XSLTを学ぶ (5) パターンの記述のためのパス

前回[1]は、「式の構成部品としてのパス」を調べてみました。これはXPath仕様[2]で規定されているものです。

もう一つは、「パターンの記述のためのパス」があります。こちらはXSLT仕様[3]で規定されています。本書(『スタイルシート開発の基礎』[4])では、パターンについては、3.7.1 パタン(p.33)で触れています。しかし、パスの役割についてはあまり詳しく記述されていませんので、仕様書で少し詳しく調べてみます。

式は主にselectの属性の値として設定します。XSLT V1.0ではselect属性は次の要素に定義されています。

xsl:variable
xsl:param
xsl:apply-templates (ノード集合式のみ)
xsl:value-of (文字列式のみ)
xsl:with-param
xsl:sort (文字列式のみ)
xsl:copy-of
xsl:if(論理式のみ)
xsl:when(論理式のみ)
xsl:for-each(ノード集合式のみ)

パターンは、スタイルシート規則(xsl:template)のmatch属性の値として規定されています。これを含めてmatch属性が使えるのは次の三つの要素です。

xsl:template
xsl:key
xsl:number

XSLTのxsl:templateの説明の項(5 Template Rules)にはパターンについて書いてあります。それを読みますと、select属性の式は、主にソース文書から処理の対象とするノードのリストを作るのに使われるのに対して、パターンはノードに適用するテンプレート規則を識別するのに使うという関係のようです。

パターンの構文は、式の構文のサブセットです。具体的には次のようになっています。

[1] Pattern ::= LocationPathPattern
| Pattern ‘|’ LocationPathPattern

パターンは一つのロケーションパスパターンまたは、それを’/’オペレータでつなげたものです。

[2] LocationPathPattern ::= ‘/’ RelativePathPattern?
| IdKeyPattern ((‘/’ | ‘//’) RelativePathPattern)?
| ‘//’? RelativePathPattern

[3] IdKeyPattern ::= ‘id’ ‘(‘ Literal ‘)’
| ‘key’ ‘(‘ Literal ‘,’ Literal ‘)’

IDkeyPatternは式では出てきませんでしたが、IDまたはkeyとなっています。あとは式としてのロケーションパスの生成規則で出てきたもの(第(3)回[5]を参照)と大よそ対応しているようです。

[4] RelativePathPattern ::= StepPattern
| RelativePathPattern ‘/’ StepPattern
| RelativePathPattern ‘//’ StepPattern
[5] StepPattern ::= ChildOrAttributeAxisSpecifier NodeTest Predicate*
[6] ChildOrAttributeAxisSpecifier ::= AbbreviatedAxisSpecifier
| (‘child’ | ‘attribute’) ‘::’

ChildOrAttributeAxisSpecifierは、child軸とattribute軸のみになっています。

[1] XSLTを学ぶ (4) 式の構成部品としてのパスの使い方
[2] XML Path Language (XPath) Version 1.0
[3] XSL Transformations (XSLT) Version 1.0
[4] 『スタイルシート開発の基礎』
[5] XSLTを学ぶ (3) パスとは

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次回:
XSLTを学ぶ (6) ステップの文法を追求する

前回:
XSLTを学ぶ (4) 式の構成部品としてのパスの使い方

初回:
XSLTを学ぶ(1)XMLのツリーモデルとXPath/XSLTのツリーモデルではルートの意味が違う




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