長く『AH Formatter』をご使用くださっているお客様から、バージョンアップ検討の際に『AH Formatter』の処理速度の低下が報告されることがあります。『AH Formatter』は初めてのリリースからこの秋でいよいよ 16年目に突入します。その間、バージョンアップのたびに新機能を追加してまいりました。そのため、以前のバージョンと比較すると、どうしても処理時間が長く掛かるようになってしまいます。
そこで、新バージョンを使用しつつ、処理速度を向上するには、次のような方法がございますので、ご提案いたします。
1.表の幅を指定し、table-layout=”fixed” にする(table-layout=”auto” を使用しない)。
2.「オプション設定ファイル」で欧文ペアカーニングと欧文リガチャの指定を無効にする。
以下のように設定します。
pair-kerning=”false”
latin-ligature=”false”
3.できるだけ 1パスで処理する(「2パス組版」を使用しない)。
ただし、1パスだとページ番号が確定するまで組版結果をメモリに保持するので、未組版のページのページ番号参照(fo:page-number-citation)がある文書は、メモリが少ない場合、スワップが発生して遅くなる可能性があります。
その場合は、未組版のページへの参照をできるだけ減らすように、ページ番号参照をなくす必要があります。それができない場合は、スワップの発生するデータに限っては、2パス組版を指定することでメモリの消費を抑えるのがよいでしょう。
参考:大規模文書の組版(オンラインマニュアル)