マイナンバーカードによるデジタル署名を個人の実印と対応させる比喩は必ずしも現実の利用と一致していない

マイナンバーカードには、デジタル署名用の証明書(秘密鍵)が内蔵されています。この電子証明書は「公的個人認証サービス」(JPKI (Japanese Public Key Infrastructure))という認証システムで発行されるもので、「電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)」の第2条、第3条の要件を満たしています。特に、第3条は推定効といわれ、その要件を満たすデジタル署名は、紙の場合の実印と印鑑証明書のセットに相当するとして扱われます。

そこで、マイナンバーカードによるデジタル署名は実印相当と位置づけられています。参照先:公的個人認証サービスとは

マイナンバーカードは最初のころは行政手続きでの申請、官公庁向けのデジタル文書などへの署名での利用向けでしたが、最近は民間のシステムにも開放されています。例えば、デジタル庁が提供する「デジタル認証アプリ」のページには、民間事業者向けの開発方法の紹介もあります。
デジタル庁:デジタル認証アプリ:行政機関等・民間事業者向け実装ガイドライン

そこで、マイナンバーカードによるデジタル署名が今後どのように広がるかを考えてみました。

まず、書面の契約や書類の中で個人の実印の押印が求められるケースで、書類を書面からPDFなどのデジタル文書に変更する場合です。具体的には、不動産の売買や法人の役員就任など、金額が大きかったり登記が必要な書類のケースで、例えば次のようなものがあります:

不動産(土地・一戸建て・マンションの)売買契約書、法務局へ提出する「登記申請書」など。住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)。会社設立・登記関係(代表取締役の選任を伴う取締役会議事録、代表取締役就任承諾書など)

このような契約や書類を書面からデジタルに変更した場合、書面に実印を捺印し、印鑑証明書を添付する代わりに、マイナンバーカードによるデジタル署名が有効となります。これは実印相当の利用例といえます。

一方、2020年からの新型コロナウィルス感染症危機を契機に、書面の世界では押印の廃止が急速に進みました。こうして、従来は三文判で済んでいた押印は廃止される傾向にあります。この結果、書面なら押印も必要ないケースで、マイナンバーカードによるデジタル署名が多用されるようになっています。

一つの例ですが、現在は、個人の確定申告を書面で提出する場合は捺印をしなくても問題ないようです。ところが、e-Taxのシステムを利用して確定申告の書類を作成して、デジタル送信で申告する際には、マイナンバーカードによるデジタル署名を行う必要があります。
e-Tax: データ作成(帳票選択・帳票編集・電子署名・添付書類)

もうひとつの事例を挙げると、会社法では取締役会議事録の作成保管が要求されています。取締役会議事録を書面で作成した場合、代表取締役は代表者印で捺印します。しかし、出席取締役は三文判でも良いことになっています。この取締役会議事録をデジタル化すると、代表取締役は、法務省が発行する代表者の電子証明書(秘密鍵)で署名し、出席取締役はマイナンバーカードでデジタル署名するようです。この場合、マイナンバーカードによるデジタル署名は三文判相当の役割になってしまいます。

上述の例は、書面なら三文判で済む箇所、あるいは押印廃止で三文判さえも不要な書類に対して、デジタル化したときはマイナンバーカードの証明書によるデジタル署名が使われるケースにあたります。今後、マイナンバーカードによるデジタル署名が普及し、身近になるにつれて、このようにマイナンバーカードのデジタル署名を三文判の代わりに使用するケースが増えていくと予想されます。

書面に実印を捺印する機会は一般人の人生にそれほど多くはありません。ですので、実印の扱いは慎重に行っている人が多いでしょう。これに対して、実印相当のデジタル署名を三文判感覚で多用する時代が来ると一種のミスマッチが生まれるかもしれません。




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GビズIDプライム取得体験。特にマイナンバーカード読み取り時のエラー表示について

知っている人も多いことと思いますが、デジタル庁が運用しているGビスIDという認証システムがあります。従来は主に、行政サービスにログインするための共通IDとして利用するものでした。

GビスIDの利用状況を表示するダッシュボードを見ると、GビスIDを取得している法人数は94万9千で全法人の33%となっています(2026/4/24更新)。利用者は少しずつ増えているようですが、仕事で利用したい用途もなかったので、会社としての取得は見送ってきました。

ところが、2026年7月から、法務省が「商業登記リモート署名」を始めるということを知りました。現時点では、商業登記電子証明書(秘密鍵)は、端末側で使用するICカードまたはファイル形式で入手します。そして、端末にICカードリーダーを接続したり、ファイルをWindowsPCの証明書ストアに保存して利用します。このため、使用する場所(環境)が限られてしまったり、秘密鍵が漏洩しないよう自分自身で管理しなければならないなどの不便さがあります。これに対して、新しく始める「商業登記リモート署名」では、法務省が運営するサーバーに秘密鍵を保管します。そして、利用者はスマホや任意のPCからインターネットを経由して秘密鍵による署名ができるようになります。

この「商業登記リモート署名」を利用するには、利用者はGビズIDプライムのアカウントが必要です。

GビスIDのアカウントの種類は、エントリ、プライム、メンバーの3つあります。(それ以外にも、非公開の特殊用途アカウントがあるようです)。
GビズIホーム:アカウントの種類
エントリはだれでも取得できるのに対し、プライムは原則として法人の代表者でないと取得できません。メンバーはプライムが法人の社員などに付与するものです。

プライム・アカウント取得時には、法務省のデータベースにある商業・法人登記の内容と、アカウント申請者の個人データを照合して、申請者が代表者本人であるかどうかを審査することになっています。プライム・アカウントを取得するには、エントリから種別変更するのが一般のようです。

ここまで調べて、早速、GビズIDエントリのアカウントを取得し、プライムのアカウントに変更しようとしました。アカウント変更の手続きは、オンラインと書面があります。オンラインは即時に変更可能ということで、当然、オンラインでのアカウント変更に進みます。

オンラインによるアカウント変更のステップは概ね次のステップになります(一部想像を含む)。
(1)スマホにGビズIDアプリをインストールする
(2)GビズIDアプリでは2要素認証のためにつかう電話番号を登録する。
(3)GビズIDアプリを使って、申込者のマイナンバーカードの情報を読み取る
(4)申込者のマイナンバーカードの情報と法務省の商業・法人登記に登録されている代表者のデータを照合し、申込者が登記された代表者に一致するかを確認する。

操作自体はそれほど難しいものとは思いません。個人的には、e-Taxなどで、スマホを使ってマイナンバーカードの情報を読み取り、デジタル署名なども行ったことがあります。正確にはデジタル署名をしたかどうかは不明で、実際のところは、デジタル署名用のパスワード入力を求められて、それを入力したら処理が終了したことがあるのみですが。

ところが、(3)のマイナンバーカード読み取りの段階で、つまずきました。何回トライしても次の画面が表示されます。

2月の時点で、アプリを再インストールするなど何回かトライして埒があきません。あきらめてしばらく放置していたのですが、そろそろだいぶ時間も迫ってきたし、最後のトライということで5月中旬に再度試しましたが症状は変わりません。デジタル庁のサポートに聞くと、アプリの再インストールをしてみてくれと言います。それでもできないと、スマホを別のものに変更してみて欲しい、さらに、マイナンバーカード発行元の自治体でマイナンバーカードに異常がないか確認してみて欲しい。とのことです。しかし、e-Taxなどほかのサービスでは問題なく使用できているのです。エラーダイアログを文字通り解釈すると、「情報の内容が想定外」という意味合いにも解釈できるのでマイナンバーカードの情報は読めているとも見えるのですが・・・

せめてエラーの内容・状態についてのもう少し詳しい情報が欲しいと考えて聞いてみても、「デジタル庁のシステムの外部で起きているエラーなので原因がわからない」の一点張りでどうにもなりません。分かったのは原因がわからないということだけです。

結局、オンライン申請を諦めて書面申請することに。5月18日に書面を印刷して郵送しました。結果、25日の夕刻、GビズIDのエントリからプライムへの変更の受付完了メールが届いて、登録した電話番号のSMS認証で、手続きが完了しました。

デジタルより書面がスムーズという皮肉な結果となりました。




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PDFのアクセシビリティ 特に音声読み上げについては、タグ付きPDFとして作成することで実現できる

デジタル庁の『Webアクセシビリティ導入ガイドブック』(PDF版)には、PDFで情報を配信する際の注意事項が、次のとおり記載されています。

PDFの構造化
ウェブページではなく PDF を使って情報発信したいという場合もあります。その場合は、HTML と同じように様々な利用方法で利用できるアクセシビリティの高い PDF を作る必要があります。
● 見出し、リスト、外部リンクなどの情報を追加できるタグを追加する
● 画像に代替テキストを付与する
● 文書と画像の読み上げ順が正しくなるよう画像にアンカーを追加する
● 目次から該当文書に移動するリンクを追加する
● 言語設定、文書名などのプロパティを設定する
(P.52より引用)

これだけでは説明があまりにも簡単すぎて、却って意味が分からないひとが多いのではないかという印象を受けます。

そこで次に簡単に補足してみます。まず、小見出しに「PDFの構造化」とあるのは、タグ付きPDFを意図していると思われます。タグ付きPDFは、PDFの国際標準仕様「ISO 32000」で規定されている、PDFのコンテンツにツリー構造のタグを関連付けることで、そのツリー構造で論理的意味と読み上げ順序を指定する仕組みです。

PDFは主に印刷レイアウト表現する電子文書で、どのような表示環境でもできるだけ同一のレイアウトで表示するように作成します。このように、レイアウトの再現性だけを目的に作成されているPDFについて、そのファイル内に保存されているテキストをファイル内での出現順に読み上げると、論理的に不適切な順序になることが起きます。

タグ付きPDFは、標準化されたタグのツリー構造とPDFのファイル内の表示用データを対応つけて、主に意味的な構造を付加します。次にその仕組みを簡単に解説したウェビナーの録画があります。
PDFのアクセシビリティ ~タグ付きPDFの仕組みと作り方~(YouTubeのウェビナー録画へのリンク)
本ウェビナーはやや技術的ですが、関心をお持ちの方は、ご覧になってみてください。

『Webアクセシビリティ導入ガイドブック』PDF版もタグ付きPDFとして作成されています。アンテナハウスのPDFタグエディタ(PDFタグエディタのWebページにリンク)で導入ガイドブックを読み込んでみると、次の図のようにPDFのページにツリー構造のタグが対応していることがわかります。

このように、『Webアクセシビリティ導入ガイドブック』のPDF版は読み上げに配慮したPDFになっています。先日、Adobe Acrobat Readerで読み上げを試したところ、うまく読み上げができなかったと言いました。しかし、その後調べたところ、次のようにすれば、正しく読み上げできることがわかりました。

音声合成エンジンの選択
Acrobatの「環境設定」で、音声合成エンジン(テキストtoスピーチエンジン)として、日本語対応の「Microsoft Haruka Desktop」を選択する。

Adobe Acrobat(Windows版)の読み上げメニュー実行
PDFを開いて、①「表示」⇒「読み上げ」⇒「読み上げを起動」、次いで②「表示」⇒「読み上げ」で「このページのみを読み上げる」または「文書の最後まで読み上げる」を実行する。




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ドキュメントのアクセシビリティ実現には、レイアウト志向を捨てて構造化志向で計画すること

2024年4月から「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」の改正法が施行され、ウェブアクセシビリティへの配慮が義務化されています。これにより、官公庁や行政はもとより、民間企業もウェブアクセシビリティに対する理解と配慮がますます大きな課題となっています。

ウェブアクセシビリティへの配慮というのは言葉としては理解できます。しかし、実際のところ、何を行わなければならないか、具体的にどうすれば良いのかを理解し、それを日々実戦するのはなかなか難しいと感じます。ウェブアクセシビリティについての分かりやすい解説が望まれるところです。

これに関して、デジタル庁のWebページに「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」(最終更新日: 2025年10月16日)が公開されています。ガイドブックの対象読者は、「ウェブアクセシビリティについて、全く知らない、きちんと触れたことがない方々」で、「情報システムやデジタルサービスの発注・受託業務に取り組むにあたって知っておくべきポイント」ということなので、初心者に対して、業務上の実践的な事柄のガイドを期待しました。

そこで、早速、ダウンロードして一読してみました。確かに、「3 ウェブアクセシビリティで達成すべきこと」はやるべきことがわかりやすくリストアップされています。例えば、3.1項、3.2項では、次のような項目についてそれぞれ図を使って具体的に説明されています。

・音声を自動再生することや強制的に再生させることは避ける。
・キーボード操作だけで利用しているときに、一度フォーカスしたら抜け出せないコンテンツを作らないようにする。
・光の点滅を繰り返すと、光感受性発作等を誘発しやすくなります。1 秒に 3 回を超える点滅をするコンテンツを作ってはいけません。
・スライドショーや自動で切り替わるコンテンツなどがある場合は、一時停止、非表示、停止の機能を設置する必要がある。
・ロゴ・写真・イラストなどの画像が指し示している情報を代替テキストとして付与する。
・キーボード操作だけで、サービスのすべての機能にアクセスすることができるようにする。
・閲覧や入力の操作に、制限時間を設けてはいけない。
・赤字など、色の違いだけ、あるいは太字、『右の写真』『丸いボタン』など、位置や形の違いだけで情報を伝えてはいけない。
・スクリーンリーダーで順に読み上げたときに、意味が通じる順序にする。
・見出し要素だけで、セクションやブロックに含まれる要素を表現する。
・文字と背景の間に十分なコントラスト比を保つ。
・画面拡大ソフトなどを使わずに、ブラウザの文字拡大機能だけで文字サイズを 200% まで変更できるようにする。
・文字や文字コード、フォントに関する注意。
・ページの内容を示すタイトルを適切に表現する。
・リンクがどこへのリンクなのか、単体で、または前後の文脈から簡単に理解できるようする。
・ナビゲーション要素が、毎回同じ順序、表記で実装されているようにする。
・同じ機能には、同じラベルや説明をつける。

こうした点は実践的で良いのですが、一方で、良くない点もあります。特に気になったのは、「2 ウェブアクセシビリティの基礎」の項です。「アクセシビリティとユーザビリティ」の項(p.13)なんて最悪で、言葉の概念をだれだらと回りくどく説明したり、ガイドラインと規格について内容と関係ない仕様の来歴をくどくどと説明しています。これは基礎とは言えず、実践的観点ではほぼ無意味でしょう。

また、言行不一致が激しいようです。例えば、PDFに関して「PDF のアクセシビリティを上げるのはとても難しくノウハウも少ないため、可能な限り HTML を使い、ウェブページとして情報発信するよう心がけてください。」(p.53)とされています。しかし、このガイドブック自身はPDF(のみ)で公開されており、HTML版はありません。

Webページには、「ガイドブックは、本文と付録で構成されています。また、後日HTML版や解説動画も公開予定です。」と明記されていますが、2026年3月27日時点でHTML版も動画もありません。

PDFはAdobe Readerで読み上げできるとWebページには書かれています。しかし、Webページに記載されている操作方法は、Adobe Reader 2025(Windows版)の操作方法とは違います。そのうえ、配布されているPDFをダウンロードして、Adobe Readerで読み上げるとアルファベットと数字を英語で読みあげ、日本語は無視されてしまいます(現時点で原因不明※注)。おそらく実際には読み上げテストを実施していないと思われます。こうしてみると、デジ庁のウェブアクセシビリティへの配慮というのは、実際は建前だけであり、自ら先頭に立って実践するつもりはないのではないか? とも見えてしまいます。

情報を得たいユーザーの立場でみれば、完全に同一内容の情報がPDF形式とHTML形式で同時に公開されているなら、アクセシビリティに配慮したHTML版があれば、必ずしもPDF版をアクセシブルにしなくても良いという考えもなりたちます。つまり、PDFファイルのアクセシビリティ確保が難しい、というならHTML版を同時に配布すれば良いということです。

PDF版とHTML版を同時に公開しようとしたら、ドキュメントを設計するときから同時公開することを想定して準備を進めなければいけません。具体的にはドキュメントをWordなどでスタイルを使って記述するなど最初から構造化に配慮する必要があるということです。しかし、この「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」はInDesignで制作されており、どちらかというとレイアウト志向になっています。これが、PDF版はできてもHTML版はなかなかできないということになってしまう原因です。

デザイナーが好き勝手にデザインしたレイアウト志向のPDFドキュメントをHTML版にするのは、本質的に難しい作業です。印刷レイアウトは二次元配置志向です。これに対して、アクセシビリティ、特に音声読み上げは一次元配置です。二次元を一次元に変換するのは次元を落とすことになるため、困難でありかつあまり望ましくありません。XML・HTMLなどの構造化文書はツリー構造なので、ツリーをトラバースすることで一次元に変換しやすいのです。このように構造化文書を想定した文書設計により、アクセシビリティの実現が容易になります。このあたりについて、ドキュメント設計者にはもっと理解を深めて欲しいものです。

※注(本3月31日追記)さらに調べたところ正しく読み上げさせる方法が分かりました。次のブログ記事(PDFのアクセシビリティ 特に音声読み上げについては、タグ付きPDFとして作成することで実現できる)をご参照ください。




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株式投資の考え方:いつ買い・いつ売るか、株式売買の原理原則的ルール

以前に株式投資の考え方:いつ買い・いつ売るかでは、「売り買いのベストタイミングを確定することは何人にもできません」、「大きな下げのチャンスに向けて計画を立てて、資金を貯めてじっくり待ち、チャンスが来たらぱくっと食べる」のが良いと書きました。

それはそのとおりです。実際、当社で保有している銘柄には、近いところでは2025年4月のトランプ関税ショックによる下落時、さらにその前の2024年8月5日の日本株急落時に取得・買い増しした結果、現在までに大きな利益を生み出しているものがあります。

しかし、この原則のみでは数年に一回程度訪れる万一のチャンスをじっと待つことになります。あまりにも多大な忍耐が必要で、これだけでは日常の指針になりません。そこで、今日は、もう少し日ごろの役に足りそうなガイドラインを考えてみます。

そういえば、皆さんは、過去にこんな経験がありませんか?
(1)手持ち株の株価が上がったのを見て、嬉しくなって手持ち株を売った。ところが、その後、さらに上昇してしまい、「ああ、もう少し待ってから売れば良かった。」と慨嘆する。
(2)手持ち株の株価が下がったので、嬉しくなって株を買い増した。そしたらさらに下がって、損が出てしまい、「ああ、もう少し下がるまで買うのを待てば良かった。」と反省する。

(1)も(2)もあるあるパターンの悔しい経験ですね。そこで、反省として、なぜこのようなことが起きるのかを考えてみます。

図で表すと次のようになります。(1)は左、(2)は右になります。

(1)はt1時点に株価A1で売ったが、後のt2時点には株価はA2に上昇、売るのを待てば良かったと反省するパターン。上昇トレンドの最中に売ってしまったのが間違いだった、(2)はt1時点に株価B1で買付、後のt2時点には株価がB2に下落したので、買うのを待てば良かったと反省するパターン。下降トレンドにある最中に買い付けたのが間違だったということです。ただし、t1時点では後のt2時点になったとき、株価が上がるか下がるかは分かりません。景気の山や谷を事後的に判定するのと同じで株価のピークや底、トレンドは事後的にしか決定できません。間違いと決めつけるのは酷かもしれません。

この失敗を避けるには、①株価のトレンドを見極めること、そして、②上昇トレンドの最中は売却しない、③下降トレンドの最中は買付しない、というルールを決めると良いでしょう。

このルールを図で表すと次のようになります。

実際のところ、このルールを守るのは簡単ではありません。その理由は、次のとおりです。
(3)すでに述べたように、現時点(t1時点)では、上昇トレンド中なのか、下降トレンド中なのかを正しく判定するのが困難である。
(4)現時点(t1時点)では、高くなったら売る、安くなったら買うという原理に従っているという判断も成り立つ。

しかし、上昇トレンド中は売らず、下降トレンド中は買わず、というのは足し算と引き算と同じくらい合理的です。株式売買時には必ず頭に置くべきでしょう。




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『page2026』へのご来場誠にありがとうございました

去る2026年2月18日(水)~20日(金)にかけて開催された『page2026』では、多くの方に弊社ブースにご訪問を頂きました。日頃からのご愛顧に心より感謝申し上げます。

今回はこれまでの展示会とは異なり、4Fの単独出展ブースと2Fの自動組版普及委員会共同出展ブースという2箇所で出展致しました。1展示会2ブースというこれまでとは異なる形式での出展となりましたが、多くの方にお立ち寄り頂き、大変賑わう結果となりました。

この場をお借りして心より御礼申し上げます。

『page2026』アンテナハウスブース

『page2026』アンテナハウスブース

『page2026』自動組版普及委員会共同出展ブース

『page2026』自動組版普及委員会共同出展ブース

今後も展示会やイベントへの出展を予定しております。直近では国内唯一のDITA総合セミナーとして25回目を迎えるDITA Festaへの出展と講演を予定しております

2026年3月3日(火)17時まで参加申し込みを受け付けておりますので、関心がございましたら是非ご参加ください

日時:2026年3月13日(金)10:00~18:40
(受付開始 午前の部 9:45、午後の部 13:45)

会場:TKP市ヶ谷カンファレンスセンター ホール5C
https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/cc-ichigaya/access/

参加費:無料(DCJ非会員企業は1社5名様までとさせていただきます)
申込期限:2026年3月3日(火)17時
イベント詳細・参加申込:https://festa.dita-jp.org/2026tokyo

改めまして『page2026』へのご来場とブースへのご訪問に心より御礼申し上げます。
引き続き、アンテナハウス株式会社をよろしくお願い致します。




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株式投資の考え方:良い会社とはどのような会社か、投資先候補銘柄の選定法(アップデート)

2024年8月29日に、株式投資の考え方:良い会社とはどのような会社か、投資先候補銘柄の選定法を紹介してから約1年半経過しました。この間の株式市場では日経平均が38,000円台(2024年8月)から、57,000円前後(2026年2月中旬)へと5割近い上昇となりました。

この結果、良い会社の条件である、(1)高い経常利益率(10%以上)、(2)成長していること、(3)継続的な高い配当利回り(4%以上)、(4)株価が割高でない(PER 15程度以下)、(5)時価総額が大きく・有力なインデックスに採用されていること、をすべて満たす会社は極少なくなってきています。

こうした状況下では新たな株式投資を行わないというのが適切なのかもしれません。しかし、やはりパフォーマンスの悪い銘柄を売却して、新たな銘柄に入れ替える作業を随時おこなう必要もあります。そこで、配当利回り条件を4%以上から3.5%以上に下げたり、あるいはそれ以下でも底値になっているとみられる銘柄を選択するなど条件緩和を行っているのが実情です。

次に、こうして銘柄選択して運用した結果を紹介します。

当社で1年以上保有している銘柄(12銘柄)について、実際のところどうなっているのかをまとめてみました。

確定リターンは売買損益(確定)+受取配当(税込)を365日あたりに換算したものです。そこで保有銘柄がすべて配当利回り4%以上なら4%以上になるはずです。4%を割っている銘柄は売買損失を出したか、配当利回りが4%より低いものです。

評価込リターンは、確定リターンに市場株価(2月20日時点)と買付時の株価(平均)との差額(評価損益)を加算したものです。12銘柄の中で年率リターンが最低なのは3.9%、最高なのは71.6%となっています。

平均保有残高と保有日数で加重平均して求めた12銘柄全体としてのリターンは、確定値で年率15.7%、評価益込では32.9%でした。

この12銘柄について、最近年度の経常利益率(実績)を横軸に、株式運用のリターンを縦軸にとってプロットすると次の図のようになります。

これをみると経常利益率の低い銘柄は株式運用のリターンも低いといえます。結局、利益率が下がると株価も下がり、それにつれて株式運用リターンも下がるということなのでしょう。

良い会社の条件として挙げた、「経常利益率が高い」ことの重要性を改めて強調したいと思います。

参考
ここで紹介した評価の方法については次で説明しています。
株式投資の考え方:投資成績の評価方法
株式投資の考え方:投資成績の評価方法ー実例




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DITA総合セミナー DITA Festa 2026が、3月13日(金)10時~18時40分、市ヶ谷で開催されます。

DITAコンソーシアムジャパンのWebサイトにて、 DITA Festa 2026の参加者募集が始まっています。

DITA Festaは、コンテンツのコンポーネント化によってマニュアル制作に革命をもたらす国際規格 DITA(Darwin Information Typing Architecture)のしくみとコンテンツ制作におけるAIの活用事例を知ることができる無料セミナーです。

今年は1日の午前・午後開催です。最初に、DITAについて知識がない方を対象に、DITAの基本的なしくみと本質的な意義をお伝えするDITA入門のセッションを行います。DITAってなに? どんなことができるの? といったことを理解していただけます。

既に、会社でDITAを採用していて、ばりばり実践している、という方は、午後の部だけでも大丈夫です。

会場では会員企業がブースを展示し、自社の製品、サービスの詳細な説明や実演を行います。関係者と直接コンタクトいただけるチャンスです。

ちなみにアンテナハウスは次の二つのセッションにて発表致します。多くの方々のご参加をお待ちいてします。

【AI活用最前線】
14:30 – 15:00
AI検索でWebマニュアルは便利になるか? ~生成AIを利用したWebマニュアル検索の評価~(中澤 始)
生成AIは著しい進歩を遂げ続け、耳にしない日がないほどの状況になっています。マニュアルの検索に活用すれば、従来の全文検索に代わるものになり得るのではないか、という考えのもと開発した、生成AIを利用した自然文Q&Aシステムについて、デモをお見せし、実際に試して見えてきたことを発表します。

【ソリューション駅伝】
17:30 – 17:45
AIでXML制作を効率化 ~Oxygen AI PositronによるDITAオーサリングのご紹介~(横田 達朗)
Oxygen AI Positronは、XML編集をAIで強力に支援する最新ツールです。AIによるDITA構造化支援により、単純な書き直しでは無理のあった既存文書の DITA変換の補助や特定の要素内に絞った編集指示が可能。AIによる修正箇所の差異をすぐに確認できるdiffツールなど、Oxygenと完全に統合されたAI機能による 新しい制作ワークフローがもたらす効率性をぜひその目で体感してください。




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page2026に出展致します

page2026

アンテナハウス株式会社は、来る2026年2月18日(水)~20日(金)に開催されるpage2026に出展致します。page2026は2026年で39回目を迎える、印刷メディアビジネスの総合イベントです。今回は弊社単独出展ブースと自動組版普及委員会共同出展ブースの2箇所に出展致します。

アンテナハウス株式会社ブース:4F BT-12
出版物・マニュアルにまつわる業務を効率化するプロ向けデスクトップ製品である『アウトライナー』、『HTML on Word』、『PDF Advanced Extractor』を展示します。

自動組版普及委員会との共同出展ブース:2F D-39
自動組版普及委員会は自動組版を社会に普及浸透させる目的で2020年に誕生したコミュニティーです。アンテナハウスからは、XML/HTML自動組版ソフトウェア『Antenna House Formatter』を展示します。

ご来場に際しては招待券の入手、もしくはWebページからの来場登録(無料)をお願い致します。
どちらもない場合は入場料1,000円が必要となりますのでご注意ください。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

展示会詳細
展示会名称:page2026
会期:2026年2月18日(水)~20日(金) 各日10:00-17:00
会場:サンシャインシティ 文化会館ビル2F~4F
出展ブース
アンテナハウス株式会社ブース:4F BT-12
自動組版普及委員会との共同出展ブース:2F D-39

page2026 Webサイト
https://page.jagat.or.jp/index.html
アンテナハウス株式会社ブース情報
https://page.jagat.or.jp/exhibitorDetail/detail_93.html
自動組版普及委員会共同出展ブース情報
https://page.jagat.or.jp/exhibitorDetail/detail_200.html




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Microsoft Excelスタイル探索(6)ExcelでワークシートからPDFを作成する時のページ分割について概観する

Microsoft Excelのワークシートから印刷/PDFを作成するときのページ作成機能について、ほとんどのExcelユーザーは、日ごろ、あまり細かいことは気にしないで利用していることでしょう。このページ作成・分割機能は細かくみると非常に高度かつ複雑です。

ここでは、より詳しく知りたいという方のために、Excelの「印刷」モードのページ作成機能について、できるだけ網羅的に紹介してみましょう。

なお、本記事で使用する用語などは主に、Microsoft Excelスタイル探索(3)Excelのワークシートを可視化(レンダリング)する多様なモードを使いこなすの説明をご参照ください。

ワークシートの画面表示

Excelのワークシートでは行と列から構成される表形式でデータを編集します。ワークシートで使用可能な最大行数・列数は決まっています。実際には制限いっぱいの巨大な表を作成することはまずないでしょう。データ編集するときは、ワークシートの一部を使用し、それ以外は空となります。ワークシートで、1列目から実際に使われている列の最大値、1行目から実際に使われている行の最大値までの矩形領域を、ここでは「有効範囲」といいます。

ワークシートに入力した文字にはフォントの大きさを自由に設定でき、セルには行の高さ、列の幅などを自由に設定できます。

文字の大きさはポイント単位で設定します。行の高さや列の幅は、概ね文字の大きさを基準にして自動的に設定されますが、リボン「ホーム」の「書式」メニューで設定もできます。1ポイントは72分の1インチで約0.353㎜です。11ポイントなら約3.88mmとなります。こうして、行の高さや列の幅をポイント数に換算し、ワークシートの有効範囲の幅と高さをポイント単位またはmm単位で計算できます。

こうして計算した寸法を、とりあえず、「原寸」といいます。

ワークシートをPDF化するときの設定

リボン「ページレイアウト」の「拡大/縮小」メニューで、ワークシートからPDFを作成するとき原寸のままPDF化するか拡大・縮小するかを指定できます。既定値は原寸(Excelのメニューでは「100%」)です。

PDFを画面で閲覧するときは、実寸法を意識することはないでしょう。しかし、PDFは紙の電子版であり、紙と同様に縦方向と横方向の用紙寸法が設定されています。例えば、A4サイズ用紙を縦長方向で使用する場合、縦は297㎜、横は210㎜という値が設定されています。

通常、用紙の上下・左右に余白を確保するため、ワークシートの有効範囲を配置できる紙面の範囲は、用紙の縦寸法から上下余白を除外、用紙の横寸法から左右余白を除外した領域となります。この領域のことを「基本版面」といいます。

ワークシートを印刷する時、印刷範囲は既定値(印刷範囲を設定していない状態)では有効範囲です。なお、リボン「ページレイアウト」の「印刷範囲」メニューで有効範囲とは異なる設定もできます。

「印刷」モードで印刷処理を実行して、ワークシート上の印刷範囲のデータを基本版面に配置する都度、1ページが作成されることになります。

印刷範囲が原寸で一つの「基本版面」に収まるときは、そのまま1ページのPDFを作成すれば良いのですが、原寸で1ページに入りきらないときは、次の選択肢があります。

1.原寸のまま複数のページに分割して印刷する
2.拡大・縮小して印刷する

「拡大・縮小して印刷する」の拡大・縮小設定はさまざまで複雑です。そこで、次回に扱うこととします。以下では、原寸のまま複数のページに分割する仕組みについて整理してみます。

ワークシートをページ分割したときの区切り位置とページの出力順序

ワークシートに強制的な改ページ位置を入力していないときは、次のように、ワークシートの印刷範囲がページに分割されます。

列の進行方向では、列の区切り位置が分割点(候補)となります。つまり、列自体が二つに分割されることはありません[1]。そして列幅を左から合計していき基本版面の幅に入る限りは1ページになります。基本版面幅に入りきらない列は次のページに送られます。行の進行方向では、分割位置は行の区切り位置です。そして、行の高さを上から合計していき、基本版面の高さに入るまで1ページになります。基本版面の高さに入らない行は次のページに送られます。

このとき、ページを進める方向は次の図のように二つあります。

図左) 最初に、行方向にページを進め、次に列方向にページを進める(Excelのダイアログでは「左から右」)
図右) 最初に、列方向にページを進め、次に行方向にページを進める(Excelのダイアログでは「上から下」

既定値では図左のように、先に行方向にページを進める設定になっています。ページを進める方向は、Excelのメニューでは、「印刷」の「ページ設定」ダイアログの「シート」タブで設定を変更できます。または、リボン「ページレイアウト」のシートのオプショングループの右下の矢印をクリックして「シート」タブを表示できます。

ワークシートで、特定のセル以降の行または列から新しいページを始めたいときは、そのセルに「改ページ」を入力します。次の図は、セル:E5に「改ページの挿入」を行っている例です。

「標準」モードの改ページプレビューで確認すると、セル:E5の行位置と列位置で新しいページが始まっていることを確認できます。

[1] 例えば、「標準」モード「書式」の「セルの幅」ダイアログで、列の幅の値として、1ページに入りきらないような大きな幅を設定できます。しかし、「印刷」モードではそのような列も複数ページには跨らないようです。

前回:Microsoft Excelスタイル探索(5)Excelのテーマと標準フォントの関係

参考資料:
Microsoft Excelの標準フォントの基本 標準フォントとはなにか? どのような役割があるのか?




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