PDFを公開する際に見せたくない場所を単に黒で塗りつぶすだけでは、データが表面上見えなくなるだけで、データそのものはPDFファイルに残っています。したがって、特定のツールや方法を使えば、塗りつぶされた部分のデータを復元できることがあります。PDFファイルからデータを完全に削除するためには、矩形内のデータ削除機能を使用して、PDFファイルからデータそのものを取り除く必要があります。
PDFの墨消しとは、PDF文書のページ上に指定した矩形領域に重なるテキスト、画像、図形などのオブジェクトをPDFファイルから削除する機能です。この削除は非表示にするのではなく、データそのものを取り除くことを指します。また、指定した矩形領域を黒で塗りつぶすことができ、これが一般的に「墨消し」と呼ばれる機能です。
墨消しの対象になるのは文字、画像(イメージ)、パス(線画)ですが、墨消しの指定範囲(矩形)の境界にまたがるときの扱いがそれぞれ異なります。次に簡単に説明します。
墨消範囲の内部と外部にまたがる文字の扱い
テキストは、指定矩形内の文字が削除されます。墨消し指定した矩形の線上の文字も削除対象です。矩形範囲内のテキスト削除のときとは異なるので注意してください。
墨消範囲の内部と外部にまたがる画像の扱い
画像の中で、墨消し指定した矩形と重なる画像部分だけを削除(部分画像削除)できます。画像の部分削除の例は次をご参照ください。
墨消範囲の内部と外部にまたがるパスの扱い
墨消しの指定範囲に完全に含まれていない線画(パスデータ)は削除されません。パスデータは、指定された矩形内に全体が含まれる場合にのみ削除されます。したがって、指定範囲の内側と外側にまたがる線画は削除されないことになります。
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