DITA Open Toolkitの話

こんにちは。XML関連の営業担当です。
今日はDITA Open Toolkitについて少し書いてみます。
ここ数年、日本でも(欧米での人気に引きづられるように)DITA導入を検討するお客様が増えてきました。
おもに技術系のマニュアル(機械の整備マニュアルとか、自動車の取説とか)を効率良く制作/メンテナンスするための仕様で、現在は国際標準化団体であるOASISの管理下にあります。
※DITAのことをあまりご存じない方はこのブログの2011年09月26日~30日の記事をご覧ください。
さて、DITAで執筆したマニュアル原稿ですが、最終的にはHTMLやPDFなどにしなければ意味がありません。それを可能にするツールがDITA Open Toolkitです。
http://sourceforge.net/projects/dita-ot/ でダウンロードすることができ、誰もが自由に使うことができるオープンソースなツールです。
DITAが大きく注目されているのには2つ理由があります。
* OASISが勧告する世界標準仕様であること
* DITA Open Toolkitという無償で使える処理系がすでにそこにあること
今まで、自動組版の処理系を作るために各企業毎に膨大な予算をつぎ込んでいたわけですが、DITAの場合はそれがタダで使えてしまうわけです。
DITA Open Toolkitはおもに次のようなことを自動的にやってくれます。
(a)マニュアル制作に必要な原稿ファイルを集める
多数の原稿ファイル(トピックファイル)や画像ファイルの中から必要なファイルを1ヶ所にかき集めます。
(b)条件処理を解決する
同じ原稿ファイルを使いながら「今回は初心者向けのマニュアルを作りたい」「今回は上級者向けのマニュアルを作りたい」などといった条件を解決します。
(c)conrefやkeyrefを解決する
DITAでは外部ファイルを参照して出力内容に反映させる機能がいくつかあるのですが、それを解決します。
(d)PDFやHTMLを作る
最終成果物を出力します。
では、Open Toolkitを使えば、即、作りたいものが作れるのか、というとぜんぜんそんなことはありません。あくまでもサンプル程度の成果物が出てくるだけです。自分好みのものを作るにはそれなりのカスタマイズが必要になります。
弊社にはOpen Toolkitを熟知した技術者がいます。今までに印刷機器メーカーさんや航空関連会社さん、計測器メーカーさん等においてカスタマイズのお手伝いをしてきました。また現在、ある電機メーカーさんのお手伝いをしています。
カスタマイズについてのお問い合わせをお待ちしております。営業担当:小林(guten@antenna.co.jp)までよろしくお願いいたします。
9月26日記事 「これ以上ないくらい分かりやすいDITA入門(当社比)」
9月27日記事 「DITA超入門 ― トピックとマップ 避けては通れないはじめの一歩」
9月28日記事 「DITA超入門 ― フィルタリング トピックを効率的につくる!」
9月29日記事 「DITA超入門 ― 特殊化ってなに?」
9月30日記事 「DITA超入門 ― まとめ」