月別アーカイブ: 2026年9月

新連載:AIを利用するソリューション作成(7) 今、検索機能を用意するということ

内容としては、Formatterのマニュアルに検索を実装した話題*から続きます。

* Formatterマニュアル検索機能追加 | I love software2!I love software2! https://blog.antenna.co.jp/ILSoft2/archives/19459

検索機能の実装は「今、検索機能を用意するということ」について改めて考える機会となりました。
社の見解ではなく個人の見解となりますので、ご承知おきください。

検索機能は実装の必要があるのか
「資料はAIに読ませればよいので、検索機能をサイトに載せる意味はあるのか」という問いを立ててみます。
実際、
今回実装に際し資料を用意したときも「このURLの文書を参照して」とか、「必要な情報を別文書に書き出して」といった指示を挟んだりしています。
「指定された文書を読み込んで、必要と思われる事項を選別する」という機能は、
多くのコーディングエージェントに用意されているようです。

とはいえ、その「必要な箇所」の選別に大量の文書をそのまま読ませるというのは、コストとパフォーマンスの両面であまり望ましくありません。

コストの面では分かりやすく、AIクラウドサービスでは読ませた量や書かせた量、すなわちトークン消費を単位とした従量課金や使用量のリミットという縛りが固定化しつつあります。
フロンティア、より精度の高い思考ができるとされる上位のモデルはトークンあたりの価格もより高く設定されています。

パフォーマンスの面では、比較的長い記憶を扱えるようになったといっても、1から100まで資料を読ませているのでは記憶容量は早く枯渇します。
作業を重ねるうちに読ませた資料が適切に反映されなくなってくるといった話題もかなり浸透してきましたね。

よって、そのような選別をより安いコストで行う手段があればそれに越したことはありません。
とはいえ、この点ではAI用の検索手段を各々が用意すればよいといえます。

製品側が提供する検索
では、製品側が検索機能を提供することでどのような価値があるのか。

端的には「結果を保証する」ことにあります。
これはマニュアルを提供すること自体にもいえます。

AIであれ人間であれ、自前の検索機能を用意した上で
ある検索の結果が0件であったとき、
「検索した内容は文書内に存在しない」と判断を下すことになるでしょう。
実際には文書内に存在するのに、
検索によって「この機能がないようなので、この製品は使えない」と判断が下されるのは損失です。

この話を広げるとベクトル検索の提供などにまで話題が広がりますが、
少なくとも「明確に文書内に存在する」事柄の検索については、公式のマニュアルとして提供する意義があるといえます。
逆に「存在しない機能を公式の検索が提供する」というのはかなりよろしくないため、
LLMブーム初期のRAGや自動応答チャットインタフェースが試みで終わってしまう事例が多くあったのもむべなるかな。

まとめ 大量の文書は読み切れない
LLM以前、2010年代には既に情報爆発、情報氾濫の時代と言われていました。
これは主にインターネット上の情報を指してのものでした。

現在はAIによって、ここにローカル、自分のPC内の情報もまた読み切れない量で増加しつつあります。
AIに自動で作業を進めさせると、もはや人間がチェックできないスピードと量でコードが生成されていきます。

「必要なときに、必要な情報を読ませる」という点において、DITAのようなトピック単位で情報完結するようなアーキテクチャは依然有効、むしろより重要になりつつあります。
AI時代の新しい形式として耳目を集めたGoogleのOpen Knowledge Format(OKF)なども、
メタデータや簡易的な説明、内容の単位、参照の記述、配置の構成など収斂進化や再発明ともいうべき構造を持ちます。

言い換えれば、
AIが読むにしろ人間が読むにしろ「必要な情報か端的に判断できる機構があること」「必要な情報がまとまっていること」「処理しやすい形で記述されていること」が大事であるということです。
今回検索機能を実装するにあたっても「文書がこういう構造だったらなあ」と思うことが何度もありました。その詳細はまた別の記事に譲りたいと思います。




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Formatterマニュアル検索機能追加

Antenna House Formatter V7.5 改訂6版が本日リリースされました。
改訂内容については下記URLをご確認ください。

改訂情報 – Antenna House Formatter V7.5 https://www.antenna.co.jp/support/update-sys/ahf/ahf75.html#MR6

今回、製品改訂とは別に更新がありました。
日本語版のオンラインマニュアルに検索機能が追加されています。

Antenna House Formatter V7.5 – マニュアル https://www.antenna.co.jp/AHF/help/ja/

マニュアルへの検索機能の付加は、
以前から要望が上がっていたものの、社内リソースの関係で優先順位が下げられていた過去があります。

今回、社内でのAIによるコーディングによる課題解決の検証として、課題にこの検索機能の実現を選択しました。
ベクトル検索やAI検索を実装した訳ではなく、
キーワード検索用データのビルドと検索フォームの組み込み用のアプリケーションを、
AIへの指示をメインに実装したという話題です。

 

コーディングでの試行錯誤については別記事に分けての掲載を予定しています。

機能

右下に検索用のランチャーが配置されるようになりました。

検索ランチャーの待機状態

クリックして検索フォームを展開、キーワードを入力して検索ボタンを押すと検索実行

 

検索フォームに入力して[検索]ボタンのクリックでマニュアルの内容が検索され、ダイアログが前面に表示されます。

検索結果がダイアログで表示される

入力についてのポイントは下記の点です。

  • 複数のキーワードを入れると、すべてに合致する文書に絞り込まれます
  •  -キーワードのように先頭に-を入れると除外キーワードになります
  • "キーワード"の形でスペースや除外に使用する-文字を含む"-d"のようなテキストも検索できます
  • 同義語がある場合、同時に検索されます。たとえば脚注で検索するとfootnoteの検索結果も表示されます

[検索のヘルプ]をマウスホバーすると同様の内容が表示されます。

[閉じる]ボタンまたはダイアログ外の暗い領域をクリックするとダイアログが閉じます。

このとき、フォームに入力された内容は、現在のページ内でハイライトも行われます。検索結果のページに移動した場合も、ページ内でそのキーワードがハイライトされます。

検索結果のページでキーワードがハイライトされている

 

検索結果は登場箇所のページと見出しのパンくずリストと登場箇所のテキストがリスト表示されます。(リンクがあるのは文書と、対応するIDのある見出しのみです。)

検索結果での見出しのパンくずリスト表示

 

クライアントで完結しており、検索内容はサーバに送られたりはしません。

UIや機能について、今後変更が行われる可能性があります。

オンライン版の先行という形であり、製品に同梱されるマニュアルには現在は搭載されていません。
SNSやメールなどでフィードバックいただければさいわいです。




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アンテナハウスシステム製品の.NET 10 対応について

Microsoftの開発プラットフォームである .NETのうち、.NET 8と.NET 9のサポートが2026年11月10日で終了となります。

Microsoftの.NET サポート ポリシーページ

サポート終了の時点では、.NET 10が唯一のLTS(Long Term Support)対象のバージョンとなります。このため、サポートが終了する.NETバージョンを使用しているユーザーのシステム部門やシステムインテグレータでは、.NET 10への移行が課題になっているようです。

ご参考のため、当社システム製品の.NET 10対応を次のページに整理しました。
アンテナハウスシステム製品の.NET 10動作確認状況

この表は、各製品の.NETインターフェイスが、.NET 10環境で動作するかどうか、という確認を行った結果をまとめたものです。留意点としては、各製品の.NETインターフェイス自体を.NET 10 SDKでビルドしたわけでなく、また、.NET 10向けにビルドしたわけでもありません。

アンテナハウスシステム製品の本体は、一部の製品を除いてC++で開発されています。そして、各製品の.NETインターフェイスは、システム製品がもつC++のAPIを.NETプログラムから呼び出す、いわばパラメータの対応付けをする役割のみを担っている存在です。

従って、システム製品の.NETインターフェイスとして提供されているオブジェクトは、動作環境となる.NETのバージョンにはほとんど依存していません。

例として Antenna House Formatter では「XfoDotNetStdCtl75.dll」が該当します。その、機能は次のWebページで説明されています。
Antenna House Formatter V7.5 .NET インターフェイス

こうしたことから、古い.NET向けにビルドされているオブジェクトを使用することによるセキュリティの問題も発生しないと考えております。




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