日別アーカイブ: 2016年6月21日

第58回「問52 スキャナの読取サイズよりも大きい書類を受領した場合、その書類を分割するなどしてスキャナで読み取ることでも差し支えないでしょうか。」

作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
資 格:上級 文書情報管理士、簿記3級、行政書士
本ブログの記載内容は、公開日時点での法令等に基づいています。
その後の法令改定により要件が変わる可能性がありますので、最新の法令などをご確認下さい。

「問52 スキャナの読取サイズよりも大きい書類を受領した場合、その書類を分割するなどしてスキャナで読み取ることでも差し支えないでしょうか。」

回答

ディスプレイの画面及び書面に規則第3条第5項第6号の要件を満たし、整然とした形式かつ原稿と同程度に明瞭な状態で、速やかに出力することができれば、どのような入力方法でも差し支えありません。

規則第3条第5項第6号の要件 とは何でしょうか?下記引用をご覧ください。

 当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存をする場所に当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、映像面の最大径が三十五センチメートル以上のカラーディスプレイ及びカラープリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、当該電磁的記録をカラーディスプレイの画面及び書面に、次のような状態で速やかに出力することができるようにしておくこと。

 整然とした形式であること。
 当該国税関係書類と同程度に明瞭であること。
 拡大又は縮小して出力することが可能であること。
 国税庁長官が定めるところにより日本工業規格Z八三〇五に規定する四ポイントの大きさの文字を認識することができること。

解説

 規則第3条第5項第2号イ及びハにおいて、国税関係書類を読み取るに当たっての要件として200dpi以上、赤・緑・青それぞれ256階調以上及び書類の大きさに関する情報を保存することを規定していますが(同条第6項に規定する国税関係書類の場合は、いわゆるグレースケールで保存することが規定されており、また、書類の大きさに関する情報を保存する要件はありません。)、その他は特に規定していませんので、1頁の書類が2頁にまたがるなど、分割して出力されることなく原稿と同程度の出力ができる保存方法として規則第3条第5項第6号の要件を満たしていれば、入力方法については問わないこととされています。
したがって、本来はディスプレイに出力する際にファイル等が分割されることなく整然とした形式で出力することが必要であり、また、仮にA3の書類であれば当然にA3が出力できるプリンタ及びA3サイズの用紙を備え付けるべきですが、たまたま備え付けられているプリンタの最大出力サイズより大きい書類を1枚受領したときは、スキャン文書と元の書類の両方を保存することで差し支えありません。

(注) 備え付けられているスキャナがA3サイズに対応していないからといって、国税関係書類を複写機などで縮小コピーしたものをスキャニングすることは、法第4条第3項に規定する国税関係書類に記載されている事項をスキャニングすることには当たりません。

 

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PDF Tool API/PDF Driver APIのオンラインマニュアルとサンプル集を掲載中です

みなさん、こんにちわ。
本日は「夏至」。1年でいちばん昼がなが~い日ですね。
帰宅する時間もまだ明るくてわけもなくうれしい日々も今日までか・・・
しかも今日は大雨です。
地域によっては被害が大きくなっていて、心配です。

PDF Tool API、PDF Driver APIのページについて、ちょっとお知らせです。
まず、
 ・説明書のオンライン化
製品版/評価版に付けているAPIリファレンスやPDFの説明書をオンラインにしました。
それ以外の細々した補足的説明書も作成してアップロードしています。
見栄えがイマイチでまだまだこれから手をいれてもっときれいなページにしたいとは思っていますが・・・。

 PDF Tool API 説明書
PDF Driver API 説明書

そして、
 ・サンプル集
サンプルコードは製品版/評価版に付いていますが、実際に結果はどうなるの?、というあたりは気になりますよね。
コードとともに元ファイルや結果ファイルを掲載して、どういうことができるのかをイメージしていただけたら幸いです。
・・・などと言いながら、かんじんの掲載数がぜんっぜん少なくて、スミマセン。
鋭意努力中です。
「こんなサンプルを載せてほしい」「こういうページ作りだともっとわかりやすい」等々ございましたら、ぜひお知らせください!

 PDF Tool API サンプル集
 PDF Driver API サンプル集

 


XSLTを学ぶ (4) 式の構成部品としてのパスの使い方

前回[1]はパス(ロケーションパス)の構成法を学びました。続いてパスの使い方を調べてみます。

スタイルシートで重要な役割を果たす要素の一つにxsl:apply-templatesがあります。XSLT[2]の5.4 Applying Template Rulesを見ますと、xsl:apply-templatesの定義は次のようになっています。

<xsl:apply-templates
 select = node-set-expression
 mode = qname>
 <!– Content: (xsl:sort | xsl:with-param)* –>
</xsl:apply-templates>

select属性を省略すると、xsl:apply-templatesはカレントノードのすべての子供を処理します。select属性の値に式を記述することで、処理対象とするノードの集合を限定できます。この式はどのように評価されるのでしょうか?

XSLTの5.1 Processing Modelを読むと、ノードにmatchするテンプレート規則の中から、あるテンプレート規則が選択されると、テンプレート規則はそのノードをカレントノードとして起動されるとあります。

本書[3]には次のような例(2.18の一部)が出ています。

<xsl:template match=”body”>
 <fo:page-sequence master-reference=”main”>
  <fo:flow flow-name=”xsl-region-body”>
   <xsl:apply-templates select=”p”/>
  </fo:flow>
 </fo:page-sequence>
</xsl:template>

<xsl:template match=”p”>
 <fo:block>
  <xsl:apply-templates/>
 </fo:block>
</xsl:template>

最初のブロックのテンプレート規則(xsl:template)は、(要素ノード)bodyにmatchしています。従って、最初のブロックではbodyがカレントノードです。

XPath[4]の式は文脈ノードで評価されます。XSLTの4 Expressionsを見ますと、最も外側の式(ある式の一部でない式)は文脈を次のように取得します。

a. 文脈ノードはカレントノードから
b. 文脈ノードの位置は、カレントノードリストにおけるカレントノードの位置から
c. 文脈ノードの大きさは、カレントノードリストの大きさから

こうして、最初のxsl:apply-templatesのselect属性の値である式p(child::pの省略記法)の文脈ノードはbodyになることが分かります。こうしてselect属性によりbodyの子であるpを選択したノード集合を作ることになります。(bodyの子のpではない要素ノードや、bodyの兄弟p要素ノードは対象になりません)。

[1] XSLTを学ぶ (3) パスとは
[2] XSL Transformations (XSLT) Version 1.0
[3] 『スタイルシート開発の基礎』
[4] XML Path Language (XPath) Version 1.0

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次回:
XSLTを学ぶ(5)パターンの記述のためのパス

前回:
XSLTを学ぶ (3) パスとは

初回:
XSLTを学ぶ(1)XMLのツリーモデルとXPath/XSLTのツリーモデルではルートの意味が違う