e-na伊那谷 旅便り 第47回 伊那谷の城跡(3)

今回は、住宅地の奥にひっそりと佇む「殿島城」をご紹介します。

「殿島城」は、伊那谷を南北に貫く天竜川の左岸に形成された河岸段丘を利用して築かれた平山城です。
南北に連なる段丘の西端に本丸を置き、北-東-南の三方を空堀で囲み、更にその南側に二の丸を配置した梯郭式の縄張りを持ちます。

城跡は、現在、本丸を囲む土塁とその周囲の堀が残され、本丸内は「殿島城址公園」として整備されています。

人通りの少ない閑静な住宅街を抜けた先に、四方を高い土塁に囲まれた城跡がポッと現れる光景は、タイムスリップして時間の狭間に放り込まれたような、ちょっと不思議な感じを受けます。

殿島城址公園入り口を東側からみたところ

殿島城址公園入り口を東側からみたところ

本丸のかつての虎口には疑似門と石垣が公園整備の際に設けられています。公園の出入りは自由です。

公園入り口の門

本丸は東西80メートル、南北110メートルの矩形で、全周を土塁が囲み、東と南に虎口が開く構造となっています。
特に東側には、先ほど通ってきた門を挟む形で左右に高さ3、4メートルほどの土塁が明確に残り往時を偲ばせます。

公園入り口を挟んで高い土塁が残る

本丸を囲む空堀は、樹木に覆われて分かりづらいですが、深く掘り切られ底部が鋭角になっていることが見て取れます。
かつては本丸を囲むように何重もの空堀が配置され、弱点となる北側から東側にかけて厳重な防御を行っていたようです。
残念ながら、それらの堀跡は、現在農地や宅地に姿を変えていて、往時の様子は想像するしかありません。

公園入り口の北側に見える空堀の跡

殿島城が築城された年代は明確ではないようですが、伊那谷の城巡り第一弾で紹介した「春日城」と同時期(天文年間頃)であろうとされています。
この時期は甲斐の武田勢が伊那谷に侵攻して在地の豪族と争っていた時期であり、殿島城も先に述べたような厳重な防御を施して武田勢に備えていたものと思われます。

本丸に立って、西側を望むと木立の向こう側に薄い雪をまとった中央アルプスの山並みが望まれます。

西側に遠望される中央アルプスの峰

かつては樹木が払われていて、本丸からは天竜川とその間に広がる村落の様子が手に取るように俯瞰できたことでしょう。
軍事的要衝に築かれた殿島城からは、この城にこもった武将たちが強い緊張感のなかで日々を過ごしていた姿が想像されます。

本丸を抜けて南側の虎口に向かうと、土塁の間からは住宅がすぐそこに見えます。
秋のうららかな陽射しに明るく佇むその景色は、戦国時代から現代に再び戻るための出口であるかのようです。

南側虎口から見える風景

※殿島城址公園へのアクセス
クルマを利用されない場合、城跡まではJR飯田線沢渡駅が最寄り駅となります。
駅からは天竜川を渡り、東に歩いて30分ほどかかります。
この時期ならではの紅葉をのんびりと楽しみながら訪れることをお勧めします。

参考:
長野県魅力発信ブログ:上伊那歴史散策 ~殿島城址公園~
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/life/12162.html



電帳法のJIIMA認証について YouTubeミニセミナー第23弾

デジタル化に舵を切る為の最短コースである国税庁の「電子帳簿保存法」*1の申請とその承認獲得の早道であるJIIMA*2認証制度について解説します。

内容をギュッと4分に圧縮して、YouTubeでいつでも視聴できるミニセミナーにしました。
お好みのところのみ短時間での確認も可能です!!

  1. *1 国税庁 電子帳簿保存法関係https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/index.htm
  2. *2 公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会 https://www.jiima.or.jp/

【 公開セミナー 一覧 】

  1. 第1回 「日本はデジタル化後進国か?!」
    https://youtu.be/aKctKhLRjOY
  2. 第2回 「電帳法」を優しく解説
    https://youtu.be/RbEZe00m0TA
  3. 第3回 「帳簿・書類」の7年保存がそもそも何故求められるのか?
    https://youtu.be/Ht68XGdFdnU
  4. 第4回 タイムスタンプって_なに?
    https://youtu.be/RqRbwlHvAfo
  5. 第5回 国税庁の「電子帳簿保存法」のページの見方
    https://youtu.be/pCUfL17KgEY
  6. 第6回 電帳法4制度の横断的概要学習!
    https://youtu.be/5HbsneGZAFQ
  7. 第7回 電帳法_電子取引の最新情報!
    https://youtu.be/cRT4Cw4-n70
  8. 第8回 電帳法_導入手順!
    https://youtu.be/a7lRuEusH1Q
  9. 第9回 電帳法対応のシステム・サービスのご説明
    https://youtu.be/742w23Xd4RQ
  10. 第10回 「ScanSave」のデモムービーシリーズ 基礎編_「多彩な入力機能」
    https://youtu.be/RCN1lXSU94Y
  11. 第11回 「ScanSave」のデモムービーシリーズ _「多彩な入力機能」_応用編
    https://youtu.be/3jXpPZVM4Ko
  12. 第12回 「ScanSave」のデモムービーシリーズ _まとめてタイムスタンプ
    https://youtu.be/klXAns3Mgc4
  13. 第13回 「ScanSave」のデモムービーシリーズ _エキスポート機能について
    https://youtu.be/MhREvX_kRBU
  14. 第14回 電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「業務サイクル越えの原本廃棄」
    https://youtu.be/HjM9jmgvE94
  15. 第15回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「一の入力単位」について
    https://youtu.be/a8VgiDaRLPU
  16. 第16回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「取引に至らなかった書類」について
    https://youtu.be/KcBwAOawH54
  17. 第16回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「取引に至らなかった書類」について
    https://youtu.be/KcBwAOawH54
  18. 第17回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「4ポイント文字」について
  19. https://youtu.be/Qt5nOB9EtGo
  20. 第18回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「検索要件」について
    https://youtu.be/tJsZxRngvt4
  21. 第19回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「タイムスタンプ付与」について
    https://www.youtube.com/embed/1UJT6OOnrZs
  22. 第20回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「「特に速やか」の解釈間違い」について
    https://youtu.be/3jG4qu7nxOU
  23. 第21回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「カメラでの撮影」について
    https://youtu.be/7hV_qS0Eq_0
  24. 第22回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「カメラでの撮影_NG集」について
    https://youtu.be/PPhviB1v3Uc
  25. 第23回__電帳法のJIIMA認証について
    https://youtu.be/-h0TWbdfTwg

筆者紹介
益田康夫
メールアドレス:masuda@antenna.co.jp
1984年に社会人になり、IT業界一筋ながら3回の転職を経て現在に至っています。
特に2008年のリーマンショック後の不況の影響を受けて、2010年6月末にリストラ退社して現本業のアンテナハウス株式会社 https://www.antenna.co.jp/ に入社しました。Sun MicrosystemsやOracleを中心にしたITインフラから、IAサーバとしてのCompaqやIBMなどや、文書管理システムやポータルシステムを販売していた前職と、現在のアンテナハウスでのPDF技術や電子ファイルの変換技術などを中心にした、e-ドキュメントソリューションを探求してノウハウを習得してきました。特に、2011年以降、個人で学習時間をひねり出して、文書情報管理士資格2級、1級、上級と最短記録でレベルアップさせ、更に国家資格の行政書士※、日商簿記3級を2015年までに取得しました。
※行政書士とは、https://www.gyosei.or.jp/information/ をご覧ください。

ドキュメント技術関連の日本語動画はあまりない?

つい先日、有名なLaTeX入門書の第8版が発売されました*1。私は6版の頃から購入していますが、新しい項目の追加もされており、旧版をお持ちの方もおススメです*2。使い方なども含めて時代に合わせた内容のアップデートの大切さも教えてくれる書籍です。基礎的、原理的な内容を扱ったものではないのに20年近く内容が更新されながら販売され続けている書籍というのはかなりすごいことだと思います。

ところで2000年頃は結構出版されていたXMLについての書籍はほとんど見なくなりました。「XMLが廃れた」というよりは「XMLを手書きする機会が減った」あるいは「基本を覚えた後はIDEのガイドに従うだけで済むくらいにツールが成熟した」ということの結果かもしれません。

いやいや「現代はみんな動画で情報を得ようとしているのかも」とYouTubeで「XML」を検索してみると、そこそこの件数が表示されました。しかし「PDF」で調べたときに比べるとかなり少ないようです。PDFはPDFで単語が検索にひっかかるものの話題がかなり異なる「ノイズ」が結構あったので軽く調べた程度ではちゃんとした数字を出すのは厳しいですが*3、PDFと比べ世間的な関心はやはり薄いのかもしれませんね。ちなみに「XSL」「XSL-FO」になると英語での結果を含めてもかなり限られる、というより日本語の動画がほとんどありません。

そんなPDFにしても、「このツールを使えばできます!」という内容がほとんどになり、「なぜかPDFという形式を使わなきゃいけないみたいだけど、なぜPDFがいいんだろう」といった技術的な話題を取り扱っているものはあまり見ません。「明日提出しなければいけない書類を前にそんな内容は観ていられない」というのはそうかもしれませんが、今の情勢は、そんな間に合わせの状況を変える転換点にきているのかもしれません。とりあえずの問題を解決するための「ツールの使い方」も大切ですが、より効率的に、根本的に問題を解決するためには技術そのものへの理解も重要です。「日本語で弊社の得意とするドキュメント関連の技術をしっかり動画で解説してほしい」というご要望がありましたら、ぜひ声をお寄せいただければ幸いです。

弊社PDF関連製品の使い方やウェビナーの過去回をまとめた動画を公開しています。

*1ですが、最初に付録の参考書籍一覧を見たとき「こんなのもう手に入らないだろう」と思っていたのに、気が付けば6割近くを所有していたり。一方で10年前にはフリーで配布されていた組版ソフトウェアの情報の方が手に入りづらかったりして歯がゆく思う今日この頃。

  1. *1 『[改訂第8版]LaTeX2ε美文書作成入門』(奥村晴彦,黒木裕介 著, 技術評論社, 2020-11-14, ISBN 978-4-297-11712-2)
  2. *2 TeXの始まりから数えれば40年くらい歴史あるものでも「枯れた」とは限らないのがソフトウェア(LaTeXについては今年かなりの大変更が入ったりしています)
  3. *3 LaTeXはLaTeXで組版と関係ないLatexが結構混じってくるので大変検索しづらいです

P.S. 記事を書いた後「記事タイトルはこれでいいんだろうか」と悩み、DITAやS1000D、SphinxやPerlDocなども検索してみましたが、タイトルは変えなくて良さそうでした。


e-na伊那谷 旅便り 第46回 干し柿作り

干し柿というと伊那よりさらに南にある、飯田市周辺で作られる「市田柿」が有名ですが、伊那でも干し柿は作られています。
今回は我が家でも干し柿を作ってみたので、その様子をご紹介したいと思います。

柿の木がある家ではそれを収穫して干し柿作りをしますが、我が家には無いので直売所で柿の実を買ってきました。
こちらの量でおよそ3kgです。

もし皆さんが干し柿用の柿を買うときのポイントですが、実に残された枝がT字型になっているものを選ぶと、干す際のヒモが結びやすいのでおすすめです。
今回私が買った柿の枝は残念ながらT字型ではなかったですが、これでも作ることはできます。

まずはヘタの部分を残して、ひたすら皮を剥いていきます。
特にコツとかはなく、ヘタさえ残せば後は普通に剥くときと変わりありません。

30分ほどかけて、ようやくすべて剥き終わりました。
数えてみると30個ほどありました。
続いて枝の部分にヒモを結んで柿を一連にしていきます。

柿を何個ずつ結んでいくかは人それぞれですが、柿同士がくっつかなければOKです。
そしてこの次が大事な作業です。

鍋にお湯を沸騰させ、そこに柿を10秒ほどくぐらせて煮沸消毒します。
この作業をすることによってカビの発生を防ぎます。
家庭によっては、焼酎などをつかってアルコール消毒をする場合もあるそうです。

そして後は外の雨に当たらない場所に、3週間ほど吊るして完成を待ちます。

渋柿というのは、生だととても食べられないような味がするのですが、干し柿にするととても甘くなる不思議な食べ物です。
伊那の冬はとても寒く農作物が取れにくいので、他にも野沢菜漬けといった保存食や、寒さを生かした寒天作りといった食文化があります。
伊那にお越しの際は、冬の味覚もぜひ味わってみてください。



【11/17(火)】事例豊富なScanSaveがパワーアップし、e-SuccessにVER-UPした訳【ちょっと一息 アンテナハウスウェビナー】開催

下記のようなウェビナーを 16:00〜16:45で開催させて頂きます。
ご都合が合うようであれば是非とも参加のご検討をお願いします。
よろしくお願いいたします。

【ちょっと一息 アンテナハウスウェビナー】 事例豊富なScanSaveがパワーアップし、e-SuccessにVER-UPした訳
発行: アンテナハウス株式会社 e-ドキュメントソリューションG

e-Success』(イーサクセス)は、「ScanSave-V3」や「ScanSave-V4」の機能を踏
襲し、追加機能を装備し、改名して2020年8月21日に販売開始しています。
PC 版・オンプレ版・クラウドサービス版から選択可能で、JIIMA 認証を10月5日
付で取得しています。

今回は、そんな e-Success の誕生秘話と、電帳法対応のため、強化・追加された機
能をまとめてご案内します。

●タイムスケジュール

  1. 事例豊富なScanSaveがパワーアップしe-SuccessにVER-UPした概要説明 15分
  2. 多彩な入力機能基本編 10分
  3. 多彩な入力機能応用編 5分
  4. タイムスタンプのまとめ打ち 5分
  5. エクスポート機能 5分
  6. 質疑応答 5分

※zoomのチャット機能を使用して行います。

下記2つのURLからお申し込みいただけます。
ご都合の良い方法からご確認・お申し込みください!

こくちーず: https://www.kokuchpro.com/event/20201117/
zoom登録: https://zoom.us/webinar/register/3416044634315/WN_NhraV997Qm2rPNjMNrGKkg

どうぞよろしくお願い申し上げます。


e-success

「PDFは編集できない」って? ちょっとちょっと政府CIOの皆さん、その認識はぜひ改めていただきたい。

菅内閣目玉の政策として「デジタル庁」があります。デジタル庁は現在準備室が発足し、来年(2021年)の発足を予定しているようです。IT技術をつかってデジタル化を図るには、共通化やポータル化が必須なので、強い権限をもつデジタル庁を作るのは適切な考え方でしょう。

ところで、これに関連し、政府CIOポータルに「デジタル・ガバメント実行計画」というページがあります。

デジタル・ガバメント実行計画

全文(PDF)

この資料、PDFファイルで全215ページなのですが、検索すると、その中にPDFについて言及している箇所が2か所あります。

◎1か所目(p.56)

「(d)編集可能な電子ファイルによる申請書様式の提供
利用者が行政手続を行う際の利便性向上のため、当該行政手続に係る情報をWebサイト等で容易に入手でき、かつ、Webサイトの入力フォームを利用して直接申請書の作成を可能とする又は申請書様式の電子ファイルをPDF などの編集不可な形式ではなく、編集可能な形式の電子ファイルで入手可能とする。」

◎2か所目(p.75)

「また、業務上使用する文書等について、デジタルデータで作成された文書であっても、文書交換を行う際には紙媒体や PDFファイルなどの編集等が困難な形で流通しているなど、業務が非効率になっている場合がある。また、各府省のWebサイトで公開されている資料についても、編集が不可な状態のものや、資料のステータス(日付、会議名、担当府省等)が不明なものも散見される。」

これを読むと、PDFは編集不可、あるいは編集困難とされています。どうやら、デジタル政府では、申請書などはPDFファイルで用紙を配布するのはやめて、Webサイトの入力フォームを推薦したいようです。

では、実際のところ、PDFファイルは編集できない・編集困難なのでしょうか? 次のような事情を考えると、「デジタル・ガバメント実行計画」のPDFファイルに関する記述は、現在では適切ではないと思われます。

PDFは編集できるという事実
第一に、現在市場には、非常に多様なPDF編集ソフトが流通しています。有名どころは某A社製品ですが、アンテナハウスでも『瞬簡PDF編集』を販売しています。

第二に、アンテナハウスの『瞬簡PDF 書けまっせ』のように、PDFを紙のように見立てて、PDFファイルの上に文字を重ねて書きこむ(追記)ソフトも増えています。

第三に、PDFで申請用紙を作る形式として、PDFフォームがあります。PDFフォームを使えば、特別なツールを使わなくても、PDFフォームに文字を書きこむことができます。「PDFフォームとはなにか? 申請のデジタル化にPDFフォームの活用を期待する

Webフォームも良いですが、Webフォームはサーバーサイドの用意も必要であり、大きな開発工数や保守工数がかかります。また、専門家でないと多様なフォームを作るのは難しいので、非常に多岐にわたる形式のフォームを誰でも簡単に作成して配布するのはWebフォームでは難しいと考えられます。PDFをもっと活用する方が効率的でしょう。

ぜひ、政府CIOの方々には認識を改めていただきたいものです。


shunkan pdf henshuu
shunkan pdf kakemasse
tyotto hitoiki antenna house webinar

fo:bookmarkというマークアップから考えるしおり

『岩波国語辞典第八版』*1によれば、「しおり(しをり)」には2つの意味があります。

1. 本の読みかけのところに挟んで目印とするもの 2. 初めての人などにわかりよく説明した本。手引き

岩波国語辞典第八版

「目次」は次のように記されています。

(書物の)内容の題目を、書かれている順に並べて記したもの

岩波国語辞典第八版

しおりについて、1の意味では、読み手側が設定するものという印象が強いですね。ちなみに岩波国語辞典だとブックマークはWebブラウザのブックマーク(お気に入り)機能についての言及となっています。

さて、XML組版の仕様であるXSL1.1仕様にはしおりを作成するための機能fo:bookmarkfo:bookmark-titlefo:bookmark-treeが存在します。1.1の仕様に1.0との差異が記載されているのですぐにわかりますが、実は1.0のときには存在しなかった機能です*2

『XSL-FOの基礎 第2版』*3にしおりのFOについての解説があります。また、Antenna House XSL Formatterの*4サンプルFOのページ*5からしおりの設定されたPDFを確認できます。

<fo:layout-master-set>
    …略…
  </fo:layout-master-set>
  <fo:bookmark-tree>
    <fo:bookmark internal-destination="MARK001">
      <fo:bookmark-title font-weight="bold">
    目次</fo:bookmark-title>
    </fo:bookmark>
    <fo:bookmark internal-destination="MARK002"
                 starting-state="hide">
      <fo:bookmark-title>第1章</fo:bookmark-title>
      <fo:bookmark internal-destination="MARK003">
        <fo:bookmark-title>1.1</fo:bookmark-title>
      </fo:bookmark>
     ...
     </fo:bookmark-tree>
     ...
    <fo:page-sequence ...>
      <fo:block font-size="2em" font-weight="bold" space-after="5mm" id="MARK001">Bookmark sample-1</fo:block>
        <fo:block font-size="1.5em" font-weight="bold" id="MARK002">Lorem Ipsum</fo:block>
          <fo:block space-before="4mm" margin-left="2em" line-height="1.4">
         <fo:block keep-with-next="always" font-weight="bold" id="MARK003">Lorem ipsum dolor sit amet</fo:block>
            <fo:block>...</fo:block>
        </fo:block>
...
</fo:page-sequence>

ごく簡単に説明すると、fo:rootの子としてしおりのツリーを用意し、その子として、目的のIDやURLなどをプロパティの値に持つしおりfo:bookmarkとしおりの項目名fo:bookmark-titleを記述します。上の例ではfo:blockにそのIDが記述されていますね。ツリー構造ですので、階層も表現できます。

PDFなど、ページドメディアへの出力を意識したマークアップであるXSL-FOの機能として用意されていることから分かる通り、これは文書コンテンツ提供側が用意するしおりです。
XSL-FOは(中間形式にせよ)ページドメディアとしてかなり明示的なマークアップを求めますから「fo:bookmark*」は「この箇所をしおりとする」というはっきりとした意思表示となります。
文書コンテンツ作成者がコンテンツ頒布時に「この部分は読みかけ」というしおりを作ることは稀なことと捉えて良いでしょう。そして、fo:bookmark-titleというマークアップ名から分かる通り、しおりの項目名は長い段落などを記述する箇所でもありません。

目次項目は当然その項の内容を反映しまとめたものになりますから、しおりは多くの場合目次項目と同じ箇所でマークアップされ、対応したPDFビューアーでは「しおりを表示」といった機能でページ表示とは独立して表示できます。
特に数百、数千ページのPDF文書を頻繁に読む機会のある方は頷かれるのではないかと思いますが、紙の文書ではそれこそ「しおり」を挟んで分厚いページの束をまとめてむんずと掴んで目次に戻ったりできますが、PDFビューアー上で毎回目次ページへ戻って目次項目を確認するというのはそこそこ時間がかかります。

個人的には、しおりの重要な点として「ページ外の要素」であることが大きいのではないか、と考えています。目次で「2.3 詳細 200ページ」、文章中に「299ページに詳細」、索引ページに「fo:bookmark…300p」といったページ参照があるのはそれはそれで重要ですが、「本文を読みながら文書(あるいは文書外)の他の箇所への目印へすぐにアクセスできる」機能がしおりといえるのではないでしょうか。そして、XSLでは文書コンテンツ提供側がそれを提供することになります。

ところで、XSL-FOとXSL-FOプロセッサーによる処理ではPDFの作成時にしおりをマークアップすることになるので、すでにPDFとなっているものにしおりを付与することは範囲外です。Antenna House Formatterでは「PDFを画像のように埋め込む」といったことができるので、多少トリッキーな方法で後からしおりを付与することもできなくはありません。しかし専用のソフトウェアがあればもっと分かりやすく、そして効率的にしおりを付与できます。

antenna house webinar pdf bookmark

隔週で火曜に開催している「ちょっと一息 アンテナハウスウェビナー」、11月10日(火)16時からは「そもそも、PDFのしおりとはなにか ~目次と何が違うのか。どう作って活用するか~ 」というテーマでお送りします。この記事を書いているのが担当者でないため、発表内容の詳細はわかりません。しおりってなんなんでしょうね……。この謎を明かすためにも明日のウェビナーは必見です。

参考文献・資料

  1. *1 『岩波国語辞典第八版』(岩波書店, 2019年11月22日第1刷発行, ISBN 978-4-00-080048-8)
  2. *2 https://www.w3.org/TR/xsl11/#change10
  3. *3 https://www.antenna.co.jp/AHF/ahf_publication/data/xsl-fo-v2/201603282131.html『XSL-FO の基礎 第2版 – XML を組版するためのレイアウト仕様』(アンテナハウス株式会社, 2017年3月, ISBN 978-4-900552-48-7)
  4. *4 Antenna House Formatter
  5. *5 https://www.antenna.co.jp/AHF/ahf_samples/sample-fo.html#pdf


e-na伊那谷 旅便り 第45回 秋の高遠城址

高遠城址公園は、春には天下第一の桜として全国的に有名ですが、約250本のカエデが色づく秋の紅葉の時期もまた見事です。高遠城址もみじ祭りが催されていると聞き、早速見に行ってきました。観光客でにぎわう時間の前にと思い、早朝の、まだイベントが始まる前に散策を楽しんできました。

入口辺りはまだ目立った紅葉は見られなかったのですが、公園の奥に入るにつれて、しだいに美しい紅葉が姿を見せ始めました。。例年より少し紅葉が遅めだそうです。11月の中頃にはもっと色づくことでしょう。

さらに奥へと歩いて行ったところ、高遠の町並みと遠く南アルプスの山並みが広がる、美しい景色に遭遇しました。澄んだ空気を一杯吸って、気持ちの良い朝の散策を満喫してきました。

今年は新型コロナウイルスの影響で例年より規模を縮小していますが、新そば祭り、菊花展、内藤とうがらし展示、その他高遠地酒販売、高遠地元菓子販売なども行っているそうです。三密を避け、万全の対策を取ってお出かけになればイベントを十分楽しむことができるでしょう。



電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「カメラでの撮影_NG集」について YouTubeミニセミナー第22弾

デジタル化に舵を切る為の最短コースである国税庁の「電子帳簿保存法」「スキャナ保存」、その「禁じ手」と「リスク」への考察をします。

電子帳簿保存法4条3項で規定されている「スキャナ保存」制度の保存要件は同法施行規則3条に細かく規定されていて、その要件を同法通達*1や通達趣旨説明並びに一問一答*2で補完されています。

今回のテーマは「カメラでの撮影_NG集」です。本要件は注意が必要です。是非本セミナーで確認してください。

内容をギュッと6分に圧縮して、YouTubeでいつでも視聴できるミニセミナーにしました。
皆様のお役に立てれば幸いです。
また、要望を頂ければ、その要望にマッチした、セミナーの制作を検討させていただきます。

  1. *1 電子帳簿保存法取扱通達の制定について|国税庁 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sonota/980528-4/index.htm
  2. *2 電子帳簿保存法Q&A(一問一答)|国税庁 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07index.htm

【 公開セミナー 一覧 】

  1. 第1回 「日本はデジタル化後進国か?!」
    https://youtu.be/aKctKhLRjOY
  2. 第2回 「電帳法」を優しく解説
    https://youtu.be/RbEZe00m0TA
  3. 第3回 「帳簿・書類」の7年保存がそもそも何故求められるのか?
    https://youtu.be/Ht68XGdFdnU
  4. 第4回 タイムスタンプって_なに?
    https://youtu.be/RqRbwlHvAfo
  5. 第5回 国税庁の「電子帳簿保存法」のページの見方
    https://youtu.be/pCUfL17KgEY
  6. 第6回 電帳法4制度の横断的概要学習!
    https://youtu.be/5HbsneGZAFQ
  7. 第7回 電帳法_電子取引の最新情報!
    https://youtu.be/cRT4Cw4-n70
  8. 第8回 電帳法_導入手順!
    https://youtu.be/a7lRuEusH1Q
  9. 第9回 電帳法対応のシステム・サービスのご説明
    https://youtu.be/742w23Xd4RQ
  10. 第10回 「ScanSave」のデモムービーシリーズ 基礎編_「多彩な入力機能」
    https://youtu.be/RCN1lXSU94Y
  11. 第11回 「ScanSave」のデモムービーシリーズ _「多彩な入力機能」_応用編
    https://youtu.be/3jXpPZVM4Ko
  12. 第12回 「ScanSave」のデモムービーシリーズ _まとめてタイムスタンプ
    https://youtu.be/klXAns3Mgc4
  13. 第13回 「ScanSave」のデモムービーシリーズ _エキスポート機能について
    https://youtu.be/MhREvX_kRBU
  14. 第14回 電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「業務サイクル越えの原本廃棄」
    https://youtu.be/HjM9jmgvE94
  15. 第15回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「一の入力単位」について
    https://youtu.be/a8VgiDaRLPU
  16. 第16回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「取引に至らなかった書類」について
    https://youtu.be/KcBwAOawH54
  17. 第16回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「取引に至らなかった書類」について
    https://youtu.be/KcBwAOawH54
  18. 第17回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「4ポイント文字」について
  19. https://youtu.be/Qt5nOB9EtGo
  20. 第18回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「検索要件」について
    https://youtu.be/tJsZxRngvt4
  21. 第19回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「タイムスタンプ付与」について
    https://www.youtube.com/embed/1UJT6OOnrZs
  22. 第20回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「「特に速やか」の解釈間違い」について
    https://youtu.be/3jG4qu7nxOU
  23. 第21回__電帳法スキャナ保存の「禁じ手」_「カメラでの撮影」について
    https://youtu.be/7hV_qS0Eq_0

筆者紹介
益田康夫
メールアドレス:masuda@antenna.co.jp
1984年に社会人になり、IT業界一筋ながら3回の転職を経て現在に至っています。
特に2008年のリーマンショック後の不況の影響を受けて、2010年6月末にリストラ退社して現本業のアンテナハウス株式会社 https://www.antenna.co.jp/ に入社しました。Sun MicrosystemsやOracleを中心にしたITインフラから、IAサーバとしてのCompaqやIBMなどや、文書管理システムやポータルシステムを販売していた前職と、現在のアンテナハウスでのPDF技術や電子ファイルの変換技術などを中心にした、e-ドキュメントソリューションを探求してノウハウを習得してきました。特に、2011年以降、個人で学習時間をひねり出して、文書情報管理士資格2級、1級、上級と最短記録でレベルアップさせ、更に国家資格の行政書士※、日商簿記3級を2015年までに取得しました。
※行政書士とは、https://www.gyosei.or.jp/information/ をご覧ください。

LwDITAで(途中まで)ドキュメントを書いてみました

これまでに数回Lightweight DITA(LwDITA)に言及したことがありました。LwDITAやDITAについては記事末尾の関連記事、参考資料をご覧ください。ざっくり書くと、リッチな文書フォーマットとその簡略化版です。

最近、社内でドキュメントにLwDITAを試用して執筆しています。これは少し正確ではなく、より正確にお伝えするなら「執筆していた」となります。現在DITA(ただし一部機能しか使用しない)に移行中となります。

そこそこ文量のあるドキュメントに使ってみての利点、欠点について記そうと思います。一部、実装と仕様どちらに対しての言及であるのか不明瞭である点がありますがご容赦ください。

LwDITAでできること

DITAとしての利点と、LwDITAとしての利点があります。DITAとしての利点はおおよそ次のようになります。

  • DITA文書の一部としてDITA-OTで処理可能
  • conref、keyrefが利用できる
  • トピック単位でファイルを分けて管理できる
  • メタデータに索引用のキーワードを集約できる

LwDITAはDITA文書の一部として、通常のDITAと混在して処理が可能です。管理の観点からすると必ずしも良くはありませんが、「最初LwDITAで書いてDITAへ移行していく」今回の私のユースケースや、「既存資産のDITAやXML形式を利用しつつ新規記述のコストを減らす」といったときに有用です。

conrefやkeyrefはDITAの機能で、簡単に言えばプログラム言語における変数をドキュメント中に使用できます。専門語の揺れを防いだり、URLの変更などに対応できます。長期的に同じドキュメントを使用したいときに便利です。

「トピック単位でファイルを分割して管理できる」、DITAがトピック指向の設計であるので、条件が合致するときは各ドキュメントの構成のシンプルさを保つことができます。後述する「索引の半自動化」に係わるところです。「メタデータに索引用のキーワードを集約できる」というのも大体同じメリットですが、メタデータを書く箇所がフォーマット側で各ファイル単位に用意されているものは実はあまり多くありません。

そして1行では書きにくいメリットとして、構造のどの位置で呼ばれたかによって、適用されるセクションレベルを変更できるという恩恵があります。簡単に例を挙げると、h2レベルの内容の途中で呼ばれた別ファイルの見出しトップレベルはh3と解釈されます。書いているうちにトピックを分割したくなったときなどに有用です。

LwDITAとしてDITAに対する利点は次があります。

  •  単純な最低限のマークアップ(em、strong、italic、リスト……)

メディアコンテンツ対応も地味に仕様としてはDITA1.3より進んでいるのですが、これは出た時期によるもので、実用的にはDITAでも対応されているはず。

さて、とくにMDITA(と一部拡張プロファイルとしてHDITA記法)を利用していたのですが、次の利点があります。

  • MDITAではYAMLフロントマターにkeyword、category、author、source、トピックIDを記述可能
  • DITAに限らず別形式へ変換可能という安心感

メタデータは単純なKeyValue、あるいは簡単な入れ子となるようなものが多いため、汎用エディタを使ってXML形式で記述するのは冗長に感じるときがあります。YAMLでとりあえずパパっと書けるのは楽でした。

最終形をPDFと考えたとき、DITAではやりづらくなる箇所もあるかもということで、別形式にしやすい意味ではMarkdownは安心感があります。その分表現力に制約がかかりますが。

「チームメンバーの記述可能なフォーマットの共通スキルがHTMLやMarkdown」といったケースもありうるかもしれません。

LwDITAでできないこと

  • 対応しているDITAメタデータ(prolog)が少ない
  • 対応しているプロパティ、要素が少ない(特にMDITA)
  • 独自拡張のDITAが対応できない

さもありなんといったところで、作業が進むと、簡易形式ゆえにオミットされた機能が使いたくなってきます。上に挙げた理由で、今はDITA化を進行中です。とはいえ、変換後もLwDITAと対応できない要素はあまり使っていません。

とくにMDITAの不満点として、<note> に対応する記法がありません。以前あった記法もなぜかdepricatedになったので、注やtipsなど、荒涼としたドキュメントにおけるポップでおしゃれなアクセントが書けないのです。

XDITAを飛び越えてフルウエイトのDITAに変換すると、<indexterm>、索引語の指定が使えるようになります。keywordとしてYAMLフロントマターに記述していた語へこのマークアップを行うと、トピックの開始位置に索引が自動でつくように設定できます。入れ子にもできるので索引のサブ項目もほとんど労力をかけずに可能です。

「特殊化したDITA」について軽く触れましたが、AH-DITAという拡張ではfo:propプロパティによってXSL-FO語彙によるスタイル付けをダイレクトに行うことができます。また、図表のフロート配置も<floatfig>で、より自由に行えるようになります。

その他細かいところや全体像などについても、そのうち記事にできればと思います。

参考資料・関連記事


Pages: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ... 203 204 205 Next