第66回 「廃棄前の 「定期的な検査」 とは」

作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
資 格:上級 文書情報管理士、簿記3級、行政書士
本ブログの記載内容は、公開日時点での法令等に基づいています。
その後の法令改定により要件が変わる可能性がありますので、最新の法令などをご確認下さい。

「廃棄前の「定期検査」とは」について
これは、よくご質問を受けます。
例えば、「毎日検査すれば捨てて良いのか?」や「検査の抜取方法は要件があるのか?」や
「検査を外部の者に頼む必要はないのか?」等です。

では、下記の問66問67を見ていきましょう!

問66 規則第3条第5項第4号ロの「定期的な検査」とは、具体的にどの程度定期的に検査を行えばよいのでしょうか。

回答

最低限、1年に1回以上の検査を行う必要があります。

解説

平成27年度の税制改正において、規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)を新たに設けることにより、事務担当者間でチェック機能を働かせる仕組み(担保措置)が講じられました。
この要件のうち、同号ロの「定期的な検査を行う体制」については、個人事業者であっても、法人であっても、1年に1回決算を組むことが通常であり、これ以上の期間、検査を行わないとなると決算の際にも確認していないこととなるため、同号でいう「各事務について、その適正な実施を確保する」ことができていないと考えられることから、最低限、1年に1回以上の検査を行う体制が必要となります。

問67 規則第3条第5項第4号ロの「定期的な検査」は、検査の対象となる各事務を行っている者が行ってもよいのでしょうか。

回答

最低限、検査の対象となる各事務を行っている者以外の者が検査を行う必要があります。

解説

平成27年度の税制改正において、規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)を新たに設けることにより、事務担当者間でチェック機能を働かせる仕組み(担保措置)が講じられました。
この要件のうち、同号ロの「定期的な検査を行う体制」とは、具体的には、定期的に事務処理手続のチェック・検査を行う仕組み(体制、手続)がとられていることが必要とされるものです。
仮に、検査の対象となる各事務を担当している者が定期的な検査を行った場合において、紙段階で改ざんを行っているときには、チェック機能が働かないこととなります。
このため、最低限、その事務を担当している者ではなく、それ以外の者が定期的な検査を行う必要があります。
また、事業規模の小さな事業の場合、当該各事務を担当している者以外の者が検査を行うことが難しいことも想定されます。このような場合、外部の者に委託する方法なども考えられます。

よって、良くアドバイスしているのは
まずは四半期に定期検査して、習熟したら毎月検査で捨てる
この時、四半期時は従来の紙の管理方法を踏襲し、毎月時は分類仕分け程度の簡単な管理で一定期間保管することです。
どうせチャレンジするなら、スキャナ保存の業務サイクルで検索要件などを確保するのですから、
毎月検査廃棄がお勧めです。

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