目次 vs しおり vs アウトラインの微妙な関係

ここでは、「目次」と「しおり」と「アウトライン」という長文文書のパブリッシングに重要な機能について考えてみます。

目次」とは、冊子本などの最初の方にある、あのページです。「目次」といえば、だれでもイメージが湧くのではないかという位ポピュラーな存在。冊子本で目次のないものは少ないのではないでしょうか。

しおり」という言葉で思い浮かべるものは人によって違うかもしれません。ここでは、PDFファイルのしおりのことを示します。しおりとはどんなものかを知らない人は、次の解説文を読んでみてください。

PDF資料室: PDFのしおりってなに? どうやって作るの?

アウトライン」いう言葉では、人によって思い浮かべる内容は、「しおり」よりもさらに多様かもしれません。ここでは、Microsoft Wordのアウトライン機能を指し示します。アウトラインとは何か、は次のWebページをご参照いただくと良いでしょう。

Antenna House Office Servers資料室: Microsoft Wordのアウトラインと見出しスタイルを活用する方法(概要)

「目次」と「しおり」と「アウトライン」はかなり似通った存在ですが、しかし、微妙に違う点もあります。

そこでざっくりとした比較表を作ってみました。3者が微妙に異なるのは、たぶん、素性が異なるためではないかと思うのですがどうでしょう。特に、アウトラインは、アウトライン編集機能から由来することで、編集操作を伴っています。

PDFのしおりはなんとなく、後から取ってつけたような印象もあります。

比較項目 目次 しおり アウトライン
主な対象 冊子本。冊子本のPDF版(デジタル冊子本) PDF Word文書
英語 TOC (Table of Contents) Book Mark(ISO 32000では、document outlineとなっている) Outline Level
場所 冊子の本文の手前(前付け)に配置する しおりのWindow アウトラインWindow内
役割 本の内容構成を章・節レベルで把握できる PDFファイルのナビゲーション Word文書の編集機能の一部。ツリー編集操作が付随する。
指し示す先 本の内部(分冊のとき、例えば上巻に下巻の目次が配置されることもある。 指し示す先はPDFファイルの内部、別のPDFファイルの内部、Webページなど自由度が高い Word文書の内部
行き方 冊子本ではノンブルで行先を示す。デジタル冊子本ではリンクがあると便利。双方向リンクがあると特に便利。 リンク アウトラインは編集用途なので行き方は二の次。
本文との関係 取り外しはできない PDF編集ツールがあれば、脱着可能、本文から参照しない。PDFリーダー依存。 脱着できない。本文に設定する。表示を別ウィンドウ

冊子本のナビゲーションはページ番号(ノンブル)を使用する。一方、デジタル冊子本や、PDFではナビゲーションにはノンブルよりもリンクを使うのは便利である。ノンブルはページ数の増減に弱いが、リンクはページ数の増減があっても問題が生じないという自由さがある。




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