「DITAの不安」

昨日に引き続き、XML関連の営業担当です。
DITAに興味はあるがなかなか採用を決断することができない、という方もたくさんいらっしゃいます。
DITAフェスタで発表された事例紹介の中でも、DITA導入前に感じた不安の話が出てきました。いくつか代表的なものを抜き出してみましょう。
* ブック指向からトピック指向に変える必要がある
* DITAの考え方は従来の紙マニュアル(ブック指向)と異なっており、多くのライターがその考え方に慣れない
* 一つのタスクトピックに複数の手順を書くことができない
* 単一言語(日本語のみ)でも効果があるか?
* トピックを交換可能な部品としてとらえる必要がある
最後の「交換可能な部品としてとらえる」というのはもう少し具体的に言うと、「様々な形式で再構成される」「複数のメディアで利用される」「複数の製品のマニュアルで利用される」というようなことの可能性があるということを常に意識しながら執筆しなければならない、ということになるかと思います。
たしかにDITAというのは一度書いたトピックはとことんしゃぶりつくすという思想ですので、それを実現させるには今までよりも気を使わなければいけないこともあるでしょう。
さて、そんなDITAですが、エプソン・アメリカがDITA導入後3年間の定量的測定をしたところ次のような結果が出たそうです。
* 70-90%のプロジェクトからプロジェクトへの再利用率
* 50%のソース・コンテンツと改定履歴の調査時間の削減
* 4ヶ国語に対するフォーマット時間の短縮
* 40%の生産性の向上
* 70%の翻訳コストの削減
また農業機械メーカーのAGCOによると(82%が共通のエンジンなので)
* 15%のオーナーズ・マニュアル削減
* 18%のワークショップ・マニュアル削減
なのだそうです。
こんなにうまく行くケースばかりではないとは思いますが、ちょっと無視できない話ではあります。
それからDITAの利用率を地域別にまとめると、北米 72%、ヨーロッパ 22%、アジア 4% だそうです。さすがアメリカはフットワークが軽いですね。




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