昨日のブログで、野口悠紀雄先生の本の「IT技術者の給与はインドや中国の水準に向かったため、IT関係の学科は人気がなくなったとか(米国の話です)」という話を紹介しましたところ、「いやそんなことはない、アメリカにおける最高の仕事(Best Jobs in America)」でIT系の職種がトップになっているという反論がありました。
確かに、Best Jobs in AmericaのFull List:2009年は、Systems Engineerが第一位です。
ざっとみて、Best Jobs rankの50位までにIT系職種が8職種入っています。
1 Systems Engineer
5 Information Technology Project Manager
8 Computer/Network Security Consultant
12 Software Developer
16 Software Product Manager
30 Telecommunications Network Engineer
39 Computer Software Program Manager
40 Applications Systems Analyst
でも、College Professor 3位よりSEが高く、Attorney/Lawyer 18位よりSoftware Developerが高いのはちょっと疑問を感じます。どういう基準でランク付けしているのでしょうか?
で別の表High Payを見ると、Software Architectが11万7千ドルで8位。Attorney/Lawyerは11万5千ドルで9位です。Software ArchitectはBest Jobs rankの50位ではランク外です。逆に、Best Jobs rankに入っているIT系8職種はHigh Payにはひとつも入っていません。ここから、Best Jobs rankでは給与には大きなウエイトを置いていないのだろう、ということが推測できます。
さらに別の表Job Growthを見ると、上位10位中にIT系職種が4職種入っています。
1 Telecommunications Network Engineer
2 Systems Engineer
7 Software Development Director
10 Computer/Network Security Consultant
一方、生活の質(Low stress)という点の上位10では、IT系職種が4職種入っています。
4 Software Developer
6 Telecommunications Network Engineer
8 Software Architect
これを見ますとSEを含めIT系職種がBest Jobs rankで上位になっている理由はどうも成長率が高い=働き口が増えているということ、比較的ストレスがないことなどではないかと思います。
但し、この成長率は恐らく過去10年の成長率です。将来、自分達と同じ仕事が増えるか?(Future growth)では、IT系職種で「増える」と予想する人はあまり多くないようです。
結局、何をもって最高の仕事としているのかは良く分からないにしても、この10年、IT革命でIT系職種の働き口が増えたことだけは確かなようです。