日別アーカイブ: 2025年5月29日

ワンソース・マルチユースの実践:『CAS-UB』から『HTML on Word』へ

アンテナハウスは、主にドキュメントのデータ変換、ドキュメント制作、PDF作成およびドキュメントの保存・管理の分野に集中して、製品開発・販売・サービス提供の事業を行っております。

ドキュメント制作分野で、重要な課題の一つにワンソース・マルチユースがあります。この実現方法の本筋はXMLでドキュメントを制作してパブリッシング時に構造変換(トランスフォーメーション)を行うというものです。この流れで世界的に大きな流れになっているのにDITAがあります。

アンテナハウスは、専門のチームを用意してDITAサービスを提供しています[参考資料(1)]。ただし、DITAはXMLを直接編集し、CMSで制作物を管理、出版時にトランスフォーメーションを行うため仕組みが大掛かりになりがちです。こうして日本でDITAを採用するのはグローバルビジネスを展開する大手企業が中心になっています。

DITAは当社のような小規模企業の制作システムとして、必ずしも適切と言い切れません。そこでDITAの考え方を利用して、より簡易的にドキュメントを制作・編集・管理し、PDF、EPUB、WebHelpといった多様なフォーマットで出力することを目指したのが『CAS-UB』[参考資料(2)]です。

『CAS-UB』は2010年頃から開発開始、2010年代から15年ほど社外のお客様に制作サービスとしてご提供するとともに、自社の製品マニュアルの制作に活用してきました。しかし、残念ながら普及するに至らず、一方、システムが古くなって保守がままならない状態になってきたため2026年4月末でサービスを終了することに致しました[参考資料(3)]。

現在、『CAS-UB』に変わって力を入れているのが『HTML on Word』[参考資料(4)]です。『HTML on Word』は製品として販売していますが、また自社製品のマニュアル制作も『CAS-UB』から『HTML on Word』に移行しつつあります。

これから発売する自社の新製品や新しいバージョンのマニュアルは、Microsoft Wordで編集し、完成後にPDF化するとともに『HTML on Word』でWebマニュアルとして出力していくものが増えていくことになります。

しかし、まだ、『CAS-UB』でできるけれど『HTML on Word』ではできないことが多く、課題はたくさんあります。Wordは構造化文書編集用のツールではないということに起因する問題もあります。

このあたり、いろいろ自分で試してみて気がついたことを、随時、具体的にお話したいと考えております。

参考資料

(1) 『Antenna House XML/DITAサービス』
(2) 『デジタル出版物制作Webサービス CAS-UB』
(3) 『デジタル出版物制作Webサービス CAS-UB』サービス終了に関するお知らせ
(4) WebページをWordで作る『HTML on Word』




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