DITAでドキュメントを制作するとき、DITAコンテンツを出版(パブリッシュ)するのに重要な役割を占めているのがDITA Open Toolkit(DITA OT)です。
DITA OTはもともとはIBMが開発したものですが、DITAの仕様がOASISに寄贈されたとき、同時にSourceforgeでホストするオープンソースプロジェクトとなりました。
DITA OTについての現状や今後について、2013年4月に開催されましたCMS/DITA North Americaの最後にパネルディスカッションが行なわれました。
なお、パネルに先立って、有識者(275人)に対するアンケートが行なわれています。その結果では、
(1)DITA OTをサポートする組織はどこか?
・最も多かったのがボランティア:約180人。2位がIBM:約175人。
(2)DITA OTの入手方法
・最も多かったのがソフトウェアベンダが提供するデフォルト版:約140人強。2位がSourceforgeより入手:約130人弱。
などとなっています。
パネルの内容について主催者による録音を入手しましたので、以下に、簡単に紹介します。最初の発言者は、IBMのRobert Anderson氏です。
◆Anderson氏の発言要旨
DITA OTはOASISの完全外部にある独立のオープンソース・プロジェクトである。
IBMがDITAの仕様をOASISに贈与したとき、同じくDITA OTも放棄した。OTはSourceforgeに移され、しばらくの間はIBMの開発者が中心になって開発していた。その後、Jarno Elovirta(サイテック社)と、Deborah Pickettがかなり活動していた。Deborahは会社の管理上の事情で最近は活動していない。現在、JarnoとRobert Andersonが主な担当者である。この2年間の進歩は主にJarnoが週末にプログラムしたものである。ダウンロードはSourceforgeに残っているが、ソース管理は使いやすいGitHubに移している。
ドキュメントは最初のころはとても悪かった。最近改良された。
1年程前からKristen Eberleinがドキュメントを見ている。だいぶ洗練された。
・DITA OTはベンダー経由でエンドユーザに渡ることが多い。
・できるだけ後方互換性を保つようにしている。
・一部の不要なコードや速度低下の原因になるコードは取り除き始めているが、その変更点はリリースノートに記述する。
・ユーザーコミュニティからのリクエストはJarnoがとりいれる。
・月次のテストビルドで人々がチェックできるようにしている。障害の報告などがあったら直す。
・6ヶ月毎のパッケージ・リリースを目標とする。6月、12月。
◆参考
[1]GitHub: DITA Open Toolkit dita-ot (DITA Open Toolkit) GitHub
[2]SourceForge:DITA Open Toolkit DITA Open Toolkit Free Development software downloads at SourceForge.net
《注意》
DITA OTはプラグイン・アーキテクチャになっており、3rdパーティが様々なプラグインを追加できる。アンテナハウスは、独自のPDF用プラグインを開発して公開している。
https://www.antenna.co.jp/AHF/ahf_samples/#pdf5サンプル集 – AH Formatter V6