- 作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
資 格:上級 文書情報管理士、簿記3級、行政書士
本ブログの記載内容は、公開日時点での法令等に基づいています。
その後の法令改定により要件が変わる可能性がありますので、最新の法令などをご確認下さい。
「問56 妻と2人で事業を営んでいる個人事業者ですが、規則第3条第5項第4号イの「各事務について、それぞれ別の者が行う体制」とは、具体的には、どのように体制を整備したらよいのでしょうか。」
本問いのポイントは、「それぞれ別の者が行う体制」です。
社内の不正な経理を防止するにはダブルチェックが重要ですよね!
よって厳しい要件のように思わないでふつうに対応しましょう!
回答
具体的な体制については事業規模等を踏まえ、個々に検討していく必要がありますが、最低限、国税関係書類をスキャナで読み取って保存する際には、スキャナで読み取った画像が紙の記載事項や色調と同等であることを確認し、タイムスタンプを付す事務とこれ以外の事務について、それぞれ別の者が行う体制を整備することが必要です。
解説
平成27年度の税制改正において、規則第3条第5項第4号(適正事務処理要件)を新たに設けることにより、事務担当者間でチェック機能を働かせる仕組み(担保措置)が講じられました。
この要件のうち、同号イの「各事務について、それぞれ別の者が行う体制」とは、具体的には、各事務に関する職責をそれぞれ別の者にさせるなど、明確な事務分掌の下に相互にけんせいが機能する事務処理の体制がとられていることが必要とされるものです。
事業規模の小さな事業者にとっては、1人で全ての事務を行うことが可能な場合もありますが、1人で全ての事務を行うこととなると、紙段階で行われる改ざんについてスキャナで読み取った画像を同一人が確認することとなるため、この要件を満たさないこととなります。
このため、「各事務について、それぞれ別の者が行う体制」については、最低でも、スキャナで読み取った画像が紙の記載事項や色調と同等であることを確認し、タイムスタンプを付す事務とこれ以外の事務について、それぞれ別の者が行う体制を整備することが必要となります。
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