月別アーカイブ: 2018年8月

EPUBをPDFに変換するのは結構厄介。PDFのためのEPUB作りの注意事項

おはようございます。

本日と明日は、電子出版サービスグループから話題をご提供いたします。

今日のお題は、「EPUBをPDFに変換するときの注意事項」です。

アンテナハウスの電子出版サービスグループは、EPUBをPDFに変換するサービスとして、「EPUBtoPDF変換サービス」を展開しています。

書店(ストア)から購入したDRMのかかったEPUBには対応しておりませんが、出版社や著者さんが持つEPUBがあれば、ご希望のページサイズ、フォントサイズ、ページのマージンなどでPDFに変換しますよ、という内容です(1冊/3000円+税)。

さて、EPUBからのPDF変換は、EPUBの持つCSSでの体裁を生かした上で、ページ情報など「印刷組版」(=ここではPDF組版のこと)に必要な情報を追加して行なっています(バックグラウンドで動いているのは、当社の主力製品より、 AH CSS Formatterです)。EPUBの内容を自動組版でPDF化するので、EPUB中に指定されている内容をそのままPDFにします。逆に言えばEPUBに対する編集は一切行いません。変換のお値段からも推測いただける通り、人手による調整は原則として一切行いません。

このサービスでは、EPUB用に作られたデザインを用いてPDF用に組版するため、そのEPUBのタグの付け方やデザインの仕方によっては、大層見栄えの悪いPDFになってしまうことになります。結果として、こんなはずではなかったという期待に沿わないPDFができあがってしまいます。

一番多く、且つ非常に困るのは、EPUBの中で改行”<br>”や空行”<p></p>”を多用して段落間の空きを作ったり、箇条書きなどで、全角空白文字でインデントを作るパターン、次点で”pagebreak”(改ページ)をやたらに使うパターン、またはその複合型です。

KindleやEPUBには紙のページに相当する固定サイズのページはありません。そこで上述のように空きを設定しても問題ないかもしれないですが、PDFに組版する際、EPUBのデザインを使って固定サイズのページ上にレイアウトしていくため、こうした<br>や<p></p>、全角空白文字、pagebreakは、「ページ」という決められたサイズに配置する時には悪手になることが多く、無駄に白紙ページを量産したり、箇条書きの場合は、折り返した2行目の文字の並びが最初の行より飛び出しすぎていたり、後ろに行き過ぎていたり、変なところで意図しない改行ができたりと、PDFのレイアウトがガタガタに崩れてしまいます。

EPUB制作に於いては便利でお手軽なデザイン手法ですが、将来PDFに出力して何らかの形でEPUBの再利用を考えている場合は、このあたりはきちんとCSSをつくってデザインを整えてください。CSSでレイアウトを整えることで、どんなデバイスやツールで閲覧しても見た目がさほど変化しないという、EPUBの品質も向上しますし、一石二鳥です。

ぜひご検討くださいますよう!




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DITAセミナー04出典:アートダーウィン著「再利用と協働制作を支援するCCMSとSchematronの活用法」から

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