PDFは編集できないもの?

PDFは「編集・作成→PDF化した本人でも、一度PDF化したものを編集できません。原稿(ワード/エクセル)を直して、再PDF化するしかありません。」というコメントをWebで見かけました。これなどは、過去の自分の経験から間違った結論を引き出している典型例ではないだろうか。
PDFは、その発祥が印刷技術であり、見栄え中心の電子ファイル形式なのでそのように受け取られがちですが、PDFの仕様書には編集できないとは書かれていません。編集禁止のセキュリティを設定することで編集不可にするのは可能ですが、編集禁止になっていなければ編集はできます。
 
さて、PDFのデータには本文と注釈(アノーテーション、マークアップとも)というものがあります。この二つは一見似ていますが本質的に異なります。しかも、注釈機能は後付で大幅に拡張されているため「PDF Reference」の文章にも概念の混乱が見られます。注釈には、ポストイットのようなメモ、フリーテキスト注釈、マーカーペン的な機能、線・円・矩形注釈、スタンプ機能など多様な機能がありますが、一口で言いますと、出来上がったPDF本文に、後から、コメントのようなものを書き加えるのが注釈です。
印刷・制作会社からPDF組版をもらったとき、PDFに校正を書き込んで印刷・制作会社に返し、印刷・制作会社がPDFを直すのであれば注釈機能で校正するのが適切です。一方、PDF本文そのものを直してしまいたいのであれば注釈ではなく本文を直さねばなりません。
1.最近人気の「PDF XchangeViewer」は注釈を付けるソフトです(少なくとも現時点では本文編集はできないようです)。弊社の製品では、「瞬簡PDF Plus3」に注釈の編集機能があります。これを本文編集と混同される方が時々いらっしゃいますが、説明するほうでも良く注意しなければなりません。
2.本文そのものを訂正するには「Acrobat」などのタッチアップ機能を使います。
3.また、「書けまっせPDF」は原本PDFの本文を一切直すことなく追記するソフトになります。
1,2,3は全く異なる機能なので、用途によって使い分けることになりますが、なかなかわかりにくいようで、説明の方ももっと工夫が必要なように思います。




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