知っている人も多いことと思いますが、デジタル庁が運用しているGビスIDという認証システムがあります。従来は主に、行政サービスにログインするための共通IDとして利用するものでした。
GビスIDの利用状況を表示するダッシュボードを見ると、GビスIDを取得している法人数は94万9千で全法人の33%となっています(2026/4/24更新)。利用者は少しずつ増えているようですが、仕事で利用したい用途もなかったので、会社としての取得は見送ってきました。
ところが、2026年7月から、法務省が「商業登記リモート署名」を始めるということを知りました。現時点では、商業登記電子証明書(秘密鍵)は、端末側で使用するICカードまたはファイル形式で入手します。そして、端末にICカードリーダーを接続したり、ファイルをWindowsPCの証明書ストアに保存して利用します。このため、使用する場所(環境)が限られてしまったり、秘密鍵が漏洩しないよう自分自身で管理しなければならないなどの不便さがあります。これに対して、新しく始める「商業登記リモート署名」では、法務省が運営するサーバーに秘密鍵を保管します。そして、利用者はスマホや任意のPCからインターネットを経由して秘密鍵による署名ができるようになります。
この「商業登記リモート署名」を利用するには、利用者はGビズIDプライムのアカウントが必要です。
GビスIDのアカウントの種類は、エントリ、プライム、メンバーの3つあります。(それ以外にも、非公開の特殊用途アカウントがあるようです)。
GビズIホーム:アカウントの種類
エントリはだれでも取得できるのに対し、プライムは原則として法人の代表者でないと取得できません。メンバーはプライムが法人の社員などに付与します。
プライム・アカウント取得時には、法務省のデータベースにある商業・法人登記の内容と、アカウント申請者の個人データを照合して、申請者が代表者本人であるかどうかを審査することになっています。プライム・アカウントを取得するには、エントリから種別変更するのが一般のようです。
ここまで調べて、早速、GビズIDエントリのアカウントを取得し、プライムのアカウントに変更しようとしました。アカウント変更の手続きは、オンラインと書面があります。オンラインは即時に変更可能ということで、当然、オンラインでのアカウント変更に進みます。
オンラインによるアカウント変更のステップは概ね次のステップになります(一部想像を含む)。
(1)スマホにGビズIDアプリをインストールする
(2)GビズIDアプリでは2要素認証のためにつかう電話番号を登録する。
(3)GビズIDアプリを使って、申込者のマイナンバーカードの情報を読み取る
(4)申込者のマイナンバーカードの情報と法務省の商業・法人登記に登録されている代表者のデータを照合し、申込者が登記された代表者に一致するかを確認する。
操作自体はそれほど難しいものとは思いません。個人的には、e-Taxなどで、スマホを使ってマイナンバーカードの情報を読み取り、デジタル署名なども行ったことがあります。正確にはデジタル署名をしたかどうかは不明で、実際のところは、デジタル署名用のパスワード入力を求められて、それを入力したら処理が終了したことがあるのみですが。
ところが、(3)のマイナンバーカード読み取りの段階で、つまずきました。何回トライしても次の画面が表示されます。
2月の時点で、アプリを再インストールするなど何回かトライして埒があきません。あきらめてしばらく放置していたのですが、そろそろだいぶ時間も迫ってきたし、最後のトライということで5月中旬に再度試しましたが症状は変わりません。デジタル庁のサポートに聞くと、アプリの再インストールをしてみてくれと言います。それでもできないと、スマホを別のものに変更してみて欲しい、さらに、マイナンバーカード発行元の自治体でマイナンバーカードに異常がないか確認してみて欲しい。とのことです。しかし、e-Taxなどほかのサービスでは問題なく使用できているのです。エラーダイアログを文字通り解釈すると、「情報の内容が想定外」という意味合いなのでマイナンバーカードの情報は読めているとも見えるのですが・・・
せめてエラーの内容・状態についてのもう少し詳しい情報が欲しいと考えて聞いてみても、「デジタル庁のシステムの外部で起きているエラーなので原因がわからない」の一点張りでどうにもなりません。分かったのは原因がわからないということだけです。
結局、オンライン申請を諦めて書面申請することに。5月18日に書面を印刷して郵送しました。結果、25日の夕刻、GビズIDのエントリからプライムへの変更の受付完了メールが届いて、登録した電話番号のSMS認証で、手続きが完了しました。
デジタルより書面がスムーズという皮肉な結果となりました。





