Markdown記法とその派生は様々にあり、使用される場面もブログポストの原稿であったり、
Wiki記法(この記事ではHTMLへ変換される簡易記法、と考えてください)の1つであったりするので、「Markdownドキュメント」といっただけではどんな文書なのかはよくわかりません。「Markdown記法を使用して書かれている箇所があるドキュメント」くらいにはいえるのかもしれませんが。とはいえ、基本的な記法については共通しています。なので一度基本を覚えてしまえばその部分は他の派生へも通じ、その学習コストを下げることができます。
さて本題です。
「Markdownは分からないが手元にリッチなXMLエディタがある」そんなことはないでしょうか。
XML技術を駆使するDITAというドキュメントのアーキテクチャがあります。
いきなり導入するにはなかなか重量級な仕様と哲学があるので、
OASISのDITA CommitteeのSub Committeで、DITAやXMLを未だ使っていない層に向けたLightweight DITA(LwDITA)というものが考案されています[1]。
LwDITAはDITAの複雑な仕様から基本的なものを抽出し、XML、HTML5、Markdown(派生)の3つの形式でほぼ同じ表現力の記述を可能にしたものです。
特にHTML5、Markdownの形式(HDITA、MDITA)は、XML離れが激しい層へのアプローチ手法として考案された側面があり、XMLに触れなくともある程度のDITA体験が可能になっています。MDITAは単体ではGitHub Flavored Markdown(GFM)のサブセットのように扱えるので、GFMに対応したアプリケーションである程度執筆・編集のサポートが受けられます。
一方Oxygen[2]やXMetaL[3]といった、DITAをサポートするXMLエディタも
LwDITAもサポートし始めています。既にDITAのパワーをXMLエディタでフル活用されている方にはLwDITAの表現力は物足りないかもしれません。とはいえ、せっかくサポートされている機能です。もし手元に既にMarkdown対応のXMLエディタがあれば、試しに使ってみてはどうでしょうか。
参考資料
- [1] OASIS Lightweight DITA SubCommitteeのページ https://www.oasis-open.org/committees/tc_home.php?wg_abbrev=dita-lightweight-dita
- [2] アンテナハウスの Oxygen情報ページ https://www.antenna.co.jp/oxygen/
- [3] アンテナハウスの XMetaL情報ページ https://www.antenna.co.jp/xmetal/