第38回 証憑書類のスキャナ保存講座「QA 問5 売上伝票などの伝票類について、電子帳簿保存法の適用はどのようになりますか。」

作成者:アンテナハウス株式会社 益田康夫
資 格:上級 文書情報管理士、簿記3級、行政書士
本ブログの記載内容は、公開日時点での法令等に基づいています。
その後の法令改定により要件が変わる可能性がありますので、最新の法令などをご確認下さい。

問5 売上伝票などの伝票類について、電子帳簿保存法の適用はどのようになりますか。

申請が却下される例が記載されています。

回答

1 紙で作成された売上伝票などの伝票類が、企業内での決裁、整理などを目的として作成されている場合は、所得税法施行規則第63条第1項及び法人税法施行規則第59条第1項等に規定する保存すべき書類には当たらないことから、法第2条第2号(定義)に規定する国税関係書類に該当しないので、電子帳簿保存法の適用はありません。

2 一方、伝票が国税関係帳簿の記載内容を補充する目的で作成・保存され、その伝票が国税関係帳簿の一部(補助簿)を構成する場合には国税関係帳簿となります。

3 いずれにせよ伝票類は国税関係書類に該当しないためスキャナ保存を行うことはできませんが、前述の国税関係帳簿に該当する場合には、法第4条第1項及び法第5条第1項に規定する承認を受け、電磁的記録による保存を行うことは可能です。

4 したがって、上記のような売上伝票などの伝票類について、仮に保存義務者からスキャナ保存の承認申請書の提出があった場合には、税務署長等はその申請を却下することとなります。

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