新しい本作りのワークフロー XHTMLを交換形式に使う

少し前になりますが、境祐司さんのPodcastで交換形式の重要性を語っていて、その記事を次回の「読むウェブ ~本とインタラクション/gihyo.jp」に書くと言っていました。きっと第16回になると思い、心待ちにしていたのですが、第15回が7月15日で、もう1ヶ月過ぎたのになかなか発表されません。
 
これはあまりに革新的すぎて、編集部でリジェクトされたのではないかなどと妄想していますので、記事が出る前に勝手ながら、ちょっと解説してみます。境さんの方法は、動機と目的は違いますが、方法としてはオーム社開発局のIdeo Typeとかなり似ている方法です。
 
(1) Ideo Type方式は著者にXHTMLで原稿を書いてもらい、これをTeXに変換してTeXで書籍を制作する方法です。
 
(2) 境方式ではXHTMLを元にしてInDesignを使って書籍を制作する。書籍を制作したときの最終版までの修正箇所をまとめて、オリジナルのXHTMLに反映する。XHTMLを元にしてePubを作るという方法を取っているようです。
 
両方とも著者が書籍のコンテンツをXHTMLで作成するというところが共通です。この場合、問題はXHTMLの標準のままでは書籍に必要な次のような要素が表現できないということです。
・索引項目
・脚注(記号、テキスト)
など
 
Ideo Typeではclass属性値を規定して解決しているようですが、境方式ではどうしているのか?このあたりが気になっています。いづれにしても書籍のコンテンツをXHTML(拡張を含め)で表現するというのが、XHTMLエディタによる編集、Webとの親和性からしても一つの方法です。
 
境方式は、ワークフローの成果物としてePubなどの電子書籍を重視していますが、IdeoTypeは開発時点では電子書籍は配慮してないと思います。Ideo Typeを電子書籍向けに拡張していくのは簡単なはずです。
 
また、将来はXHTML文法からHTML5文法に変わるのかもしれません。いずれにしても、紙と電子を統合する新しい書籍制作フローの萌芽と思います。
Podcast: 境祐司さん




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