipocketCreatorを利用してHTMLから作成する。MobipocketCreatorでは内蔵の変換機能を利用して、テキストファイル、Word文書ファイル、PDFファイルをインポートすることもできる。
MobipocketCreatorでは、OPF (OpenPackaging Format)を作成する。OPFの形式はePubと同じである。OPFの中に,Metadata, Manifest, Spine, Toc (toc.ncxファイルの参照) などの情報を保存する。
OPFの情報を準備した後、書籍をビルドする。この処理をMobigenというコマンドライン・プログラムで行うこともできる。OPFやtoc,ncxをプログラムで作れば、すべての処理をオン・ザ・フライで行うことも可能である。