日本アニメーションの舞台裏

こんにちわ。
先日、「日本のアニメーション美術の創造者 山本二三展」に行ってきました。
「天空の城ラピュタ」、「火垂るの墓」、「もののけ姫」、「時をかける少女」などの美術監督を務めた方です。
私は「火垂るの墓」は見ていないのですが、その他の映画については、心に残る風景がいくつもあります。会場には、アニメーション用の背景画やイメージボードなど約160点が展示されており、美しさ、ち密さに感嘆しました。
山本さんのトークショーがありお話を聞いてきました。長崎の五島列島のお生まれで、九州のなまりが残る朴訥とした、温和な話しぶりをあたたかく感じました。
背景画作成のために、やはり、取材やスケッチ旅行はされるそうです。「火垂るの墓」は神戸、「もののけ姫」では屋久島、「時をかける少女」のモデルは西武新宿線中井駅や目白あたり。
でも、なかには、写真資料で済んでしまったという作品も。テレビアニメの「名探偵ホームズ」を手掛けたときは、ブリティッシュカウンシルなどから大量の資料を借りて描けてしまったので、ロンドンに行き損なったとか。。
印象に残ったのは、「火垂るの墓」の背景画作成のときの話でした。


清太が節子に母の死を告げられず、校庭の鉄棒で大車輪をするシーンがなかなか描けなくて悩んでいるとき、監督の高畑勲さんから、描けない時は詩を読め、と黒田三郎の「小さなユリと」を紹介されたそうです。読んでみたら、ああ、こういうのを描けばいいんだとスッとわかった、空襲後で散乱しているであろうがれきや土管を描くのをやめ、鉄棒の周りを象徴的にするために、校庭をまっしろに光らせたらOKがでた、という逸話でした。
そんなふうにインスピレーションを得ることもあるのか!と驚きました。でも、絵を描いているからこそ、詩からイメージがわきあがってくるのかもしれません。
「感性」というのは、こういうことなのだろうか。。。




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