EPUB作りにおけるコンテンツとレイアウトを分離することの重要性

EPUBを作る上では、コンテンツとレイアウトを分離することが重要な理由を少し説明します。
1980年代の中ごろにWYSIWYGという技術が登場して、ワープロからDTP(デスクトップ・パブリッシング)までWYSIWYGを実現するソフトが大人気です。
 
最近の若い社員にはWYSIWYGという言葉を知らない人も見受けられますが、WYSIWYGとは、What You See Is What You Getの頭文字を集めた言葉で、その意味するところは「画面で見たとおりにプリントが得られる」ということです。
 
一見、画面が主体のようですが、これは、紙に印刷することを想定して画面上でレイアウトするという方法にもつながります。すなわち、紙をコンピュータの画面上で仮想する、すなわち、画面上で紙のまねをすることです。
 
問題点は紙は用紙の規格がいくつかに決まっており、その用紙に印刷することを予め予想してレイアウトすることになります。つまり、A4に印刷することを想定して、画面上をA4用紙に見立ててレイアウトし、そのレイアウトした状態を保存、印刷することになります。
 
この四半世紀に発展してきた印刷物制作のこのような方法は、読書端末上をつかって読むEPUBのような電子書籍制作ではかなり難しくなります。電子書籍端末の画面の大きさ(縦・横のドット数、その比率)は端末毎にばらばらなのに加えて、EPUBでは、リーダでEPUBを表示した状態で文字の大きさの設定を変更できます。そうなりますと、1行の文字数、画面の行数が変わります。特定の画面サイズを想定したレイアウト結果はめちゃくちゃになってしまいます。
つまり、大きさが固定の紙に対するレイアウトという、従来のやり方が通用しないのです。このようなときには、コンテンツとレイアウトを分離しておいて、レイアウトは出力装置にあわせて自在に切り替える仕組みが有効になります。ということで、コンテンツとレイアウトの分離方法の詳細についてはまた後日。
 
○コンテンツとレイアウトを分離する制作を徹底追及するCAS-UB
http://www.cas-ub.com/