従来のひな形契約に直接かかわる請負及び準委任に関する改正民法への対応について検討が必要です。主な論点としては、以下の通りです。詳細及び対応した他の事項については、各社の顧問弁護士に確認いただくか、専門家にご相談ください。
補足:本ブログ内容は、株式会社e-SOL(https://e-sol.tokyo/)の許可を以って転載したものです。
1 有償契約における規律の一本化
改正前民法においては、売買契約と請負契約でそれぞれ瑕疵担保責任の規定を置いていたが、 改正後民法においては、基本的に売買の 契約不適合責任の規定を準用する( 改正後民法 第 559条) ことで売買と同様の規律が及ぶものとし、請負契約において売買と重複する規定等を削除して規定を整理している。
2「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ
改正前民法では、仕事の目的物に「瑕疵」があった場合に請負人が所定の責任を負うとされているが、 改正後民法では、目的物が種類 、品質 又は数量 に関して「契約の内容に適合しない」場合に責任を負う 、と表現が変更されている。
3 契約不適合責任に基づく救済手段
(1)「修補」から「履行の追完」へ
改正前民法における瑕疵担保責任に基づく注文者による救済手段は瑕疵修補請求、損害賠償請求、解除 の 3つであったが、今回の改正でこのうち瑕疵修補請求にかかる改正前民法第 634条が削除され、請負についても売買契約の契約不適合責任に関する規定がする規定が準用準用されることになる結果、注文者は瑕疵修補請求に相当するものとして「履行の追完」請求ができることとなった(改正後民法第法第559条に基づく第条に基づく第562条の準用)。
(2)報酬減額請求権の追加
改正民法においては、契約不適合責任に基づく救済手段として、履行の追完請求、損害賠償請求、解除に加え、報酬減額請求が追加された( 改正後民法 559条に基づく第563条の準用。 )。
(3)債務不履行一般の損害賠償請求及び解除の規定の適用
改正前民法においては、瑕疵担保責任に基づく損害賠償及び解除が独自の条文として置かれていたが、改正後民法においては、当該条文が削除され、債務不履行一般の損害賠償※3及び解除※4の条文が適用されるようになった(改正後民法 第 559条、第 564条)。 これは、準用元である売買契約の契約不適合責任について、引き渡された目的物が契約の内容に適合しないことを債務不履行と位置付けたことによるものである。
(4)契約不適合責任の期間制限
改正前民法 の瑕疵担保責任では、仕事の目的物に瑕疵があったときは、注文者は目的物の引渡し(引渡しを要しないときは仕事の終了時)から 1年以内に瑕疵の修補、契約の解除又は損害賠償請求をしなければならないとされている。
詳しくは下記をご覧ください。
https://e-sol.tokyo/blog_articles/20200121.html