日別アーカイブ: 2023年4月21日

[CSS組版]ページ番号のリセット

今回紹介するのは「表紙を同一のHTMLから生成するとき、
表紙のページ番号はカウントしたくない」という要望の実現についてです。誤りがあれば、ご指摘いただければ幸いです。

組版にはAntenna House CSS Formatter V7.3MR1を利用しています。スクリーンショット画像の、ページ番号以外の本文内容について画像によって差異がありますが、記事を作りながら都度組版をしていたためで、本題には支障ありません。

CSSページ組版でページ番号を参照するには、content: counter(page)と指定します。

リセット未指定でのページ番号カウントを見てみましょう。

@page {
    size: JIS-B5 portrait;
    margin: 2cm;
    @bottom-center {
        content: counter(page);
        font-size: 24pt;
        font-variant: oldstyle-nums;
    }
}

@pageルールで全体のページレイアウトを設定しています。@bottom-centerでページ番号を表示するように指定していますね。

1枚目のページに「1」、2枚目のページに「2」が振られています。

pageカウンタをリセット

1枚目を表紙ページとして、2枚目のページに「1」が振られるようにしてみましょう。

ところでCSSのカウンタはページ組版に限らない汎用的な仕組みです。pageはページ組版のとき、定義済みのカウンタ名として存在している状態です。
つまり、カウンタリセットの仕組みを使うことで、ページ番号についてもリセットが可能です。

... {
      counter-reset: page 1;
     }

できることが分かったところで、次の問題、すなわち「どのセレクタ(要素・ルール)にリセットを記述するか」に移ります。

今回は「表紙ページ」と「それ以外のページ」という分け方ができます。「表紙用のページレイアウト」、
「本文用のページレイアウト」が用意できると嬉しいわけです。@pageルールでは、そういう処理が書けます。

@page {...}
@page mainmatter {
  counter-reset: page 1;     
}
#cover {
    break-after: always;  
}
div#mainmatter {
    page: mainmatter;
}
<div id="cover">
    <h1>[CSS組版]ページ番号のリセット</h1>
    <p>今回紹介するのは...</p>
</div>
<div id="mainmatter">
    <p>CSSページ組版でページ番号を参照するには、...</p>
</div>

上手くいった……と油断するのはまだ早いです。このままでは、@page mainmatterの対象ページが切り換わる度にpageは1にリセットされるのです。

リセット対象のページを追加で条件付けすることで解決できます。@page mainmatter:firstを追加することで、「mainamtterページレイアウトが使用される最初のページでpageを1にリセットする」という処理になります。

 @page mainmatter:first {
    counter-reset: page 1;     
}

期待する出力になりました。

表紙のページレイアウトからページ番号を削除する

ついでに、表紙ページからはページ番号表示を外しておきます。

@page cover {
    @bottom-center {
        /*bottom-centerのコンテンツを上書き*/
        content:"";
    }
}
#cover {
    /*coverページレイアウトを適用*/
    page: cover;
    break-after:always;
}

参考




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