「WebのPDFは重い」が迷信になる時代が来た

GoogleのChrome8がリリースされた。新しい機能として、PDF表示が加わったということで早速インストールして試してみた。
 
確かにPDF表示ができる。そして、「驚くほど速い」。
他のブラウザでは、WebページにリンクされているPDFは、ブラウザにプラグインされているPDF Readerを使って読んでいる。WebページにリンクされているPDFを表示するのはかなり時間がかかる。その時間にはブラウザからPDF Readerプラグインを起動したり、WebからPDFをダウンロードしたり、あるいはPDFをリーダがレンダリングする時間が含まれている。一昔前と比べるとこれらの諸元は全般的にかなり速くなってきているので、個人的には、PDF表示に最近はそれほどのストレスを感じていなかった。
しかしChrome8のPDF表示速度は次元が違う。
 
但し、このPDF表示速度を最大限に生かすには、Web上のPDFを「Web最適化」しておく必要がある。
 
○Web最適化とはなにかについては次を参照。
[Web 最適化PDFの意味、用途、効果]
Web最適化をしたPDFと最適化をしていないPDFを作って、Webサーバにアップロードし、それをChrome8で表示するのに要する時間を計測してみた。試したPDFは1,345頁で、約18MBのサイズのものであるが、環境によっては、1ページ目を1秒以下で表示できることが分かる。
Chrome-Comparison.png
但し、幾つか問題点もある。気がついた問題点を挙げると:
1.PDFの表示オプションが効かない。例えば、URLで、「abc.pdf#page=100」とすると、100ページ目を表示するべきなのだが、Chromeでは1ページ目を表示してしまう。
2.日本語の表示がおかしいところがある。例えば、縦書きに横書きフォントを使っているようでグリフ配置と向きが少しおかしい。
Chome8-tate.png
(Chrome8 による表示画面の一部)
3.注釈の表示は不完全。
多分、他にもいろいろ細かい問題はあるだろう。しかし、どうやらWeb上のPDF表示は重いという先入観を捨てるべき時期が来ているようだ。