カテゴリー別アーカイブ: 構造化文書

引用符について

AH Formatter での引用符の扱いについて、簡単に紹介します。

引用符とは、U+0022 ” や、U+201C “ U+201D ” などの文字です。
Unicode では文字をクラス分けしていて、引用符は QU というクラスに分類されています。
引用符は、”Hello” のように対で使われるため、開きと閉じが存在します。U+0022 は、開きと閉じで同じ文字が使われるので、その区別がありませんが、“Hello” のように、U+201C と U+201D を使った場合は、明らかに U+201C が開きで U+201D が閉じです。

Unicode では、行分割の規則も定めていて、QU の前後では分割不可などとなっています。しかし、開きと閉じがわかっている場合に、この規則を適用してしまうのはうまくありません。Unicode では、「言語の情報があれば、QU の引用符が開きか閉じか判定して、OP または CL として扱うとよい」と言っています。OP は開き括弧で、CL は閉じ括弧です。

これはどういうことでしょう。なぜ U+201C を始めから OP に分類しないのでしょう。
答えは、U+201C は言語によって閉じ側になり得るからです。
U+201C や U+201D などのように、向きのある引用符は、主にヨーロッパの言語によって扱いを変える必要があるのです。
EU は、公文書規則を公開していて、そこの各国語の 6.4. Word-processor punctuation marks and spacing(英語の場合)に引用符等の規則がまとめられています。
Wikipedia にも引用符に関する項目があります。
日本語
英語

これらを、二重引用符とギュメ(U+00AA、U+00BB)についてざっと整理すると、次のようになります。

言語 EU Wikipedia
af Afrikaans     „  ”  
be Belarusian     „  “ «  »
bg Bulgarian „  “   „  “  
cs Czech „  “   „  “ »  «
da Danish   »  « „  “ »  «
de German „  “   „  “ »  «
el Greek “  ” «  » “  „ «  »
en English “  ”   “  ”  
es Spanish “  ” «  » “  ” «  »
et Estonian „  ”   „  “ «  »
fi Finnish ”  ”   ”  ” »  »
fr French “  ” «  » “  ” «  »
ga Irish “  ”   “  ”  
hr Croatian       »  «
hu Hungarian „  ” »  « „  ” »  «
is Icelandic     „  “  
it Italian “  ” «  » “  ” «  »
lt Lithuanian „  “   „  “ «  »
lv Latvian “  ”   „  “ «  »
mt Maltese “  ”      
nl Dutch „  ”   „  ”  
no Norwegian     “  ” «  »
pl Polish „  ” »  « „  ” «  »
or
»  «
pt Portugese “  ” «  » “  ” «  »
ro Romanian „  ”
or
“  ”
«  » „  “ «  »
ru Russian     „  “ «  »
sk Slovak „  “   „  “ »  «
sl Slovenian „  “   „  “ »  «
sq Albanian     “  „ «  »
sr Serbian     „  “ »  «
sv Swedish ”  ”   ”  ” »  »
tr Turkish     “  „ «  »
uk Ukrainian     „  “ «  »

AH Formatter は、向きのある引用符については言語情報から適切な向きを判断し、括弧類と同じに扱って組版を行ないます。

U+0022 のように、向きのない引用符に対して、AH Formatter は次のようにしてなるべく開きと閉じの区別を付けて組版を行ないます。

  • 文字列頭の向きのない引用符は、OP とみなす。
  • 文字列末の向きのない引用符は、CL とみなす。
  • 文字列中の向きのない引用符は、直後が空白でなく直前が空白なら OP とみなす。
  • 文字列中の向きのない引用符は、直前が空白でなく直後が空白なら CL とみなす。



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「スマートフォン、ビジネス活用向けノウハウ」セミナー

おはようございます。CAS-UB担当です。
今日は、9月24日(午後1時30分~)TKP神田ビジネスセンター H301号室にて開催される、「スマートフォン、ビジネス活用向けノウハウ」セミナーについて、紹介します。
現在、アンテナハウスではデスクトップ製品のマニュアルをCAS-UBで作成しています。
本セミナーでは、スマートフォンを使って、いつでもどこでも、いろんな場面でEPUB化させたマニュアルを、快適に閲覧・活用できるような、EPUB作成とスマートフォンの活用について、「確かな技術やノウハウ」を紹介します。

  • 主 催  アンテナハウス株式会社
  • 後 援  ソフトバンクモバイル株式会社
          株式会社ソフトウェア・パートナー
  • 協 賛  日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社
日時 2012年09月24日(13:30~17:00)
受付は13:00からです。
開催場所 TKP神田ビジネスセンター H301号室
(東京都千代田区神田美土代町3-2 神田アベビル3階)
お申込み http://kokucheese.com/event/index/48157/
セミナー詳細もこちらからどうぞ!



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CAS電子出版、明日から半額キャンペーンを期間限定で開催します

おはようございます。 CAS-UB営業担当です。
今日は、明日から開催するCAS電子出版 半額キャンペーンを紹介いたします。
昨年から、アンテナハウスでは電子書籍編集・制作WebサービスCAS-UBで制作した書籍を2冊、著作者の許可を得てDL-Marketで販売させていただいています。
今回、この2冊を明日、9月13日から月末の9月30日まで、期間限定で半額キャンペーンを開催いたします。

『はたらく人のための転職の実学』
 著者:小林秀男(はたらく人のための無料転職相談所 所長)
(概要)自己都合退職と会社都合解雇はどうちがうのか、退職しても守秘義務はあるのか、同業他社に就職してはいけないのか、転職したら企業年金はなくなってしまうのか、確定申告しなければならないのか、そんな転職をめぐる疑問にお答えします。
魔性のプレゼンテーション
 著者:加藤哲義(アートダーウィン合同会社 代表)
(概要)プレゼンでお客さんの心を捉えて製品の売上を少しでも増やしたいと、悩める中小企業経営者、営業マンの方々へ。 プレゼンテーションの名手、DITAコンソーシアム事務局長 加藤哲義氏がプレゼンの極意を伝授します。

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「DITAの不安」

昨日に引き続き、XML関連の営業担当です。
DITAに興味はあるがなかなか採用を決断することができない、という方もたくさんいらっしゃいます。
DITAフェスタで発表された事例紹介の中でも、DITA導入前に感じた不安の話が出てきました。いくつか代表的なものを抜き出してみましょう。
* ブック指向からトピック指向に変える必要がある
* DITAの考え方は従来の紙マニュアル(ブック指向)と異なっており、多くのライターがその考え方に慣れない
* 一つのタスクトピックに複数の手順を書くことができない
* 単一言語(日本語のみ)でも効果があるか?
* トピックを交換可能な部品としてとらえる必要がある
最後の「交換可能な部品としてとらえる」というのはもう少し具体的に言うと、「様々な形式で再構成される」「複数のメディアで利用される」「複数の製品のマニュアルで利用される」というようなことの可能性があるということを常に意識しながら執筆しなければならない、ということになるかと思います。
たしかにDITAというのは一度書いたトピックはとことんしゃぶりつくすという思想ですので、それを実現させるには今までよりも気を使わなければいけないこともあるでしょう。
さて、そんなDITAですが、エプソン・アメリカがDITA導入後3年間の定量的測定をしたところ次のような結果が出たそうです。
* 70-90%のプロジェクトからプロジェクトへの再利用率
* 50%のソース・コンテンツと改定履歴の調査時間の削減
* 4ヶ国語に対するフォーマット時間の短縮
* 40%の生産性の向上
* 70%の翻訳コストの削減
また農業機械メーカーのAGCOによると(82%が共通のエンジンなので)
* 15%のオーナーズ・マニュアル削減
* 18%のワークショップ・マニュアル削減
なのだそうです。
こんなにうまく行くケースばかりではないとは思いますが、ちょっと無視できない話ではあります。
それからDITAの利用率を地域別にまとめると、北米 72%、ヨーロッパ 22%、アジア 4% だそうです。さすがアメリカはフットワークが軽いですね。




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「DITAの理由」

こんにちは。XML関連の営業担当です。
1ヶ月半ほど前になりますが、恒例のDITAフェスタが7月12日に開催されました。今回も100名を超える方々にご参加いただき、DITAへの関心の高さを再確認することができました。
今までのDITAフェスタでは「トピックって何?」「conrefって何?」みたいなDITAの仕様の話が散見されましたが、今回は事例紹介中心の内容となり、参加いただいた方からも「事例の話がたくさん聞けてよかった」という声を多数いただきました。
当然「最近DITAの勉強を始めたばかりです」という方もいらっしゃいます。そういった方々にも満足していただけるにはどうしたらいいか、真剣に考えないといけませんね。
さてその事例紹介ですが、前半はエプソンアメリカ、AGCO、IBM、富士通ネットワークコミュニケーションズ、フリースケールセミコンダクター、シトリックスなどなど海外での事例の話で、後半はNECインフロンティアさん、日本電気さん、NECデザイン&プロモーションさんといった国内からの事例紹介となりました。
その中から、なぜDITAなのか、という部分を抜き出してみると…
* 翻訳コスト削減をしたかった
* 紙以外のメディア(iPad、WebHelpなどなど)にも対応する必要に迫られた
* オープンスタンダードな仕様で安心したかった
* ベンダーの縛りから逃れたかった(使っていたツールセットがもうサポートされていない)
* 執筆者によるばらつきをなくしたかった
* ファイル間のコピー&ペーストをやめたかった
といったあたりが共通項として浮かび上がるようです。
じゃあ、DITAを採用すればすべてがうまく行くのかというと、成功させるためにはそれなりの覚悟と努力が必要です。
明日は正反対のテーマ「DITAの不安」に触れてみたいと思います。




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CAS-UB サービスを海外向けにスタート

CAS-UB (Cloud Authoring Service for Universal Book) は、高品質な電子書籍(EPUB、PDF)を、インターネット上で制作・編集できるWEBサービスです。
このサービスを世界中の人に使ってもらおうと、英語化の作業を進めてまいりました。いよいよこの10月よりサービスの開始をいたします。
すでに O’Reilly’s Tools of Change for Publishing Conference や Digital Book World Conference and Expo などカンファレンスでデモを行ってきて海外では多くの関心を集めています。
CAS-UBは電子書籍の編集・制作を行なうためのWebサービスで次のような特長があります。
*クラウドサーバの上においた書籍の原稿や素材を対象に、Webブラウザから編集操作を行い、編集完了した段階でEPUB3やPDFなどの様々な形式の出版物を出力します。
*編集作業は内容と見栄え(コンテンツとレイアウト)を完全に分離した方法で行ないます。1回制作したコンテンツから多様な生成物を得る、ワンソース・マルチユース方式です。
*データはクラウド上で一元管理しますので、多人数の著者が一つの出版物のデータを分担して編集・制作する作業に最適です。
*商業出版に使うことのできる高度なレイアウトを指定したPDFやプロフェッショナルなデザインのEPUBを、簡単に作りだすことができます。
CAS オンラインショップを使って世界190ヶ国で使用可能で23種類の通貨に対応しているPayPal決済が可能です。10月のサービス開始に向けて、海外営業グループは今準備の真っ最中です。
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Best Practice 2012 Monterey, California


Best Practice 2012
は、DITAに焦点を置き、情報開発、トレーニング、およびサポートの管理者のための毎年恒例のカンファランスです。今回はカルフォルニア、モントレーにて9月10日から3日間に渡って実施される予定です。アンテナハウスは今年も参加してきます。
アジェンダを見ますと、 IBM Corporation、 Microsoft Corporation、Intel Corporation、Freescale Semiconductor, Inc. など業界をリードする北米の会社の発表が目立ちます。また、Comtech Services, Inc. Hewlett-Packard Company、Medtronic. Inc.、easyDITA、 Quark, Inc.などベンダーによる参加、ユーザの要望改善のためのアイデアをだし、具体的な新機能の開発ロードマップの発表が行われます。 一方、グループセッションでは、University of California、University of Wisconsin、Michigan State Universityなど大学教授が参加し、学術研究者や業界の専門家がお互いのニーズを満たすべく協力し情報提供のための講演が行われます。
アジア系企業としては中国のHuawei Technologies のインフォメーションアーキテクトの発表があります。ドキュメントの再利用によってマニュアルの最適化に成功した内容です。DITAが中国でどのくらい普及しているのか大変興味深いです。
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AH Formatter 導入事例紹介のセミナー資料(PDF)を公開しました。

先週、7月27日(金)に開催いたしました「第2回 AH Formatter 事例紹介セミナー」で使用した資料(PDF)を本日公開いたしました。以下よりダウンロードいただけますので、『AH Formatter』にご興味のある方、導入をご検討されていらっしゃる方には特にご覧いただきたく存じます。

なお、『AH Formatter』の導入事例の紹介は、以下の Webページに豊富にご用意しております。ご参考にしていただければ幸いです。
『AH Formatter』の導入事例紹介




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[書籍紹介] W3C技術ノート 日本語組版処理の要件

本ブログの記事「日本語組版処理の要件(2012年3月30日)」で紹介しました「W3C技術ノート 日本語組版処理の要件」が東京電機大学出版局から発売されています(2012年4月10日発売)。
W3C技術ノート 日本語組版処理の要件
W3C技術ノート 日本語組版処理の要件(Amazon.co.jp)
この書籍は、そのほとんどすべてが弊社『AH Formatter V6』によって組版されています。機会がありましたら『AH Formatter』でどのような組版ができるのか是非お手にとってご覧ください。
なお、本件の導入事例は、『AH Formatter』の「導入事例紹介ページ」に掲載しています。
AH Formatter V6 による JLReq の自動組版(AH Formatter 導入事例紹介)




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AH Formatter V6.0 改訂3版につきまして

2012年7月4日、AH Formatter V6.0 改訂3版を公開しました。
主な機能強化は以下のとおりです。
・PDF フォームのテキストフィールドに書式設定ができるようになりました。
・また、書式を設定したテキストフィールドに初期値の設定ができるようになりました。
この他、これまでの障害に対応しております。改訂内容の詳細は次をご参照ください。
AH Formatter V6.0 改訂情報
評価版は以下のページよりお申し込みいただけます。
AH Formatter V6 評価版のお申し込み
製品のご購入につきましては、事前に技術相談会を行っております。お気軽にお問い合わせください。
アンテナハウス システム製品技術相談会




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