PDF/X-4とは

前回のPDF/Xファミリの紹介に続いて、PDF/X-4の概要を記載します。
PDF/X-4は 2008年に国際標準となっています。ベースとしてPDF 1.6を採用し、PDF 1.6の機能内で使用可能な項目を定義することで、印刷用データの交換形式を定めるものです。
PDF/X-4は 2008年に国際標準となっていますが、その後、2010年に改訂が加えられ、Second Edition が発行され、こちらに置き換えられています。
PDF/X-1aおよびPDF/X-3で利用可能な特徴をすべて組み込み、さらにベースがPDF 1.6となっていますので、PDF/X-1a、PDF/X-3のベースであるPDF 1.3やPDF 1.4以降に追加された機能が使用可能となっています。
PDF/X-4は、フォントを埋め込まなければならない等の制限は、PDF/X-3と同様ですが、ベースがPDF 1.6にあがることにより、以下の機能が使用できます。
JPXDecodeフィルタの許可(JPEG2000画像で使用される圧縮方法が使用可能となり、画質をさげずに圧縮率をあげることができます)。
Optional Content使用の許可(これはAcrobatではレイヤーと呼ばれている機能の実装にも使われています)
また、下記はいずれもPDF 1.4で追加された機能ですが、PDF 1.4をベースとするISO 15930-4(PDF/X-1a)、15930-5(PDF/X-2)、15930-6(PDF/X-3)では禁止とされていました。PDF/X-4では、これらの使用が認められています。
JBIG2Decodeフィルタの許可(モノクロ画像用の圧縮方法で、従来の圧縮方法より、圧縮率をあげることができます)
透明使用の許可
この規格内にはPDF/X-4のほかに、PDF/X-4pと呼ばれる準拠レベルが定義されています。こちらは、使用するカラーに関するICCプロファイルをPDFファイル外に置くことを許可したものです。このため、前回説明した Complete exchage ではなくなります。
これはICCプロファイルを埋め込むことによりサイズが増加することを回避する、という理由のほかに、ICCプロファイルの埋め込みが禁止されていて、PDF/X-4が採用できないケースへの対応のようです。
この規格内では、特別な理由がない限りPDF/X-4pではなく、PDF/X-4を優先せよと述べられています。
以上、簡単にPDF/X-4についてまとめてみました。
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