前回の記事で、MDITAで使えるMarkdown(派生)の記法について紹介しました。
しかし、MDITAの特徴は「Markdownの文法でトピック指向ライティングしたものをDITAに取り込める」ことに限りません。
DITAの機能(の一部)をMDITAから使うことができるのです。
とはいっても、Extended ProfileでHDITA(HTML5)の記法を使用してのもので、
「MDITAの機能」と言っていいのかは微妙なところですが。
前回の記事内容ではMarkdownとしてMDITAを各種ツールで扱うことができましたが、
今回紹介する機能を使用して期待した出力結果を得るには、
DITAのパブリッシングエンジン[1][2]を使用する必要があります。
conrefやkeyrefでは、リンクのURLやファイルのバージョンなど
変更される可能性がある(そして文書自体に変化は無い)要素の
文書中には参照を残しておき、その内容を別ファイルに
置くことができます。動作のイメージ図は「DITA超入門」[2]をご覽ください。
<!-- about.md -->
AH Formatterの最新版は<span data-conref="latest.dita#ver" />です。
<!-- latest.dita -->
<ph id="ver">7.0</ph>では...
パブリッシュした結果では次のように表示されます。
AH Formatterの最新版は7.0です。
また、出力に表示する要素をフィルタできる機能も限定的に使用可能です。
data-props
属性に値を指定することで、トピック側の準備は完了です。
...XSL-FOでは上のように記述します。
<p data-props="notxslfo">もしCSS組版なら......</p>
フィルタの動作を記述する.ditavalファイルの中身はXMLで記述する必要があります。
<!-- ifcss.ditaval -->
<prop att="data-props" action="exclude" val="notxslfo" />
パブリッシュした結果では
...XSL-FOでは上のように記述します。
と、exclude
した値が消えています。
これらの機能は、HDITAではdata-conref
data-keyref
属性にid
を指定することで利用できます。
HDITAにはフレーズ要素<ph>
が無いので、
単語などのkeyref
やconref
での置き換えには
<span>
を用います。
LwDITAについてのより詳細な情報は、OASISによるイントロダクションのページ[4]や、前回の記事などをご覧ください。
次回は、MDITAからXDITA、DITAへの変換と編集についてを予定しています。