弊社のシステム製品のライセンス体系の中で、一番判断が難しいのはASPライセンスと思います。最近、AH Formatterをあるサービスで利用する際にASPライセンスが必要か、それとも、サーバライセンスで良いかということが検討課題になりましたので、これを整理してみました。一番典型的な例で考えますと、次の図のようになります。
図-上は、複数の会社で同じようなシステムをサーバライセンスを使って、会社毎に別々なシステムが実現されているケースです。
これは、図-下のようにASPサービスの提供主体の会社に大きなシステムを置いて、複数の会社にサービスとして提供することができると考えられます。この下のケースでは、ASPライセンス契約をしていただくことが必要です。
この場合、ASPサービスが必要かどうかは、処理対象のデータが誰に帰属するかによると思います。もともと各社が別々の固有のデータを処理(組版処理)するために個別のシステムで行っていたものを、ASPサービス提供主体のシステムを使うことにしたのですが、データはあくまで各会社の固有のデータとなります。
仮に、すべてのユーザが、サーバ上のデータを取り出すだけであれば、これはASPサービスではなく単なるWebベースのサービスと考えられます。WebベースのサービスであればASPライセンスは不要となります。但し、このあたりの境界線は曖昧とならざるを得ないと思いますが。
月別アーカイブ: 2009年12月
快適なバッチ組版のための「XSL-FO 指南」改訂版リリース
W3C 勧告のExtensible Stylesheet Language(XSL) Version1.1 のFormatting Object(FO)の機能を、日本語の組版事例を添えて解説した教本です。
FOの具体的な書き方とその組版結果の対比を豊富な事例を用いて、分かりやすく解説しています。
改訂版では、プロパティを正確に理解するため、必要に応じてプロパティの値を列記し、それらの意味を解説しています。更に、表やリスト、脚注などのスタイルシート(テンプレート)も解説しました。
本書は、XSL-FO に初心の方々への入門書であると共に、実務上のレファレンスブックとしても活用していただけます。
CD によるPDFでご提供しますので、しおり、目次、索引及びPDFリーダーの検索機能によって、知りたい項目を素早く探すことができます。
なお、アンテナハウスのFormatterでは日本語組版を充実させるために独自機能を補充しています。本書では、これらの追加機能も詳細に解説しています。
◆(有)イー・エイド 藤島雅宏編著・アンテナハウス(株)協力
定価10,500 円(税込み) A4 版300 ページ・PDF 版
ご購入については、以下よりお問い合わせ下さい。
http://www.exism.co.jp/contact/form/forminq.html
デフレ、低価格化!ソフトの世界は究極の低価格化が進む
先日、近くのミニストップで1杯120円のコーヒーを売っていることを発見しました!
この東日本橋のミニストップにはちゃんとテーブル、椅子を備えたちょっとした雑談スペースもあります。コーヒーショップも真っ青!
定価は150円だけれども、クーポン券を買えば、120円になります。
と思いつつ、コーヒーを飲みながら思いあたりましたことですが、最近、イギリスの某有名PDFソフトメーカがPDF製品を無償にしたニュース。残念ながら(?)まだ日本語対応はないようですが。
いくらジーンズやコーヒーが安くなっても無償になることはないでしょう。しかし、ソフトの場合は無償というのがあり、大手を振ってまかり通っています。何といっても、無料は究極の低価格化。ソフトの世界では、もう究極の低価格化に突入していたわけです。
あるFile Viewerの数奇な運命
OutsideInというビューアをご存知でしょうか?
現在、Oracleが販売していますが、もともとは、シカゴのSCC(確か、Systems Compatibility Corp.だったと思います)という会社が開発して、Windows95にバンドルされたQuickViewです。
QuickViewは既にWindowsにはバンドルされていません。
一方、QuickView の市販パッケージ版であるQuickView Plusは、今も販売されているようです。
SCCは、Insoという会社に買収されました。そこで、市販向けQuickViewPlusとOEM用のOutsideInとして販売されていました。米国でInsoは、一時、米国の成長著しい新興企業として注目をあつめましたが、M&Aの繰り返しで成長したためか、何年か後に破綻して、Viewer技術は別の会社Stellent(と思います)に売却されてしまいました。Stellent社はECM製品のメーカであり、ECMに保存されるファイルを表示するViewerとして注目したのだと思います。
その後、このViewer技術はなんとOracleの手に渡っていたようです。
ということは、OutsideIn/QuickViewの技術の提供主体は既に4社目ということになります。
アンテナハウスも自在眼という市販ビューア、自在眼SDKというOEM技術をもっていますが、実はInsoのビジネスモデルを参考にしています。それにしても技術の売買まではまねができません。
PDFやFlashというファイル表示用の標準技術の台頭でビューアの時代は終わったかと思っていたのですが、いやいやどうして、しぶとく生き残っているものです。